ついにやってきた関西大会当日
「北宇治~!そろそろ入りま~す。移動中、迷子にならないように!」
会場に着き、待機していると優子の声が辺りに響く。
「あ~いたいた!」
移動を始めようとした時、晴香先輩、香織先輩がやってきた。
「香織先輩~マジエンジェ~ル!」
香織先輩の姿を見て、部長としての彼女ではなく…去年まで何回も見た優子の姿。
僕らは慣れているが、こんな姿を見ていない一年生の部員達は、彼女の豹変に驚いていた。
「久しぶり」
「あんたは部長の仕事があるでしょ」
「分かってるわよ」
優子と違い、夏紀はしっかりとしていた。副部長としてしっかりと仕事果たしていた。
僕も副部長だけど。補佐みたいな感じでやってきたから、夏紀の方が副部長としては正しいのかも。
それに、低音の所にはあすか先輩も来ていた。応援は多い方が嬉しいからね。
「先輩「北宇治ファイト~!」って言ってください」
「えっ 私?」
優子が晴香先輩にそう言うと、晴香先輩は困惑していた。
「北宇治ファイト~!ほらいくよ」
これもまた伝統なのか…あすか先輩が晴香先輩の言葉を奪った。
そして、晴香先輩を連れていく。これも見慣れた光景だったことを思い出す。
「ああ…え…私のセリフ~…」
「あっちょっとあすか~!」
「あれちょっと晴香と似てなかった?「北宇治ファイト~!」
断末魔のように言う晴香先輩、そして自画自賛のあすか先輩。
変わっているようで変わってないね先輩達も
-リハーサル室-
何回かの音出しを行い、滝先生が手を叩き、音出しを止める。
「では部長」
「はい」
滝の隣に立つ優子
「はい注目~!」
「してるって」
夏紀がそう言うと、部員達から笑い声が聞こえてくる。
「去年の冬から部長になって いろんなことがありました 1年生 2年生 3年生 それぞれ大変なこともあったと思います、でも みんなで支えあって 最高の形でここまで来られたと思っています それと夏紀と拓哉」
「はあ?」
優子から名指しで呼ばれた僕と夏紀。
「ありがとう」
お辞儀をする優子
「ああ…なんで今なの…」
照れる夏紀
「こっちこそありがとう」
僕が席を立って優子と全く同じことを優子に返した。
「本当にありがとう、この最高のメンバーで 私はずっと演奏していたい これで終わりになんかしたくない 全員で全国行こう!」
『はいっ!』
舞台裏で待機する僕達
「黄前ちゃん、私は本当にラッキーな人間だと思う。去年今年と、ここまでこられて…」
「そうだね、僕も同じく幸せここまで来れると思ってなかったからね」
「夏紀先輩、拓哉先輩…」
「絶対行こう、全国へ」
『はい!』
そして、前の学校の演奏を聴いていると、夏紀は呼ばれてどこかに行ってしまったが、奏が久美子に問いかけていた。
「1つだけ聞いていいですか?」
「何?」
「先輩は…ずっとそんなに熱心に、ユーフォを吹いてきたんですか?毎日毎日、そんな真剣に…」
「まさか」
「吹き始めたのは小学生の頃だけど、惰性だったり何となくだったり… 真剣になったのは高校からかも」
「それはどうして…」
「中学最後のコンクールの時ね。私泣けなかったんだ。ダメ金でよかったってホッとしてた。でもその時、隣で大泣きしてた子がいたの。もう周りが引いちゃうくらい悔しいって泣いてて…うちのトランペットのエースなんだけどね」
「えっ…」
振り替えって麗奈を見る奏ちゃん
「北宇治行くよ~」
「よし、行くか久美子、奏」
『はい』
二人にそう言って、僕はみぞれの隣まですぐに戻ってステージに向かっていく。
そして、演奏を始めた。
全国への切符を掴むために
*****
「15番 京都府代表 北宇治高等学校 ゴールド金賞」
司会からそう言われて、部員達から安堵の声が聞こえてくる。
ステージ上では優子と夏紀がグータッチを交わしていた。
夏紀が一番ホッとしてると思う。足を引っ張ってはいけないと負い目を感じていたようだったし…
「続きましてきたる10月に行われる全国大会に出場する3団体を発表します」
さっきの発表はあくまで前座に過ぎない。
本番はこっち。ここで選ばれなければ、僕らの部活はここで終わる。
「1校目3番大阪府代表 明静工科高等学校」
流石は強豪校。しっかりと入ってくる辺り、抜かりはなかった。
「2校目8番大阪府代表 秀塔大学付属高等学校」
去年は、僕ら北宇治が出場した事で、ここ関西で終わってしまったが。今年はしっかりと立て直してきた。流石強豪校だった。
そして、残す席はただ一つ。
選ばれていない高校に大阪東照だっている。
結果は果たして____
「3校目22番京都府代表 龍聖学園高等部」
「ああ…」
現実とは…いかに無情な物なんだろうか…
落ち込む僕らとは違い、龍聖の生徒達から歓声が沸き起こっていた。
大阪東照か…僕ら北宇治か。そんな事を思っていたけど。ダークホースが居た。
僕達北宇治高校は、関西大会で金賞を取る事は出来たが、次の舞台までは行けなかった。
気付けば、僕達は会場の外までやってきた。
希美があんまりにも泣いていたから、希美をみぞれと二人で慰めるのが大変だった。
全国に行けなかった事で、落胆する部員達、
そんな中、この空気を壊す声が聞こえてきた。
「ちょっとちょっと。何この空気、お通夜じゃないんだから。何落ち込んでんの?」
みんなの前に立ち、話し始める優子
「私たちは今日最高の演奏をした!それは事実でしょ?これまで私たちを支えてくれた部員のみんな、先生たちや保護者の皆さんのためにも、胸を張って帰らなきゃ! 確かに全国には行けなかった。でも落ち込む必要はない。私たちはあの瞬間最高の演奏をした! そしてこの経験は絶対に明日に繋がる。来年に繋がる 1年間、部長をやった私が断言するよ。北宇治はもっと良くなる! もっともっと強くなる! だから顔を上げて!」
優子の言葉を聞いて、もなかのみんなが拍手を送っていた。
「今日という日は、来年のコンクールに向けての1日目!明日からの練習頑張っていきましょう!」
『はい!』
僕の最後の年は、関西で終わった。
野球×ユーフォ ヒロイン 3年生順
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小笠原晴香
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中世古香織
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斎藤葵
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姫神琴子
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鳥塚ヒロネ
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吉川優子
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中川夏紀
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鎧塚みぞれ
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傘木希美
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加部友恵
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島りお
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黄前久美子
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高坂麗奈
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川島緑輝
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加藤葉月
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井上順菜
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堺万紗子