ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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副部長の役割

-音楽室-

 

時期は5月下旬_スケジュール調整をする優子がピアノの上に腕を置いて悩んでいた。

 

「うっ う~ん… はぁ…」

 

「何このスケジュールの組み方 あんた 一人で無理しすぎ」

 

「大きなお世話なんですけど…拓哉はこれをやってたんでしょ…」

 

「君はあすか先輩や拓哉じゃないんだよ」

 

「分かってるよ そんなこと」

 

新体制となった当初は、スケジュール調整を僕がやっていたのだが。

サンフェスが終わった後、部長である優子がやると言った為、変わったのだが1人で抱え込んでいた。

 

「…詰め込みすぎじゃない…」

 

「…」

 

「ちょっと貸して」

 

優子はスケジュールの紙をスッと渡してくる。

詰め込んでる為…まぁ…凄い事になっていた。

 

「あっ そうだ 希美 部費は?」

 

「塚本と瀧川と滝野がまだ」

 

「即取り立て 取り立て」

 

「私~?」

 

「君 会計係じゃろ?」

 

「フヒヒッ」

 

紙に目を向けながらではあるが、希美に対して笑っている場合かと思ってしまった。

いかんいかん…まずはこのスケジュールをどう弄るか考えないと…

 

「あっ この日 模試があるの…部活に専念したのに…」

 

「そうかぁ…この日模試かぁ…」

 

練習をやりたいのはそうだけど…将来も大事だから。そこは仕方ないか…

 

「私と拓哉と同じ志望校なんて あなた かわいいとこ あるよね~」

 

「はあ?夏紀と一緒とかマジ最悪なんですけど」

 

「大学行っても ず~っと友達だよっ」

 

「う~わっ 何これ 鳥肌? 大学被ったの 死ぬほど偶然ですから」

 

「はいはい」

 

優子は知っていたけど、夏紀も僕達と一緒の大学を志望校にした。

最初に聞いた時は、びっくりしたけど。嬉しいという感情がやってきた。

 

「みぞれ 音大受けるんだよ」

 

「そうなんだ! すごいじゃん みぞれ」

 

「音大か~みぞれ頑張ってね」

 

「ねっ」

 

「希美が受けるから 私も」

 

みぞれがそう言うと、夏紀と優子の二人は間に受けているように見えた。

 

「あっははっ 何 本気にしてるの。みぞれのジョークじゃん」

 

「希美 音大受けるんだ」

 

「う~ん… まあね 確定じゃないけど」

 

「あっ そうだ」

 

「ちょっ…」

 

スケジュール調整をしていると隣から夏紀が紙を取って何かを書き始めた。

 

「もうすぐ あがた祭りだね」

 

「やばい 時間 全然足りない」

 

「あんたは1回部活から頭 離しな」

 

「そうそう、部活の事は僕達に任せたらいいから」

 

今までは僕の心配をしてくれてたのだから。これぐらいはやっても罰は当たらないだろう。

 

「みぞれ~一緒に行こうよ」

 

「えっ?」

 

「あがた祭り」

 

「あれ? 予定あった?」

 

「ない」

 

「じゃ、行こう?」

 

「希美がいいなら」

 

「優子も夏紀も拓哉も空いているよね?」

 

「うん オッケー 行く 部長は拓哉と行くんでしょ」

 

「うん、拓哉と行くけど?」

 

「相変わらず暑いですなぁ」

 

「本当にうるさい」

 

「みぞれは? 誰か他に行きたい子いる?」

 

「いない」

 

「そっか」

 

「これでどうよ」

 

「流石ね、私がやるって言わなければ良かった…」

 

「そんな事はないから安心して」

 

落ち込んでいる優子の頭を撫でながら、ほぼ出来上がったスケジュールを一からもう一度見直した。

 

「うん、完璧っ」

 

 

******

 

「急に呼び出してごめん。副部長としての仕事もあるのに」

 

「友恵だって一年生の指導係なんだからそっちの方が大変でしょ。今年の1年癖強い子多いって聞くし」

 

「ははは。そんな事ないよ」

 

「それで話って?」

 

「まずはごめん!」

 

「えっと…」

 

いきなり謝れて困惑している僕を置いて、友恵は話してくれた。

 

「私、トランペットを吹くの辞めることにした」

 

「…理由は?」

 

「5月の半ばくらいかな 楽器吹いてたら いきなりあごが痛くなって ほら「口が壊れる」 つて言うでしょ? アンブシュアが保てなくなって 最初は大したことないって思ってたんだけど 高音吹くたびにきつくなってきて… 顎関節症だって 病院でそう言われた それで滝先生に相談して」

 

「なるほどね…他の楽器の進めれた感じ?」

 

「うん、勧められたよ でもこれから新しい楽器やってコンクールメンバーになれるほど 今の北宇治は甘くない それに… そんなにショックじゃなかったんだよね 吹けないって言われてむしろホッとしたっていうか… これでオーディション落ちて気遣われる心配もなくなったし… マネージャーになればみんなと部活は続けられるしって ズルい性格でしょ?」

 

「そんな事はないし。マネージャーとしてみんなをサポートしていくって決めたんでしょ?」

 

「うん」

 

「それも立派な事だよ。そんな言い方しないで自信持たないと」

 

「ありがとう」

 

「部長には言ったの?」

 

「この後言いに行く予定だよ」

 

「そっか」

 

 

 

 

 

 

野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順

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