前提条件
●海馬瀬人は神官セトとしての前世を思い出している。
●キサラは石版の中で三千年セト(瀬人)を待ち続け、4枚目の青眼の白龍に魂が移った後、紆余曲折を経て、普段はKCの社員として働き、デュエルにおいては『青眼の亜白龍』のカードとして戦うことも出来る存在になっている。
前提条件
●海馬瀬人は神官セトとしての前世を思い出している。
●キサラは石版の中で三千年セト(瀬人)を待ち続け、4枚目の青眼の白龍に魂が移った後、紆余曲折を経て、普段はKCの社員として働き、デュエルにおいては『青眼の亜白龍』のカードとして戦うことも出来る存在になっている。
キサラ「瀬人様ー! お仕事終わりましたー?」
瀬人「ふぅん。ちょうど終わるところだが、どうした?」
キサラ「いますっごく月が綺麗なんです! まんまる綺麗なお月様! 月の魔力で私の魔力も漲っちゃってるんです! 夜空を散歩にでも出かけませんか!?」
瀬人「まぁ……そんなにニコニコと機嫌の良いお前の誘いを断ると、後々恨まれそうだ。行くとしよう」
キサラ「うふふー。早く準備してくださいねー!」
──準備完了──
瀬人「で。只の散歩では無さそうだな?」
キサラ「当たり前じゃあないですか! 私はあなたが誇る最強のドラゴンですよ? 早速変身しますね!」
キサラ「いでよ、第4の光! 我が真名は──『青眼の亜白龍』!!」
白龍(キサラ)「ささっ。乗ってください、瀬人様」
瀬人「ならば遠慮なく」
白龍(キサラ)「はいはい、ではでは。月夜のフライトに、1名様ご案内でーす!」
──夜空を飛行中──
白龍(キサラ)「月が綺麗ですね」
瀬人「キサラよ。それはな。俺が『月が綺麗だな』と言ってから、『まぁお前の方がふつくしいがな』という流れだぞ、普通は」
白龍(キサラ)「私はそんな月並みの口説き文句聞きたさに瀬人様を連れ出した訳ではないですよ」
瀬人「ふぅん。邪推して済まなかったな。にしても確かに美しい。かの藤原道長が句を詠んだときも、このような月夜だったのかもしれん」
白龍(キサラ)「藤原道長も瀬人様も、この世の全てを手に入れたと思っているかもしれませんが、それでも手から零れ落ちるものがあります」
瀬人「ほう? それは?」
白龍(キサラ)「見えるけど見えないものです」
瀬人「はて。お前の愛なら手に入れたし、モクバが今日海外に居るのは口惜しいが兄弟の絆は揺るがぬし、遊戯とも好敵手として良好な関係にある。藤原道長も妻子や友人に恵まれていたはずだったが」
白龍(キサラ)「あー、そういうのじゃないです。ハズレです」
白龍(キサラ)「見えるけど見えないものって、シンプルに、見ようとしないものは見えないって話ですよ」
白龍(キサラ)「仕事が忙しいだとか目の前の敵に夢中になるだとかで、こういう綺麗な月だとか、日々の色彩だとかを見逃すのはもったいないって。そう言いたいんです、私は」
瀬人「別に綺麗な月ぐらい、いくらでも見られると思うが」
白龍(キサラ)「なーに言ってるんですか! 私が何歳か分かってます!?」
瀬人「石版の中で俺を待っていた分も含めれば3000歳ぐらい、という話か?」
白龍(キサラ)「そうですそうです。仮にこんな綺麗な月が、3年に1回見られるとしましょうか」
瀬人「ふぅん」
白龍(キサラ)「私はつまりですよ? こんな綺麗な月を観るチャンスを、1000回は逃してしまっているのですよ! これ以上逃したくないと思うのは普通の感情ではないですか!?」
瀬人「まぁ……そうだな。転生し、随分お前を待たせ、苦労させ、後悔させてしまったようだ」
白龍(キサラ)「海馬瀬人の人生なんて、百年ぽっちも無いでしょう。あともう一回あの綺麗な月を観ておきたかっただの、あともう一回あの桜を観ておきたかっただの……。そんな後悔を抱いたり、そんな色彩の尊さすら知らなかったりするまま、瀬人様のロードが終わってほしいとは思ってません!」
白龍(キサラ)「見えるけど見えないものにまで目を向けて、愛も優しさも色彩も栄華も……全てを手にしてやっと、海馬瀬人のロードは、こんな歌で締めくくることが出来るんです!」
白龍(キサラ)「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば……ってね!」
瀬人「フハハ! 海馬ランド計画すらまだ道半ばだというのに、そんな境地に百年ぽっちで到れるか怪しいところだな! 寿命を延ばす新薬の開発でもするか?」
白龍(キサラ)「それか、もう一回転生するかですねぇ、お互いに」
瀬人「……なぁキサラ。一応聞いておく。また転生しても、俺の傍に居てくれるか?」
白龍(キサラ)「え? そんなの当たり前じゃないですか」
瀬人「俺は前世でお前を死なせ、三千年ぶりに会ったお前を……4枚目のブルーアイズを、破り捨てたような男だぞ?」
白龍(キサラ)「そんなことに引け目なんか感じずに、強引に私を奪っていくような瀬人様の方が、私好みなんですけどねぇ」
瀬人「ふぅん。なら、心して待っておくがいい! 俺は何度生まれ変わり、何千年を経ようとも、お前を手中に収め、お前と共に未来へのロードを駆ける!」
白龍(キサラ)「ええ! そしてまた、こんな月夜の空を、一緒に翔けましょう!」
白龍(キサラ)「平安時代も21世紀も、こんなに月は綺麗なんです! 来世でもきっと、月は綺麗ですよ!」
めっちゃ久々に瀬人キサ書きましたー!
台本形式だけど楽しかったー!
転生っていうキーワードは魔王学院の不適合者の影響もデカいですが、まぁもし魔王学院の秋先生がデュエリストだとしたら、瀬人キサの方が先だからね!
(転生して時空を超えた愛)
美しいドラゴンの嫁の背中に乗って、綺麗な月夜フライトなんて、
アノサシャでもアノミシャでも、レイミサでもシンレノでも、セリルナでもキリアスでもほむまどでも出来ないぜ!
やはり瀬人キサこそ、強靭!無敵!最強!
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