TS転生ヴィランロリ、疲れ切ったヒーローを拾う 作:蓋然性生存戦略
とても良い。
昔やってた宇宙ニンジャから個人的な不満点だけ消えた感じ。
密書を開け続ける毎日です。
というわけで。
「《テリトリア》、方針くれ。とりあえずあのババアぶちのめす」
「それには賛成だ。ただしエソラ、お前はダメだ」
「(ガーン)」
とりあえず漬物の顔しとくか。
こんな感じだったかな。
( 〔・〕日〔・〕)
こんなどうでも良いネタしか思い出せないのクソ過ぎる。
大事な戦力になりそうな英雄系の情報は全く思い出せないのに。
「なんだその顔は。ひとまずお前は後方勤務というだけだ。奴の居場所を探るなりしろ」
「ッス」
まあそっすよね、まず居場所っすよね。
ご安心ください、見つけてあります。
自重をやめればこんなもんですよ。
レーダーとかで捉えられないのなら!!
別の方法で見つければいいんですよ!!
「というわけで先程、世界中に探査用ナノマシンを散布しました」
「すまん何を言っているか分からなかった、もう一度言ってくれ」
「岩盤層まで情報掌握できる探査用ナノマシンを世界中に散布しました」
それでも見えない?
はっはっは、他の全てが見えているのならば、それはもう見えているのと同じこと!!
刀ジジイもそう言ってた!!
「ヒイラギッ!!流石に止めろ!?」
「しかしそうでもしないと見つからないだろう、奴は」
「それはそうなんだが!!」
「ちなみに現在、65535体の幻楼院リンネを確認してるよ。これ以上増える気配がないね」
16ビットかな?
「……場所は?」
「旧ラセオ。無法地帯になってるのを良いことに好き勝手やってるね。あそこを根城にしたアウトローたちを実験体にしてるみたい。すごいよ、捕まったら最後、肉体改造を受けて『お前もリンネ』されるっぽい。ヒイラギの攻撃で受けた被害はもう取り戻してるね」
「65535体か……流石に多いな」
「ちなみに休眠中のスペアも全て発見済みです」
「奴が気付いてない可能性は?」
「十中八九気付いてるだろうけど、これを対策できるならもうお手上げさ。それにアイツ、ボクのアイテムをコピッたんでしょ?だから敢えて殺傷能力はゼロにした」
「お前はまたなんてモノを……!!」
うるせえ、これ以外であいつをどうにかできるってんなら教えて欲しいね。
殺しても死なないんだぞあいつは。
「ヒイラギ、肩を竦めてないでこのバカを止めろ。下手すれば世界滅亡のカウントダウンだぞ」
「そうは言ってもだな。6万を超える人体を見つけ次第という非効率極まりない方法で、補充速度よりも速く斬るのは流石に面倒だ」
「面倒だ?!」
「正直、居場所が分かるならそれだけでありがたい」
「ヒイラギ……お前、変わったな……」
つまり正義は我にありというわけだぁ……。
良いぞ、ボクのアイテムたち……その調子だ……。
「はぁ……まあいい。大攻勢に出るのはもう少し待て。こちらも調整がある」
「アイアイマム」
「誰がマムだ」
さ、て。
それはそれとして、だ。
『えっちゃん、ちょっとお話ししよ』
「いいよ~」
『ありがと』
ボクはリンカに呼び出されて、二人きりになる。
ちょうど都合よく個室を貸してもらえたからね、《テリトリア》万歳。
「それで、話って?」
『ちょっとした雑談かな。私の今までとか』
「ああ、気になる」
『私ね、こうやって化けて出る前からずっと見てたんだ。えっちゃんがヒイラギさんと喧嘩した時も』
「ああ、見られてたんだ、はっずいや」
『化けて出てからは、シオンくんとアヤメちゃんの面倒見たり』
「マジか、道理でヒイラギが泰然自若としてたわけだ……」
『ふふ、えっちゃんに黙って、色々とあったの』
「参ったな、恥ずかしいとこしかない気がする」
『そんなことなかったよ?』
「クク……」
『ふふ』
あー全く。
昔に戻ったみたいだ。
ひとしきり笑った後、リンカは真剣な表情になった。
『……本当にゴメン。私のせいで、苦しんだよね』
「……まあ、ね。恨んだりはしないけど」
『恨んでくれていいのに』
「馬鹿言わないでよ。それよりボクは自分の無力を呪うよ」
『えっちゃんのせいじゃないのに』
「自省を怠った時、人は進歩を忘れるのさ」
常に反省を忘れてはいけない。
ボクは自重を棄てることはあっても、反省を忘れることはないだろう。
それがたとえ、自責に成り果てたとしても。
「それに。今まで子供たちの面倒見てくれた大親友に、恨み言なんかあるもんか」
『えっちゃんは……相変わらず優しいね』
「そうかな?まあいいや。ところでリンカ、何やってんの?」
それはそれとして、リンカは何やら話している間にも作業をしている。
何してんだろ。
『私にしか出来ない作業かな』
「というと?」
『あるよ、えっちゃんの記憶のバックアップ』
「
ちょっと待って話が540度変わりますよ。
つまり一周回って180度変わりますよ。
『忘れたの?えっちゃんを呼んだのは私だよ?』
「ワーオ……」
オーマイゴッデス。
「母さん」
「ちょっと話が」
エソラとリンカを見送って、少し後。
コーヒーを飲んでゆっくりしていると、シオンとアヤメが寄って来た。
どっちもわたしに似たのか、背丈が高い。
エソラは気付いているだろうか。
二人がエソラと会話をするとき、首が辛くないように、地味に姿勢を変えていることを。
まあそれはともかく。
「なんだ」
「ママのことで」
「大丈夫なの?」
「さてな……エソラが不安定なのは今に始まったことではないが……」
とりあえず持ち直したが、エソラも自覚がある通り、エソラは弱い。
また落ち込むことがないとは限らない。
とはいえ、何かしら動くことは変わらないだろうが。
「僕たちとしては、ママにはこれ以上無理はして欲しくないんだけど……」
「無理だろうな。お前たちがリンネに撃退された以上、エソラの思考から『任せる』という選択肢はないはずだ」
「……私たちが、弱かったから……っ!」
「そう自分を追い込むな。アレは《ガーディアンズ》や他の組織が総力を挙げて対処すべき相手だ。まずは生き延びたことを誇れ」
「でも!!」
「アレが相手では、30年以上昔とはいえ、私もエソラも死にかけた経験がある。私もエソラもあの時よりも強くなっているが、それは奴も同様だ。本当に相手が悪かったとしか言えん」
「母さんが死にかけたことがある相手だというのなら納得するけども……」
私が慰めると、二人はまるで高すぎる山を見ているかのような顔になった。
さもありなん。
言っては悪いが、平和な時代で育っている二人が、あの頃の私たちと同じだけの成長をするはずがない。
四神レンのような、私に肉薄しうる実力を持っている方がおかしいのだ。
二人も、それに準ずる才能は持ち合わせているので、こっちもこっちでおかしいのだが。
とはいえ、挫ける事だけはして欲しくないと思う。
「ママが頑張るのなら、私たちももっと頑張らないとね」
「無理と無茶だけはしていいが、無謀だけはするなよ」
「そこは無理も無茶もするなって言うところじゃないの?」
「無理と無茶をする伴侶と32年も暮らしていてな」
「ああはいはい御馳走様」
こっちも持ち直したか。
全く、世話の焼ける。
「ああ、そうだ。今からでも鍛えたいというのなら、アジトにちょうどいい部屋がある。今でも私が使っているトレーニングルームだが、設定次第では内部時間を加速できる。アジトへの出入り権限は付与したから、好きに使え」
「え!?」
「そんな都合の良い部屋が!?」
「あるぞ」
エソラは『もうこれ精〇と時の部屋じゃんね』などと言っていたような。
何のことかはさっぱりだが。
「だが、これだけは言っておく。エソラも私も、いずれはあのアジトの権限をお前たちに大部分を渡すつもりだが、逆に言えばお前たち以外に渡すつもりはない。その意味をよく考えた上で使え」
「了解」
「ちなみにアジトの存在を知っているのは?」
「アジト自体の存在を知る者はそれなりにいるが、アジト内部の設備を知り尽くしているのはエソラだけだ。私も一部は知らないし、家族以外でアジト内部の設備の危険度を知っているのは《テリトリア》だけだ」
「ねえ母さん、そのアジト厄ネタってよく言われない?」
「大半の苦情はエソラに言え。トレーニングルームは私が受け付ける」
「厄ネタじゃん!!」
そうだが?
少なくとも内部で衣食住エネルギーが全て自己完結できる完璧なシェルターだが?
今は稼働していないが食糧プラントを稼働させれば簡単に引き籠れるはずだ。
外部とのネットコミュニケーションも何故か繋がるしな。
「ありがたく使わせてもらうけど……」
「こんなもん誰にも言えないじゃん……」
「お前達は私達の後継に成り得るからな、必要だろう」
「そうかもしれないけどぉ!!」
「生れてはじめて自分の異能を恨んだかも」
だいぶ元気が戻ったようで何よりだ。
この調子で、先に決めた方針通りに動いて欲しいものだ。
さて、それはさておき。
エソラが個室から出てきた気配がする。
しかも何かが変わったな。
どこか荒々しい。
「気が、高まる……溢れる……!」
『お前はどこのサ〇ヤ人だ……まあ、それくらいの変化はあったが』
『キャスさん、サポートありがとうございます。おかげで無事にバックアップの適用が完了しました』
『なに、これくらいなら手伝ってやるさ』
なにやら騒がしいな。
というより、あの猫め……出しゃばりおって。
「復ッ活ッ!エソラ=オークニー、復ッ活ッ!!」
『そのネタ通じるの私だけだからな?』
『(この猫の人……人?はどこの誰なんだろう)』
どうにも絶好調なようだな。
まあこれから決戦だ、それくらいの方が良い。
「というわけでどんな状況からでも黒幕をぶちのめして呆れるほど平和な星を取り戻す英雄を呼んで送り込みます」
『おい馬鹿やめろ、そいつはシャレにならない。ヒイラギとやら、止めろ、全力でこいつを止めろ。間違っても放し飼いにしちゃいけない生物を呼び出そうとしてるぞ』
「少々癪だが……」
「ぐぇぇ……!」
やはり調子に乗りすぎなので拳骨を入れておく。
この猫が慌てるほどの生物とは一体なんなんだ。
「膨らんで空が飛べる程度の能力しか持たないピンクの英雄だよ」
「キミのそれが真っ赤な嘘だということは分かった」
正確には、嘘は言っていないが本当のことも言っていない、だろうが。
「で?どうせ大人しく待っている気はないんだろう?」
「……ソンナコトナイヨ」
「私の眼を見て言え」
「信じてよ、ボクのこの曇りなき目を」
「ああ、信じているよ。キミの行動力を」
まあ、そこは敢えて止めない。
余りにも危険過ぎるモノを呼ぼうというのなら話は変わるが。
きっとそうではないのだろうから。
「《テリトリア》には自分で弁明するのだな」
「エッ!ヒイラギさん、そこをなんとか……!」
「知らん。人の気も知らないで無理と無茶を繰り返すキミなど知らん」
「ごめんってばぁ~~!!」
……この調子ならばもう大丈夫だろう。
本当に、本当に癪だが。
この短期間で、エソラを癒すことは、私一人ではできなかった。
まだまだ、私は力不足だ。
精進しなければ。
「ママ?」
「プラン次第では全力で止めるよ?」
「あ、シオン、アヤメ……これはそのぉ、違うんです」
「「なにが?言ってみて?」」
「戦略的撤退!!」
「「あっ!?」」
まあ、私一人でやる必要も、無いのだろうが。
『まあそんなわけだ。少しは信用してくれ』
「少しは、な」
『ククク……それでいい。これから大勝負だ、気張れよ』
言われるまでもない。
・復活のエソラ
寿命問題以外全て回復したエソラ。
心身ともにとても強い状態。
思考もクリアなので寿命問題にもちゃんと取り組める。
『最愛の伴侶』+『幼馴染』+『魂の親友』によるパワーで伝説の超アルスガル人なのだ。
これにより、髪と肌の艶がカンストした。
キューティクル。