ダブルリードの苦労人   作:桜紅月音

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10/25日修正


縣祭り

 

-縣祭り-

 

祭り当日、いつもの場所で待ち合わせをして、みぞれがやってくるまで待っていた。

天気は生憎の雨だった。その為、傘を持っていた。

 

 

「おまたせ」

 

 

「ううん、待ってないよ」

 

 

そこに現れたのは、浴衣に身を包んだみぞれの姿だった。

普段は制服と私服しか見てないので新鮮だった。

 

 

「浴衣着てくれたんだね」

 

 

「うん、拓哉が喜ぶと思って//」

 

 

みぞれはそう言って、顔を紅く染める。

そんな彼女もまた可愛かった。

 

 

「可愛いねみぞれは」

 

 

「もう//何言ってるの//」

 

 

と言いながら僕のお腹をポカポカと叩いてくる。

そこまで強く叩いていないので、痛みは感じない。

 

 

「それじゃ…そろそろ行く?」

 

 

「うん。行く」

 

 

「ほらみぞれ」

 

 

僕はそう言って、みぞれに手を差し出す。

彼女は、微笑みながら僕の手を取ってくれた。

そして、駅へと向かっていった。

 

 

「これ欲しい」

 

 

宇治までやってきて、屋台の並ぶ道に入り、みぞれがとある屋台を指さしていた。

 

 

「オッケーおじちゃん、これ二つ貰っていい?」

 

 

「はいよ。お二人さん恋人同士か?」

 

 

「はい//そんな所です」

 

 

おじちゃんに恋人か聞かれて、ちょっと恥ずかしかった。

みぞれも同じようだったようで…頬を赤くしていた。

 

 

「それじゃ、もう一本おまけしておくぜ!」

 

 

「悪いですって…」

 

 

「いいから、これは俺からの幸せのおすそ分けだ!有難く受け取ってくれ」

 

 

「そういう事なら…」

 

 

お金をおじちゃんに渡して、おつりを貰いって、みぞれが欲しいと言ったりんご飴を3本貰って、再び歩き出す。

 

 

「美味しい」

 

 

「うん、美味しい」

 

 

「拓哉、甘い物苦手じゃなかった?」

 

 

「そうだけど、みぞれと一緒に食べてるから美味しいよ」

 

 

「もう!」

 

 

本当に可愛いなみぞれは

その後、屋台を巡りに巡って、宇治橋近くのベンチに座っていると、僕らに声を掛けてきた人達が居た。

 

 

「あっ。拓哉とみぞれ」

 

 

「二人は楽しそうね」

 

 

「みぞれ~!」

 

 

みぞれと同じく浴衣に身を包んでいた優子、夏紀、希美の三人だった。

 

 

「そっちも楽しそうだね」

 

 

「まぁね」

 

 

「こいつがうるさくて困ってるけど」

 

 

「はぁ~?」

 

 

優子と夏紀がいつもの事をやり始めた。

どう止めようと思っていると、みぞれが口を開いた。

 

 

「楽しい」

 

 

みぞれがそう発したので、言い合っていた二人はみぞれの事を見る。

 

 

「そっかそっか。みぞれが楽しそうで良かった」

 

 

「だねー」

 

 

「拓哉と一緒に居るのもあるかもね」

 

 

さっきのやり取りはどこに行ったのやら…

すっかり仲良くなっていた。

その後は、この五人でしばらくの間。一緒に屋台を巡った。

 

 

「拓哉ーこれ奢って」

 

 

「えー夏紀、自分で買いなよ」

 

 

「いいじゃん、幼馴染なんだしさ」

 

 

夏紀にダル絡みされたり。

 

 

「優子だって!」

 

 

「夏紀も!」

 

 

「また始めた」

 

 

と優子と夏紀の二人が相変わらず言い合う。

でも、いつもの光景と変わらなくて逆に安心する。

 

 

「いつもと変わらないね」

 

 

「本当にそうだよ」

 

 

「ふふっ」

 

 

「みぞれが笑った!?」

 

 

「いやいや…みぞれだって笑う時はあるでしょ…」

 

 

夏紀と優子がワーワーと言ってる中、三人でそんな事を話していた。

希美から優子達は任せてと言ってくれたので、希美に任せて僕達は二人きりになった。

 

 

「あっ…雨が降り始めてきた…」

 

 

三人と別れた後、しばらくの間。

二人でゆったりとしていると、雨が降り始めてきた。

 

 

「拓哉。相合傘」

 

 

みぞれはそう言って、僕の持っている傘を指さしてきた。

 

 

「相合傘する?」

 

 

「うん」

 

 

みぞれが頷いたので、持っていた傘を広げて、傘の下に入ると、みぞれが抱き着いてくる。そんな彼女をしっかりと抱きかかえる。

 

 

「濡れてない?」

 

 

「うん、大丈夫」

 

 

雨が降っているといっても、小雨なので傘が要らないといえば要らないけど。みぞれを濡らす訳にもいかないので、濡れないように守る。

 

 

「これだと、拓哉が濡れる」

 

 

「気にしてないから」

 

 

僕がそう言うと、みぞれは傘を垂直に変える。

 

 

「これで二人とも濡れないね」

 

 

「うん」

 

 

そして、屋台の方を見ると、ちょっとずつ片付けをし始めている屋台もあった。

 

 

「もう、縣祭りも終わりか」

 

 

「うん、来年もまた一緒に」

 

 

「そうだね。来年もまた一緒に来ようね」

 

 

みぞれとそう約束をする僕達であった。

 

野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順

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