「拓哉、アンコン一緒に出ないかしら?」
「優子…?何を言ってるの?」
「だって、一緒に吹ける機会ってもう卒部会くらいじゃない?だからよ」
「音大受験があるんだけど…こっちは…」
後日、教室で優子にアンコンに出ないかと誘われた。
無事に大学に合格できた優子。暇を持て余してるからなんだろうか、ただただ参加したいのか
「私も最後くらいは一緒に吹きたいかなって、もちろん拓哉が良いならだけど」
「希美まで…」
そこに希美までやってきて、そう言ってきた。
そして、色々と考えてどうするか考えるけど、結論としては
「二人の気持ちはよく分かったけど…やっぱり、音大受験に時間を割きたいからさ…ごめんね」
僕がそう言うと、二人は悲しむ表情をすると思ったが、僕の予想していたのと違って
「分かったわ」
「うん、私達は拓哉を誘いに来ただけだから気にしないで。音大受験頑張って」
すんなりと引いてくれた。
「ありがと、二人とも案外とすんなりと引いてくれるんだね」
「その代わりじゃないけど、演奏会には来て欲しい」
「うん、拓哉には是非聞いて欲しいからさ」
優子と希美はそう言ってきた。
「うん、演奏会には行くよ。もちろん二人の演奏も楽しみだし、さつきの演奏も見れるのも数少ないからさ」
「拓哉ってさつきの事好きだよね~」
「当たり前でしょ」
教室でそんな話をした次の日
「私は出ない」
久美子が、みぞれに参加するか聞きに来た。
僕にも聞いて来たけど、断った。
「いや~先輩方は受験ありますからね。すみません急に変なこと言っちゃって」
「ううん、誘ってくれてうれしかった。希美にもお礼言っておいて。ありがとうって」
「いいですけど、自分で言わなくていいんですか?」
「自分でも言うよ」
「そうですか」
「うんそう」
「あ…」
「窓…閉めますか?」
「ううん いい…」
******
「はぁ…あの二人さ…」
夏紀に誘われて、ファミレスに行くと椅子に座ってすぐため息を吐く夏紀。
「夏紀、ため息を吐いてると幸せが逃げていくよ」
隣に座ったみぞれが夏紀に向かってそう言った。
「分かってるけど…優子と希美の奴…私に黙って勝手に人の名前を書くか普通」
「それで言い合いが始まったみたいになってたのか…」
「拓哉は丁度居なかったんだってね。居たら止めに来てたはずだし」
そう言いながら水を飲む夏紀。
夏紀の話曰く、僕にアンコンどうするか聞きにきた後、音楽準備室に行って夏紀を含んで自分達三人の名前を書いたとのこと。それを黙ってやったことに夏紀は怒っていた。
「別に誘ってくれた行くっていうのに」
「まぁまぁ…結局は行くんでしょ?」
「そうだけど…なんか…」
夏紀は不満そうな表情を浮かべていた。
「今日は僕の奢りにしてあげるよ」
「ほんと!?それなら高い物を頼もうかな?」
「おい、奢るって言った瞬間に元気になるなよ」
「拓哉が悪いんだよ?だからこれでもかっていうくらいに頼むから。ほら、みぞれも遠慮せずに」
そう言ってメニュー表をみぞれに差し出す。
「私はこれにする」
メニュー表を受け取ったみぞれは、そのメニュー表に堂々と載っていたパフェを指した。
「いいじゃん」
「うん、拓哉とわけっこしながら食べる」
みぞれがそう言って、実際にみぞれの頼んだパフェを分けながら食べましたとさ。
値段がそこそこしたけど…まぁいいか