時期は秋を通り越して、12月半ば。ここ宇治にも雪が降る季節になっていた。
「そうそう。そんな感じ」
「お兄ちゃんがまた新しい楽器に手を出してる…」
合宿の時にクラリネットを教えてあげると言ってくれたヒロネに教えて貰っている最中なのだ。
そんな練習を見ていたさつきは呆れていた。
「さつきちゃん、お兄ちゃんは挑戦してるんだよ。頑張って応援してあげて」
「さつきはチューバやって欲しいんだけど…」
「チューバはちょっと…」
「なんでぇ…」
決してチューバが悪いわけではない。
「拓哉君だからかな。すごく飲み込みが早いね。この調子で行けばりえちゃん越せると思う」
「ダブルリードのパートリーダーやってるんで…2人しか居ないけど…」
「いいじゃん、パートリーダーしながらクラやるの」
「そんな話聞いた事ないから…」
パートリーダーやってるのに、他の楽器でコンクール参加しようとする馬鹿がどこに居るって話だ。
その後もヒロネに教えてもらった1日だった。
******
「オーボエ…見違える様になるくらいに上手になったわね。私よりも上手だわ」
「何言ってるんですか…神子先生…」
僕の名前にいる人は、
オーボエ、フルート、クラリネット等の木管楽器を教えてくれる先生で、中学ではクラで、高校ではオーボエで全国金を取った事のあるとか…。
そして僕を楽団に誘ってくれた張本人で、滝先生と同じ音大出身だと。
最初、聞いた時はびっくりした。
「関西大会の時観に行ったけど、拓哉君の音聞こえてきたよねサリーちゃん」
「はい!拓哉さんの音凄く聞こえて来ました」
「そう?サリーちゃんに言って貰えると嬉しいなぁ」
サリーちゃんと呼ばれているこの子は義井沙里ちゃん。
クラ奏者でかなり上手な女の子。今は、南中の二年生。
「拓哉さんと一緒に吹けないのが本当に残念です…」
「こればっかりはね…」
僕が卒業するタイミングで入れ替わる形で入学するので、一緒にコンクールには出れないのだ…機会があれば、一緒に吹きたいものだ。
「拓哉君の時間を聞いてくるもんねサリーちゃん」
「ちょっと言わないでください先生…」
すると、先生はサリーちゃんの耳元で何かを囁いた。
そしてサリーちゃんの顔が赤くなった。
「何の話してるんですか?」
「それは私達だけの話だから。ね、サリーちゃん」
「は、はい!そうです。拓哉さんには話せない事なので」
「そっか…聞いてごめんね…」
「いえ…」
顔が赤いままのサリーちゃんが気になるけど、内緒の話みたいだしこれ以上聞くのは辞めておこう。
そして、サリーちゃんと一緒に練習をやってその帰り道
「拓哉さんって彼女さんって居ないんですか?」
「彼女?居ないよ」
「そ、そうですか…」
沙里ちゃんがそう言って、何かを言おうとした瞬間
前から、何回も見ている顔がやってきた。
「拓哉、こんな時間まで何やってんのよ」
「音楽教室からの帰りなの。そっちこそどうしたの?」
「買い物の帰りよ」
と言う優子の手には買い物袋があったのでそうなんだろう。
そして、優子はサリーちゃんに気づいた。
「ねぇ、その子誰?」
「義井沙里ちゃん、一緒の音楽教室の子なの。で、今送って行く途中なの」
「へぇ…ちゃん呼びなんだ〜」
「何?」
「いやー別に。随分と仲が良い事で〜」
とニヤニヤとしながら言ってくる優子。
そんなやりとりを見ていたサリーちゃんがいきなり抱きついて来て
「あの…貴方が誰か知りませんが…拓哉さんは私の大事な人なので…その…取らないでください!」
「なぁ!?」
サリーちゃんの言葉に驚いたのか優子は悲鳴に近い声を出した。
「拓哉…その子とどういう関係よ。まさか付き合ってるとか!?」
「付き合ってるとかはない」
「あっそう。付き合っていないならいいわ。私帰るから」
と言って優子は僕達の前から去っていった。
「なんだったんでしょう…」
「さぁ…」
優子の様子がおかしいのは分かっていたが、先生に頼まれた以上。サリーちゃんをほっていくのは無理だったので、優子の事を追いかけるのは無理だった。
今回の話。伏線だったりします。
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
-
小笠原晴香
-
中世古香織
-
斎藤葵
-
姫神琴子
-
鳥塚ヒロネ
-
吉川優子
-
中川夏紀
-
鎧塚みぞれ
-
傘木希美
-
加部友恵
-
島りお
-
黄前久美子
-
高坂麗奈
-
川島緑輝
-
加藤葉月
-
井上順菜
-
堺万紗子