新入生が入ってきてから、1か月が過ぎた。
やってくる事といえばサンフェスである。
「今日は珍しくポニーテールなんだ」
「そうなの、似合ってる?」
「優子はどんな髪型でも似合ってるよ」
「もう…恥ずかしい事言わないでよ…」
優子とそんな会話をしていると、横から夏紀が乱入してきた。
「二人ともそこでイチャイチャしないの」
「別にイチャイチャはしてない」
「そうよ。ただ話してるだけじゃないの」
「いやいや…付き合ってる事公表してから堂々としすぎ…」
「まぁね…」
一年生があまりにも付き合ってるんですかと聞いてくるものだから僕と優子は恋人関係であることを公表することにした。隠して訳ではないが、公表してからは気軽になったのでこうやって2人でプライベートの事を部員の前で話すことが増えた。もちろん、練習に集中はしているのでそこは安心して欲しい。
「と言う事で…フラップを教えていきたいと思います」
『よろしくお願いします』
初心者や楽器を持って演奏が出来ない部員達を集めて僕が先導して教える。
「フラップはこうやってやるんだけど…」
「すご~い」
梨々花ちゃんが褒めてくれた。
そして、川島さんがフラップを振る。
「さすがです ミドリ先輩!」
川島さんを慕っている求君がそう言った。
「梨々花ちゃんもあんな感じでやるんだよ」
「私にもできますかね…?」
梨々花ちゃんが不安そうにそう言った時、後ろの方から優子の声が聞こえてきた。
「ぐわっ! 痛~…」
優子がメジャーバトンを受け取れず、頭にぶつけていた。
「部長も頑張ってるからね。梨々花ちゃんも自分のペースで頑張っていこうね」
「はい。頑張ってみます」
「部長大丈夫そうですか?」
「まぁ…見守るしかないよね…」
声をかけてきた川島さんの言葉にそう返す。
去年のあすか先輩の影を優子に当てながらそう言うしかなかった。
-夕方-
「はい。今日はここまでで終わり。トンボかけして解散!」
『お疲れでした!』
と言って集まっていた部員はトンボかけを始めた。
みぞれははぁはぁ言いながらやってたけど大丈夫…か…?
とはいっても僕にも仕事があるので、隣に居る梨々花ちゃんに任せてしまう事になるけど…彼女なら大丈夫か。
そんな事を思っていると背中に何かがのしかかってきた。
「部長。本番ではしっかりと頼みますよ」
近寄ってきた優子に発破をかけるようにそう言う。
「当たり前でしょ!あすか先輩のようになりたいもん」
と言いながらしっかりと身体を預けてくるのだが…
「それでさ…」
「うん」
「いつまでこの体制でいればいいの?」
「私が満足するまで」
「…あえて言わないようにしてたんだけど…」
「じゃ、言わないでいいじゃん」
「…」
それはそうなんだけど…いいや諦めた。
これが苦痛って事でもないし…
「お兄ちゃん…って何してるの優子お姉ちゃん…」
さつきがやってきたのだが…今の僕達を見て不思議そうに見てきた。
「さつきちゃん、疲れたから今は拓哉から力をこうやって貰ってるのよ」
「何を言ってるんだ…それでさつきはどうしたの?」
「えっと…さつき。全然出来てないから残るね。後藤先輩達、夏紀お姉ちゃんも残るって言ってたから」
「オッケーって事は夏紀と一緒に帰ってくるって事でいい?」
「うん」
さつきの返事を聞いて夏紀の方を見ると。夏紀と目があってグーサインを送ってきたのでそういう事なんだなと理解した。
「で…そろそろ解放してくれてもいいんじゃない?」
「嫌」
それからサンフェスはあっという間にやってきた。
-サンライズフェスティバル会場-
「ほらほら 北宇治の滝先生」
「えっ どこどこ?」
会場に着くと、去年全国に行ったからなのか、それとも滝先生が人気なのだろうか、あるいは全国に行ったから滝先生が有名になったからか、他校生からそんな声があちこちから聞こえてきた。
「今年もこの日がやってきましたね 他校のいいところもすべて吸収するつもりで 大切に過ごしてください」
『はい』
「北宇治の演奏を楽しみにして この場所に足を運んでいる観客もたくさんいる 決して気を抜かないようにしろ」
『はい!』
その後、それぞれの担当に分かれて集まっていて。求君や梨々花ちゃんと話していると、後ろが騒がしくなっていた。
「何? 何? どうしたの?」
状況を把握出来ていない優子は戸惑っていた。
その先には美玲ちゃんを追いかける久美子と久石の姿があったけど
「どうしたの?」
「私にも分からない」
まぁ…そうなんだろうけど…
かと言って三人を見失ったから何も出来ないんだよなぁ…
時間までに戻ってきてくれたらいいんだけど…
******
それからしばらくして三人が戻ってきた。
話を聞くと、美鈴ちゃんがみっちゃんと呼ばれるのが苦手だという事。
それを克服するために練習していたらしい。
そんな事があった中でサンフェスは始まったのだった。
優子もメジャーバトンをしっかりと決めて、観客から歓声が上がっていた。
その後、解散となり、他の学校の演奏を見に行こうとしたら他校生の女子から声をかけられた。
「あの〜鈴木拓哉君で合ってますか?」
「うん?そうだけど」
「ようやく会えました。私、オーボエやってるんです!鈴木君のオーボエの音に感動しちゃって」
距離が近いような気がするんだよなぁ…
「そうなんだ〜見てくれてありがとうね」
「はい!それで何ですけど一緒に写真撮って貰っていいですか?」
「写真くらいなら大丈夫だよ」
「本当ですか!みんな写真撮ってもいいよだって!」
彼女がそう言うと、同じ学校のメンバーがやってきて写真撮影タイムになった。
こういうのって滝先生の役割だったはずなんだけど…
「ありがとうございました。コンクールではライバルですけど…お互いに頑張りましょう」
と言って彼女は去っていった。
それと入れ替わりで優子がやってきた。
「拓哉~お疲れ~」
「お疲れ~バトンかっこよかったよ」
「それはどうも」
と言って隣に座ってくる。
「それにしても拓哉って人気者ね。あちらこちらで拓哉の話が聞こえてきたわよ」
「それで?みんななんて言ってたの」
「かっこいいとか彼女とかの話が多かったわね。全く…私が彼女だって言いたいわよ」
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
-
小笠原晴香
-
中世古香織
-
斎藤葵
-
姫神琴子
-
鳥塚ヒロネ
-
吉川優子
-
中川夏紀
-
鎧塚みぞれ
-
傘木希美
-
加部友恵
-
島りお
-
黄前久美子
-
高坂麗奈
-
川島緑輝
-
加藤葉月
-
井上順菜
-
堺万紗子