ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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9/17日修正


6.過去と苦労人

サンフェスに向けての練習が急ピッチで行われていた。

そんな中、僕は斎藤先輩に声をかけられていた。

 

 

「鈴木君、練習はどう進んでる?」

 

 

「斎藤先輩、僕としてはそこそこって所ですね。って言ったら滝先生はもっと言ってくるとは思いますが…」

 

 

「ふふふ、先生ならそう言いそうだよね」

 

 

斎藤先輩はそう言いながら、可愛らしく笑った。

 

 

「僕に話しかけてきたって事は何か用事でもありました?」

 

 

「そうそう、私に付き合ってももらってもいいかな?」

 

 

「えっ…?告白ですか?」

 

 

「違うよ~私の用事に付き合ってほしいな」

 

 

まぁ、そうだろうね。

斎藤先輩と接点があまり無かったし、告白はないよね。

よく考えたらわかる話だな。これは反省

 

 

「そういう事ですね。いいですよ。難しい事ではなければ」

 

 

「難しい事って?」

 

 

「あっ、気にしないでください。いつも晴香先輩とか香織先輩に無茶ぶりなお願いされるんで…斎藤先輩も同じ感じかと…」

 

 

「なるほどね…確かに、あの二人は無茶なお願いしてるかもね」

 

 

斎藤先輩は苦笑いを浮かべながらそう言っていた。

いや、分かってるなら止めて欲しいという気持ちが走った。

 

 

「って、こんな話は置いておいて、斎藤先輩の用事に行きましょうよ」

 

 

「うん、そうだね」

 

 

 

*******

 

 

「斎藤先輩…晴香先輩に聞きましたよね…」

 

 

「何の事かな…?」

 

 

斎藤先輩は、僕の質問を聞いて誤魔化すように答えてきた。

先輩の用事というのは、演奏を聴いてアドバイスをしてほしいと言われた。

何回も言うけど、僕の担当はダブルリードなの、サックスはまた違うの。そこはオッケーかな。

 

 

「はぁ…晴香先輩に黙ってて言っておいたんだけどな…」

 

 

先日、久しぶりにサックスの演奏を河川敷でやっていた所を晴香先輩に見られた事がある。

晴香先輩にうちのパートに入ってとは言われたけど、オーボエをやりたくて断ったんだよね。

そこから、何故か晴香先輩に教える事になって、黙っていて貰っていたんだけど…何故か斎藤先輩にばれてしまった。まぁ…晴香先輩が言ったんだろうけど

 

 

「だって、晴香が知らない間に上手くなっていたんだから何かあったんだろうって思ってたんだけど、理由聞いたら君だって言うから」

 

 

あーそれで言ってしまったという訳ですか。

元は、僕が河川敷で演奏した自分が悪い訳なのでいいけど

 

 

「久しぶりに吹いたので全然上手くはなかったですけどね」

 

 

「晴香に聞いたら晴香よりも上手だったって言ってたよ」

 

 

流石にそれは嘘。

滝先生の元で練習をしているんだ。専門でやっている晴香先輩より上なんて事はないはず。

 

 

「そんな訳ないじゃないですか。ずっと演奏している晴香先輩と久しぶりに吹いた自分を比べないでくださいよ」

 

 

「鈴木君はもうちょっと自信を持ってもいいと思うけど」

 

 

斎藤先輩にそう言われて、どこか嬉しかった。

 

 

「…こう見えても自信はある方なんですけど…晴香先輩よりは下手ですよ」

 

 

「そんな事ないよ。もっと自信持って ね?」

 

 

斎藤先輩は、慌ててフォローをしてきた。

先輩も可愛い所あるんだなと。

 

 

「サックスはもう演奏しないの?」

 

 

「したいかしたくはないかって聞かれたらやりたいって答えますね」

 

 

「なら」

 

 

「でも、今はオーボエをやりたいって思ってます。元々、オーボエが好きなのもありますけど」

 

 

先輩が話をしようと所を、切って僕は思っている事を伝えた。

 

 

「そっか。でも、サックスに入ってくれたら私もだけど、晴香が一番喜んでくれると思うよ」

 

 

「その言葉は素直に嬉しいです。晴香先輩は、僕が吹奏楽部に入るきっかけになった一人ですし」

 

 

「晴香が?」

 

 

僕の言葉を聞いた斎藤先輩はそう聞き返してくる。

 

 

「今は違いますけど。あの人に何か魅力を感じましたから。なので部長になったのは適任だと思ってます」

 

 

「それを晴香に言ってあげなよ」

 

 

「嫌ですよ、恥ずかしいですって」

 

 

本人の前で言える訳もない。

 

 

「晴香は君の事気になってるらしいし、さっきの言葉言ったら告白されるかも」

 

 

「冗談はやめてくださいよー先輩。尚更言う必要ないじゃないですか。それに、今。彼女とか吹奏楽の事以外は後回しにしたいので」

 

 

晴香先輩には、僕よりも素敵な人が現れますよきっとね。

 

 

 

「それもそっか、全国目指してるもんね…」

 

 

「そうですよ、斎藤先輩も受験と並行は大変ですけど…お互いに頑張りましょ」

 

 

「そうだね、じゃ、私に教えて貰ってもいいかな?」

 

 

「分かりました。晴香先輩と同じような感じで行きますね」

 

 

何故だろう。その時の斎藤先輩の目が僕にとって不安そうに見えたのは

ヒロインは?

  • 小笠原晴香
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  • 喜多村来南
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