ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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クリスマスデート

アンサンブルコンテストが終わり、世間はクリスマス一色となっていた。

そんな中、クリスマス当日、僕と優子は待ち合わせをしていた。

 

「ごめん待った…?」

 

「大丈夫だよ、それと今日のコーデ凄く似合ってるよ」

 

「ありがと//」

 

褒められた事によって頬を紅く染めていた。

そんな優子の格好は、白い厚めのコートにミニスカートという格好だった。ガーリーファッションというらしい。

 

「それじゃ、行く?」

 

「うん、それと…手、繋いでも…いいかしら?」

 

コートのふわふわの所に口元を隠しながらそう言ってきた優子。

さっきよりも顔が真っ赤に染まっていた。

 

「うん。いいよ」

 

そう言って、優子に手を差し出す。

しばらくして、優子は僕の手を握ってきた。

 

「それじゃ…今日はお願いね」

 

「うん。こっちこそ宜しくね」

 

優子の手を握ったまま、電車に乗って市内へと向かった。

 

市内に着くと、クリスマス当日もあってか、ちょっとでも目を離せば迷子になるくらいには人混みが凄かった。

 

「しっかりと手を握ってて」

 

「うん。ありがと」

 

優子の手を握って、彼女の歩くスピードに合わせながら僕も歩く。

しばらく歩いていると、大きなツリーが見えて来た。

 

「拓哉!あそこ、大きなツリーがあるわよ!」

 

「本当だ。行く?」

 

「うん。行きましょ!」

 

優子が行くと言ったので、手を繋いだままツリーの前まで行く。

当たり前だけど周りにはたくさんのカップル連れが多かった。

すると、優子はスマホを取り出して自撮りを始めた。

 

「拓哉、こっちに来て」

 

「えっと…こう?」

 

「もっと私に近寄って!」

 

優子の身体とがっつり当たるくらいまで近寄る。

僕と優子がカメラの視界に入ると優子がシャッターのボタンを押した。

 

「うん、これでどう?」

 

「綺麗に撮れてるじゃん。これでいいと思うよ」

 

「ありがと、拓哉にも送っておくわね」

 

優子はそう言うと、スマホの画面をさっと動かす。

それからすぐに僕のスマホに写真が届いた。

 

「待ち受けにするね」

 

「拓哉がそう言うなら私もしようかな」

 

「いいじゃん、お揃いで」

 

「そうね、夏紀に自慢しよっと」

 

「何を自慢する気なんだが…」

 

「いいじゃないの。ほらまだやりたい事あるんだから付いて来て」

 

そう言って優子に引っ張られて、そのまま流れに流されていく僕。

 

「なんで…よりによって…」

 

優子に連れてこられたのは、京都タワーだった。

 

「拓哉って高い所苦手だった?」

 

拓哉「…うん…」

 

とは言いつつも、今は展望台まで上がってきている為、どうしようにもないのだが…

 

「こうすれば大丈夫よ」

 

そう言って優子は僕の手を優しく包み込んできた。

 

「ありがと」

 

2人で京都の街を真っ赤に染める夕日を観ながら京都タワーを降りる。

 

 

-その後-

 

「帰ってきたのはいいけど…なんで宇治で降りたの?」

 

宇治に帰ってきたとは言っても、僕達の家は宇治駅より少し先の所にあるのだが、今日は宇治駅で降りた。

 

「行きたい所というか…大吉山に行こうと思って」

 

「はぁ?今から登るっていうの?」

 

「うん」

 

「マジで言ってる?」

 

「だからそう言ってるじゃん」

 

「はぁ…拓哉だから付いて行くけど…」

 

優子と手を繋ぎ、大吉山に向かって歩く。

 

「はぁ…はぁ…ようやく山上ね…」

 

大吉山の山上に着く頃には優子は息が上がっていた。

まぁ…こんな時間に連れてきたのが悪いんだけど

 

「優子。これが見せたかった物だよ」

 

「えっ?…綺麗じゃないの」

 

大吉山から見えた景色に優子はそう返してきた。

この景色は久美子から教えて貰った。

 

「登ってきた価値があったでしょ」

 

「そうだけど…休ませて…」

 

「そこにベンチがあるから座って」

 

「うん」

 

「これ飲んで」

 

「ありがと…ってこれ拓哉のじゃ」

 

「いいから、それとも関節キスとか気にする?」

 

「何言ってるの//」

 

と言いながら優子は顔を赤くしながらもペットボトルの中身をゆっくりであるが飲む

 

「…おかげで休めたわ…その…ありがと//」

 

「休めたのなら良かった」

 

優子からペットボトルを貰ってゴミ箱に捨てに行く。

 

優子はベンチに座って、僕は大吉山から見える景色を眺めている。

そんな時間が数分過ぎた頃、優子が声を出した。

 

「ねぇ」

 

「どうした?」

 

「私達って恋人なのに…手つなぎしかしてないでしょ…」

 

「まぁ…ね…忙しかったからね…」

 

頬を掻きながら苦笑いで返す。

 

「そろそろ…キスくらいはしても…良い頃だと思わない?」

 

「したい?」

 

「うん」

 

「分かった、そのままでいいから」

 

「うん…」

 

僕は優子の顔に手でそっと触って

 

「拓哉…顔真っ赤じゃん…」

 

「だって恥ずかしいから//」

 

「ふふっ…こういう時もいつも通りにしなさいよ…全く//」

 

と言って優子は先にキスをしてきたのだった。

 

 




この作品では何げに大吉山出てくるの初めてでは?

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