一方その頃。
「いったいカガリはどこにいったというのか」
オオスバメで空を飛んでいるのはホムラだった。
ホムラはなぜ空を飛んでカガリを探しているのか。
理由は単純明快。ポケギアで連絡があったためだ。
カガリ曰く、「面白いものを……見つけたから」とのこと。
「こんな時に呼びつけるだなんて……。しかも我々は今や慈善団体! そう簡単に動くことも出来ないってことを、カガリは解っているのでしょうか?」
いや、解っていたらこのような独断で行動は無い。
「カガリはいったい何を考えているのでしょう? マグマ団は、もうあの時のような活動指針では活動していないというのに。このままではテレビ局に目を付けられて今度こそ解散もあり得ますよ……」
そうぶつぶつと話しているうちにカガリが指定した島へと到着する。
降り立って、ホムラは辺りを見わたす。
「カガリ、到着しましたよ!」
ホムラは叫ぶ。
だが、その声はむなしく響くだけだった。
小さく舌打ちをして、目の前にある森の中に入っていくホムラ。
「私はこんなことをしている暇は無いというのに……」
どんどん先に進んでいくホムラ。
そしてホムラは一つの洞穴を見つける。
「これは……」
「待っていたよ…………ホムラ」
カガリの声を聞いてホムラは振り返る。
そこに居たのは、カガリだった。
しかし正確に言えば――それ以外にももう一人いた。
「お前は……!」
「アタシのこと、お前なんて言うのはどうかと思うわよ? マグマ団幹部ホムラ?」
そこに立っていたのは褐色の肌、ストレートパーマの髪――そして青を基調とした服を身に付けている女性だった。
アクア団幹部イズミ。
それが彼女の名前だった。
「アクア団は我々とともに本来の目的を終えたはずでは無かったのか……!」
「そう。けれど、それを一旦停止せざるを得ない事態が発生したの。これは由々しき事態、ってことでね」
「そう。…………我々と同じように、あるものを支配しようとしている組織が……………………いる」
「あるものを支配? それはいったい何だというのですか、カガリ」
カガリは上を指差す。
最初、それの意味が理解できなかったが――すぐにそれを理解した。
「まさか――」
「そう。…………………………マグマ団が大地、アクア団が海を支配しようとしたのと同じように……………………空を支配しようとしている組織が居る。その名前は………………………………スカイ団」
「スカイ団……」
「そう。そして、ワタシたちはかつて敵同士だったけれど、協力してそいつらを何とかしようって話にもってきているわけ」
「なぜですか、カガリ。リーダーも今やバトルリゾートで修行をすると言って殆どマグマ団の運営には関与していません。今我々が運営をしっかりせねばマグマ団は――」
「お堅いねえ。考えてみなさいよ、スカイ団が伝説のポケモンを使って何かしてみたらどうなる? またアクア団とマグマ団が何かするのではないか、って思われるのがオチ。だったらそんなことを起こされない前にこっちから叩いたほうがいい。ワタシたちはそう考えているわけ」