シガナの話は続く。
「そもそも。プロジェクトAzothの真実を、殆どの人間が知らないままでした。そのままに実行しようとしたのですから、人間というのはつまらない存在と言えるでしょう」
「プロジェクトAzothは何のための計画だったんだい?」
「確定ではありませんが……おそらくは、『別世界への干渉』が含まれていると思われます」
「別世界への干渉……?」
ええ、と言ってシガナは話を続ける。
「そもそも、プロジェクトAzothはこの世界を破壊するためのものにすぎません。問題はその先。魔神と謳われるポケモンが別世界のゲートを開くまではいいのですが、その後……別世界へどうするかが大事でした。プロジェクトAzothも考えるのが大変だったのでしょう。それに関しては詳細が述べられることはありませんでした」
「……なら、どうすればいい? どうやって解決していけばいい? このまま闇雲に突入しても無駄だと思うけれど」
ヒガナの言葉に頷くシガナ。
「ようやく考え始めるようになってくれましたか。そうです、そういうことなのですよ。そういうことで我々が考えた結果……私たちはある場所へ向かうことを決断しました。そこで私たちの『仲間』と出会うことになっています」
「仲間?」
「それはあとで話すことにしましょう」
気付けばヒガナのボーマンダがモンスターボールの外に出ていた。
驚くヒガナだったが、シガナはボーマンダの頭を撫でる。
「ボーマンダ、私たちをある場所へ連れていってくれませんか?」
嬉しそうに笑みを浮かべながら頷くボーマンダ。
それを見たヒガナは訊ねる。
「……いったい、どこへ向かおうって言うんだい?」
「かつてダイキンセツホールディングスという巨大企業がありました。その企業は世界をよりよくしていくために力を尽くしていましたが……ある時、とある力を見つけたことで、騒ぎになりました」
「ある力?」
「ムゲンダイエナジーという言葉を、聞いたことはありませんか? きっと、有名な話なのですが……。まあ、聞いたことも無いでしょう。あの世界では、ムゲンダイエナジーが生まれなかったのですから」
「あの世界、だと? それじゃまるで……俺たちがもともと暮していた世界が正史では無いような言いぐさだな」
「ええ。間違っていませんよ。あの世界はいずれ滅びゆく世界でした。隕石によって。ですが救われた。ムゲンダイエナジーによる転移装置を使うことなく、この世界とあの世界……二つの世界を救ったのですよ、あなたの手によって」
そう言ってシガナはユウキの顔を指差した。
それを聞いて彼は思わず吹き出した。
「俺が? そんなこと出来るとでも?」
「出来るのではなく、やったのです。実際に」
お久しぶりの更新となりました。
ペースが遅いことと、展開が遅いことにつきましては大変申し訳ございません。お詫びのしようがございません。
さて、第二部の更新ですが、なるべく隔日ペースで更新していく所存です。
XYと交互に更新していく考えですので、どうぞよろしくお願いします。