「あっ....あぁ」
俺はその場に動けないでいた。
やっと見えた希望が絶望に変わったショックを受けていたからなのか。
頭が真っ白になった俺は、その異形の人型の前であろうことか座り込んでしまったのだ。
「グルルルゥ、キシャァ」
唸り声をあげたそいつは座り込んでいる俺に手の鎌で切りかかってきた。
生存本能が働いた俺は、とっさに横へ体を投げ出していた。
直撃は免れたが右足をざっくりいかれたようで、見たこともないくらい大量の
赤黒い血が俺の靴を濡らしている。
「逃げ…ないと…」
幸いにも痛みで今の状況を判断できた俺は逃げるたまに立ち上がろうとしていた。
しかし力を入れると出血が増え尋常でない痛みが襲ってくる。
なんとか右足を引きずるようにはいずりながら再びソイツを見た。
どうやら今の一撃で力量を確信したのか。口を横に大きく広げ、
じりじりと這うより少し早いスピードで迫ってくる。
「くそ、何か手は...ん?」
どくどくと痛いほど震える心臓を感じながらも、俺は何か違和感を感じていた。
心臓があるであろう場所の横に、何かある。
暖かく、しっかりと感じ取れるその力強いエネルギーは、俺にある一つの考えを浮かばせた。
「これを使えばもしかして…」
今度はしっかりとソイツを見据え、俺は手を構えた。
「くらえぇーーーー!!」
エネルギーを引き出すように力を込めた俺は、手から何か霧状の物質が出ているのに気が付いた。
「ギャギャギャ、グギャァ」
ソイツは体に降り注いだ霧にを振り払うように体を揺らしている。
その間に俺はある一つの案を考え全速力である場所に這っていた。
「グルルルル」
十数秒ほどそのような行動をしていた怪物は、その霧状のものを振り払ったのだろうか、
今度は油断なく全速力で俺のほうを走ってきた。
きっとこの状態でこの霧を放ってもしかたないだろう。
しかし俺の狙いは別にある。
「おいおい、足引きずってるやつに反撃されて苦しむとか、
ほんと雑魚だなぁおまえぇ!!」
俺は`木‘の横に中腰になりながらも怪物を煽っていた。
何故って?それはタイミングを合わせるためだ。
そう、俺は少し前に削った小さな傷に霧を浴びせていたのだ。
手紙の通り、木はすぐに真っ二つになるのではなく、力を増やすごとに時間をかけてじりじりと
切れ目を広げていった。
起死回生の一撃、外せば今度こそ命はないだろう。
しかし不安はない。だって俺は
「おれはもっと楽しむために今を生きてるんだ!!
こんなすぐに死にたくないし、俺はお前ごときに殺されたりなんかしない!!」
ドォォォーーン グシャァ
俺が最後にひときわ力を込めたとき、木は真っ二つに切れ、俺を殺しに来ていたソイツは
反応することもできずに頭を潰されていた。
静寂に包まれる中、俺の呼吸だけが響いていた。
「やった…俺は、やったんだぁーーー!!」
歓喜で立ち上がろうとする俺を止めたのは、
いまだに血を流している俺の右足だった。
貧血なのか、頭がふらふらとするのを感じながら、
再び危機が襲ってくるのを感じていた。
「なんでだよっくそ、せっかく倒したのに。
いやだ死にたくないこんなところで死ねない治れよ俺の右足がんばれよ…」
消え入りそうな声で願った俺を待っていたのは意外にも希望だった。
なんと血が止まっていたのだ。それどころか傷がふさがっているのが見えていた。
正直理解できないことのオンパレードだが
命の危機が過ぎ去ってくれたことだけははっきりと感じていた。
「やっと始まるんだ。俺の.....」
言い終えてはたと気づく。
どうやら血は戻っていないらしい。
危機を脱したことへの安堵を感じながらも、
俺の意識は深く落ちていった
なんか主人公情緒不安に見えるな
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月夜見さまをボクっ娘に....
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する
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しない(現状維持)