徒然草と青溟鳥   作:上条@そぉい!

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感想いつもありがとうございます。めっちゃ楽しみにしてます。


奇妙な縁の始まり

 ラマニアンホロウ。比較的安定したホロウであるそこは澄輝坪にとって重要な場所であり産業を支える場所。災いのある場所が産業になるのだから変な話だ。

 

『こちらで方向は合っているかプロキシ君』

 

 うねうねと動く尻尾から聞こえてくる声に師匠に教えられた術法を操りながら答える。

 

「ああ、間違いない」

「しかし妙な話でありますね。もう讃頌会は壊滅も同然だと」

 

 辿々しく武器を振るうオルペウスは不思議そうな顔だ。それを横から尻尾が、鬼火隊長が頭を小突く。

 

『作戦は聞いただろう?イゾルデがいなくなった後、そのまま瓦解するかと思われた讃頌会に不穏な動きがある、と』

 

 その言葉に、アキラは防衛軍に呼ばれ拠点に向かった時の話を思い出す。

 

──イゾルデ大佐の件はとても残念だった。

 

 そう痛ましそうに目を伏せるのは、今回の指揮を任されたクライン大佐だった。神経質そうな目つきに、眼鏡をかけた男だ。

 

──彼女の手掛かりから、何かを見つけられないかと上層部は考えている。それに当たり傷心の君たちには申し訳ないが、動いてもらいたい。

 

『気遣いは結構ですクライン大佐。作戦の内容を』

 

 軍人モードに入った鬼火隊長が、先を促す。誰よりもその死を嘆き悲しんだ鬼火隊長にその色は見えない。彼女は1人では無い。イゾルデの分まで、オルペウスと2人背負うと決めた彼女たちの目には決意があった。

 

──そうか、では作戦を伝える。と、言ってもまだ手探りではあるのだが。ラマニアンホロウにて讃頌会に動きがあった。ポーセルメックスの協力がない以上、前の様な事は起こせないとは思っているが……

 

 しかし、それを無視する訳にもいかない。彼らの拠点の全てがまだ把握されているわけでは無いし、その非人道的な実験資料もまだ見つかっていない。そこには必ず何らかの手掛かりがある筈だ。そう告げたクライン大佐。

 

「私たちの他に動く隊はあるのでしょうか」

 

 質問を飛ばすのは、静かに話を聞いていたトリガーである。前にも予定にない隊との衝突でトラブルがあったのだ。聞きたくもなる。

 

──あぁ、他の隊にも動いてもらう予定だ。君たちの担当はラマニアンホロウの、航空宇宙開発区だ。

 

「了解しました」

 

 それからの情報共有も問題なく終わり、オボルス小隊は二手に分かれ行動する事にした。トリガーとシード。オルペウスと鬼火に11号。そしてプロキシであるアキラ。外から支援する形で参加するリンとfairyだ。自分で言うのもアレだけど、余程のことがない限り万全と言える布陣だとアキラは思う。

 

『しかし、思った以上に讃頌会からの抵抗が薄い』

「そうね、少し手応えがないわ」

 

 口々にそう話す11号と鬼火隊長。道中で讃頌会の信者と思われる者たちから襲撃を受けたが、なんというか、緩い。以前ほどの勢いを感じないのだ。余程以前の事件の影響があったのか。しかし、鬼火隊長はそれを不気味にも感じていた。

 

『奴ら、また何か企んでるんじゃないだろうな──』

 

 鬼火隊長の言葉が言い切られるより先に、何処かで爆発音が鳴り響いた。かなり大きい。

 

「こ、この方向はトリガー達の方であります!」

 

 すぐさま爆発音の方向を指差すオルペウスに、皆は顔を見合わせ、頷く。

 

『急ぐぞ』

 

 隊長の一言で走り出す。道中のエーテリアス達は全て炎と斬撃の前に散る。そうして5分もしない内に現場に着くと、立ち上る土煙を前に対峙するトリガーとシードの姿があった。

 

『お前達、無事だったか』

 

 2人が怪我をしている、と言うこともなく無事な姿に最悪の事態は免れたと安心するアキラだったが、2人の視線は、土煙の向こうにあった。

 

「隊長、気をつけたほうがいいかも」

「ええ、私達も少し油断しました」

 

 2人してそんな風に言いながら、視線は動かさない。アキラ達もまた、土煙の向こうにどんなエーテリアスがいるのかと、警戒を強め身構える。そうして土煙が晴れて見えてきたのは、人間だった。緑の手術衣を纏い、その長い白い髪と、薄い赤色の目。呼吸は荒く、敵意をむき出しにした女性。その姿に目を剥くアキラ。

 

「師匠!?」

「危ない!」

 

 アキラの言葉に反応した女性が、その禍々しい手に握られた剣でもってアキラに飛び掛かる。しかし、その前に11号が間に割って入り、そのナタで受け止めて、相手の腹を蹴り距離を離す。

 

「なぜ貴方が──」

 

 11号もまた、驚いていた。しかし、それよりも驚いていた者がいた。

 

『馬鹿な、何故お前がいる』

 

 鬼火は、その顔を忘れたことがない。自分に肉体があった頃。旧都陥落のあの時を忘れる事はこの先もないだろう。雪崩の様に向かってくるエーテリアスの大群を前に、死を覚悟したオブシディアン大隊を助ける様に現れた女性を。

 

──マスター、敵性存在の分析結果、サクリファイスと似た反応を検知。エーテル侵食反応にも類似しています。侵食率は47%です。

 

 奇妙な縁の始まりは、とても唐突で。無機質なfairyの声だけがアキラの耳に入った。




 カッと熱を持つ体と、その痛みで私は目を覚ました。ここが何処で、私が誰なのかすら朧げで、だけど一つだけ分かることがあった。

──守らなくちゃ

 その想いだけに突き動かされ、無我夢中で動いた。エーテリアス達を倒して倒して倒して倒して。何だかとても素早くて、ひらひらとこちらの攻撃を避けてくるエーテリアス達がいた。そいつらは仲間を呼んだ様で、5体ほどに増えた。何か言ってるけど、聞こえない。

──守らなくちゃ

 だけど、それはダレ──?

どんな結末が見たい?

  • 主人公も皆も無事のハッピー
  • ……バッドエンド
  • 欲張りに両方欲しい!
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