TS転生ヴィランロリ、疲れ切ったヒーローを拾う   作:蓋然性生存戦略

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気が向いたので

注:タイトルで察してください



幕間:アヤマチとハジマリ

ボクは今、壁ドンされている。

なぜ、どうして。

いや原因は分かってる、ボクのせいです、はい。

でもね、わざとじゃないんだよ。

 

「……」

「ひぅ……」

 

こんなはずではなかった。

無事中学も卒業し、非日常に巻き込まれない平穏な生活を過ごし、卒業祝いにパーティーでもしようかって話していたんだ。

だから、そのぉ……良いお酒をね?用意しようと思ったのね?

おねーちゃんにはお世話になってるしね?

ずっと健康でいて欲しいから特別な奴呼ぼうと思ったのね?

下手に非存在からお酒なんて出すんじゃなかった。

劣化アンブロシアくらいにしておくべきだった。

祝いといえばお酒だろなんて安直な考えで『インド神話辺りから持ってくるか~~』って思っちゃったんです。

ボクはそこで忘れていたわけですね。

 

「美味いな。いい酒だ。どこからだ?」

「いつもの。ボクの知ってる神話から引っ張ってきてみた」

「神が口にする酒というわけか。贅沢だな?」

「内緒だよ?不老長寿にもなるんだってさ。一緒に長生きしてよね」

「は、無論だ」

 

なんて、最初は良かったんです。

でも、なんかおかしいなって思った頃には手遅れで。

おねーちゃん、良いテンションでパカパカ飲んでたわけですよ。

でも気付いたんですね。

おねーちゃん、ワクって呼べるほど酒は強くないはずだぞって。

少なくとも缶ビール12缶で沈むはずなんだ。

明らかにそれ以上飲んでるんだ。

それに気付いて止めようとした時、壁ドンされた。

 

そこまできて、思い出したんですよ、前世のウィキの情報を。

記述によれば、高揚感や活力を与える効果……があるらしい。

ねえ、これって解釈によってはさ……。

 

「……あむ」

「ひぃ!?」

 

ぎゃー!!耳甘噛みされたー!!

ダメだおねーちゃん正気じゃない!!

やっちゃったやらかした!!

久しぶりだこんなポカ!!

こんなのもうえっちな薬じゃん!!

ちがーう!そうじゃない!

ボクは不老長寿を願って美味しいお酒を出そうと思ったの!!

やましい気持ちは一切なかったの!信じて!!

ず、髄液くん助けて!!アジトの中だからボクの権限の方が上!!

異能は封じたから、耐久力が不安だけど力尽くで……!!

がんじがらめだ!!

 

「じゃまだ、どけ」

 

うっそだろオイ、髄液くんが力負けしてる……?!

耐久負けする前に力負けしてる!?

がんじがらめのおねーちゃんえっちぃとか考えてる場合じゃないって!

出力面では計算上おねーちゃんの素の身体能力には負けないはずなんだけど!?

でも隙はできた、壁ドンから脱出!

事態の鎮静化を図らなけれb……あ、やばい、想定より耐久値の損耗が……!!

ぎゃー!やめてー!!超エキゾチック水銀の組成がこわれちゃーう!!

またイチから作るのやだよー!!

いやそれよりも先にボクの貞操が危機なんですけど。

ちゃうねん、おねーちゃんに捧げるつもりではあるけどこんな形で捧げるつもりはないねん。

分かるだろ?分かれ。

 

「おねーちゃん、ポカやったボクが悪いけど、一旦落ち着こう?待っててくれればいま鎮静剤出すから……!」

 

――ギシ……!

 

「ひぃぃぃいい!!」

 

今ギシって言った!絶対言った!!

髄液くんもうちょっと頑張って!!

くそう、髄液くん改造計画の見直しをしなければ……いや今はそれよりも早く鎮静剤を……!!

 

あ、まっずぅい!!

お酒の効力高くて鎮静剤の難易度がぁ!!

いそげーいそげー!!

寸分の狂いなく急げー!!

ボクがぐちゃとろにされる!同人誌みたいに!同人誌みたいに!!

 

「どこへ行くんだ?」

 

あと10秒、保ってくれよ髄液くん……!

うぉぉおおお!『バキン!』ぎゃあああああ!

だめ?!あと5秒待ってくれない?!

ひぃ、押し倒された……!

ペンを持つ右手だけは死守!なんとしても!!

ま、間に合え……「一応言っておく。どうにも理性のタガが外れているが、私は半ば正気だ。意識レベルも明瞭だと認識している」

 

えっ。

 

「キミが本気で拒むのなら、衝動を抑え込むつもりだ」

 

手が止まる。

えっと、その、なんと言いますか。

 

え?!

 

「ちょっと待ってね、本当に」

「……待とう」

 

つまりそういうこと?

堕ちた?堕とせた?

期せずしてファインプレー?

最後に必要だったのはお酒の力?

 

ッス……。

 

「ちょっとソーマ取ってく……あ、ありがと」

 

よし、今日のボクはとっても悪い子なので。

内緒だよ?

お酒だけどお酒じゃないからね、これ。

違法ではない、きっと。

ぐびっと一杯。

覚悟完了。

 

「よし、いいよ」

 

今宵ボクは野獣となる、がおー!!

 

 

 


 

 

 

朝。

……。

 

「やってしまった……」

 

ベッドの上で、お互い一糸纏わぬ姿で、私たちは横たわっていた。

どう足掻いても事後だ。

理性のタガが外れただけで意識は明瞭だったのが更に頭が痛い。

全て覚えている。

以後あのような飲み物は出さないように厳重注意だ。

……いや、それよりも……。

 

「うぇへへ……」

 

よくもまあ幸せそうな顔を……と思わなくもない。

頭の痛い問題だ。

せめて婚姻可能な年齢まで、と思っていたのだが。

この一晩で二つほど犯罪を犯しているのだが?

どう言い訳をすればいい?

いやまあ、家の中というかアジトの中までは監視の目は及ばないのだが……。

もう一度言おう、頭が痛い。

物理的にも、精神的にも。

 

物理的な意味では、普通に二日酔いである。

飲み過ぎた。

あと腰も痛い。

エソラめ……。

 

精神的な意味では、先に述べたこと以外に……。

 

「ん……()()()()……」

 

寝言でも求めるくらい、エソラの欲求が強かったことだ。

……正直言って、甘く見ていた。

あの酒を飲んで理性を飛ばしたエソラは……うん。

やっぱり意志が強いな、キミは。

今まであの程度のスキンシップで済んでいたのが逆に恐ろしい。

しかし、一度タガが外れれば気も緩むというものだ。

私は抗えるのか……。

正直、自信はない……。

一度求め求められ、お互いに応えてしまった以上、もう気持ちを誤魔化すことはできない。

私は既に、エソラをそういう対象として見ている。

酒の勢いだとかで言い逃れできる範疇ではない。

あの時、私はエソラが欲しくて欲しくて仕方がなかった。

その時点で悟ったのだ。

私は、エソラを愛していると。

 

「……30も超えて何をしているんだ本当に」

 

本当に、頭が痛い。

エソラを愛していると、正しく理解しているからこそ。

この小さな猛獣には、抗えそうになかった。

 

「……エソラ、起きろ。シャワーを浴びるぞ」

「んぅ……えへへ、ひいらぎだぁ……」

「さっさと目を覚ませ」

「あだっ!?」

 

とはいえまあ。

先達として、爛れた生活は送らないように律さなければな。

 

「シーツも洗濯だ。シャワーを浴びたら動くぞ」

「またシよ?」

「……考えておく。キミに毎回付き合っていたら体力が保たない」

「そんなぁ」

「ほら、着替えを出せ。いつまで裸でいるつもりだ」

「え~~、朝の第二戦しようよ~」

「するか!バカなこと言ってないで早くシャワーを浴びろ!!」

「はぁい」

 

……本当に、律さなければな。

あのままでは怪物になってしまう。

 

「一緒にシャワー浴びよー」

「ダメだ」

「けち」

「けちもなにもない。そのままなし崩しでもう一度やるつもりだろう」

「バレたか。流石に諦めるか~。シャワー浴びてきまーす」

 

もうすでに手遅れな気もするが……。

なんとかしよう。

さて、色々と片付けなければ。

どこから出てきたんだ、この玩具の数々は。

……考えないようにしよう。

多分知らない方が良い。

そうしよう。

 

それはそれとして……指輪はどこで注文するか。

考えておこう。




だいたい書きたいことは終わったので、今後の更新は本当に気が向いたらになります。
後日談もなんだかんだ本編と同じくらい書いてるじゃんね、何してんだお前。
というわけでまたどこかで。
アデュー。



・夜のエソラ
とてもつよい。
子供特有の体力無尽蔵を発揮する。
スイッチが入るとサキュバスへと変貌する。
無事にぐちゃとろにしたが、後日わからせられる。

・夜のヒイラギ
とてもつよい。
が、アジト内部ではエソラの方が強い。
無事にぐちゃとろにされたが、反撃作戦は考えてある。
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