デルタへといたる道   作:natsuki

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第二十一話

 

 ソウジュはそれを聞いて、内心ひやひやしていた。

 

 遠いアローラ地方からやってきたと言っていた、ポケモン保護団体のエーテル財団は、スカイ団と同じフーパを追い求めていたという事実。

 

 ソウジュは考えた。

 

 もし自分たちもフーパを追い求めていると知ったら、どのような顔を示すのだろうか、と。もしかしたら最初からフーパを追い求めていることを知っているとすれば? 謎は深まるばかりだった。

 

「……ソウジュさん。あなたには充分お世話になりました。この遺伝子が付着した隕石をお渡ししていただけるということで」

 

 ルザミーネは立ち上がり、テーブルに置かれていた隕石をひょいと持ち上げる。

 

 それを見ていたソウジュは慌てて声を出す。

 

「ちょっと待っていただきたい。私はまだ何も……」

 

「拒否権などありませんよ」

 

 気付けば、ソウジュの目の前には一体のポケモンが立っていた。

 

 明らかに形状の異なる前足と後ろ足を持つポケモンだった。いや、それだけではない。その頭には顔を覆ってしまう程の――いわゆるフルフェイスマスクを被っていた。

 

 そのポケモンは異様な存在感を放っており、彼の前に牙を剥いていた。

 

 そのポケモンだけではない。気付けば、多くのスカイ団関係者の傍に白い服装のエーテル財団職員が立っている。

 

 ルザミーネは笑みを浮かべて、

 

「あなたにはもう拒否権なんて無いんですよ。……グラジオ、そいつやってしまっていいわよ」

 

「……はい、代表」

 

 ポケモンの背後には一人の少年が立っていた。前髪で右目を隠している少年だった。エーテル財団職員と同じ服装をしているが、その表情はどこか暗い。

 

 そして、グラジオと呼ばれた少年は、告げる。

 

「……タイプ:ヌル、『ダブルアタック』」

 

 そして、タイプ:ヌルはそのままソウジュに向けて技を繰り出した――。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 その異変をいち早く感じ取ったのはダイゴだった。

 

「何だ……、スカイ・キャッスルから煙が……?」

 

 ダイゴたちはポケモンを使って浮遊するスカイ・キャッスルを目指していた。

 

 そんなスカイ・キャッスルから煙が確認されたのは、ちょうどその時だった。

 

「どうして、スカイ・キャッスルから煙が……? 中でいったい何が」

 

 ハルカの質問に首を振るダイゴ。

 

 正直、そんなことを質問されたところで彼にもその答えは解らないままだった。

 

「解らない……。でもスカイ・キャッスルで何かあったのは確かだろう……!」

 

 そうして、彼らはスカイ・キャッスルへと向かうのだった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 スカイ・キャッスルへと向かっているのは、彼らだけではない。

 

 飛空艇、ミニプラズマフリゲート号。

 

 かつてプラズマ団で使用されたといわれている飛空艇を改造したミニ飛空艇だった。

 

 自動操縦となっているため、アクロマたちはミーティングルームと称された大きな部屋、その窓からスカイ・キャッスルの姿を確認していた。

 

「……おかしいですね。スカイ・キャッスルがどんどん高度を落としているように見えます」

 

 そして、その異変は彼らも感じていた。

 

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