「う~ん…」
「何を悩んでいるのよ」
「…」
「聞いてるの?」
「おっと…って吉川かよ…びっくりさせないでよ…」
「鈴木が気づいていないのが悪いわ」
吉川はそう言って、頬を膨らませているが…本当に気づかなったのだから許してほしい…
「それはそうだけど…」
「それはいいとして、何を悩んでいるのよ」
「う~ん…個人的な事だから気にしなくていいよ」
「本当に?」
「うん、心配してくれてありがとうね」
とだけ言うと、吉川はまだ不安そうな感じで見てきたけど、教室から去っていった。
教室で先日の斎藤先輩の表情が気になってしまって考え事をしていたら吉川に心配されてしまった。
吉川に心配される程。酷かったって事か…
「拓哉、大丈夫か」
「滝野まで心配されてしまった…これは一大事だ」
「心配してやってるのにそんな言い方するなよ」
と吹奏楽部は男子が数えるくらいしか居ない。
その中で特に仲が良い滝野が声をかけてきた。ちょっと揶揄う。
「冗談だよ。心配なんてしなくても勝手に平気になってるのに」
「吉川と対応が違いすぎる」
そりゃそうだろうよ。
男子と女子じゃ対応が違うのはおかしくもない話だと思うんだけどなー
******
「あんた…それをやったら…みぞれが泣くわよ…」
「ですよね…」
放課後、吉川と一緒に帰ることになった為。もしオーボエを辞めてサックスをやったらどうなると思うと聞いたらこうなりました。
分かりきってた話ではあるんだけど
「みぞれがただでさえ少ない心を許してる内の1人なんだから、そこは責任を果たしないよ」
「…鈴木君は、私にとって大事だから…離れないでね…」
「うわっ!?」
どこから現れたのか鎧塚が目の前に居た。
「みぞれ、本当に心を許してるのね」
「同じオーボエだし、気持ちも分かってくれるから」
「それはそうね。鈴木、みぞれに何かあった時は守ってあげなさいよ」
「それはそうだけど…鎧塚と僕が恋人みたいな言い方じゃん」
と吉川と鎧塚に言ったら2人の表情が変わった。
「はぁっ!?みぞれとあんたが恋人なんて許さないわよ」
「…」
吉川から反対の意見が飛び交っているが、鎧塚…何も言わずに照れないでくれ
「あー話が終わりそうにないから帰る!じゃ、また明日!」
「あー!待ちなさい!」
背後から吉川の声が聞こえてくるが、吉川は女子だ。
あっという間に突き放すことに成功したようだ。
明日が怖いが…明日の僕がどうにかしてくれると信じたい
*****
彼が彼女達から走り去っていた後。吉川と鎧塚は歩きながら会話をしていた。
「みぞれ…鈴木の事気になってんの?」
「…鈴木君は私に優しいから…」
「鈴木は誰にも優しいわよ。部長とかには特に優しいわよ」
何かと彼に振り回されているように見える吉川も彼が優しいのは知っている。部長である小笠原を始め、吉川や鎧塚、中川といった数多くの吹奏楽部員の練習に付き合っていたのを知っている。
滝先生が来てからは、自分の練習で忙しい為、他の練習には来れなくなっているのだが
「…そうね…だから、鈴木君の事は気になってる」
鎧塚がはっきりとここまでいう事は珍しい。
なんやかんやで、彼の事が気になっている吉川は、心にモヤモヤとした感情があった。
「そうなんだ…私も気になってるけど…」
と吉川が言うと、鎧塚は一瞬ではあるが驚いた表情をしたが、すぐにいつも通りの表情に戻り
「…私も譲る気はないから…」
その時、鎧塚の頬が赤くなっていたのを吉川は見逃しては居なかった。
ヒロイン候補として
みぞれと優子ちゃんが争いから一歩抜けました。
次いで部長ですね。
幼馴染の夏紀ちゃんはまだ自覚してない段階です。
やっぱり幼馴染は失恋してしまうのか…?
ヒロインは?
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小笠原晴香
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中世古香織
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鳥塚ヒロネ
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喜多村来南
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傘木希美
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加部友恵
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井上順菜
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剣崎梨々花