TS転生ヴィランロリ、疲れ切ったヒーローを拾う   作:蓋然性生存戦略

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気が向いたので


後日談:ハウアイバカンス旅行

「ひゃっほーう!海だ、砂浜だ、バカンスだーーーーー!」

「全く……まずはホテルでチェックインだぞ」

「そうだった」

 

六月。

ハウアイにて。

ようやくハネムーンのやり直しだオラァ!!

長かった……これも全部幻楼院って奴が悪いんだ。

二度と世の中に出てくるな。

 

いやあしかし。

《テリトリア》からふんだくった謝礼金で懐は暖かい。

アセリア政府からふんだくった謝礼金も美味しい美味しい。

瞬間的な臨時収入が美味すぎるぜ、はーっはっはっは。

 

「飽きるまでバカンスしよう……!」

「一応日程は二週間だからな」

「まあまあ。いいじゃないですか」

「あ、スガヤさんちっすちっす」

「ハウアイ監視員の座は勝ち取ってきました。拳で」

「拳で!?」

「闘気が練り上げられている……常人の肉体としては至高の域だ……技量だけでいえば徒手空拳なら私と並ぶぞ……?」

「こわ……」

 

え、じゃあなに。

諜報部の武闘派相手にも拳で勝ち上がってきたの?

つっよ……。

 

「まあ、監視とは言っても私もバカンスに興じるので、何かあった時の連絡要員と考えていただければ幸いです。ぶっちゃけ止める役じゃなくてなんかあった時に何が何でも報告をよこせる人材がここにいるだけなんで」

「まあ、その点スガヤさんは適任だよね……」

 

悲しき組織人の性。

今度ご馳走するね……。

 

「思う存分楽しんできてください。海の他にもアトラクションやカジノも豊富らしいですよ」

「ふふ……」

 

カジノ〜、アトラクション〜。

飽きさせないものがたくさんだあ……!

 

「エソラ?」

 

む、カジノ禁止の危機を感じた。

でも、ちょっとだけ、ちょっとだけだから!

 

「ブラックジャックだけでも……!」

「……20万シジルの損失を超えたら切り上げるんだ」

「やったー!!」

「これ私の勘ですけど、多分めっちゃ増やして戻ってきますよ」

 

うへ、うへへへ。

でもそれよりも海だ、まずは海だ。

何よりもヒイラギの水着が見たい。

いくつか用意してあります。

似合う水着なんてなんぼあっても良いですからね。

アイテムボックスで持ち運びは楽だし。

 

……みんなには内緒だよ?

密輸になっちゃうからね。

 

え、ボク?

スク水。

そう、スク水だ。

ラノベやアニメで見るようなアレではなく、普通のスク水である。

 

いやね、ボクだって他のを選ぼうとしたよ。

ヒイラギが許してくれなかった……。

なんでや!防犯用イレギュラーアイテムだって持ち歩くのに!

なんなら今も髄液くんでガードしてるのに!

 

「認識阻害を貫通してキミの美貌だけが伝わっていたんだが、それでも構わないか?」

「……」

 

認識阻害アイテム貫通する美貌ってなんだよ。

ボクそんなに可愛いか?

じゃあ仕方ないけど。

認識阻害アイテムの調整もしないとだけど。

というか早く言ってよ!

調整間に合わせたのに!

 

まあ、さて。

チェックインを終わらせまして。

荷物をドーンだYO!⭐︎

 

「ベッドひろーい、ふかふか〜……家のベッドも買い替える?」

「ベッドの手入れも大変だと思うがな」

「それもそっかあ。それじゃ保留ということで……」

 

ふかふかベッドも維持するのが大変か。

どちらかといえば家のは頑丈さの方を重視してるし。

なんでって……聞くなよ。

 

「海行こ。今世ではまだ泳いでなくてさ」

「泳げるのか?」

「大丈夫大丈夫、流石に泳ぎ方を忘れは」

 

 

 

「おごぼぼぼあばばばばばばば」

「ダメじゃないか……」

 

なんでぇ!?

イメージは完璧だったのに!?

ヒイラギに救出され、砂浜まで戻ってくる。

しょんな……。

 

ビーチにセットした休憩スポットまで戻って、一度休憩。

その間、ヒイラギはテキパキと浮き輪とかを膨らませていた。

一瞬で膨らむその肺活量は何。

 

それはそれとして、ヒイラギの水着はあれだ。

膝くらいまでのパレオ付きのタンキニ。

上下黒で結構威圧感がある。

妖艶さよりも先に凛々しさが出てるね。

 

「浮き輪を持ってきて正解だったか」

「どうして……」

「十何年も泳いでないんだ、そういうこともあろう」

「ヒイラギもじゃないの!?」

「私はたまに一人で出かけた時に泳いでたからな」

「そんな……」

 

リベンジするもん。

ボクだって感覚を思い出せば……。

 

「ごごががぼぼ」

「ダメみたいだな」

 

悲報、ボク泳げなかった。

浅瀬でぱちゃぱちゃ、浮き輪でばしゃばしゃ。

ヒイラギに手を取ってもらって泳ぐ練習することになるとは……。

とほほ。

 

これじゃなんかアレなのでなんかやる。

デ◯ズニーキャッスルでも築き上げるか。

 

「クククク……力作を作ってやるぜ……」

「あまり凝ったものを作ると夕飯に間に合わなくなるぞ」

 

まかせろ、こういうのは得意なんだ。

というわけでジャンジャジャーン、完成!

 

「……早いな」

「得意だからね。写真撮ろ?」

「ああ。確か棒があったな?」

「自撮り棒?あるよ。はい、チーズ」

 

よし、良いのが撮れた。

初日の出だしは悪くないね。

 

「かなり目立っているが」

「いーのいーの。どうせ認識阻害で分かりゃしない」

「全く。夕食はどうする?」

「どうせなら贅沢しよ〜。こういうとこみたいな手の込んだ料理は普段作らないじゃん?」

「そうだな、そうしよう」

 

というわけで戻って着替えまして。

ホテルのビュッフェもいいけど、ちゃんとしたレストランで食べることにした。

予約取れるかな。

あ、ラッキー、取れた。

 

「んふふ」

「どうした」

「楽しいなって。ヒイラギはどう?」

「充足しているとも。よいしょっと」

「わわっ……もう。ボクもう19だよ?」

「どうにも小さいからな。年相応なのは胸周りだけだろう」

「くっ……むぅ!」

 

ボクはヒイラギの左腕に座るような形で抱き上げられ、そのまま運ばれた。

ボクもう子供じゃないのに。

でも、お姫様扱いされてるようで、悪い気はしなかった。

 

「ねえヒイラギ」

「なんだエソラ」

「ボクねぇ、ヒイラギと出会えて幸せなんだぁ。ありがと、ヒイラギ」

「そうか。私も、キミがいなければ今はない。ありがとう、エソラ」

「んふふ」

「ふふ」

 

あの時。

ボクがもうちょっと早く死に踏み切っていたら。

ヒイラギと出会うこともなかった。

あの時の躊躇いが、ボクを生かしたのなら、ヒイラギと出会う運命を導いたのなら。

ボクは何度だって同じ選択をすると思う。

ああでも。

リンカを救えなかったことだけは、心残りだけど。

これだけは、ボクの心の奥底に、一生残る悔恨だから。

 

「さぁて、ローカルフード食べ尽くすぞ〜〜!」

「食べ切れる量だけ注文するんだぞ」

「ヒイラギのちょっと味見させてよ。いっぱい食べるでしょ?」

「いいとも」

 

ロコモコ、ポケ、カルアピッグ。

他にもいろいろ食べました。

めっちゃ美味しかった……。

お腹いっぱい。

ちょっと眠くなっちゃったけど……お楽しみはまだこれからだぜ!!

 

「やはりカジノ、カジノは外せない」

 

ヒイラギ随伴でやってきましたカジノ施設。

スロット、カード、ルーレット。

他にも多種多様だけど……一旦スロットから試そうか。

カジノコインを交換して、と。

 

「まずはお試し」

 

目押しができるかどうかさ。

何回かやってできそうならそれが一番だからね。

ふむ。

ふむふむ。

難しめだけどできるね、これ。

自分でも口角が上がるのがわかる。

 

「うひ、ふひひひ……」

 

今宵ボクはスロカスとなる!!

うぉぉぉぉおお!ジャックポットからのラッキーセブン連打!

ふははははははは!!!!!

 

「いくらなんでもやりすぎだ」

「あだ」

 

なお、やりすぎで怒られた。

そんな、目押しできる方が悪いじゃん!!

まあでもいっぱい景品交換した。

にへ〜〜。




・今回のエソラ
なぜか泳げない。
もしかしたら悪魔の果実でも齧ったのかもしれない。
砂でディ◯ニーキャッスル作ったりカジノでボロ稼ぎしたりはしゃぎ放題。
そんな光景にスガヤさんは異能を暴走させた。
なお、エソラがあまりにも小さいため、常にヒイラギが同伴である。
認識阻害してても小さいのはわかるからね……。
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