ホウエン地方、ミナモシティ。
ユウキとマツブサ、それにハンサムはこの場所に到着していた。
ユウキに連れられて、ある人物と出会う為だった。
「……なあ、ユウキ? いったいどうしてここに来たんだ。何か目的があって、ここに来た……のだとは思うが、空に向かうなら『そらをとぶ』を使えば……」
「いいや、それじゃ出来ない。出来ないのだよ。……あの空中要塞にはバリアが出来ているのだと聞いたことがある。そして、そのバリアをどのように破るか……そのためには三人では心細い」
「仲間を見つける必要がある、と?」
こくり、ユウキは頷いた。
そして彼らはある場所へ到着した。
旅館モナミ。
そこに入り、二階の和室へ。
「失礼します」
丁寧に一言告げて、中に入った。
「そんな畏まる必要は無いよ。僕たちと君たちはともに世界を救うために行動している。そして、今、団結するときが来たのだから」
「お兄ちゃんに言われたときは、何があったかと思ったけれど……キョウヘイくんから話を聞いて納得。どうやらこの地方も、大変なことになっているらしいね」
二人の少年少女の声が聞こえて、ユウキは頷いた。
そしてユウキはマツブサとハンサムのほうを向いて、
「紹介しよう。彼らは遠いイッシュからやってきたトレーナーだ。名前はキョウヘイとメイ。お互い、強いトレーナーだから、今回の事件にともに戦ってくれることになった」
◇◇◇
シーキンセツ。
かつてダイキンセツホールディングスがホウエンの豊富な海底資源を採掘するために開発した拠点である。
「……ここに来た意味は?」
「無いわけではありませんよ、ヒガナ。そんな慌てることではありません。……まあ、正確に言えばもう少し慌てるべきなのかもしれませんが。ただ、残念なことに私たちは別の世界からやってきた人間です。そんな我々がむやみやたらにこの世界の人間と接触してはなりません」
「なぜだ?」
「この世界では、すでに我々という存在があります。しかし、この世界の我々と邂逅するようなことがあってはならない、ということです」
「……シガナ、たまにあなたが何を言っているか解らなくなるよ」
「それは別にどうだっていい。一つの疑問を、一つの謎を解決できるのであれば。そして、それを解決するためには……」
「科学を知る人間に頼る、ということかね?」
声が聞こえた。
そこに居たのは一人の青年だった。髪形が独特だったが、白衣を着ているところを見ると科学者か何かの類なのだろうか。
読んでいた本をもとの本棚に仕舞い、踵を返す。
そうして科学者は笑みを浮かべて、ユウキたちに言った。
「まずは私から自己紹介をすべきかな。私の名前はアクロマ。かつてプラズマ団に所属し、その科学技術のすべてを開発しましたが……それも今は昔。今はただ興味本位で科学を研究している、ただの学徒ですよ」