ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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11/1日修正


アンサンブルコンテスト その1

 

季節は巡って、暑かった気候も少しずつ寒い空気が流れ込みだした10月。

制服も冬用に切り替わったとある日、現部長の久美子が奏ちゃんを引き連れて僕の教室までやってきていた。

 

 

「久美子と奏ちゃんどうしたの?三年生の教室までやってきて」

 

 

二人の姿を教室の中から発見して、二人にそう声を掛ける。

こうして会うのは卒部会以来だった。

 

 

「あっ、拓哉先輩…昨日、優子先輩が楽器室に来たんですけど何か聞いてませんか?」

 

 

久美子からそう聞かれて、昨日の事を思い出す。

優子と一緒に帰ったけど、普段と変わった事は何もなかったはず。

 

 

「うん、何も聞いてないよ」

 

 

「やっぱりか!」

 

 

僕の言葉を聞いて、久美子は頭を抱えた。

 

 

「どういう事?」

 

 

「実は…」

 

 

久美子はそう言って、昨日あった事を話し始める。

 

 

 

 

-昨日の楽器室-

 

 

「あの~なんでここに?」

 

 

「なんでって」

 

 

「新部長が心配だからに決まってるでしょ~」

 

 

「その割に楽しそうですね」

 

 

「ホントはね、演奏会でオーディションしてアンコンの代表決めるって聞いたからさぁ」

 

 

「はい…えっ!?」

 

 

「何か手伝えることないかなって。私たち時間あるから」

 

 

「え? でも…受験…」

 

 

「終わったの。4人とも合格したから」

 

 

「ホントですか!?実はまだどこに入るか決まってない子がいて、もしよかったらその子たちのサポートを…」

 

 

ジト目で顔を突き出す優子

 

 

「ええっ!?」

 

 

「その前に言うこと無~い?」

 

 

「あ~おめでとうございます」

 

 

「うむ」

 

 

「あっははははははっ」

 

 

「私達以外に拓哉と夏紀の名前も書いたらいいんじゃない」

 

 

「それいいね!」

 

 

と言って優子と希美は部員名簿に吉川優子、傘木希美、中川夏紀、鈴木拓哉を付け足した。

 

 

「じゃあ」

 

 

「決まったら連絡してね~」

 

 

「ど~も~」

 

 

「お疲れ様で~す」

 

 

「勝手に夏紀先輩の名前も書いていってしまった…」

 

 

「同じところに合格したってミドリも聞きました」

 

 

「一応確認に行ったほうがいいよね」

 

 

という事があった事を話してくれた。

 

 

「あの二人は……」

 

 

久美子の話を聞いて、今度は僕が頭を抱える。

もし、僕が出ないって言った時はどうするつもりだったんだろう。

それに、優子と希美は同じクラスなんだから一言くらい言ってくれてもいいじゃん…

 

 

「部長としてしっかりとやってるんだね」

 

 

「当たり前ですよ~でもやる事が多くて大変です」

 

 

久美子は肩を落としながら言う。

 

 

「慣れていくしかないからね。話を聞く限りだと夏紀にも聞きに行ったの?」

 

 

「いえ今からです」

 

 

「今からが一番大変かもね…」

 

 

「ですね…それで拓哉先輩」

 

 

「ちょっとだけ考えてもいい?いきなり出るとは言いにくいし…」

 

 

「そうですよね…」

 

 

僕の言葉を聞いて、久美子はメモに何かを書きこんできく。

 

 

「拓哉先輩は出てくれないんですか~?」

 

 

奏ちゃんは、僕の懐に入り込むような言い方でそう言ってきた。

 

 

「出れるようになったら言うから、ちょっとだけ待ってて」

 

 

僕がそう言うと、奏ちゃんは「分かりました。でも出る時は言ってくださいね。一緒に組みますから」と言っていた。まぁ…奏ちゃんと組む事は無いだろうけど。

 

 

「そういえば、夏紀には聞いたの?」

 

 

「いえ今から聞きにいく所です」

 

 

「そっか、一緒に行ってあげるけどどうする?」

 

 

「あっ、お願いします」

 

 

「オッケー」

 

 

二人にそう返事を返して、夏紀の居る教室に向かう。

夏紀の教室に向かうと、ドアの近くに居た同級生に聞き、奥に夏紀が居る事を確認して夏紀の事を呼ぶ。

 

 

「夏紀!ちょっといい?」

 

 

「拓哉が来るなんて珍しいじゃん。それと二人も久しぶりどうしたの?」

 

 

僕の後ろに居た久美子と奏ちゃんの姿を見た夏紀はそう言って、二人に手を振る。

 

 

「拓哉先輩にも話したんですけど…昨日、優子先輩が楽器室に来たんですけど何か聞いてませんか?」

 

 

「へ?別に」

 

 

「やっぱりか!」

 

 

久美子は再び、頭を抱えた。

ま、僕に声をかけていない時点で夏紀にも声を掛けていないんだろうと思ったけど。

 

 

「その前に何かないんですか?」

 

 

「ん?」

 

 

「後輩がおめかしして教室までわざわざ来たのに」

 

 

「おめかし?どこ変わった?」

 

 

「分からないんですか?昨日美容院で髪切ったんですよ。5ミリも」

 

 

いや5ミリって…分かる訳がない。

 

 

「分かるか~い!ジュース飲ますぞ、オラ!」

 

 

夏紀はそう言って、ジュースを奏ちゃんの頬に押しつける。

 

 

「キャ~!久美子部長!イジメですよ!イジメ!」

 

 

「もう、2人とも休み時間終わっちゃうから!」

 

 

「ともかく…優子を捕まえて話しないといけないでしょこれ…」

 

 

と言うと優子が戻ってきて…

 

 

「何勝手に他人の名前書いてくれちゃってんの」

 

 

「優しさでしょ~あっ夏紀先輩はお気持ちだけで十分なんでって言われないための」

 

 

「そんなこと言ってウザいOG化してんのはあんたのほうじゃないの?黄前ちゃん遠慮なく言っていいからね、ウ・ザ・いって」

 

 

「誰がよ!」

 

 

「それで…参加の方は?」

 

 

「別にいいけど、できたらこいつと別だと嬉しい」

 

 

「はあ~?今なんて言った?」

 

 

「2人とも後はなんとかしておくから行っていいよ」

 

 

「はい。奏ちゃん、行こう」

 

 

「え? ああ…」

 

 

「2人とも…もう行ったし…休み時間終わるよ」

 

 

優しく2人に呼び掛けるように言ったのだが…

 

 

「拓哉からも言ってよ!」

 

 

「そうよ!拓哉、幼馴染なんだから強く言えるでしょ!」

 

 

あーめんどくさいんだけど…なんで部活の時よりもめんどくさくなってるんだよ

 

 

「…すぅ…いい加減にしろ」

 

 

言い合う2人に僕の雷が落ちたのだった。

 

 

 

野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順

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  • 鳥塚ヒロネ
  • 吉川優子
  • 中川夏紀
  • 鎧塚みぞれ
  • 傘木希美
  • 加部友恵
  • 島りお
  • 黄前久美子
  • 高坂麗奈
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  • 加藤葉月
  • 井上順菜
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