ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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9/17日修正


5.報われる苦労人

 

 

「何なの!あの先生!」

 

 

今日も練習が終わり、帰宅しようとした所、今日もまた吉川に捕まって、ジャンクフードもお店に居て、彼女に奢る形になり、目の前にはポテトとカップに入ったジュースが合った。今日は、吉川の愚痴を聞く羽目になるのか…

 

 

「まぁ…あれも練習の一環だと思って、我慢するしかないよ」

 

 

先日、グラウンドを走る練習が始まった。

一日だけかと思ったが、今日で二日目。それに対して彼女はキレてるんだろうと思った。

 

 

「ふん、えらくあの先生の味方をするのね」

 

 

「別に味方してる事はないし、吉川の言いたい事も分かる」

 

 

イライラしている彼女をこれ以上怒らせないようにしながらも、彼女の事をフォローする。このジュース美味しい。

 

 

「分かってるならいいわ、でも、滝先生の事を評価してるわよね、高坂と同じくらいに」

 

 

「高坂さんがどこまで評価してるかは分からないけど、確かにそこそこの評価があるのは事実だね」

 

 

実際問題。滝先生は良い先生だよ。

やり方…言い方か。言い方になんか棘はあるけど。

 

 

「私達があの先生に良い印象がないのも分かってるわよね?」

 

 

「まぁ…いきなりあの練習はきついと思うし。先輩達の反応を見ていれば分かる」

 

 

「そうよね…いきなりやってきて…鈴木、なんとかできない?」

 

 

「はっきりと言うけど、それは無理」

 

 

先日の岡先輩といい、彼女といい、何故そこまでして僕を頼るのか。

部長と副部長に言えば…と言いたい所だけど…まぁ…無理だよね…

晴香先輩はアレだし、あすか先輩は興味無さそうだし……かといって、香織先輩……うーんって感じだし。

 

 

「なんでよ!」

 

 

「最初に言ったけど、僕にとっては上手になる為に必要な練習だと思ってるから」

 

 

「鈴木…」

 

 

僕の言葉を聞いた吉川はそう呟いた。

 

 

「…納得はしていないけど。そういう事にするしかないよね…」

 

 

「納得するのが難しいから、今は先生を信じるしかないよ」

 

 

僕がそう言うと、彼女は納得したような表情を浮かべて、席を立った。

 

 

「分かったわ。話を聞いてくれてありがと」

 

 

彼女はそう言って、財布からお金を出してきた。

 

 

「話を聞いてくれたお礼。この分は私の奢りにしておいてあげる。次は奢って頂戴」

 

 

とだけ吉川は言って僕の元から去って店を後にした。

 

 

「何か別の問題が起きそうな気もするけど…今は大丈夫だと思いたいな」

 

 

と言った言葉はそう遠くない未来にやってくることになるのだが…この時の僕は知る由もなかった。

 

 

 

 

 

*******

 

 

吉川と話をしてから。何日が過ぎた。

 

もちろん、その数日の間にも色々とあった。

先生があまりにも、きついことを言うものだから泣いた先輩がいたというのも聞いた。

 

滝先生への不満はとても大きく、そのエネルギーが部員達の団結力へと形を変えて行き、なんとか乗り越える事が出来たと思う。

 

 

-合奏当日-

 

 

「約束の日になりました。この一週間の成果が楽しみです。鳥塚さんおねがいします」

 

 

と滝先生の言葉で先輩、同級生。そして一年生。ここに居るみんなの目には闘志が溢れていた。ここに居るみんなは、ただひとつ『滝先生を見返すために』という気持ちを持って

 

 

海兵隊を演奏をした。

そして、演奏を終え

 

 

「いいでしょう 細かいことを言えばまだまだ気になるところはありますが、何よりもみなさん、今、合奏をしていましたよ」

 

 

と今までの練習を乗り越えてきた自分たちにとって報われた瞬間だった。

それは、みんなが同じ事を思っていたようで表情が明るくなる。

 

 

「小笠原さん これを皆さんに配って頂けますか?」

 

 

滝先生はそう言って、晴香先輩に紙を渡していた。

 

 

「それではみなさん、おまたせしました。サンフェスに向けての練習メニューです」

 

 

そこにはがっつりと書かれた練習メニューがあった。

平日は当たり前だが。土日も練習が入っていた。

 

 

「げ、これ本気でこなすのかよ?」

 

 

「日曜も?」

 

 

「曲はなんですか?」

 

 

「譜面は明日配ります。お楽しみに。さて、残された日数は多くありません。ですが、みなさんが普段若さにかまけてどぶに捨てている時間をかき集めれば、この程度の練習量は余裕でしょう」

 

 

やっぱり、この先生。優しいのかそうではないのか分からないな本当に

 

 

「サンフェスは楽しいお祭りですが、コンクール以外で有力校が一堂に集まる大変貴重な場でもあります。この場を利用して、今年の北宇治は一味違うと思わせるのです」

 

 

「でも今からじゃ?」

 

 

「出来ないと思いますか?私は出来ると思っていますよ。なぜなら私たちは全国を目指しているのですから」

 

 

出来る出来ないの話ではない。

全国を目指すと言ったのは僕たちなのだ。

やるしかないのだ。

 

それも、他の高校と違い。遅れているのだ。

ここから全国に行ったら、面白いじゃないかと僕は思った。




聖地に熊が出たとの情報があったので行かれる方はご注意ください。
まじで熊は洒落にならないので…


では次回で

ヒロインは?

  • 小笠原晴香
  • 中世古香織
  • 鳥塚ヒロネ
  • 喜多村来南
  • 傘木希美
  • 加部友恵
  • 井上順菜
  • 剣崎梨々花
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