僕がキャプテン・ジョンの宝だ   作:Mr.♟️

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ココヤシ村 完

 

クソが。油断して見聞色の覇気を切ってた。だが、すぐに理解したぜ。東の海になんでジンベエが来たのかと思えばよ──テメェもアーロンとグルだったわけか。

 

「仲間、か。ハッ、ハハハハハハッ!笑わせてくれるじゃねぇか!魚人の『仁義』ってのは、弱者をいたぶるクズを庇うことか?『海侠』の名が廃るなァ、ジンベエ!」

 

別にココヤシ村が僕の庇護下にあるわけじゃねぇし、見捨ててもいいんだが──テメェ、今僕に攻撃したよな?つまりよ、テメェは僕の敵に回るってことだ。ここで仲良く泥の底に沈めてやるよ。

 

「何がおかしい!海賊旗を分かとうとも、アーロンはわしの弟分じゃ!仲間が一方的に蹂躙されそうな時に黙って眺めているのは──仁義に欠ける!」

 

「.......ジンベエの兄貴」

 

アーロンが地べたを這いながら情けねぇ声を出しやがる。

 

「魚クセェ口で高尚なこと言うな、気色悪ぃ。テメェらゴミ共はいつも言動が伴ってねぇんだよ。アーロン程度の雑魚が210億も貯め込めたのは不思議だったが、後ろ盾に七武海がいるなら腑に落ちるぜ。その金、テメェの取り分も含まれてたんだろ?」

 

「──侮辱も大概にせェ!若造ッ!」

 

「あんまり品のねぇ挑発はやらねぇ主義なんだが──来いよ、下等種族。テメェと僕の格の差を、魂の髄まで思い知らせてや……あ?ちょっと待て」

 

『リオ様』

「なんだ。あんまり暇じゃねぇんだけど」

 

『アーロン様の悪事は私もヌマの中からしかと確認いたしました。力で人々を虫けら扱いしたアーロン海賊団の皆様が、それ以上の力で凄惨な報いを受けるのは道理だと思います』

「ああ、そうだろ。こいつもアーロンと同──」

 

「待てと言われて待つバカがどこにおる!独り言などと余裕を見せおって!『魚人空手・鮫瓦正拳』!!」

 

空気を伝う衝撃波。武装色を纏った正拳突き。しらほしとの会話に意識を割きすぎた。クソが、受けるしかねぇ。

 

「.....ッ、チィ!!」

 

瓦礫が弾け飛ぶ。しらほしとの会話に集中しすぎたせいで、ガードが甘くなった。

 

「わしら魚人を下等種族と蔑んだこと、後悔させてくれるわい!」

 

痛いじゃねぇか、魚人空手。こっちも武装色を纏って防いだのに、腕がほんの少し痺れたぞ。いいぜ、テメェのことは優先的にぶっ殺──

 

『リオ様』

 

黙ってろ、しらほし。お前とお喋りしてやる余裕はねぇ。七武海を相手に油断してかかると、不本意な一撃をもらう可能性がある。

 

『リオ様』

「僕に二回も攻撃──」

 

『リオ様』

「したんだ。死ぬ覚悟は──」

 

『リオ様!』

「出来てるんだろうな?」

 

『リオ様!!ぅ───────え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!リオ様が無視するぅ〜〜〜!!』

「うるせぇよ!あんまり騒ぐなら、意識の接続をシャットアウトするぞ!」

 

『怒った!!!リオ様が私に怒鳴った〜〜〜〜〜〜!!え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!』

 

「また独り言か!隙だらけよ!『魚人空手・七千枚瓦回し蹴り』!!」

 

「っ!調子に乗ってんじゃねぇぞ!」

 

野郎の回し蹴りにあわせて、僕も泥を纏わせた脚を振り抜く。互いに吹っ飛び、僕はアーロンパークの残骸へと打ちつけられた。

 

この僕が、こんなゴミの山に埋まるなんて屈辱だ。

 

『ごめんなさい!ごめんなさい!私が話しかけているから、リオ様が集中できなくて──申し訳ありません!』

「ああ、そうだよ。全くもってその通りだ。だから、言いたいことがあるなら今全部言え。聞き終わってから、あいつをぶち殺す」

 

『あの、アーロン様とジンベエ様は違うのです。タイヨウの海賊団が解散したあと、御二方の方針は真逆でして、それが原因でジンベエ様とアーロン様は喧嘩別れしたのです』

 

「現実問題、アーロンがピンチの時にジンベエが現れた。こんなにもタイミング良くだ。ジンベエがアーロンと裏で組んでいた可能性の方が高いだろ」

 

『いえ、ジンベエ様に限ってそのような事はないと思います。恐らく、偶然アーロン様の様子を見に来たタイミングで私たちとも鉢合わせしたのかと』

 

「出てこんか!不遜王リオ!」

 

外でジンベエが喚き散らしてやがる。うるせぇ、少し待て。

 

「で、お前はそれを僕に伝えてどうしろと。僕はあいつから既に二回も攻撃を受けた。グルだろうが偶然だろうが、その事実に変わりはねぇ」

 

『ジンベエ様は魚人島の顔です。リオ様が倒せば、魚人島そのものを敵に回すことになります!』

「既にお前を『誘拐』したことになっている時点で、とっくに敵だろうが」

 

『ジンベエ様は白ひげ様と親交があります。ここで彼を討ってしまわれると、白ひげ様とリオ様の関係が悪化する可能性があります!』

 

「出てこんのか!しっぽを巻いて逃げおったか!」

 

黙ってろ、クソが。

 

「白ひげのジジイとの関係がこの程度で崩れるとは思わねぇし、崩れても構わねぇ。僕は白ひげの子飼いじゃねぇんだ。それにしても、やけにジンベエを庇うじゃねぇか」

 

『ジンベエ様は、タイヨウの海賊団解散後に、唯一お母様の意を汲み取って人間との関係修復のために王下七武海の地位に就いてくださいました。私には、恩があるのです』

 

「──ハッ。僕には関係ねぇな。関係ねぇが....まあ、アーロンとグルじゃないなら見逃してやってもいい」

 

....仕方ねぇ。しらほしが僕にここまでわがままを言うのは珍しい。

 

「出てこんのなら、わしから行くぞ!」

 

『ありがとうございます!リオ様!』

 

『だが、確認はお前がしろ。僕が話したところでまともなやり取りはできねぇだろ』

 

「はい!ありがとうございます!リオ様!」

 

指を鳴らす

 

瞬間、戦場の中央に巨大な泥の渦が発生し、そこからしらほしが姿を現した

 

「おやめ下さい!ジンベエ様!!」

 

(....今日は殴られ損の蹴られ損かよ)

 


 

「謝っても許されることではないことをした!だが、それでも謝らせてほしい!弟分が多大なる迷惑をかけ申し訳ない!!」

 

地面にめり込むほど頭を打ちつけられたアーロン。土下座して謝るジンベエの後ろで、それに習い土下座する幹部連中

 

いきなりの謝罪を受け困惑する村の連中

 

クソが、何度も何度もバカみてぇに頭を下げられたせいで、ジンベエに対する殺意が消え失せちまった。本当に殴られ損の蹴られ損だ。ムシャクシャする。この気持ちを誰かにぶつけたい

 

 

 

 

 

 

 

2時間にも渡る魚人共の謝罪が続く。あー、もう帰りてぇ。いつまで待てばいいんだ、クソが。あ、ジンベエがガキに殴られてる。殴り方が甘すぎんだろ、もっと腰を入れて殴れ

 

 

 

 

あ?なんだよ。なに僕の方見てんだよ

 

「殺してよ!なんでアーロンを殺さないの!!あんた強いんでしょ!!」

 

「あー、そうだな。僕は確かに殺そうと思ってきたんだが──殺さない方が苦しみそうだし、殺さないことにした」

 

「.......なんで。あんた──正義の味方じゃないの!」

 

笑わせるなよ。僕が正義の味方?誰がいつそんなことを言った

 

「ガキ、僕は海賊だぜ?僕の行動は全て僕の意志によって決められる。誰も僕に命令はできねぇ」

 

「それによ、あいつは死なない代わりに惨めな思いをすることになる。見下していた下等種族の人間に仲間の大半を殺され、兄貴分に何度も何度も頭を下げさせて──あいつはこの惨めな思いを抱えながら生きることになる」

 

「それに、僕は個人的な理由であいつを殺しに来たが、海賊に支配された村ならこの程度のことは当たり前にありえる。アーロンだけが特別悪人ってわけじゃねぇ」

 

「この時代、自分たちを守る力がねぇと平和に生きることは出来ねぇってことだ」

 

 

 

 

 

 

「わかんない!あんたが言ってること、全然わかんない!難しいことばっかり話してわかんない!」

 

「どこが難しいんだよ、クソガキが。なら、単純明快なことを教えてやる──守りたいなら強くなれ。弱けりゃあ何も守れねぇ」

 

「......どうやって」

 

「知るか。何でもかんでも僕に聞くな。死ぬほど走って死ぬほど鍛えて死ぬほど休むか、手っ取り早いのは強い悪魔の実でも食えばいい」

 

ようやく黙った。ガキの相手はもう充分したろ。あっちは切腹しようとしてるジンベエを村の連中が止めて盛り上がってんな。切腹させとけばいいのにお人好しどもめ

 

僕たちは帰る。もうやることねぇし。囲まれたら帰るのめんどくせぇし

 

「しらほし、帰」

「──ちょーだい。悪魔の実、ちょうだい」

 

「あ?」

 

このガキ、悪魔の実の価値をわかって話してんのか?なんで僕がテメェに悪魔の実をくれてやんなきゃなんねぇんだ

 

「悪魔の実がダメなら──私が強くなるための武器をちょうだい」

 

「あ?」

 

ああ、なるほどな。到底無理な願いをしてから別の願い事をすれば成功確率があがるよな。で、結局僕がテメェに与える理由がねぇ

 

「───私も!私にもください!....強くなるための武器を」

 

「ノジコ!?」

 

なんだ、今度は青髪のガキか?

 

(テメェら、揃いも揃って僕のことをいい人とでも思ってんのか)

 

大体、テメェらが強くなるための武器くらい自分で手に入れろ。もしくは、村の連中にもらえ。僕に集るな

 

「で、テメェらに武器をくれてやったら、僕に何の得がある」

 

「強くなります!」

「ありがとうって言います!」

 

「............舐めてんのか?」

 

「な、なら、身体で払うから....!」

「何言ってんのナミ!海賊にそんなこといったらどうなるか...!」

 

ああ、そうだよ。青髪のガキ、テメェの言うことが正しい。海賊に冗談でも身体で払うなんて言うもんじゃねぇ。僕はテメェらみたいなお子様に興味ねぇけどよ

 

大人共も止めに来いよ。テメェらなにいつまでアーロンをぶん殴ってるジンベエを止めてんだ。もういいから、死ぬまで殴らせとけ。そいつらより僕の方が危険度高ぇから、絶対に

 

「クソが。ああ、ウザってぇ。テメェらどっちかが、この僕が驚くような、役に立つと思わせれるようなものを見せることができたらくれてやる──10分以内に用意してこい」

 

ガキ共は何か言いたそうにしていたが、僕が条件を緩める気がないのを察してかそれぞれ違う方向に走っていった

 

「しらほし、10分後に帰るぞ!」

 

「はい!わかりました、リオ様!」

 

ガキ共が僕の投資したいと思わせるようなものを用意できるとは思わねぇが、今の間に帰るのは幾らなんでも違ぇからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みかんは美味いし、海図の出来も悪くねぇけど」

 

青髪が持ってきたのがみかん。まあ、甘くて美味い

 

オレンジ髪がもってきたのが今まで書いてきた海図の一部。いや、まあ、その年でこれだけの海図をかけるのはすげぇけど....東の海の地図なんて僕には利用価値がねぇ

 

「もう一押し、なんかねぇの?この2つだけで僕から武器を貰おうなんて無理だぞ?」

 

僕が持っている武器をそこらの安物と一緒にするなよ。

 

 

 

「──なら、わしがその子らの代わりに対価を出したい。それじゃあ、いかんか。リオさん」

 

「ガキ共には少し甘くしてやったが、テメェが関わるなら話は別だ。テメェが僕の言うことをなんでも一つ聞くってなら、このガキどもに僕の宝庫から武器をくれてやる」

 

「承知した!この程度で償いになるとは思っとらんが、この村の方々の為になるなら、その少女たちの役に立てるなら喜んでその条件を飲むとも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕が普段使わねぇ武器──これでいいか。沼から2つの武器を取り出し地面へと投げる

 

「戦斧と双斧だ。テメェらガキがこれを使いこなせるようになれば、海賊なんざ怖くねぇだろ」

 

ガキ2人は目を輝かせて──双斧をどっちが使うか取り合いをしている。まあ、戦斧なんてデカくて持てねぇだろうからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リオ様....ありがとうございます。ジンベエ様とアーロン様方を生かしてくださって」

 

「アーロンの部下はほとんど殺したけどな。あー、お土産がみかんであいつら納得するか?」

 

「.........します!リオ様が渡したものであれば」

 

「絶対しねぇよ。お前の沈黙が答えみたいなもんだろ」

 

まあでも、予定よりだいぶ早く帰れたしめんどくせぇことは言わねぇだろ。さて、あいつら船の依頼は済ませてくれてるだろうな

 

 

 

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