幕間 鎧塚みぞれと苦労人
-中学2年生の春-
彼、拓哉君とは中学時代はほとんど接点が無かった。
「鈴木、なんで吹奏楽部入ってくれないの」
「吉川…誘ってくれるのはありがたいけど…入る気のない子を誘っても意味ないでしょ…」
「だけど、トランペット吹きとして見逃す訳にはいかないわよ!」
同じクラスだった時、優子が拓哉君の事をそう誘っていた。
「本当に飽きないよね」
「うん…」
「私も聞いたんだけど、あの子トランペットかなり上手なんだよね」
「…そうなんだ…」
希美からそう言われても何も響かなかった。
-中学三年生冬-
私は希美と一緒に帰っていると、どこからかオーボエの音が聞こえてきた。
それもかなり上手だった。
「オーボエだね。どこからなんだろう」
「…探してみない?」
「いいね!」
希美と一緒に音がする方に歩いていった、するとそこには知らない女性と一緒に居る鈴木君が居た。
「誰なんだろうね」
「…うん…」
私達は近くにあった隠れ場所に移動して話を聞くことにした。
「拓哉君は北宇治受けるんだ」
「先輩と一緒ですよ」
「それは嬉しいんだけど…なんでクラやってくれないのかな?」
「ふっ。だってクラは先輩が一番上手じゃないですか」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、私は一緒の楽器をやりたかったんだけどなぁ~それなのに…なんでオーボエなのかな?」
「なんでと言われても…オーボエが一番合ってたんですもん…仕方ないじゃないですか…」
「まぁいいや、北宇治に来たら一緒にクラやるんだからね」
「絶対にとは言わないんですね」
「だって無理にするの嫌でしょ君は」
「分かってるのか分かっていないのかはっきりとさせてくださいよ…鳥塚先輩…」
そんな会話をしていた。
「鈴木ってトランペット上手だったけど、オーボエも吹けるんだ~でもみぞれの方が上手だけどね」
「…うん…」
希美はそう言っていた。けど、私には彼のオーボエの音に魅了されていた。
彼と話してみたいと思っていたが、違うクラスだったし、彼の周りには優子ともう一人の女の子が居て話す機会が全くといっていい程無いまま、私は卒業してしまった。
-北宇治1年生の春-
彼とはすぐに再会した。
「えっと…オーボエってここで合ってますか?」
「合ってるよ。名前は」
「鈴木拓哉です」
「オッケーそこに居る子もオーボエだからね」
「そうなんですね」
と彼は先輩にそれだけ言って、私の元へとやってきた。
「鈴木拓哉です。同じオーボエ奏者としてよろしくね」
「…うん…」
憧れではないけど、気になっていた彼と一緒に演奏出来ると思ったら嬉しいという気持ちが湧いてきた。
そんな気持ちを想っていると、彼に声をかける優子が来た。
「鈴木、あんた…オーボエやるの?」
「吉川…トランペットやって欲しかったの?」
「そう!姿を見た時は一緒に吹けると思ったのに」
「ごめんって…」
「あっ!クラに入るって約束したのに!」
どうやら彼は好かれているようで…たくさんの女の子から声を掛けられていた。
「そんな約束はしていませんよ鳥塚先輩」
「どうやら君って…」
「先輩…変な目で見るのは辞めてください…」
-1年生事件直後-
とある日、パート練習をやっていると、頬に絆創膏を張った彼が現れた。
「鈴木君…その怪我どうしたの?」
「やる気のない先輩に殴られた…」
「いつもトランペットの所に行ってるんでしょ。物好きよねあんたも」
「トランペットに居る吉川と香織先輩に来てって言われてますからね…」
「香織も何を考えてるのか分からないよね」
「それ言うならヒロネの方でしょ!今でもクラに来いって言ってるんだから」
「先輩方…ちょっとは心配してもらっていいですか…」
「あんたは大丈夫でしょ」
「そうそう!」
「何を思って大丈夫と言った理由を知りたいんですけど…」
-1年生コンクール-
南中以来のコンクールの時がやってきた。
先生がやってきて、こう話した。
「オーボエは鎧塚さんと鈴木君の2人で、ソロは鈴木君で」
「えっ?僕でいいんですか?」
「うん、3年生居ないからね。後。3年生が君が良いって言ってたからね」
「そうなんですね、では受けさせていただきますね」
「ありがとうね、練習頑張ってね」
と言って先生は去っていく。
「随分と3年生に目を付けられてたね」
「仕方ないですよ…それに僕を推薦した先輩方もあの事件の処罰に納得行って無い人達が入れたんでしょうし」
「辞退はしないんだ」
「誰がするんですか?実力でねじ伏せたら良いんですよ」
「おおー凄い強気だ」
「来南先輩の分も鎧塚と2人で頑張ってきますよ」
彼の言葉に私も自信を付けられた気がした。
コンクールは…酷い演奏だった。その中でも私達オーボエの演奏は良かったと思う。
実際、3年生の先輩達は苦虫を噛んだような表情をしていた。
その後も彼と一緒に居て、希美との事とか色々とあって、気づけば彼の事が好きになっていた。
けど、中々告白出来なかった。振られるのが怖かったのもある。
でも、そのチャンスはやってきた。
それは彼と一緒に行ったコンサートの時だった。
「なるほどね。鎧塚さん、パンフレット渡すからちょっと来て」
彼が通っている音楽教室の先生、唐櫃先生との出会いだった。
「鎧塚さんって拓哉君の事好きでしょ」
「…はい…」
「そうだよね。最初に見た時に分かったからね」
と言ってパンフレットを渡してくれる。
「それで告白はするのかな?」
「…いつかはしたいって思ってます…」
「いつかじゃ遅いわよ。あの中の誰かと付き合うかもしれないわよ?それでもいいの?」
「…嫌です…」
「それならさっさと告白しないと後悔するわよ」
「はい…」
先生に言われた事は図星だった私はそれしか言えなかった。
その日の帰り道、私は彼の事を捕まえるのに成功した。
「それで話って何かな?」
「私、拓哉君と同じ音楽教室に行こうと思う…」
「そうなんだ。楽しみに待ってるよ」
「うん!」
それから私と拓哉君の距離は以前よりも近くなった ような気がする。
それから数日。私は唐櫃先生の所に来ていた。
拓哉君は今日は居なかった。
「今日はここまでにしましょうか」
「ありがとうございました」
「うん、みぞれちゃん最初に会った時も明るくなったよね?何か良い事あった?」
「はい」
「もしかして拓哉君と付き合ったとか?」
「実は//」
「その反応で分かるわ。おめでとう」
「アドバイスありがとうございました」
「いいのよ。それでみぞれちゃんの方から告白したの?」
「はい、コンクールの次の日に勢い余って…」
「やるわねみぞれちゃん」
「はい//」
あの時の事を思い出す。
「みぞれ~今日はこの辺にして帰ろう」
「うん分かった」
と言って私は椅子から立ち上がって、オーボエを机の上に置き。歩こうとした。
その時、足を取られ拓哉君の事を押し倒す形で倒れてしまった。
「みぞれ大丈夫か?」
そう言う彼の顔はすぐ目の前にあった。
「…みぞれ…?顔が赤いけど大丈夫?」
「…拓哉君…」
その時、私はそのまま拓哉君の唇にキスをした。
「…いきなり何をするの!?びっくりなんだけど!」
「…これで分かった?…私は拓哉君の事が好きなの…だから付き合って欲しい」
今でも思うけど…本当に恥ずかしい
「拓哉君は良い子だし誰にも優しいから見張ってないと誰かに取られるから離れないように見とかないとだめよ」
みぞれ「はい!」
優子ちゃんルートでは優子ちゃんが捕まえるのに成功して、今回はみぞれちゃんが捕まえるのに成功したルート
優子ちゃんルートでは音楽教室に行くのは断ってるのでそもそも無かった事になってますけどね。
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
-
小笠原晴香
-
中世古香織
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斎藤葵
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姫神琴子
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鳥塚ヒロネ
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吉川優子
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中川夏紀
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鎧塚みぞれ
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傘木希美
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加部友恵
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島りお
-
黄前久美子
-
高坂麗奈
-
川島緑輝
-
加藤葉月
-
井上順菜
-
堺万紗子