ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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アニメだと卒業式直前みたいになってるんですけど、時系列的にはここがベストだと思ったので入れました。

よく見るサイトの考察によると次期部長指名の翌週に引退式という旨の描写があるらしいので…


新部長と卒部会

-9月下旬-

 

「なんで私呼び出されたんですか…」

 

コンクールを終え一か月が経ったある日、僕達三人は久美子を呼び出していた。

 

「早速だけど、来年の部長やってくれない?」

 

「えっ?」

 

優子の口から出た言葉に久美子は驚きを隠せていなかった。

 

「僕も久美子しか居ないと思ったんだよね」

 

「いやいやいや、私には無理ですって!それに私が務まるとは思えないんですけど!」

 

「そんな事はないから大丈夫!」

 

「拓哉が言う通り、私は、黄前さんに託したいと思ってる。今年、私達が果たせなかった夢を、叶えて欲しい」

 

「…その言い方はずるいですよ…」

 

「やってくれる?」

 

「…分かりました。私でよければ」

 

優子の言葉に渋々ではあるが頷いてくれた。

 

「って事は次は副部長か。誰か良いとかある?」

 

「一応聞いてくれるんですね」

 

「参考程度には、本決定は当日になってからのお楽しみっていうのが我が吹部の伝統やから」

 

「はーそんな伝統が」

 

「本当に最悪だった。夏紀が副部長って聞いた時は」

 

「あの時の優子の顔、めちゃ面白かった」

 

「はぁ?」

 

「人とも…今はやりあってる場合じゃないでしょ」

 

「あはは…」

 

「それでどうする?久美子」

 

「希望とは特にないです。誰でもありがたいですし」

 

「そっか。じゃあ、当日までお楽しみにしててね」

 

「拓哉先輩なら大丈夫ですね」

 

「決定権は優子にあるからどうなるか分からないけどね」

 

 

 

 

 

 

-卒部会-

 

音楽室に入ると、新部長の久美子が声をかけてきた。

 

「先輩方…副部長の仕事お疲れ様でした」

 

「次からは久美子の代が頑張らないと」

 

「頑張ってね」

 

先輩っ…来年こそ全国に行きますから

 

「応援してる」

 

夏紀がそう言うと、久美子は先ほどよりも泣き出してしまった。

 

「なんで今泣くのよ」

 

「夏紀が久美子の事を泣かしたよ」

 

「それ言うなら拓哉が泣かしてたでしょ」

 

「すみません。本当に引退しちゃうんだなって実感して…」

 

「とか言って、私達の代がいなくなって清々するでしょ?」

 

「おい…」

 

「そんな訳ないじゃないですか」

 

「はは、冗談だって」

 

「最後の最後までこんな先輩でごめんな…」

 

「いいですよ。寂しいですけど…部長としてやっていかないと実感しましたので…」

 

「そっか」

 

久美子にそう言われてこっちも終わりなんだなと実感した。

 

その後、卒部会に入っていく。

最初に記念贈呈を行って、続けて僕達のバンドの出番がやってきた。

 

「お兄ちゃん達だ」

 

さつきの声に一年生達は僕達をジッと見てくる。

 

「ではここからは幹部3人でバンドを披露したいと思います」

 

「えっ?何何?」

 

「お兄ちゃん達、バンドやってるんだよ」

 

困惑する美鈴ちゃんにさつきがそうフォローしている中、三人で目を合わせる。

 

「ではお聞きください!」

 

ボーカルの夏紀の一言で僕達の演奏が始まり、演奏が終わりに差し掛かった時、僕はキーボードを置いて、後輩達を呼びに行く。

幹部三人とみぞれ、希美、さつき、梨々花といったあたりを呼んで僕達のバンドの演奏に巻き込む。

 

麗奈が意外と乗ってくれてこっちも楽しかった。

 

-演奏終了後-

 

「先輩ありがとうございました~楽しかったです~」

 

「楽しかったです」

 

梨々花ちゃんと久美子がやってきて感想を言ってくれた。

うん、やっぱりこう言われると嬉しい。

 

「楽しんでくれて何より」

 

「吉川さん、鈴木君、中川さんありがとうございました。とっても楽しかったです」

 

「滝先生にそう言って貰えて嬉しいです」

 

滝先生に褒めて貰って嬉しい。

 

この盛り上がりの中、マジックや劇をやって

僕達三年生の演奏、続けて1.2年生の演奏が続く。

後輩の演奏に思わず感動してしまった僕は、泣き声で

 

上手くなったねぇ…

 

拍手を送りながらそう言った。

 

「あんたは晴香先輩かっ!」

 

優子からそうツッコまれた。

仕方ないじゃん…感動してしまっただもん…今、晴香先輩の気持ちが分かった気がする。

 

「みんなありがとう~、泣きじゃくてる副部長(拓哉)は置いておいて…みんな上手になったね。これなら来年のコンクールも大丈夫!必ず金を取れるよ!」

 

『はい!』

 

優子の言葉で卒部会は終了した。

 

 

 

 

-その後-

 

卒部会を終えた帰り道。優子と一緒に帰っていた。

 

「なんか色々と終わって喪失感が凄い」

 

「そうは言っても、すぐに受験が来るわよ」

 

「僕は良いけど、聞く人によっては頭を抱えそうな事を言うね優子」

 

「でも、今日は楽しかったわね」

 

「本当に良かった」

 

「拓哉、最後の方ずっと泣いてたでしょ」

 

「今、晴香先輩の気持ちがよく分かったよ」

 

「拓哉、晴香先輩の事慕ってたものね」

 

「でもこれで部活に来る事はないんだよね」

 

「そうね、寂しいようなそうでもないような…」

 

「そうそう。僕も同じ感じ」

 

なんていうんだろう。この寂しいとも思えるけど、そうでもない感じというのは。

 

「そうだ。今日泊りに来るの?」

 

「泊りに行ってもいいなら行くわよ」

 

「全然オッケーだよ」

 

「それじゃ、着替えを持って行くわね」

 

「うん、待ってるよ」

 

こうして僕達三年生は吹奏楽部を引退した。

 




大吉山登ってきたんですけど、久美子ちゃん…ユーフォを持ってあの坂登ったの凄いんですが…麗奈さんもヒールって…


後、作者が高所恐怖症なのもあって京都タワー普通にビビってました()

野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順

  • 小笠原晴香
  • 中世古香織
  • 斎藤葵
  • 姫神琴子
  • 鳥塚ヒロネ
  • 吉川優子
  • 中川夏紀
  • 鎧塚みぞれ
  • 傘木希美
  • 加部友恵
  • 島りお
  • 黄前久美子
  • 高坂麗奈
  • 川島緑輝
  • 加藤葉月
  • 井上順菜
  • 堺万紗子
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