そして、演奏会前日
「拓哉先輩、みぞれ先輩、明日の演奏会楽しみにしててください!」
僕達の教室に梨々花ちゃんがやってきた。
「梨々花ちゃん達の所が凄く良いっていうのは聞いてるよ」
「うん、私も聞いてる」
「ありがとうございます!先輩達の胸を借りて頑張ります!」
「あはは、梨々花ちゃんなら大丈夫だよ」
「はい!では、失礼します」
梨々花ちゃんはそう言って、教室から去っていった。
「拓哉の場所には、人が良く来るね」
「ううん、みんなみぞれに惹かれてるんじゃないのかな」
みぞれがそう言うのも、毎日のように誰かしらがこの教室にやってくるのだ。
接点のあるメンバーなら分かるが、あまり接点のなかった子が来た時はびっくりした。
「でも、明日は楽しみ」
「だね。さ、僕達もみんなに負けないように練習再開しよっか」
「うん」
あちこちから聞こえてくる音に負けじと僕達も演奏を再開した。
そして、演奏会はやってきた。
「どうよ、私達の演奏は負けてなかったでしょ!」
演奏を終えた優子がどや顔をしながら僕達の所までやってきた。
「うん、十分すぎるくらいには」
「優子、凄い」
「みぞれ~!」
みぞれに褒められた事に嬉しくなったのか優子は、みぞれに抱き着いた。
「優子…暑い…」
「あはは、優子がみぞれに抱き着いてる」
「希美も夏紀もお疲れ様」
「ありがと、久しぶりに緊張した」
希美と夏紀も合流して、なんだかんだいつものメンバーになった。
すると、優子が聞いてきた。
「そういえば、拓哉はどこに投票入れたの?」
「えっ?聞きたい?」
「うん、拓哉とみぞれが投票入れた編成は凄いって事でしょ」
部員投票と一般投票枠の二つがあった。学校代表は部員投票から選ぶのこと
なんで知ってるかというと、久美子が自分から話をして、聞いたからだけど
「優子達の所に入れたよ。こんな事を言ったらさつきと梨々花ちゃんに何か言われそうだけど…」
「あはは、そんな事はないって」
僕の言葉に、希美が笑いながら言ってきた。
「そうなんだ~てっきりクラの所に入れたんだと思った」
「クラは、ここの自慢できる所なんだしそうでしょ」
部員投票の結果。一位になったのは、クラリネット四重奏「革命家」だった。
「それにしても…両方2位の奏ちゃんの所は悔しいだろうね」
「そこは、黄前ちゃん達に任せるとして…拓哉が私達の事を評価してくれたのは嬉しいかなって」
「一般投票なんて言い方アレだけど、人の好みだし。僕に好きな演奏が夏紀達だったという事で」
僕がそう言うと、
「拓哉~!」
「うわぁ!
「あっ」
みぞれに抱き着いていた優子が、僕に抱き着いてきたのである。
「優子…なんで今度は僕に…」
「だってそんな事中々言わないだもん」
「みぞれ…あれいいの?」
「ううん、後で拓哉に甘やかしてもらう」
優子の後ろに居る、みぞれと希美の会話が聞こえてきたが、一体何をしないといけないのだろうか…不安になる僕なのであった。