ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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大学編やりますけど。いくらでも書こうとと思えばできてしまいますので…卒業まで書いて次のヒロイン編を書きながら書いていく感じでお願いします。



9/25日修正


出会いの音楽室

 

入学式も無事に終えた北宇治高校。

我が吹部にも、入部希望者がたくさん居て驚いた。

 

 

「いっぱいだねぇ」

 

 

「そうね」

 

 

「やっぱり、去年の全国と滝先生効果かな」

 

 

「そうかもね」

 

 

優子とそんな会話をして、音楽室に入る。

 

 

「は~い注目!」

 

 

優子が声をあげると、音楽室に集まったみんなが一斉に僕らの方を向く。

 

 

「早速だけど、楽器の振り分けを行います!私は部長の吉川優子です、担当はトランペット…」

 

 

と言った感じで楽器紹介が始まった。

僕達ダブルリードの出番はすぐにやってきた。

 

 

「じゃ、次はダブルリード」

 

 

優子がそう言うと、僕は皆の前に立つ。

 

 

「ダブルリードパートリーダー兼副部長の鈴木拓哉です。昨日の演奏会ではキーボードやってましたが、オーボエ担当です、ダブルリードにはファゴットという楽器があるんですけど…」

 

 

こんな感じで初めて、楽器の説明をする。

 

 

「と言う感じです。因みになんですけど…ファゴットは先輩方が卒業いないのと…ダブルリードは2人しか居ないので…希望してくれると嬉しいです。ありがとうございました」

 

 

「では次」

 

 

ただ話すだけだけど…緊張するものなんだなと思った。

しばらくすると楽器紹介タイムも終わり、新入生が希望の楽器へと向かっていく。

やっぱり、トランペットには人が集まるようで優子と滝野、高坂さんが大変そうにしていた。

 

 

さつきの事が気になって、低音の方に近づいていくと、さつきが声をあげていた。

 

 

「ウッソ~! みっちゃんじゃん!」

 

 

「さつき…」

 

 

「みっちゃんも北宇治だったんだ~!」

 

 

さつきは、小学生の時のクラスメイト、鈴木美玲ちゃんと会って大声を出していた。

 

 

「あっ もしかして みっちゃんもチューバ希望?」

 

 

「えっ!? 私は…」

 

 

「お待たせしましたチューバ こちらになっております」

 

 

さつきと美玲ちゃんは、加藤さんの手に寄って、低音パートに連れて行かれる。

 

 

「あっ いえ 私は…」

 

 

「本当ですか~?」

 

 

「名前は?」

 

 

「鈴木さつきです 東中でチューバやってました~!」

 

 

「おお! 私も東中!」

 

 

「マジっすか?」

 

 

「英語の花村 知ってる?」

 

 

「『ウォーターとオイルの関係やねえ』みたいな」

 

 

「アッハハハハ!そっくし!」

 

 

さつきと加藤さんは、東中の話題で盛り上がっているようだった。

そんな二人に、僕は声を掛けた。

 

 

「随分と仲良くなってるようで良かった」

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

さつきがそう声をあげた瞬間、美鈴ちゃんと夏紀以外が驚きの声を出していた。

 

 

「お兄さん。お久しぶりです」

 

 

「美玲ちゃん、久しぶりだね。随分と大きくなったね」

 

 

以前会った時と比べて、背が高くなった美玲ちゃんを見る。

 

 

「そんな事ないです。お兄さんも見ないうちに大きくなってますよ」

 

 

「うん褒めてくれてありがとう」

 

 

美鈴ちゃんとはさつきが小学校の時に家で遊んでた事もあって知り合いなんだよね。

北宇治に入ってきたのか、さつきに仲良い同級生が居るなら心配は無くなったね

 

 

「それにしても。鈴木君に妹さんが居たんだね。しかも可愛い」

 

 

長瀬さんは、そう言ってさつきの頭を撫でていた。

 

 

「長瀬さんも後藤も同じチューバとして仲良くしてあげてね」

 

 

「もちろんだよ~こんなに可愛いだもん」

 

 

「もちろんだ」

 

 

後藤は相変わらずの表情だけど、長瀬さんはとっても可愛がってるし大丈夫だろう。

夏紀も居るしね

 

 

「さつきの事は私に任せなよ」

 

 

夏紀が僕の肩を叩きながら言ってくる。

 

 

「もちろん、夏紀が居るから心配してないよ。さつきの様子を見にきただけだから」

 

 

「ふふ、それならダブルリードの所に戻ったら?みぞれが大変な事になってるよ」

 

 

「ああ…本当だ…」

 

 

夏紀にそう言われてダブルリードの方を見ると、みぞれが何人かの新入生に囲まれていて、あたふたとしていた。僕と目が合って助けを求めているようにも見えた。

 

 

「みぞれの所に戻るわ。パートリーダーだし…」

 

 

「うんがんば」

 

 

夏紀にそう言われて、ダブルリードの所に戻ってくると

 

 

「先輩、どこ行ってたんですか~オーボエ希望なのに」

 

 

ふわふわとした髪を胸元まで伸ばした女の子がそう話しかけてきた。

 

 

「待たせてごめんね…僕の妹の所に行ってたの」

 

 

「先輩の妹さん居るんですか?どこですか?」

 

 

女の子はそう言って、音楽室を見渡す様にさつきの事を探そうとする。

 

 

「まぁ…その前にオーボエとファゴット、どっち希望かな?」

 

 

「オーボエです~」

 

 

彼女がそう言うと、内心喜んでいたのが分かった。

 

 

「オッケー。それと名前は_」

 

 

「剣崎梨々花です~梨々花って呼んでください」

 

 

「了解。そっちの二人も聞いていいかな?」

 

 

「私達はファゴットです」

 

 

「ですです」

 

 

「オッケー。ファゴット居なかったから助かるよ。名前は?」

 

 

「私は兜谷えるです!よろしくお願いします!」

 

 

「籠手山駿河です」

 

 

「三人に改めて、鈴木拓哉です。オーボエとファゴットのパートリーダーです。よろしくね」

 

 

誰も入ってこなかったら、どうしようかと思っていたが。三人も入ってきてくれて良かった。

 

 

「滝先生、音楽室の鍵です」

 

 

「ありがとうございます。もう遅いので気を付けて帰ってくださいね」

 

 

「はい。お気遣いいただきありがとうございます」

 

 

 

滝先生とそんな会話をして、学校の校門まで急ぎ足で向かう。

 

 

「待たせた」

 

 

大きなリボンを目立たせて待っている優子に、僕はそう声を掛ける。

 

 

「待ってないわ」

 

 

「帰るか」

 

 

「そうしましょ」

 

 

僕と優子は、駅に向かって歩き出す。

 

 

「ダブルリードも3人入って…良かったわね」

 

 

「うん、寂しい思いしなくて済む」

 

 

「そっか、でも…拓哉の彼女は私って事は忘れない事」

 

 

「分かってるって」

 

野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順

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