2話の内容を変えさせていただきました
前の方が好きだった方は申し訳ありません
今後もお楽しみください
あるアパートの一室、窓の外には雲一つない気持ちのいい朝焼けが広がっており、空を飛ぶ影が見える。鳥だろうか、それとも飛んでった洗濯物だろうか。どちらにしても平穏な朝の風景だろう。
しかし、部屋の中にはメスや包丁、鉈が散らばり、所々に血痕が付着し、外とは正反対に不気味な様子である。
そんな外とのギャップが激しい部屋の中、鳴っていた固定電話の受話器がひとりでに外れた。
「あなたは、赤い部屋が好きですか?」
こんな朝から電話かけてくるな。いい加減にしろ。
おはよう。朝からストレスフルな私である。
初めに電話がかかってきてから三日目、聞き取れなかった言葉がどんどんハッキリしてきてた。
完全に聞き取れるようになってしまったらきっと、碌でもないことになるだろう。
というか既に大分碌でもない事が起きている。呪いの影響か物理的、精神的被害がまぁひどいのだ。
帰宅すると、隣の部屋から血の滴る刃物が飛んできたり、少ない私物が血塗れになったり、観察するような視線を感じたり、謎の異臭がするなど、めちゃくちゃ実害がある。
シャツやズボン、靴までもを血塗れにされた時は、地球初日の墜落の時並に焦ったし、職探しの時並に困った。
そんなこんなで入居してから落ち着いて眠れたことが一度もない。
本当キレそう。
しかし呪いの嫌がらせに付き合わされるのも今日まで。
とうとう本日アヤセセイコさんのご自宅へ伺いお祓いを受けることになっている。
今日の仕事が終わり次第、神越市に向かう予定だ。
この血の池地獄が終わるかもしれないと思うとテンション上がってくる。いえい。
⦿
カラスと子供達が一緒に帰っている頃。
赤と青と薄紫の夕焼け空の下、田んぼに降り立つ謎の人影。私である。
鳥が無事見つかり仕事が終わったため神越市にやって来たのだ。
あぜ道を靴で踏みしめながら鳥居に近づくたび、何だかドキドキしてくる。お祓いとはどの様に行われるのだろう。しっかり祓ってもらえるだろうか。
期待と心配が入り交じる中、一礼し灰色の鳥居をくぐる。石畳が続く先には綺麗な青緑色の屋根の本殿が見える。
左手に見えるのがアヤセセイコさんのご自宅なのだろう。どうやらカーテンが開きっぱなしの様だ、意外と不用心なのかもしれない。
「ごめんクだサい。」
玄関前でチャイムを鳴らす。
………あれ?反応がない。電気が点いていたしいらっしゃると思うが。もう一度鳴らしてみよう。
「ゴめんくダさい。アヤセセイコさんはいラッしャイませンカ?」
……チャイムからノックに切り替える。
「すみまセん。イらっシゃいマせんか。」
………えっ大丈夫だろうか。やっぱり反応が無い。じわじわと不安が蝕んでくる。玄関に出られない理由があるのだろうか?そもそも本当にいらっしゃるのか?
……不躾だが、窓から中の様子を覗おう。何もせずにこのままあの血の池アパートに帰るのは嫌だ。
窓際まで向かい覗き込む。少々失礼しま、わっ゙!!!
◯
「タマが1個、戻りました〜!」
アクロバティックさらさらとの戦闘やターボババアと綾瀬星子の野球対決()などの末、きんのたまが一つ戻ってきた。
「内角高めのタマだったな、次は打つ。」
「いいタマだったろ。」
「よかったねオカルン、金タマ1個戻って!」
「恥ずかしいわ!」
緊張感がカケラもない会話。
そんな中、あまりにも不釣り合いな不気味な音が鳴り響き、賑やかな空気に冷水を差した。
ディーン ゴォーン
綾瀬桃と
「ごめんクだサい。」
鳴った直後人の声が聞こえた。しかし、ノイズがかっていてどこか違和感を感じる。
明るい雰囲気は何処へ行ったのか。突然のことで頭が真っ白になった。一瞬の静寂の後、誰も彼もが警戒でピリピリとしている。
ディーン ゴォーン
「ゴめんくダさい。綾瀬星子さんはいラッしャイませンカ?」
数十秒か数分か、しばらく時間を置いて二度目の呼び鈴が鳴り、声も聞こえた。どこか恐怖感を煽る、無感情的で淡々とした声だ。
「狙いはワシか。」
星子がバットを担ぎ玄関へ向かう。
「ちょっと婆ちゃん?!」
「星子ちゃん、一人じゃ危ねえぜ。」
既にオカルンは変身しており、モモは何時でも超能力を使えるよう臨戦態勢である。
コッ コッ コッ コッ
「すみまセん。イらっシゃいマせんか。」
今度は呼び鈴でなくノックの音が四回聞こえた。
「メガネは裏から回れ。モモ、おめぇはカーテン閉めて超能力の用意しとけ。」
玄関前でバットを担ぎ、仁王立ちしたまま星子が言い放つ。
「分かったぜぇ星子ちゃん。」
「無茶しないでね、婆ちゃん。」
オカルンは裏口へ、モモは廊下の窓へ向かう。
少しの移動の後カーテンを閉めようと手にかけた瞬間、
「、うわっ!!」
窓の外の"人間"と目が合った。
彼か彼女か分からないが、窓を覗き込んで動かずに無表情でこちらを見上げている。
「こんニち シャー
「婆ちゃん誰かいる!目ぇ合った!!」
その言葉を聞いた瞬間、スパァーン!と星子は勢いよく玄関の戸を開け外に出る。
こちらを振り向いた窓際に立つ見知らぬ人間と目が合う。外見はどう見ても人間にしか見えないが長年の経験がソレは人間ではないと告げている。
「コンにちは。貴女が綾瀬星子サんですか?」
短髪の黒髪に深い黒の目、白いシャツに黒のロングパンツの普遍的な服装、どう見たって人間の容姿だが形容できない違和感がある。
「あぁそうだぜ。おめぇは"何"だ、何しに来やがった。」
正体も目的も不明、こちらがあちらに応えて問いかけたことで、あちらは一体どう応えるか。
「私は貴女ニお祓いの依頼ヲシに来タ者です。」
応えは荒唐無稽と言えるものだった。
「ワシにだぁ?冗談キツイぜ。」
「ふむ、何カ誤解さレていル様デスので一旦話を聞イテいただキタい。後ろの方ト家内の方モいかがでショウか?」
「──要するニ事故物件の呪イヲ解決しテいただくたメ、コこに参ッた次第です。」
「なるほどなぁ。」
「って信じられるか!!」
ちょっと色々あったけど目的の綾瀬星子さんにお話しできた。何故か野球のユニフォームを着たり、婆ちゃんと呼ばれていたりしていて、変わった人みたいだ。
星子さんはともかく、お嬢さん方はあまり好意的ではない様子。結構警戒されてしまっている、悲しい。
「残念なガら事実なンです。」
「こいつが呪われてんのはマジだぜ。」
「綾瀬さんもソう言ッテおられマす。」
「だからってアポ無しで来んな!」
アポ無し?
「? 先日ノ昼頃電話かけた際、夜の前にハ来ルヨう言ワれタのですが。覚エていラッしゃイませンか?」
「電話ぁ?おめぇからはかかってきてねぇなぁ。」
「?確かにカケまシタが……変デすね。」
…あれ、冷静に考えてみると電話番号教えてもらわなかったような…?えっ怖。呪いに誘導されてないだろうかこれ?いやでも現状で頼れそうなのこちらしか無いしな…。
「やっぱアポ無しじゃねえか!」
「星子さん、結局あの人の依頼受けるんですか?」
「そうだよ婆ちゃん、めっちゃ怪しいよ!」
「………。」
確かに私は怪しい、結果的にアポイントメントも取れていなかった。よく考えてみれば私は非常識にも夕方という遅い時間に来てしまったわけでもある。不審者及び不法侵入者として通報されていてもおかしくはない。そんな人物相手に受けてくださるだろうか…。
「受けるぜ。」
…私の聴覚は正常だろうか。受けると言ってくれたように聞こえた。都合よく聞き間違いをしていたりしないだろうか。
「本当、ですカ。あリがトウございマす。」
「ええっ!婆ちゃんマジ?!」
「おい本気か?星子。」
「本気だぜ。」
本気で受けてくださるらしい。大感謝祭りである。
「ゴ報酬等は前払いでショうか。程度が分かラナかったノで金銭以外にモ物品を持ってキタのですガ、見ていタダきたイです。」
「おい待てゴラァ!勝手に話進めようとするんじゃねぇ!」
「取りアエず、この中で最も価値のありソウな物ですト…前に拾ッタ彗星の欠片か金の玉でスカね。」
「えっ、金タマ持ってるんですか?!」
「そういうのは全部後だ、さっさとお祓いすんぞ。」
なんと、今すぐ祓っていただける様だ。この方には所長と同じくらい頭が上がらない、お社にお布施もしよう。
三日間で蓄積していた緊張が解けていき、安心感が込み上げてくる。なぜだかこの方なら絶対に祓ってくれるだろうという確信があった。
道具を取りに行っているのだろうか、家の中へ入っていく星子さんを見て、ふと思った。
「…あの、何か変な臭いしませんか?鉄みたいな…」
「え?…スンスン…確かに変な臭いするけど、どっちかっていうとゴマみたいな臭いじゃない?」
嫌と言うほど感じた視線が臭いが気配が危機がすぐそこに迫ってきている 第六感が警鐘を鳴らしている 今すぐに不味いことが起きようとしている 只管にただ只管に嫌な予感がする 呪いに嵌められた お嬢さん方も危ない 私のせいだ
咄嗟に見上げた空には、雲一つない赤と青と薄紫の夕焼けが広がり、空を飛ぶ影がハッキリと目に写った。
「テメェら、すぐ家ん中逃げろぉ!!」
その声を最後に私達は
お待たせしました〜
これ書いてる内にポケモンZA、ニンダイと色々発表されましたね。久しぶりにポケモンが主人公のゲームがでるようで楽しみです。