10/31日修正
入学式も無事に終えた北宇治高校。
我が吹部にも、入部希望者が居た。その希望者の中にはさつきの姿もあった。
さつきは僕と優子の姿を見て、こっちに向かって手を振っていた。
「さつき、元気だね」
「うん、それにしても」
僕はそう言って、音楽室を一周するように見渡す。
「新入生いっぱいだねぇ」
「そうね」
「やっぱり、去年の全国と滝先生効果かな」
「そうかもね」
優子とそんな会話をして、音楽室に入る。
「は~い注目!」
優子が声をあげると、音楽室に集まったみんなが一斉に僕らの方を向く。
「早速だけど、楽器の振り分けを行います!私は部長の吉川優子です、担当はトランペット…」
優子がそう話を切り出して、トランペットを持った麗奈が前に立ち、説明を行った。
相変わらず上手だった。そしてユーフォは夏紀ではなく、久美子が担当する。
タジタジになりながらも分かりやすく説明をしていた。
「じゃ、次はダブルリード」
優子がそう言うと、僕ではなくみぞれと一緒に前に立つ。
オーボエはみぞれ、ファゴットは僕が担当で説明を行う。
「…三年の鎧塚みぞれです。オーボエです」
みぞれはそう言って、オーボエをみんなに見せて、誰でも聞いた事のある曲を吹き、さっさと退散しようとした。
「ちょっと待って」
そんなみぞれを優子が止める。
「それだけ?」
「うん…面白かったでしょ?」
「いやいや…面白くないから…」
二人のやり取りを聞いて、新入生達から笑い声が聞こえてきた。
「えっと…オーボエはこの子と隣に居るこの子の二人が担当です。じゃあファゴット」
優子に「きちんとした説明をしろ」と言わんばかりの視線を送られる。
分かってますって、ついでにオーボエの説明でもしようかと悩んでいた所だ。
でも、しないけど。
「えっと…ファゴットはこんな楽器です」
僕はそう話を切り出して、新入生達が見やすいように持つ。
「高さはだいたい30センチくらいい_」
その後は、来南先輩がしていた説明を丸パクリした訳ではないが、似たような言葉を並べて説明を終えた。
「さっき部長が言ってくれた通り、僕もオーボエ担当なので、ファゴットは吹けないので、奏者は居ない状態です。なので経験者が来てくれると嬉しいです。以上。ダブルリードパートリーダー兼副部長鈴木拓哉でした。ご清聴ありがとうございました」
そう言って話を締める。
ただ話すだけだけど…緊張するものなんだなと思った。
しばらくすると楽器紹介タイムも終わり、新入生が希望の楽器へと向かっていく。
やっぱり、トランペットには人が集まるようで優子と滝野、高坂さんが大変そうにしていた。
さつきの事が気になって、低音の方に近づいていくと、さつきが声をあげていた。
「ウッソ~! みっちゃんじゃん!」
「さつき…」
「みっちゃんも北宇治だったんだ~!」
さつきは、小学生の時のクラスメイト、鈴木美玲ちゃんと会って大声を出していた。
「あっ もしかして みっちゃんもチューバ希望?」
「えっ!? 私は…」
「お待たせしましたチューバ こちらになっております」
さつきと美玲ちゃんは、加藤さんの手に寄って、低音パートに連れて行かれる。
「あっ いえ 私は…」
「本当ですか~?」
「名前は?」
「鈴木さつきです 東中でチューバやってました~!」
「おお! 私も東中!」
「マジっすか?」
「英語の花村 知ってる?」
「『ウォーターとオイルの関係やねえ』みたいな」
「アッハハハハ!そっくし!」
さつきと加藤さんは、東中の話題で盛り上がっているようだった。
そんな二人に、僕は声を掛けた。
「随分と仲良くなってるようで良かった」
「お兄ちゃん!」
さつきがそう声をあげた瞬間、美鈴ちゃんと夏紀以外が驚きの声を出していた。
「お兄さん。お久しぶりです」
「美玲ちゃん、久しぶりだね。随分と大きくなったね」
以前会った時と比べて、背が高くなった美玲ちゃんを見る。
「そんな事ないです。お兄さんも見ないうちに大きくなってますよ」
「うん褒めてくれてありがとう」
美鈴ちゃんとはさつきが小学校の時に家で遊んでた事もあって知り合いなんだよね。
北宇治に入ってきたのか、さつきに仲良い同級生が居るなら心配は無くなったね
「それにしても。鈴木君に妹さんが居たんだね。しかも可愛い」
長瀬さんは、そう言ってさつきの頭を撫でていた。
「長瀬さんも後藤も同じチューバとして仲良くしてあげてね」
「もちろんだよ~こんなに可愛いだもん」
「もちろんだ」
後藤は相変わらずの表情だけど、長瀬さんはとっても可愛がってるし大丈夫だろう。
夏紀も居るしね
「さつきの事は私に任せなよ」
夏紀が僕の肩を叩きながら言ってくる。
「もちろん、夏紀が居るから心配してないよ。さつきの様子を見にきただけだから」
「ふふ、それならダブルリードの所に戻ったら?みぞれが大変な事になってるよ」
「ああ…本当だ…」
夏紀にそう言われてダブルリードの方を見ると、みぞれが何人かの新入生に囲まれていて、あたふたとしていた。僕と目が合って助けを求めているようにも見えた。
「みぞれの所に戻るわ。パートリーダーだし…」
「うんがんば」
夏紀にそう言われて、ダブルリードの所に戻ってくると
「先輩、どこ行ってたんですか~オーボエ希望なのに」
ふわふわとした髪を胸元まで伸ばした女の子がそう話しかけてきた。
「待たせてごめんね…僕の妹の所に行ってたの」
「先輩の妹さん居るんですか?どこですか?」
女の子はそう言って、音楽室を見渡す様にさつきの事を探そうとする。
「まぁ…その前にオーボエとファゴット、どっち希望かな?」
「オーボエです~」
彼女がそう言うと、内心喜んでいたのが分かった。
「オッケー。それと名前は_」
「剣崎梨々花です~梨々花って呼んでください」
「了解。そっちの二人も聞いていいかな?」
「私達はファゴットです」
「ですです」
「オッケー。ファゴット居なかったから助かるよ。名前は?」
「私は兜谷えるです!よろしくお願いします!」
「籠手山駿河です」
「三人に改めて、鈴木拓哉です。オーボエとファゴットのパートリーダーです。よろしくね」
誰も入ってこなかったら、どうしようかと思っていたが。三人も入ってきてくれて良かった。
「滝先生、音楽室の鍵です」
「ありがとうございます。もう遅いので気を付けて帰ってくださいね」
「はい。お気遣いいただきありがとうございます」
滝先生とそんな会話をして、学校の校門まで急ぎ足で向かう。
「待たせた」
大きなリボンを目立たせて待っている優子に、僕はそう声を掛ける。
「待ってないわ」
「帰るか」
「そうしましょ」
僕と優子は、駅に向かって歩き出す。
「ダブルリードも3人入って…良かったわね」
「うん、寂しい思いしなくて済む」
「そっか、でも…拓哉の彼女は私って事は忘れない事」
「分かってるって」
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
-
小笠原晴香
-
中世古香織
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斎藤葵
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姫神琴子
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鳥塚ヒロネ
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吉川優子
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中川夏紀
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鎧塚みぞれ
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傘木希美
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加部友恵
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島りお
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黄前久美子
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高坂麗奈
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川島緑輝
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加藤葉月
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井上順菜
-
堺万紗子