東方神斬録   作:ayuアユ

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やっとこさ東方要素が入ります
流石にペース配分考えないと


第三話 目覚めたら監禁されてたってマ?

「うぅ....ん?」

 

またまた気絶から起きた俺を迎えたのは規則正しい機械音だった。

 

「どこだ…ここ」

 

体を起こして周りを見てみると、どうやら病室のような場所で

ベットに寝かされているのが分かった。

ベッドのすぐそばの壁からは管が伸びており、

俺の腕にくっつけられている。

 

「さっきまでのは全部夢…ってわけでもなさそうだな。」

 

現代日本の病室かとも思ったが明らかにおかしいところがいくつかある。

まずこの部屋には窓が無く、それどころか扉さえない。

唯一あるのは壁に埋め込まれた大きめのモニターであり、

壁も床も真っ白なこの部屋では一際存在感を放っていた。

 

「とりあえず情報がないことには始まらないし、なんとか人を呼べないかな?」

 

医学の知識がない俺は腕についた管を外す気にはなれず、

ナースコールのボタンかなにかないかと動ける範囲でベット周辺の壁なんかを探していたところ、

いきなりモニターに人の姿が映し出された。

 

「起きたようね、体調は問題ないかしら。」

 

映っているどうやら女性のようだった。見たことがないほどに整った容姿に美しい銀髪を持ち、

赤と青のみが使われた奇抜な服(ナース服?)を身にまとっていた。

 

「私の名前は八意××、永琳と呼んでくれてかまわないわ。」

 

「えっと、じっ自分は桜井碧…です。」

 

最初のほうの名前は聞き取れなかったが、俺はなんとか口を動かしていた。

永琳?さんはそのまま会話を続ける。

 

「突然で申し訳ないけれど、私はあなたの監視兼保護を任されたの。

今は警戒が解けないからしばらくそこで過ごしてもらうわ。

ちなみにあなたは森の中で貧血で倒れていたところを月夜見様に助け出されたの。

腕につながっている管はただの点滴よ、外してしまって構わないわ。

それと....」

 

「ちょ、ちょっと一旦待って」

 

永琳さんから矢継ぎ早に繰り出される情報をなんとか飲み込みながら、

俺は見知らぬ言葉が混じっていることに気が付いた。

 

「とりあえずは分かったんですけど....その、ツクヨミサマというのは

誰のことなんですか。」

 

碧の質問を聞いた永琳は、目を見開きながらも答える。

 

「どこにも情報がないからおかしいと思っていたけれど

まさか月夜見様まで知らないなんて。

やっぱりあなたは都市に住んでいる人じゃないのね?」

 

「その…都市っていうのはどこのことですか。」

 

「あなたは....いや、いいわ。

都市というのは私たちが住んでいる場所のことよ。

妖怪からの侵攻に対抗できる唯一の場所。

妖怪というのは、あなたも見たことがあるはず。

あなたが倒していたような生物の総称として、

私たちはそう呼んでいるわ。」

 

呆れながらもこちらにわかるように答えてくれる永琳さんの言葉を聞きながら、

俺は今の状況を整理していた。

まずここは現代日本ではないということ、

そして妖怪とかいう化け物がはびこっている危険な世界であること。

自分がとんでもない状況に置かれていることを薄々感じながらも、

俺は頭に浮かんだ疑問を投げかけた。

 

「じゃあなんで俺は助け出されているんだ?

もしかしたら俺が妖怪っていう可能性もあるんだぞ。」

 

その問いを聞き、永琳はさも当然のことのように答えた。

 

「あなたが妖怪なわけないでしょ、霊力も持ってるし、穢れもないじゃない。」

 

「レイリョク?ケガレ?何のことだ?」

 

「はぁ、本当に何も知らないのね。

いいわ、教えてあげる。

霊力っていうのは、人間がもともと持つエネルギーのことよ。

それを使って妖怪を倒したことは月夜見様から聞いているわ。

いろんな使い道があるけれど、それは後々話すとしましょう。

穢れというのは、生きる上でさけては通れないものよ。

人間も月夜見様の加護を受けていないと穢れがついてしまって、寿命に縛られてしまうわ。

ちなみに妖怪は穢れの塊だから、都市の住民は近づくことすら怖がるの。

なぜ加護を受けていないあなたに穢れがついていないのかは私でもわからないわ。

月夜見様が何か知っているようだったけれど....まあおいおい話してくれるでしょう。」

 

面倒だという感情を隠さず話す永琳を横目に、俺はまた考えに耽っていた。

まず龍神の言う不思議パワーとやらは霊力と同じと見て間違いないだろう。

そして穢れがないというのは、特典の一つである不老と関係しているのだろうか。

こればっかりは自覚できないから確信ができないのだが。

 

「まぁ後のことはマニュアルを渡しとくから、それを読んでいてちょうだい。

あ、後明日からはあなたの能力についての検査なんかが諸々あるから、

しっかりと体を休めておくこと、それじゃあ、また明日。」

 

何も知らない俺の相手で疲れていたのか、考え込んでいる間に

永琳は半ば強引に通信を切ってしまった。

 

「えらいことになっちゃったなぁ....ん?」<ガチャ

 

壁が突然開き中から机が出てきていた。

机の上には一つのタブレットがあり、おそらくこれが彼女の言っていたマニュアルなのだろう。

アプリはほとんどなかったが、どうやらメモアプリに情報が記されているようだった。

項目は二つあり、一つ目にはこの部屋の機能についての詳細が書かれており、

もう一つは今自分がいるであろう都市という場所の説明だ。

俺はまず一つ目のマニュアルを読むことにした。

 

~10分後~

 

…どうやらこの部屋は何もないように見えて多機能らしく、

食事は朝昼晩の決まった時間にさっきの机のように壁から出されるようで、

扉も壁に内蔵されており、近づけば自動で開くらしい。

物は試しにと点滴を取り、近くにあったスリッパをはき扉があるであろう場所に向かう。

近づくと自動で開き、奥を見ると、どうやら長い廊下が続いているようだった。

マニュアルの地図によれば、トイレや風呂などなじみのある部屋もあれば、

訓練室や出口なんかもあった。

しかし後者二つはロックがかかっているらしく、現段階では開けられないようだ。

ついでに風呂に入りトイレを済ませ、部屋に戻ってきたころには、

食事の準備がされていた。

タブレットを見るとどうやら今は夜らしい。

食事はついさっきチンしたのではないかと思うほど熱々だった。

なじみ深い料理もいくつか入っており、気づいたころには皿が空だった。

 

 

そんなこんなで高い技術を見せつけられながらも、重いまぶたをなんとか開きながら

もう一つを読んでみる。

どうやらこの都市は彼女が言っていた月夜見様によって作られたようだ。

ちなみに、日本に伝わるツクヨミという神と名前が似てると思ったが、

この人も神だという。意外なところで一致する知識に違和感を

覚えないでもないが、龍神が管理するという点で同じだからとと割り切ることにした。

ほかにも、都市の外の妖怪に対抗するための軍があるらしく、警察的な立ち位置も

努めているとのこと。

また、技術の進歩にも触れられていたが、ほとんどのことに八意永琳がかかわっており、

相当優秀な研究者であるとわかった。

なんでも月の頭脳なる異名を持っているらしい。

また、一番古くて50年前から関わっているものもあるという。

月夜見様の加護の効果だとは聞いていたが、この世界では改めて常識が通じない

ことにすこし怖くなった。

ベッドに横になりながらも、

なぜ自分の様な不審な人物をこんな大物が対応しているのかとか、

明日の予定についてだとか、考えることはたくさんあったが、

強い眠気が襲ってきたことにより考えることを放棄した俺は、

深く沈んでいく感覚に抵抗することをやめた。




説明回がこんな大変だったとは…
次回からは皆さん大好き能力回です。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
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月夜見さまをボクっ娘に....

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