「そういうわけですので しばらくの間 1年生は 加部さんと黄前さんが見ます あとでそれぞれ集まってください」
優子がそう言うと、友恵と久美子の2人が会釈をする。
その時、音楽室に入ってくる滝先生…あっ…戸に頭をぶつけた。
「痛っ」
その時、部員の視線が先生に向かった。
「ああ すみません 少し早かったですか」
「いえ」
滝先生が入ってきた事によって音楽室が騒がしくなる。
主に新入生の声だけど…
「それにしても 随分集まりましたね これだけの人数がいれば きっと 演奏にも厚みが出るでしょう もっとも人数がいるだけで まったく結果を出さない無能な集団にならないとも限りませんが」
先生…僕達は知ってるからいいけど、新入生の子達戸惑ってるよ…
「去年も同じことをお話したのですが、私は生徒の自主性を重んじることをモットーとしています。皆さんを甘やかしたり、突き放したいわけではありません。これが一番合理的な方法だと 私は考えています」
と言って黒板に『全国大会出場』という文字を書く。
「これが去年の目標でした 今年の判断は 皆さんにお任せします」
「先生 チョーク借りてもいいですか?」
「どうぞ」
「口先だけのスローガンなら誰でもできる だからここで はっきり言っておきます やるからには本気でやりたい。ここで決めた目標を 本気で最後までやり抜きたい」
と言って黒板に何かを書く優子。
その再、黒板からひっかく音がした。
本当にこの音って苦手だよね…
「多数決を取るので しっかりと手を挙げてください これから1年 緩くやるか それとも」
全国大会金賞と書いて、黒板を叩く優子。
「では決を採ります。全国大会金賞を目標にする人」
手を上げる部員たち。
もちろん、僕も去年と違って手を挙げる。
「みんなの気持ちはわかりました。では今年の目標は全国大会金賞とします これから大変なこともいっぱいあると思いますが きっと乗り越えられると信じています 頑張りましょう!」
『はい!』
「分かりました」
「では 音を合わせてみましょうか チューニング ベーで」
滝先生の言葉で島さんのクラリネットの音で音合わせが始まる。
新生北宇治高校の始まりだ。
******
その日の夜。僕は遅くまで居た。
「拓哉は別に残らなくて良かったのに」
「副部長ですから」
「さつきちゃんが悲しむよ」
「夏紀と一緒に帰えるって連絡来てるし大丈夫だよ。優子が1人で帰る方が心配だよこっちは」
「ありがと…」
そう言いながら言う優子の頬は紅く染まっていた。
「滝先生に鍵早く返しに行こ」
「そうね」
優子と一緒に学校内を歩き、職員室に入る。
「滝先生、音楽室の鍵を返しにきました」
「鈴木君、ありがとうございます。遅くまでお疲れ様です。吉川さんも」
「いえ、部長としての仕事ですから」
「そうですか。鈴木君、吉川さん、暗いので帰り気をつけてくださいね」
「はい」
「はい、では失礼します」
「あっ、鈴木君に話したい事が…」
「はい?」
と言って差し出してきたのは紙のパンフレットだった。
ここって…
「私と唐櫃さんが卒業した音大のパンフレットです」
「知ってますよ。というか滝先生、唐戸先生の事ご存じだったんですね」
「ええ、一年上の先輩ですから。最近、偶然お会いしまして…鈴木君の話題が出たんですよ。それで良かったらですがここ受けてみませんか?」
「まぁ…考えてみます」
「そうですか。でも強制ではないのでしっかりと考えてくださいね」
滝先生からそう言われた。
「それでどうするの?」
「まぁ…今の所は考えてる段階だけどね…」
「いいんじゃない。拓哉上手なんだし」
「うんありがと。後悔のない選択を出来たらいいな」
「でも…まずは全国行って金よね」
「うん、それが目標だから」
と言って僕と優子は手を繋いて、まだ春風が吹く肌寒い道を歩いていく。
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
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小笠原晴香
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中世古香織
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斎藤葵
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姫神琴子
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鳥塚ヒロネ
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吉川優子
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中川夏紀
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鎧塚みぞれ
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傘木希美
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加部友恵
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島りお
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黄前久美子
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高坂麗奈
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川島緑輝
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加藤葉月
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井上順菜
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堺万紗子