本当にミスが多くてすみません…
10/4日修正
全国大会が開かれる場所は名古屋。
京都からはそれなりに遠い場所であり、会場まではバスで移動する事になる。
「鈴木で最後ね」
「すみません…遅くなってしまって」
「時間通りだから」
あすか先輩にそう言われて、バスに乗り込む。
中に入ると、皆が座ってワイワイ話し合っているのでそこそこうるさかっ
た。車内を進んでいくと。
「拓哉君…ここ空いてる…」
「みぞれの隣しか空いてなさそうだし…隣座ってもいい?」
「うん…いいよ」
みぞれの許可を得て、隣に席に座る。
みぞれの隣だったら希美が座るだろうという話が出てくると思うが、今回はパート毎に分かれているのである。
人数の多いトランペットやフルートはもう一台のバスに、僕達みたいに少ないパートとモニカの面々がこっちのバスに振り分けられた訳である。
「黄前ちゃん、頑張ってね」
「はい!頑張ってきます」
後ろからは夏紀と久美子の声が聞こえてくる。
あすか先輩は、先頭の椅子に座るので夏紀が隣に座った形なのだろう。
そんな事を思いながら、僕は鞄を開け中から飴を取り出す。
「拓哉君、それ私にも頂戴」
「いいけど…」
道路を挟んで隣に座っていた友恵が飴をくれと言ってきたので、一つ渡した。
「これめちゃ美味しいじゃん」
「それなりに値段するし美味しいに決まってるでしょ…」
「じゃ、私からこれお返しに」
「食べ物じゃないし…」
友恵が渡して来たのはおまもりだった。
「いいでしょ、何もないよりは」
「それはそうだけど…」
友恵と話していると制服が引っ張られて後ろに振り向く。
「私にも…飴頂戴…」
「うん。はい」
「ふふ、ありがとう」
みぞれに飴を渡した事で、その後、私にも頂戴コールが殺到し気づけば為は無くなっていた。高かったんだけど…みんなが喜んでいるならいいけど。でもさみんな1つだけの中、4個持っていった夏紀とさりげなく3個持っていた久美子…それは違うでしょとだけは言っておきたい。
******
全国大会を明日に控え、今日は明日に備えての練習を行い、今はホテルの中に居た。
同じ男子達は、同じ部屋でワイワイとしている中、僕は優子に呼び出されていた。
「お待たせ」
「待ってないわ」
優子はそう言いながら、自分の隣に座るように手招きをしていた。
その手招きに招かれるように、僕は優子の隣に座る。
「いよいよ明日ね」
「何、急に」
「香織先輩と一緒に吹けるのが最後だと思うとね…」
優子は、そう言って涙を浮かべそうになっていた。
僕は、優子の背中を摩りながら言う。
「大丈夫だよ。また吹ける機会はあるんだからさ」
「うん…」
優子とそんな会話をして、その後部屋に戻ると、滝野に揶揄われたので、滝野を軽く絞って、そのまま就寝に就くのだった。
次の日、会場である名古屋国際会議場の騎士像の前に僕達は居た。
「みんなーちゃんとリボン付けてるー?」
晴香先輩の言葉を聞いて、部員達はリボンが付いてるかを確認する。
僕もみぞれも付いているので大丈夫。
「あれ?どこやったっけ」
「付いてる付いてる」
「パーカスの順路違うから気をつけてね」
「はい」
そして、リハーサル部屋に入って
「いよいよ本番です」
「私たちは春に、全国大会出場という目標を掲げここまでやってきました。結果を気にするなとは言いません。ですが、ここまで来たら、まず大切なのは悔いのない演奏をすることです、特に3年生」
滝先生はそう言って、三年生に言う。
「今日が最後の本番です。この晴れ舞台で、悔いのない演奏をしてください」
『はい!』
「先生、ひと言いいですか?」
滝先生の言葉を聞いて、晴香先輩がそう言って、僕達の前に立つ。
「もちろんです、どうぞ」
「ついに本番だよ!私、今日だけは、ネガティブなこと絶対言わない。私ね、今、心の底からワクワクしてる。いい演奏して、金を取って帰ろう!」
晴香先輩の言葉を聞いて、僕達には気合が入る。
「じゃあ、副部長のあすか」
「えーっと、全国に関してみんなにいろいろ迷惑をかけてしまいました。こうやって、この場にいられるのは、本当にみんなのおかげだね。ありがとう」
あすか先輩はそう言って、頭を下げて続けて言う。
「今日は、ここにいるみんな北宇治全員で、最高の音楽を作ろう!それで、笑って終われるようにしよう!」
『はい!』
「ご清聴ありがとうございました!晴香!」
「よーし!では皆さん ご唱和願います」
「北宇治ファイトー…」
『おーっ!」
お馴染みの挨拶をして、ステージ裏まで移動して、みぞれの隣に立つと、久美子がやってきた。
「鎧塚先輩…鈴木先輩」
「今日、最高のリード」
声を掛けてきた久美子に、みぞれはそう返す。
「へえ~そうなんですか」
「うん」
手をグーにして久美子に差し出すみぞれ
「え?えっと…」
「久美子、ほら」
「そういう事ですか」
意図が伝わったのか僕の手を見て、久美子は僕とみぞれの手にグータッチを交わしてくれた。良かった。
「フッ…フフフ」
「お姉ちゃん来てるんでしょ?頑張ってる姿を見せないとね」
「はい!」
いい返事をしてくれた久美子にあすか先輩が近づいてきて
「葵、来てるんだって」
「あすか先輩」
「わざわざ、チケット取ったんだって、すごいねー倍率高いだろうに」
葵先輩…凄い。今日は葵先輩にも久美子のお姉さんの為にもここは頑張ろうかな。
もちろん、それだけじゃないけどね。
「すごいですね。実は今日、うちのお姉ちゃんも来てるんです」
「へえ…それは頑張らないとだね。黄前ちゃんも」
「ですね」
「北宇治、行くよ」
「うん、行くよ」
「はい…!」
カーテンが開き、僕達はステージに向かって歩き出す。
その時、夏紀と目が合って、
「拓哉!頑張ってね」
と声をかけてきた。
「当たり前。頑張ってくるよ」
とだけ言ってステージに着いた、
『プログラム3番 関西代表 北宇治高等学校 指揮は…』
僕達、北宇治の演奏が始まった
ヒロインは?
-
小笠原晴香
-
中世古香織
-
鳥塚ヒロネ
-
喜多村来南
-
傘木希美
-
加部友恵
-
井上順菜
-
剣崎梨々花