演奏が終わって、部員の皆は自由に動いている中。僕は会場内にある喫茶店に来ていた。
しばらくして、優子が入ってきて僕の姿を見るとすぐさまやってきた。
「拓哉は本当に変わらないわね」
「優子、なんでここに?」
「みぞれに聞いて」
「まぁいいや、好きな物頼んで奢ってあげるから」
「ありがとう」
と言った優子は一番高いパフェを頼んだ。
最近、遠慮が無くなってきた気がするな…
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『お待たせいたしました それでは ただ今より 高等学校 後半の部の表彰式を行います』
「いよいよだね」
「はい」
『では始めに 本日のコンクールに出場された指揮者の方々に指揮者賞を贈呈します』
「指揮者賞?」
『敬称は略させていただきます』
『各校の指揮者に送られる賞です 結果発表は そのあとに…』
『山岡弘幸』
「せーの! 山ちゃん大好きー!」
「何?」
「しまった! これがあった!」
「どうする?何も決めてないよ」
「拓哉君、何か言って」
「無茶言わないでください」
他校の掛け声を聞いて、これがあった事を思い出した。
ヒロネ先輩から無茶な事を言われたけど、流石に何も思いつかないって
『鈴木哲平』
「せーの! 哲平先生 マジイケメーン!」
次々と、出場高校の先生達が呼ばれていく中、滝先生の出番が次まで迫ってきていた。
「次だよ」
「間に合いませんね…」
「こんな時にあの2人は…」
「ステージの上だし」
来南先輩、加藤先輩が言う通り、晴香先輩、あすか先輩はステージ上だった。
こればっかりはどうしようもないか…
『滝昇』
「誰か 何か…」
その時、僕の前に座っていた高坂さんが立ちあがった。
「えっ?」
「ん?」
久美子もそれが気になったみたいで高坂さんの事をジッと見て、声をかけようとしたが遅かった。
『先生! 好きです!』
と高坂さんの言葉が会場に響き渡った。
『吉崎修介』
「せーの 吉崎先生 ありがとうー!」
「麗奈」
久美子が高坂さんにそう声をかけると、高坂さんは思い出したかのように( ゚д゚)ハッ!となって椅子に座った。
「どうしよう… 告白しちゃった こんな所で」
「フフフ 大丈夫 みんな告白だと思ってないから」
「そうそう、誰も思ってないから安心していいから」
「先輩…」
高坂さんが僕の事を見ると、後ろの方から
「高坂! マジ ファインプレー!」
「ありがとう 助かった」
「ね?」
「ほら誰も思ってないでしょ」
と言うと、高坂さんは安心した表情に戻っていた。
『お待たせいたしました 高等学校 後半の部の 成績を発表いたします』
「いよいよです」
『1番 義雁商業高等学校 銀賞』
『表彰状 銀賞 高等学校の部 義雁商業高等学校殿…』
「葉月ちゃん」
「ん?」
「麗奈ちゃんって 先生のこと好きなんですかね?」
「発表に集中して!」
『2番 片敷高等学校 ゴールド 金賞』
片敷高校吹奏楽部の歓声が起こった。
「次か…」
『3番 北宇治高等学校』
-会場外-
「何だ? そのショボくれた顔は ちゃんと笑え!」
「って言われてもなぁ…」
僕達、北宇治高校は銅賞だった。
つまりは、参加賞である。
「鎧塚さんと鈴木の二人で行けると思ったんだけどなぁ」
「そんな甘い世界ではないって事ですよ来南先輩…」
二人で金賞なんか取れる訳ないでしょ、冗談で言ってるとは思うけど
「来年は金賞を取ってる姿見せてね」
「…はい。必ず…」
「まさか…高坂が滝先生の事を好きなの知らなかったわ」
「あれっ?知らなかった?」
「拓哉は知ってたの?」
「うん、色々とあって…知ってたよ。だからあの時のあれ…みんなは褒めてたけど。告白みたいなもんだったし…」
「みんなー集合してー!」
「行くか」
「そうね」
晴香先輩に集合をかけられ先輩の所に向かおうとすると優子に呼び止められた。
「あっ、拓哉」
「何?」
「ううん、なんでもない」
と優子は行って僕よりも先に行ってしまった。
僕は彼女の後を追った。
「私たち3年はこれで引退です 最後になりますが 今日までこんな不甲斐ない部長についてきてくれて ありがとう この1年はイヤなことも いっぱいあったけど… 不安なことばっかりで ツラかったけど それ以上に みんなとの演奏が楽しくて… 」
そう言った晴香先輩は泣き出した。
「では 泣き虫部長に代わって ひと言 正直 今日の演奏で言いたいことは何もありません 北宇治の音は全国に響いた! 私たちは全力を出し切った ホントに みんなお疲れさま そして3年生は これで引退 あとは2年生の天下です もう不安しかありません」
「えー 私は 皆さんが知ってのとおり 回りくどい話はできないのではっきり言います 今回の結果 私は めちゃくちゃ悔しい でも3年に雪辱の機会は もうない こんな思いは私たちだけで たくさん だから来年は必ず 金賞を取って これは最後の副部長命令です 分かった?」
『はい!』
「よーし! その返事 忘れないよ 卒業しても 毎日 見に来るからねー」
「先輩 それ最悪です」
「えー ちょっ… なんでよー」
「僕は見に来てもらってもいいですからね」
「ちょ、余計な事を言わない」
なんて会話を交わしていると
「お姉ちゃん!」
「え? あ…」
「ちょっと…」
「久美子」
久美子が走っていった。
お姉さんを見つけたんだと思う。
「えっ 黄前さん?」
晴香先輩の肩に手を置くあすか先輩
「あすか?」
「あとで ちゃーんと叱ろうね 」
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花