ミナモシティ。
そこにハルカとダイゴも到着していた。
はっきり言って、ユウキに対する手がかりは皆無だった。にもかかわらず、とりあえず船に乗りある場所を目指そうという話になった。
「バトルリゾート……ですか?」
「そう。そこにはバトルシャトレーヌという四人組の女性がいる。彼女たちはもともとこのホウエンの生まれなのだよ。だから、彼女たちに救援を求める。そうして……スカイ団の情報も彼女たちなら知っているかもしれない」
「……というのは?」
「彼女たちは遠い地方、カロスでも活動を予定しているらしい。というのも、バトルリゾートを運営している団体が遠いカロス地方でも運営を行う予定だと言っていてね。それに関して僕も招待されたのだけれど……、これなら行くのは難しいかもしれない」
そうして、彼女たちが民宿モナミを通り過ぎる――ちょうどそのタイミングだった。
民宿モナミから出る一人の男――ハルカとダイゴの目はその人間を捉えていた。
そして、ハルカはその人間を知っていた。
その名前を――彼女ははっきりと述べた。
「……ユウキ……くん?」
◇◇◇
「ハルカ……?」
正直なところ、マズイタイミングで出会った――彼はそう思っていた。
マツブサとハンサム、キョウヘイとメイ。
その四人の説明について、彼は十分な説明が出来る状態では無かった。
だからこそ――。
「ユウキくん! 会いたかった……。会いたかったよ!」
ハルカは笑顔で、彼に抱き着いた。
「ええと……僕たちは邪魔だったかな?」
キョウヘイが頬をかきながら言う。
「いいや、それは無いと思うぞ。問題ない。ほんとうは説明するまでにそれなりの時間をかけてから……と思っていたのだけれど、こうなってしまったからには仕方ない」
「ユウキくん、いったいどういうことだ? もしかして、また何かおかしなことに巻き込まれたのかい?」
「おかしなこと……ですか。ダイゴさん、俺はただ、救いたいだけなんですよ」
彼はダイゴのほうに目を向けて、言った。
「一度助けてくれた彼たちを、今度は俺が助ける番なんですよ」
◇◇◇
「……確か、スカイ団とやらのアジトは空に浮かんでいる、という話でしたね」
アクロマの話を聞いて、はじめに頷いたのはシガナだった。
「つまり、この世界を滅ぼそうとしている……と。はっきり言ってつまらないですねえ。科学を解っていない。科学の可能性を解っていない」
「解っていないからこそ、あなたもまた闇に染まったのではなくて? アクロマ」
「……あれは、失敗だった。私とポケモンの研究がうまく重なる場だと思っていたのですよ。Nという絶対的リーダーが居なくなったあの組織を、私が統括しようと思えばきっと出来たでしょうね。まあ、私はそれをしたくなかったからこそ、今もここで科学者をしているのですが」