【書籍化】男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた   作:一森 一輝

100 / 100
水浴び覗き事故(貞操逆転版)

 その日から、俺たちは蛍火デコイの練習に取り掛かった。

 

 地道だが、俺たちが無人島から脱出するための弛まぬ一歩だ。だからゆっくりでも確実に、みんなで訓練に勤しんだ。

 

 良かったことは二つ。まず教える過程で、最近使っていなかった俺のブランクがすぐに埋まったこと。もう一つは―――

 

「テクトっ、今日も頑張りましょうね! 目にもの見せちゃうんですから!」

 

 一緒の訓練で、リーフィともさらに打ち解けられたことだ。

 

 昨晩はそんな調子で、メイも加えて三人でワチャワチャと訓練ができて楽しかった。俺とリーフィもそうだが、メイも愛嬌があるので、そこでも仲良くなってくれたのが大きい。

 

 そんな風に考えながら、俺は早朝に起き出してきて、近くの川で水浴びに向かった。

 

 普段ほぼ水着で過ごしているとはいえ、やはり汚れが溜まると、全裸でサッパリしたかったのだ。その方が衛生的だし、夏場は股間が蒸れると痒いし。

 

 という事で俺は、川べりの木の上に水着をかけ、川中の大岩の後ろにで水浴びをしていた。

 

「ふぅ~、冷たい水が気持ちいいぜ」

 

 普段、何だかんだ女の子と一緒で気を遣っていた分、一人での水浴びは解放感がすごかった。女のこの前でフルチンにはなれないからな。メイならともかくリーフィはダメだ。

 

 俺は石鹸のように体を洗うのに使える植物を使って、上機嫌で体をごしごし洗っていく。

 

「よし、ある程度洗えたな。じゃあ戻―――っ!?」

 

 大岩の後ろから川を出ようとして、俺は咄嗟に舞い戻る。

 

 何故なら、そこには―――

 

「メイ! 川は足を取られると大変ですから、あんまり離れないで欲しいんですけど!」

 

「水浴びー、すっきりー」

 

 恐らく俺と同じ考えで水浴びにきた、全裸のリーフィとメイが居たからだ。

 

「……こういう遭遇を警戒して、早朝に来たのに……っ」

 

 俺は二人から隠れながらも、思わず二人の姿を脳裏に思い浮かべてしまう。

 

 メイはまぁいい。子供だし、世話をするにあたって見慣れつつある。問題はリーフィだ。

 

 俺の周りでは珍しいスレンダーな体形。ささやかな胸元や細いくびれからの、フリルに隠れていた大きなお尻。安産型。

 

 油断していた、と思う。予想外の角度からの色気に、俺は「落ち着け、落ち着け……」と深呼吸する。理性を強く持て俺。キュッキュッボンもいいよなじゃないぞ俺。

 

 ふと背後からザパッと不自然な水音がしても、全然反応できないくらい、俺は動揺していた。何だかんだ女の子の全裸をガッツリ直視してしまう機会が、少なかったのもあるだろう。

 

 ともかく、深呼吸。深呼吸だ。俺は動揺を落ち着ける。

 

 

 

 

 

 リーフィはメイと一緒に水浴びに来て、何となく大岩の裏を覗き、動揺していた。

 

「てっ、てててててっ、テクっ、テクトも水浴びに来てたんですけど……!??!?」

 

 マズい。やってしまった。最悪だ。嫌われる。

 

 そんな罪悪感を抱くと共に、リーフィの脳裏にはテクトの裸体が焼き付いていた。

 

 すさまじい姿だった。高い上背、全身余すところなく鍛えられた肉体。そして僅かに見てしまった巨大なチ……局部。その魅力的すぎる姿に、特にチ、局部が目について離れない。

 

 エロすぎる。いや、初対面から『うわエッロ……』とは内心思っていたが、親しくなって改めて裸体を見て思った。テクト、エロすぎる。体つきがあまりにもけしからん。

 

「んー? リーフィ、どうしむぐっ」

 

「いっ、いい子だから静かにしててくださいねメイっ。ホント、お願いですからっ」

 

 どうすればいい、とリーフィは必死に考える。万一勘付かれてしまったとしても、せめて覗き目的で来たわけではないと信じて欲しい。

 

 が、もう一度目に焼き付けておきたい、という下心がリーフィには湧いていた。

 

 無論、しない。そんなことはしないのだが、無人島で禁欲生活を強いられ、ムラついていないとは決して言えない。ぶっちゃけ限界に近い。

 

 そこに今回の事故である。リーフィの鉄の理性がなければ、すでにテクトに襲い掛かっていただろう。リーフィは自分が誇らしい。嘘だ。頭はテクトの全裸でいっぱいだ。

 

「……リーフィ? 目がこわいー……」

 

 そこで、メイに言われて、ハッとする。危ない。メイが居てよかった。居なかったら、多分リーフィは過ちを犯していたに違いない。

 

 しかし、どうすれば、と考える。気付かない振りをして水浴びをしていれば、向こうが気付いて、こっそり抜け出してはくれないか。あるいはこちらがこっそり抜け出すべきか。

 

 そう考えていた時、「あ」とメイが言った。

 

「ご主人っ? ご主人がいた気がする。見に行ってくるー」

 

「えぇっ!? あっ、ちょっ、メイ!?」

 

 想定外の動きをしたメイに、リーフィは焦りに焦り、メイを捕まえに追いかける。だが川の中では水に足を取られ、思うように速度が出ない。

 

 だからか――――リーフィがメイに追いついた時、完全に手遅れだった。

 

「やっぱりご主人いた。ご主人も水浴びしに来てたの?」

 

「え、メイ? あ」「あっ……」

 

 リーフィとテクトの目が完全に合う。お互いにガッツリ全裸を見せ合ってしまう。

 

 それにリーフィは、ぎゅっと目をつむって―――

 

「ワタクシも女です。ボコボコにされる覚悟は、できてるんですからねっ!」

 

「しねぇよ!?!?!?!?」

 

 過去一大きいテクトの否定が、川の中心に響き渡ったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

引退したソシャゲに異世界転移したらヒロインが全員病んでた件(作者:西沢東)(オリジナルSF/冒険・バトル)

もし引退したソシャゲの世界が続いていたとして。▼『プレイヤー』無き世界では破滅に抗えなかったとして。▼ヒロインたちが次々と疲れて壊れていったとして。▼そんな状態で『プレイヤー』本人が異世界転移してきたとしたら。


総合評価:17144/評価:8.83/連載:27話/更新日時:2025年10月11日(土) 14:20 小説情報

貞操逆転世界で普通に生きられると思い込んでる奴(男女比1:5の世界でも普通に生きられると思った?)(作者:こーたろ)(オリジナル現代/恋愛)

貞操逆転世界だけど現代だし別に普通に生きられるっしょ。と思っている主人公が徐々にわからされる話。▼尚、ヒロイン全員愛が重い。▼★電撃文庫様より書籍化決定しました。小説最新4巻が2025年5月発売。▼コミカライズ1巻も2025年4月に発売しました!▼カクヨム、小説家になろうにもマルチ投稿中です。▼


総合評価:39133/評価:8.98/連載:78話/更新日時:2026年06月29日(月) 18:00 小説情報

世界の為に推しとの恋愛を諦めようとしたらヤンデレ化された件(作者:赤坂緑語)(オリジナル現代/冒険・バトル)

この世界が前世でプレイしていた悪魔とエクソシストの殺し合いで年中ヒャッハーしている鬱エロゲームの世界であると気が付いたその日、僕は恋人になってくれた彼女に告げた。▼「ごめん……別れて欲しい」▼ 彼女はこの世界を主人公と共に救うメインヒロインだと知ってしまったから。あとは主人公と一緒に何とか世界を救ってほしいと願っていたんだが――▼「逃がさないよ。絶対に、絶対…


総合評価:19715/評価:8.76/連載:91話/更新日時:2026年07月12日(日) 23:00 小説情報

貞操逆転世界で湿度高めヒロイン達を無自覚に沼らせる転生者~死にゲー世界で鬱エンドを迎えるヒロイン全員救う、全員が曇る(作者:しば犬部隊)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

死にゲーに転生した主人公(男)が遺伝子的に湿度が高く重い女達に囲われていく話。▼なお、主人公は自分に価値を見出していないので、自分を犠牲にしたりする。▼だが それが逆に重い女の琴線に触れた!▼無自覚にヒロインを沼らせていく、ただ平穏に生きたいだけの男。▼書籍化決定 5月20日 オーバーラップノベルス様より発売! ▼


総合評価:31576/評価:8.9/連載:50話/更新日時:2026年07月12日(日) 00:39 小説情報

貞操逆転世界で占い師(軍師)を務めていたら、貴族令嬢方に包囲され逃げられなくなった件について(作者:ですわお嬢様)(オリジナルファンタジー/戦記)

男女の役割が入れ替わった中世っぽい異世界で、ガリティア王国の女爵(男爵)家に転生した。▼軍事貴族の家柄に転生したことも相まって、勝手に憧れて軍略などを学んでいたが、この世界では男性が故に出征することもなく箱入り息子として育てられることに。▼だか、ある日にまさかの革命が起こり、王家と共に軍人だった母は戦死してしまう。▼慌てて隣国に亡命すると、そこには同じく革命…


総合評価:12884/評価:8.63/連載:56話/更新日時:2026年07月02日(木) 12:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>