それは良しとして…時間に余裕を持って行動しましょう。
卒業してからも、暇がある訳もなく。
僕達は来るライブと、練習と春からの新生活に向けて動いていた。
3月も半分が過ぎた頃、僕は北宇治まで顔を出しに行ってバレンタインでチョコをくれた後輩にお返しと、それとは別で差し入れをしに行った。
本当はホワイトデーに来るつもりだったんだけど、免許合宿に行ってた事もあって無理だった。
「拓哉先輩の事なんでお返しはしてくれると思ってたんですけど、遅かったですね」
「ごめんね…卒業式終わってから色々と立て込んでたからね…」
「拓哉先輩〜好きなの持っていっていいんですか?」
「いいよ。早いもん勝ちだから」
「私はいちごオレ持っていきますね」
と奏ちゃんはそう言ってパックのいちごオレを持っていく。
「先輩、私も持っていっていいですか?」
「いいよ。麗奈が好きそうな柑橘系のジュースたくさん持ってきたから好きなの選んで」
「ありがとうございます。それと優子先輩とはどうですか?」
「優子?今でも変わりなく仲良しだと思ってるよ」
「そうですか…ジュースありがとうございます」
麗奈はそう言ってトランペットパートの方に戻っていく。
「あー見えて…先輩の事気になってたみたいで…」
「友恵とか優子から聞かされてたんだけど…マジだったのか…」
「そうですね…あっ、私もジュース貰いますね」
「好きなの持っていっていいからね」
「ありがとうございます」
久美子はジュースを持って奏ちゃんに声をかけて音楽室を出て行く。
恐らく低音パートに戻ったのだろう。
「先輩〜」
久美子と入れ替わりでやってきたのは梨々花ちゃん。
先日の卒業式から数日しか経って居ないが立派になったような気がする。
「今日は1人なんですか?」
「ううん。今は居ないけど優子と2人で来てるよ。会ってない?」
「通りでトランペットパートが騒がしかった訳ですか〜」
「ダブルリードに行けなくてごめんね…」
「大丈夫です〜先輩が来てるって知って、走ってきましたから〜」
「廊下は走ったらダメでしょ…」
「先生は居なかったのでオッケーです」
何がオッケーなのか…
その後、全てのパートがやって来て、持っていった差し入れはすべて無くなった。喜んで貰えて何よりだった。
-帰り道-
「みんな元気良さそうで良かったわね」
「そうだねぇ」
毎日通っていた道を懐かしいと思いながら優子と一緒に歩く。
すると優子が免許の事を聞いて来た。
「そういえば免許合宿は楽しかった?」
「うん、僕が行った所は楽しかったよ」
「いいなぁ~私も免許取りに行こうかしら」
「いいと思うよ。合った方が何かと便利だと思うし」
「だよね~」
「行くなら予約しないとだからスケジュール調整が大変だね」
「そこは大丈夫。夏紀も連れて行こうと思ってるし」
「夏紀には話しないとだめだよ」
「流石に分かってるわよ」
その後、夏紀にこの話をして夏休みに一緒に行こうという事で話はまとまったらしい。
-拓哉の部屋-
「繋ぎも完璧になってきた」
「うん、これで本番は大丈夫だと思う」
「良かった~」
「じゃ、何か適当に持ってくるから休憩でもしてて」
「オッケー」
夏紀の許可を貰い、僕は下の階に降りていく。
拓哉が出た後
「そういえば、希美の楽団の演奏聞いた?」
「うん、希美からチケット貰ったからね」
優子の問いに夏紀はそう返す。
「希美のソロめちゃくちゃ良かったわよね」
「うん、相変わらず上手だったよね」
「そうそう、楽団に入ってますます演奏に磨きがかかったというか」
そう話してた時、拓哉が戻ってきた。
「おやつこれしかなかったわ」
「充分」
「話は変わるけど。拓哉って楽団に入らなくて良かったの?」
「えっ?何、急に」
「楽団に入りながら大学通うって言ってたでしょ」
「あーそんな話してたね」
「それでどうなのよ」
「うん、今は2人とのバンドが楽しいから断ったよ」
これに関しては悩んでいた事だけど、楽団に入るのという話は断った。
話は2月下旬まで遡る。
唐櫃先生と2人きりで話す事があった。
「本当にいいの?」
「それに先生が言ったんじゃないですか。優子達と演奏してる方が楽しそうって」
「言ったけど…」
「今まで色んな楽器を触ってきましたけど、どれか一つ本当の意味で極めてみたいなぁ~って」
「なるほどね。それで何の楽器を極めるつもりなのかしら?」
「それはですね_」
閑話休題
「そう言ってくれると誘った甲斐があったよ」
と持ってきたポテトチップスを食べながら言う優子。
「拓哉が抜けるとかなったら作曲できる人居なくなるし、どうなるかと思ったわ」
ジュースをコップに入れ、笑いながら言う夏紀。
「いつ抜けるって言ったんだよ」
「楽団に入ったら私達のバンド抜けても不思議ではないでしょ」
「心配しなくても抜ける気は全くと言って無かったんだけど」
「実際、抜けてないんだからいいじゃん」
「そうね、このポテチ美味しいじゃん」
「それ限定の奴だから」
「本当だってチョコポテチって美味しいのね」
「嘘でしょ…」
「休憩取り過ぎてもだめだし、あとちょっとしたら練習再開するよ」
「は~い」
「本当に聞いてるのかな…」
-ライブ前日-
夕方、いつものように優子がやってきた。
「お邪魔するね」
「いらっしゃい」
「拓哉の部屋に荷物置いて来ていい?」
「いつもそうしてるじゃん。急にどうしたのよ」
「緊張してるからかも」
「緊張って、そんなに考えなくてもいいのに」
「拓哉は変わらないわね」
その後、さつきが練習から帰宅し、3人で一緒にご飯を食べて、夜になった。
「優子~って寝てるし…」
お風呂が開いた事を言いにきたのだが優子は僕のベットの上でぐっすりと寝ていた。
「んん」
「起きた?」
「あれっ?私寝ちゃってた?」
「呼びに来た時にはぐっすりだったよ」
「拓哉の匂いに囲まれたら安心しちゃって寝ちゃってた」
「可愛い事言うじゃん」
「もう//」
「お風呂空いてるから入ってきたら?」
「もうちょっと拓哉と一緒に居たい」
そう言って優子は僕の事を抱きしめてきた。
「くっ付くと暑いよ」
「いいの、私薄着だからこの方が丁度いいくらい」
そう言う優子の恰好はキャミソールを着てその上に僕のパーカー、下はショートパンツという格好だった。
「ならこのままでいさせてもらおうかな」
「うん」
その後、さつきが呼びに来るまでこのままだった。
-ライブ本番-
ライブ本番はすぐにやってきた。
「鈴木君、久しぶり」
「若井さん、久しぶり、元気そうで良かった」
「うん、鈴木君こそ2人とバンドやるなんて思ってなかったよ。オーボエあの時から上手だったからね」
声をかけてきたのは、
元々、僕達と同じ吹奏楽部に居た同級生であの事件で退部しちゃった内の1人。
でも軽音楽部に行って、今は『レチクル』というグループを結成し楽しそうにしているのを優子から見させてもらった。本当に楽しそうで良かった。
「ありがと」
「オーボエはまだしてるの?」
「ううん、コンクール終わってからオーボエはやってないよ」
「そうなの?もったいないよ」
「2人とバンドやりながらピアニストになろうかなって、簡単な話ではないけど」
「そうなんだ。って事はキーボードかな?」
「流石、その通り」
「いやぁ~鈴木君ならキーボードも上手なんだろうなぁ。楽しみにしてるよ」
「うん、僕も若井さんの演奏楽しみにしてる」
そう言って、若井さんに手を振って別れて、自分たちの楽屋に戻ると
「拓哉、おかしい所はない?」
優子がその場で一回転して僕に見せてきた。
軽く見た感じだと特には無かった。
「おかしい所はないから安心して」
「拓哉はここでもかっこいいね」
「ありがと夏紀」
「優子、今回のライブで拓哉のファン増えちゃうかもよ?」
「大丈夫よ。拓哉が私以外に靡くなんて事はないって信じてるから」
優子は自信いっぱいに胸を張って言った
「優子もこの話題で揶揄う事出来なくなってしまったかー」
「やっぱり!揶揄うつもりだったのか…」
三人でそんな会話をしていると、希美とみぞれの2人がやってきた。
「吹部の子達、三人の演奏を楽しみにしてるって言ってた」
「そうやってすぐプレッシャーをかけるんだから…」
「このくらいプレッシャーって思ってないでしょ」
「希美は私達の事なんだと思ってるの?」
「コンクール会場に比べたらマシだから、プレッシャーなんて感じてないよ僕は」
「拓哉は例外」
「えっ?そう?」
「例外以外に何を言えって言うのよ」
優子と僕が話している一方で夏紀はというと
「みぞれも今日は聞いててね」
「うん」
2人で話しており、何かポーズを取っていた。
「何やってんの?」
夏紀「拓哉も優子もやって」
「何よ…このノリ」
「って言いながらするんだ」
「いいから、拓哉もやるの1」
「はいはい」
そう言って5人とピースサインを交わす。
すると、開演時間になる、ステージに向かおうとすると、みぞれに声をかけられた。
「拓哉君、頑張ってね」
「うん!行ってくるね」
「そういうのは私にするものでしょ」
「早く行くよー」
夏紀にそう言われ、ステージに三人で立つ
「今回は、オープニングアクトして呼ばれました。レチクルのメンバー中学時代からの付き合いで、色々とあったけど、こうしてまた同じ場所で同じように音楽が出来る事めちゃくちゃ嬉しいです!」
夏紀の言葉に会場から歓声と拍手が起こった。
優子が『呼んでくれてありがとう』と言うと更に会場のボルテージがあがったのが分かる。
「それではお聞きください!さよならアントワープブルー!」
優子ちゃんルートと言いながら全然2人きりの話書けてないね。
そして今まで使ってこなかった言葉を最後に使いました。
使うとしたらこういう感じで使いたかったのです。
さて、大学編もやりますが、一旦優子ちゃんルートはお休みです。
明日からはみぞれちゃんルートをやります。
まだまだお付き合いください。
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
-
小笠原晴香
-
中世古香織
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斎藤葵
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姫神琴子
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鳥塚ヒロネ
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吉川優子
-
中川夏紀
-
鎧塚みぞれ
-
傘木希美
-
加部友恵
-
島りお
-
黄前久美子
-
高坂麗奈
-
川島緑輝
-
加藤葉月
-
井上順菜
-
堺万紗子