TS転生ヴィランロリ、疲れ切ったヒーローを拾う   作:蓋然性生存戦略

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いつもありがとうございます。
誤字報告が来るたびに「うわぁぁあ!ごめんなさーい!!」という顔になり、感想が来ると「ニチャァ……」って顔になります。
第二部もそろそろ終盤、よろしくお願いいたします。

それはそれとしてちょっと短いです


第九話:元TS転生ヴィランロリと悪意

「最近エソ先元気なくね?」

「え?あのエソラちゃん先生が?」

「なんかこう、自信がなさそうな顔してる」

「本当に何があったんだそれ」

「マジでな」

 

「なんか人類連合軍が動いてるとか噂あるらしいぜ」

「ラセオ入国制限マ?」

「なんかあったんかな」

「人類連合軍動いてるのと関係してる?」

「エイリアン再来か?」

 

夏季休暇明けの校舎。

がやがやとざわめく廊下で、噂話が立ち上る。

だれそれがなになにだとか。

どこがなんだとか。

 

正直、私にはどうでも良い。

目下の障害は、あの二人。

あいつらがいる限り、()()()()()()()

()()()()=()()()()()()()()()()()()()

()()()=()()()()()()()()()()()()()()()()()

おかしい。

おかしいおかしいおかしいおかしい。

()()()()()()()()()()()()()

 

ならば正さなければ。

ならば抹消しなくては。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

消えろ、消えろ、消えろ。

()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前さえ、お前さえいなければ……()()()()()()……!!」

 

()()()()()()()()、私の世界は完璧なのに……!!

 

 

 


 

 

 

「……」

「どうしたエソラ」

「そういえばなんだけどさ」

「ああ」

「ボク、異能を偽装してたわけで」

「そうだな」

「ばっちりみられてるわけで」

「そうだな」

「質問攻めに遭うの怖い」

「諦めろ」

「かえる」

「ダメだ」

 

うわああん!!いやだよぉぉぉ!!もぉぉぉぉぉん!!

仕方なかったとはいえ《神話武装》使ってるとこ見られたし!!

転移装置もばっちりみられたし!!

ボクと《テリトリア》の、これまでの苦労が……!!

 

「全て禁則事項で押し切れ」

「はぁい……」

 

うっうっ。

ふと覗いてしまった【クソガキ異能考察スレ】なんて見るんじゃなかった。

お祭り騒ぎでとんでもないことになってた。

ヒイラギチャンネルの方もお祭り騒ぎになってた。

エゴサなんてするもんじゃなかった。

 

「まあ、ひよっこたちもバカではない。分かってくれるだろうさ」

「うん……」

 

というわけで新学期。

中期が始まるわけですが。

 

「エソ先!あんときの能力は一体!?」

「考察スレではもうお祭り騒ぎですが!!」

「流体金属を操る能力じゃなかったんですか!!」

「ナズェダマルンディス!!」

 

第一期生の実技が始まった途端これだ。

ああもううるさいなひよっこども!!

 

「禁!則!!事!!項!!!以後質問禁止!!以上!!!」

「そりゃないぜエソ先!!」

「ぶーぶー!!」

「やはりか……」

「オデランゴドラギッタンディスカー!!」

 

なんかオンド〇ル語の使い手いない?

すげぇ活舌悪い奴がいる。

いや良いんだけど。

 

「お前らひよっこに伝えられることなんざねーわボケ。どんな職業でも、情報の取り扱いは厳にしろよー。今回は緊急事態ということでボクは免除されましたが」

「ほんまに一般人?」

「逸般人だろ」

「政府に目を付けられてる系美少女先生?」

「あんま悪さしないでくださいね」

「……はぃ……」

 

うっ……。

ボクは悪い子、ボクは悪い子……。

うぅ……(例のアレを解き放ったという事実)。

 

「エソ先?」

「ほんとうにどうしたんです?」

「ヒイラギ先生、これは……?!」

「まあ、あまり深く追求しないでやってくれ」

「「「はーい」」」

「お前らヒイラギの言うことはすぐ聞くのなに?ボコボコにされたいならそう言えよ」

 

くそ、調子のいい奴らめ。

ぶちのめしてやる。

 

「今日はコスチューム持って来てるから10000Lで相手してやる」

「手加減してください!!」

「死ぬって!!」

「なぁに、たかだか40湯舟だ、キミたちなら耐えられる」

「んなわけあるかぁー!!」

「ちなみに、中期からは実戦カリキュラムも予定されている。程度はどうあれ模擬戦はするぞ」

「「「ぎゃーーーーー!!」」」

 

オラ、並べ!!

お前ら全員ドーンだYO!!

 

「じゃ、俺らが一番貰って良いですか」

 

お?

四神くんじゃーん。

なんだいなんだい、リベンジかぁ?

いいよこいよ、かかってこい。

 

「60Lに耐えられなかった小童が、どこまで進歩したか見せてもらおうじゃないか」

「猛特訓しましたからね、目にもの見せてやりますよ」

 

っしゃおらぁ!!かかってこいや!!

 

 

――19分後。

 

 

ぜぇ、ぜぇ……。

なに?強くなり過ぎじゃない?

1000Lまでパワーを出すとは思わなかったよ……。

なんだおめー、可能性の塊か?

正面戦闘じゃそのうち勝てなくなる……ヒイラギタスケテ……。

 

「すげえ、4湯舟まで耐えた」

「四神たちは飛び抜けてるよなあ」

「実際俺らはどうよ」

「フォーマンセルでギリ1湯舟じゃね?」

「流石に夢見過ぎだろ」

 

他の奴らも何?

1湯舟の夢見れる程度には強くなってるの?

こわ、なにそれ、しらん……。

 

「……」

 

ん?

ヒイラギがなんか難しい顔してる。

んんん?

これ、アカン奴だな。

これが終わったらすぐ聞こう。

できるだけ人気のないとこで。

 

「夏季休暇の間、キミたちが鍛錬に励んでいることはよく分かった。現時点では素晴らしいとしか言いようがない。この調子で励んでくれれば、アセリアも安泰だな」

「ヒイラギ先生からのお墨付き」

「勝ったな、今日はかつ丼だ」

「っしゃぁ!!」

 

……言葉と空気が一致しない。

これは……なんだ?

その後、授業をテキパキとこなし、ボクは人払いをしてヒイラギと話す。

 

「何かあった?」

「いくらなんでも成長が早過ぎる。四神たちだけならば、まだ納得もしよう。彼らは特に才気に溢れている。だが他の生徒まであれほど成長が早いのは解せない。四神たちに引っ張られるとしても限度がある。何かがおかしい」

「……おーけー、探る」

「頼んだ……あまり急激な成長は彼らのためにもならんしな」

 

もし人為的なものだとして。

目的が見えない。

敵は、何がしたい……?

 

 

 


 

 

 

生徒の異常な成長速度を見て、私は疑念を抱いた。

まだ敵が内部にいる。

そんな気配がする。

 

それに、目的が見えてこない。

生徒たちを急激に成長させて、何をしたい?

 

考えろ。

私の頭の出来はそう良いわけではないが、考えることをやめようと思ったことは一度もない。

思考を止めるということは、それはある種の死だ。

生きているのならば思考を回す。

私のポリシーのようなモノだ。

 

そして、そのポリシーは、私に疑念を訴えかけてくる。

その成長は、果たして正常なものかどうか。

感情は否と答える。

理性も否と答える。

 

その成長曲線は、ある種例外とされる存在が持つモノだからだ。

そう、例えば自分のような……自分で言うのもアレだが、特別と称される存在のモノだ。

 

そんな成長曲線を、誰もが持っているわけがない。

そうであったならば、今の世界はきっと違う景色が見えているはずだ。

 

であれば、だ。

何者かの介入は必然的に明らかであり、生徒たちの成長に何かしらの代価が発生していた場合、それは敵である。

 

至急、エソラに調査を任せる。

《テリトリア》や《フィクシオン》にも連絡を取り、妙な痕跡がないかを探る。

 

私にできることはこれくらいだ。

所詮、私は戦うことくらいしか能がないからな。

……エソラと同じことを言っていないか?

まあいい。

 

問題は推定第三勢力が存在するということ。

不透明なのはその目的。

なんだ?

何が目的だ?

分からない。

今はあまりにも情報が少なすぎる。

 

皆の連絡を待とう。

今は情報を集めるべきだ。

 

そう思いたち、職員室のテレビに目を向ける。

ちょうど、新たなニュースが流れるところらしい。

 

『次のニュースです。元ヒーロー、ヒイラギ=オークニー氏の伴侶として知られるエソラ=オークニー氏ですが、先ほど幻楼院一族との繋がりがあったとの情報が明らかになり……』

 

――ガタ!!

 

思わず立ち上がった。

なぜだ?

どこから情報が漏れた?

そもそも幻楼院リンカの存在はごく一部の存在しか知らないはずだ。

リンネが漏らしたか?

至急確認する必要がある。

いや、それよりもエソラの安全を確保しなければ。

エソラに渡された緊急用のアイテムを使い、エソラを強制的にアジトへ送る。

どこにいてもエソラをアジトに送り飛ばすアイテムであり、本当の本当に緊急用のアイテムである。

それからすぐに連絡を取る。

周囲に聞き取られないように対策を取りながら。

 

「エソラ、今アジトにいるな?」

『うん。いきなり飛ばされてびっくりしたけど』

「いいか、落ち着いてよく聞け。キミと幻楼院に繋がりがあることがどこからか漏れた」

『はぁ!?ギアスでガッチガチに固めたんだぞ!?あのクソ女に対してもちゃんとやったよ?!どうやって漏れるって言うのさ!!』

「わからん。良いからアジトに引き籠れ。《テリトリア》と《フィクシオン》と連携して何とかする。アジトからできそうであれば仕事は頼むと思うが」

『分かった……クソ、徹底的に調べ上げてやる……!!』

 

とりあえず、恐らく存在するであろう第三勢力の標的はエソラらしい。

ともすれば私もか?

職員室に戻り、急いで支度をする。

 

「ヒイラギ先生、これは……?」

「事実無根だ。徹底的に抗議してやるさ。マスコミの眼は節穴らしいからな」

「ですよね。信じてます」

 

エイリアンが知りようのない情報からの攻め手。

つまり敵は人類にいるらしい。

まったく、人は愚かだと痛感することになろうとはな。

 

すぐに方々に連絡を取る。

 

「《テリトリア》」

『例の件だな?既に対応し始めている。《フィクシオン》も一緒にな』

「それから前に頼んだことは進展があったか?」

『ある。学園周辺で大規模な因果干渉の痕跡が見られたらしい。おかげで奴はてんてこ舞いだ』

「であろうな。恐らく敵は人類側にいる。第三勢力と見ていいだろう」

『面倒なことだ。すぐに対策を練る、エソラは避難させておけ』

「もうやった。エソラにはアジトから調査するよう言ってある」

『流石だな。だが気を付けろよ』

「お前もな。それからあの女との面会を求む」

『手配しておこう』

 

まだエイリアンへの警戒もしなければならないというのに、面倒なことになった。

だがわかることがある。

相手はエソラの事をよく知らないのだろう。

ただ敵として見ていながら、情報収集能力は並以下だということが分かる。

政府上層部からの扱いを知っていれば、こんな手段を取っても意味がないことは分かるはずだ。

また、真相を知っているごく一部の人間にはギアスが掛けられていることも、恐らく知らない。

つまるところ、幻楼院リンカという人物の方を知っている、私の知らない第三者の可能性も浮上する。

ちょうど良い関係者がいることだし、聞いてみるのも手だろう。

 

「……腸が煮えくり返る、とはこのことか。ふっ、私も人のことは言えないな」

 

ともあれ。

私も同罪らしい。

 

「どこの誰だか知らないが、後悔させてやるとしよう」




Q:冒頭の奴誰だよ
A:収監されてるエンジョイガールが知ってる。お前禁止カードにならんか?
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