「スカイ・キャッスル……」
ユウキはその建造物を見て、何も言えなかった。
ホウエンの空に、そのような建造物があるとは思いもしなかったからだ。
そして、ダイゴの話は続く。
「……きっと、君たちは未だ理解出来ていないかもしれないけれど、この建造物にはスカイ団が居る。そしてスカイ団はレックウザを手に入れて、空を統べようとしている。フーパにボルケニオンといった未知のポケモンもいて、さらに、スカイ団はそのポケモンも狙っているといわれている。そのポケモンたちを守らねばならない。それが、僕たちの目的だ」
◇◇◇
スカイ・キャッスル五階会議室。
そこには一人の女性が腰かけていた。
白いワンピースのような衣装に身を包んだ女性は、ただ誰かを待っていた。
そして扉が開かれたタイミングで、女性は立ち上がる。女性は笑みを浮かべたまま、その相手を見つめた。
「はじめまして、ソウジュ博士。お会いできて光栄ですよ」
そうして、女性とソウジュは固い握手を交わした。
女性の名前はルザミーネ。ポケモンの保護を訴える団体『エーテル財団』の首領と呼ばれている女性だった。
「それにしても、ルザミーネさん。どうしてこのような場所に?」
「レックウザを使って、空を統べようとしている。そうお聞きしたので」
会議室が沈黙で満たされた。
数舜の時を置いて、それを破ったのはソウジュだった。
「……単刀直入に物事をおっしゃいますね」
「ええ。時は金なり……。昔の人もそうおっしゃっていましたからね。ところで、どうなのですか。実際のところ、レックウザを使っている計画とは?」
「ええ、ほんとうですよ」
ソウジュは頷く。
ルザミーネは不敵な笑みを浮かべて、話を続けた。
「ならば話は早い。……レックウザ計画を行っていくうちに、ある隕石を見つけたそうですが、」
「ええ。未知のポケモンの遺伝子、ですか。それがどうかしましたか?」
「その隕石……是非とも我がエーテル財団に寄付していただきたい」
ルザミーネはその直後、紙切れをソウジュに差し出した。
それは小切手のようだった。金額は書かれていない。それは即ち――。
「あなたが望む金額を、記載していただいて構いませんよ。まあ、もちろん限りはありますが」
それを聞いたソウジュは、さすがに違和感を抱いたのか、首を傾げる。
「……お聞きしたい。その隕石を、正確に言えば、その隕石に付着した遺伝子を使って、何をするつもりなのか。エーテル財団は仮にもポケモンの保護を目的とした団体のはず。はっきり言って、我々のような組織と繋がりを持つのは不味いのでは無いかね」