三日月は流離う   作:がんめんきょうき

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明日が久々の休みなので、夜更かしついでに投稿。
戦闘描写はやっぱり素人の自分には無理ですたい…。



第十二話 三日月と店長と黒猫と…

 ヤミーに殴られ続けながら、荒れ狂う自身の霊圧を必死に抑え続ける一護を眺める。

 現在ウルキオラが考察しているであろう内容の通り、確かに振れ幅が尋常では無い。

 その時、彼は振れ幅が最大の時は自身より上だと言っていたが、確かにそうだ。

 ―――未解放の平常時であれば、の話だが。

 

 元々疑問では有った。この任務に於ける藍染の命令は、自分達の妨げとなる場合は殺せというもの。なのに何故ウルキオラは無意識に興味を抱いたとはいえ、偶然では有るが自身を超える霊圧を見せた一護を生かしたのか。

 ノイトラは考える。恐らく彼は一護のそれが自身の平常時を上回っていたとしても、帰刃すれば殺すのは容易であると判断したのだと。

 

 

「…ノイトラ」

 

「何だ」

 

「判るか」

 

 

 その当人より不意に投げ掛けられた問い掛け。

 だが状況的を見れば、その意味は解説を受けずとも容易に察せた。

 

 

「一番デカい時は俺達よりも上だな」

 

「…そうか」

 

 

 確認の意味も込めていたのだろう。

 ウルキオラはノイトラの返答を聞くと、そのまま黙り込む。

 どうやら再び一護の観察へと戻ったらしい。

 

 しかし、とノイトラは考えながら、ウルキオラを横目に見遣る。

 やはり疑問は尽きない。彼は如何なる理由から、自分を任務に誘ったのか。

 そして彼自身も考えているのだろうが、頻りに自分に意見を聞く等、頼っている節が有る。

 推測の域を越えないが、恐らくウルキオラは藍染と共に自分を観察していたのでは、とノイトラは考える。

 

 憑依の影響で豹変した態度、そして行動。それ等全てを藍染に見抜かれていないだろう等と、流石に其処まで能天気に思っていない。

 外部干渉不可能なセフィーロの自室以外、それといった対策は取っていないが、元々監視されている事を前提で動いてはいた。

 一見すると余りに不用心過ぎる。確かにノイトラは藍染に対して思考を放棄している部分が有る。見方によってはそう取れるだろう。

 だがそれは一応理由が有ってこその行動だ。それに対策を立てようにも、相手が相手だ。

 

 一護の死神化から最終決戦時に対峙するまでの軌跡全てが自身の掌の上の出来事であったのだと豪語した藍染。

 ―――最終的にはその想定を超えた成長を成し遂げた一護に敗北するのだが、あくまでそれは主人公補正だ。

 崩玉の能力の補助が有ってこそのものだろうが、そんな神レベルでぶっ飛んだ頭脳を持つ彼に有効な手立てを構築出来るとは思えない。と言うか存在するのだろうか。

 

 そしてノイトラには藍染が、自分が反旗を翻す、または彼自身の思惑へ干渉する様な仕草さえ見せなければ積極的にアクションを起こす可能性は低いだろうという、少々賭けにも等しい想定もしていた。

 藍染はその絶対者たる余裕の表れなのか、自分が目を掛けた対象については、秘密裏に観察したり、敢えて外部より刺激を与えて成長を促してみる等の真似をしたりと、その者の辿る道程や変化を傍観して楽しむ嗜好が見られる。

 ―――恐らく自分は既に目を付けられている。

 過去に何度か、そしてこの任務への出発直前、彼から真意の読み取れない薄い笑みを向けられている事から、少なくともノイトラはそう思っていた。

 だが実際、今迄表立った干渉をされた事は無いし、それどころか直接触れられた事すら無い。

 

 ネリエルにもう一度会って謝罪するという目的を達成するには、今の陣営に与している事が一番確実だ。

 組織を抜けて直接ネリエルに会いに行ったとしても、追手が掛かる事は確実だし、何より魂が縮んでいる“ネル・トゥ”の状態である彼女が都合良く記憶を取り戻してくれるかも怪しい。

 故にノイトラには現状で反旗を翻す理由も何も無い。それと如何に虚夜宮内が殺伐としていたとしても、ドルドーニやガンテンバイン等、命を散らそうとしている仲間を助けようとするのは組織の一員として当たり前の事だし、何ら問題は無い筈だ。

 ―――全く以てノイトラらしくない行動だという点を除けばだが。

 現在は全く無くなったが、過去にあった最上級大虚の探索調査等の任務には真面目に取り組んでいたし、調査結果も余す事無く報告していた。

 つまり藍染は今のノイトラに対し、観察はしても直接手を掛ける理由に欠けている―――筈だ。

 

 

「…っ」

 

 

 次の瞬間、ヤミーが飛び出してきた織姫に手を上げる光景が目に入った。

 ノイトラは自身の身体に引っ張られて多少性格の変化が有っても、御人好しな部分はしっかり残っている。

 華奢な少女が傷付く姿を見て動揺しない様な冷酷さは持ち合わせていない。

 

 ノイトラは仰向けに倒れた織姫の状態を確認すると、思わず息を飲んだ。

 明らかに虫の息だ。にも拘らず、彼女の口の動きを見る限り、一護の事を只管に呼び続けているのは愛故か。それとも優しさか。

 目を背けたくなる光景だが、彼女に対して内心で謝罪しながらも何とか耐える。

 

 其処でふと、ノイトラは気付いた。

 そういえば藍染が織姫の能力に目を掛け始めたのは、この任務内での映像を見てからではなかったかと。

 思い返してみると、織姫が能力を行使した姿は今の所無い。遣り掛けたのは有ったが、その直前に一護が登場している為、未遂に終わっている。

 つまり現状で、藍染が織姫を誘拐する理由が無くなった事を示している。

 即ち、それは一護達が虚夜宮に突入する理由も同時に失った事にも繋がる。

 

 ―――まあ、藍染ならどうにかするだろう。

 恐らく織姫を攫う理由が無くなったとしても、最終的に一護達が虚夜宮へと侵入する形へ持って行く筈。ノイトラは確信していた。

 藍染が織姫を誘拐した本当の理由、それは自分が崩玉と完全に融合を果たすまでの時間稼ぎだ。

 一護達を援護する為に送られて来るであろう護廷十三隊からの援軍。それを分断した後、尸魂界に残存する戦力を潰した後にそれを相手する形へと持ち込みたいのだ。

 

 藍染が一護を除く敵戦力の中で最も警戒しているのは、山本総隊長、そして他でも無い更木剣八だ。

 総隊長についてはしっかり対策を取っているが、剣八の特性については如何しようも無いのだろう。故に融合前に対峙するのを避けたいと考え、虚夜宮―――虚圏へと閉じ込めた訳だ。

 敵の本拠地に乗り込むのだから、援軍の内容に妥協はしない筈。そう考えれば確実に剣八もそのメンバーに入っているであろうと、其処まで推測した藍染に、改めて戦慄する。

 

 

「…終わりか。存外、呆気無かったな」

 

 

 拳を振り上げたヤミーを遠目に見ながら、ウルキオラはやや失望混じりにそう呟く。

 だがノイトラは探査神経に引っ掛かった二つの霊圧反応を確認していた為、こう返す。

 

 

「いや、まだだ」

 

「…何?」

 

 

 ウルキオラがノイトラの方を向いた直後、状況が動いた。

 振り下ろされたヤミーの拳の先には紅色の盾。

 そして其処から感じ取れる二種類の霊圧。間違い無い。

 

 

「浦原喜助に四楓院夜一、か…」

 

「時間を掛け過ぎたな。あの二人は今のヤミーが勝てる相手じゃねぇ」

 

「確かにな。だが―――」

 

 

 其処でウルキオラは間を置くと、反射的にヤミーの方向へと動かした視線を再びノイトラへと戻す。

 

 

「…それにしては随分楽しそうだな、ノイトラ」

 

「っ!?」

 

 

 ノイトラは指摘されて咄嗟に自身の顔に手で触れた瞬間、初めて気付く。

 ―――笑っている。

 その笑みはまるで好敵手を見付けたグリムジョーと同様の、好戦的で獰猛な獣。

 何も知らずに更木剣八と相対してそのまま戦闘に入った直後の、憑依という事象も何も起こっていないノイトラ・ジルガを思わせる。

 

 確かに憑依後のノイトラにも戦闘を楽しむ嗜好の名残が有る。

 だがそれは日々の過酷な鍛錬、そして十刃落ちメンバー及び従属官を含めた定期的な模擬戦で解消されていると本人は思っていたが、どうやらそれは間違っていたらしい。

 無意識の内に鬱憤が溜まっていたのかもしれない。

 

 

 正直言えば、かつてのノイトラが抱いていたであろう渇望は今も微かに残っている。

 ノイトラ・ジルガという本能は求めていたのだ。直接口に出していたものとは異なる―――自分と対等以上の実力を持つ者との戦いを、血沸き肉躍る戦場を。

 相手はあくまで偶像であり、戦っている様でその実戦っていない鍛錬。参加者全てが格下であり、追い詰められる事は皆無に等しい模擬戦。

 成る程、考えてみれば確かにその渇望を満たすには不十分だ。

 

 だが今は違う。眼前にはそれを十二分に満たせるであろう存在が居る。

 護廷十三隊の中でも、特に隠密機動や二番隊が多用する素手による体術である白打(はくだ)の達人。

 それに死神全般が戦闘で用いる霊術である鬼道(きどう)を組み合わせた最高戦闘技術である秘技を持つ―――四楓院夜一。

 元とは言え、隊長に相応しい水準の能力を持ち、尸魂界の中でも唯一藍染を超える頭脳を誇る天才。

 常人には考え付かない様な道具を開発して自身の戦闘に組み込み、即興であろうとも見事に使いこなして見せる技量。

 鬼道の扱いにも優れ、鬼道の中に更に別な術式を追加したりと、自己流なアレンジすら容易に成し遂げる―――浦原喜助。

 

 この二人と戦うとなれば、如何にノイトラが強くなっているとしても相当厳しいものとなるだろう。

 息も吐かせぬ激しい攻防。隙あらば即座に突かれるであろう一切気が抜けない駆け引き。

 ノイトラは想像しただけで全身が震えるのを感じた。

 

 恐怖故に、では決して無い。所謂武者震いだ。

 完全に戦闘狂な反応である。だがノイトラはもはや自身の顔に笑みが零れるのを止められなかった。

 

 

「…行きたければ行け」

 

「…は?」

 

 

 そんな心情を読んだのか、ウルキオラはノイトラへ静かに呟いた。

 ノイトラは思わず目を見開いた。

 

 

「今のヤミーは頭に血が上り過ぎている。奴を確実に止めさえしてくれれば、後は好きにして構わん」

 

「この任務は―――」

 

「大凡の目的は果たした。後は奴等の戦力分析がしたい」

 

「………」

 

 

 先程までの協力に対する報酬なのか、実に寛容である。

 ウルキオラから許可が下りた途端、ノイトラの全身から霊圧が溢れ出す。

 

 

「尸魂界からの援軍の可能性を考慮しても、制限時間は五分程度だろう。それ以降は許可出来無ん…」

 

「……了解だ…!!」

 

 

 獰猛な笑みをそのままに、ノイトラは響転でその場を跳んだ。

 残されたウルキオラは何を考えているのか全く悟らせない、相変わらずの無表情であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヤミーの思考は自身の攻撃が止められた事に対する怒りのみで、その止めた相手の正体が誰なのか等一切考えていなかった。

 本来であれば、この眼前の自身の右腕を斬り落とした気に食わない餓鬼はミンチとなっていた筈だ。

 恐らく原因はタコ殴りにしている最中、目障りなゴミが近寄って来たのをはたき返した、その一時の遅れ。

 そのゴミ―――織姫に対し、ヤミーは殺意を抱いた。とは言っても既に死んでいるだろうが、とも思っていたが。

 

 

「何だァ? 次から次へとジャマくせえ連中だぜ…」

 

 

 ヤミーは拳を引くと、一護との間に割って入った喜助と夜一の姿を見下ろす。

 喜助は飄々とした笑みを崩さず、夜一は終始無表情のまま静かに佇んでいる。

 自分など眼中に無い。そんな態度を取る二人に、短気なヤミーは更なる怒りを募らせる。

 

 

「割って入るってことは…」

 

 

 ―――俺を馬鹿にした事を後悔させてやる。

 その思いに従い、ヤミーは再び腕を振り上げる。

 それは先程容易に止められた攻撃と相違無いのにも拘らず。

 

 

「てめえらから殺してくれって意味で…良いんだよなァ!?」

 

 

 今度は拳を握り締めていない。

 掌を押し付ける様にして、上から叩き潰さんと振り下ろす。

 

 確かに威力は申し分無い。だが余りに相手が悪過ぎた。

 相手の力を受け流し、または返す事が出来る武の達人にとって、筋肉の塊の様な者は只のカモだ。

 流石に普通の人間レベルの達人であれば、自分の三倍以上の体格を持つ者が相手では武も何も無いだろうが、夜一は違う。

 彼女のみならず、護廷十三隊の隊長格といった実力者なら、自分の何倍の体格の者を指一本で止められたり、その巨体を一太刀で両断したりと有り得ない事が可能だ。

 

 刹那の間に、夜一は振り降ろされたヤミーの腕に自身の手を添えた。

 するとそのままヤミーの腕が本来の狙いから外れた動きをし始める。

 上から下に目掛けて移動していた掌が、突如として右を向いた。

 腰も入っていない力任せな攻撃だった事が仇となり、その動きの慣性に従って、ヤミーの全身がその方向へ捩じられて行く。

 やがて足が地面から離れる。だがそれに気付いていないヤミーの表情は依然として勝ち誇ったままだ。

 

 響き渡る轟音。大量に飛散する砂塵に小石。

 ヤミーは背中から地面に叩き付けられていた。

 其処で初めて気付いたらしく、その表情が驚愕の色に染まる。

 

 

「…な……なん…だと…!?」

 

 

 自分の置かれた状況は理解出来る。だが其処まで至る経緯が一切不明だった。

 だがそれを考えるよりも、怒りが湧き出る方が早かった。

 

 

「…井上を介抱する。薬をよこせ」

 

「はいな」

 

 

 夜一は横の長年連れ添った相棒たる喜助に声を掛けると、彼は打てば響く様な返答をする。

 擦れ違い様に錠剤タイプの薬を受け取ると、織姫の倒れている場所まで歩き始めた。

 

 

「くそがあアアアアアっ!!!」

 

 

 だがヤミーにとって、彼女のその行動は挑発としか取れなかった。

 ―――またしてもコケにしやがって。

 感情のままに地面へ拳を叩き付けながら、再び立ち上がる。

 

 

「待てコラァ!!!」

 

 

 そして再び掌を向ける。

 懲りていない。それどころか全く学習していない。

 このままでは先程と同じ運命を辿るだろう。

 ―――だがそれを阻む者が現れた。

 

 

「なっ!!?」

 

「っ!!」

 

 

 ヤミーは攻撃を中断すると、驚愕の声を漏らす。

 夜一も同じくその乱入者の登場に反応し、即座に行動予定を変更して瞬歩でその場を跳び、一気に織姫の元まで移動した。

 

 

「いきなり出てきやがって!! 何のつもりだノイトラァ!!!」

 

「………」

 

 

 背後で騒ぎ立てるヤミーを無視し、乱入者たるノイトラは夜一と喜助の姿を順番に見遣る。

 夜一は視界を逸らさずに此方を警戒しながら織姫の介抱に入っており、喜助は一護の傍から離れない。

 本音を言えば、今直ぐにでも戦いを挑みたい。

 だがそれよりも先に行わねばならない事が有った。

 

 

「てめえ無視すん―――」

 

「少し黙れ」

 

「オブフッ!!?」

 

 

 顔を近付けて来たヤミーの頭に、ノイトラは背中を向けたまま右手を置くと、そのまま思い切り地面へ叩き付けたのだ。

 それは先程夜一が行ったカウンターよりも更に威力の有るもの。

 見事なまでに頭部が地面に埋まり、巨体が一瞬ビクリと跳ねたかと思うと、微動だにしなくなった。

 

 だがヤミーのタフさは想像以上だったらしい。

 ものの数秒でその手足が動き始め、両手を地面に着けて支えにすると、勢いよく頭部を地面から引き抜いた。

 

 

「ブハァっ!!! 何しやがる!!!?」

 

「土ん中で頭を冷やせって意味だ馬鹿野郎」

 

「あァ!!?」

 

 

 ノイトラの突然の暴挙に、喜助に夜一も呆然とした。

 

 ヤミーは今にも殴り掛からんばかりの勢いで、ノイトラに詰め寄った。

 

 

「コイツ等は浦原喜助に四楓院夜一だ。解放無しの今のオマエじゃ、どう足掻いても勝てねぇよ」

 

「んだとォ…!!」

 

 

 その説明を聞いた上で、尚もヤミーは食って掛かろうとするが、心なしか勢いは削がれている様に見える。

 一応彼も藍染が公開した敵戦力の情報を見ている。故にこの二人について有る程度の事は知っていた。

 二人同時に相手するとなれば、上位十刃クラスでないと敵わない存在であるとも。

 

 だがそんな事実など、今のヤミーにとってはどうでも良い事と化していた。

 敵わなかろうが何だろうが関係無い。何よりも怒りの感情が勝っていた。

 ―――此処までされておいて引ける訳が有るか。

 

 

「だからって何もしねえでいられるかよォ!!!」

 

「…やっぱそうなるよな」

 

 

 予想していたとは言え、余りに考え無しで愚かな反応に、溜息を吐く。

 ―――しょうがねぇ、か。

 そう考えたノイトラは行動に移す事に決めた。

 

 

「おいヤミー」

 

「うるせえ!! そこを退けノイト……ラ…!?」

 

 

 ヤミーが呼び掛けた瞬間、ノイトラの姿は其処には無かった。

 思わず周囲を見渡すが、何処にも見当たらない。

 

 だが喜助と夜一、そしてウルキオラは気付いていた。

 キョロキョロと忙しなく顔を左右に振り回しているヤミーの上空にて、ノイトラが足元に霊子を固めて立っていたという事に。

 

 

「あァ!? あいつ一体何処行きやがアボフッ!!!」

 

「取り敢えず寝てろ」

 

 

 直後に連続して起こった轟音。その数は三回。

 ヤミーのくぐもった声と同時に、周囲一帯に砂塵が巻き起り、その場に居合わせた者達全ての視界を塗り潰す。

 

 そして最後に一回、巨大な物体が落下したかを思わせる一際大きな音が鳴り響く。

 やがて二・三十秒の時間を掛けて視界が晴れると、其処には上半身を地面に埋め込み、下半身のみが覗いた憐れな姿となったヤミーの姿が。

 彼の臀部の上にはノイトラが立っており、まるでゴミを見る様な目でそれを見下ろしていた。

 

 

「…さぁて、どっちから俺の相手をしてくれる?」

 

 

 ノイトラはゆっくりと目を閉じると、再び開く。

 彼の顔は表情が切り替わっており、飢えた獣の如き獰猛な笑みが浮かんでいた。

 

 

「何なら二人掛かりでも良いんだぜ?」

 

 

 喜助、夜一といった順番で視線を投げ掛けると、そう言い放つ。

 口元を盛大に吊り上げ、歯を剥き出しにしたその表情に、二人は背筋が凍り付いたかの様な錯覚を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 危険を察知したノイトラは即座に響転でその場を跳んだ。

 見れば彼の頭部が有った位置を、脚甲が装着された左脚が素通りしていた。

 

 

「…躱したか。存外素早いの…」

 

 

 夜一はヤミーの成れの果てに目もくれぬまま、そう呟く。

 彼女はノイトラの意識が再び喜助の方を向いた瞬間、動いた。織姫を比較的安全な一護の傍まで運ぶと、突然過ぎる彼女の動きに気付いたまでは良いが捉えきれず、周囲へ意識を逸らしたノイトラの不意を打ったのだ。

 

 厳密に言えば正真正銘の全力では無い。だが本気ではあった。

 今の自分が繰り出せる限界の速度の蹴りを躱された事に、夜一は表面上は平静を保っていたが、その内心は驚愕の一言。

 喜助と共に尸魂界を追放された後、確かに百年余り実戦から離れていたとは言え、つい最近は鍛錬にも力を入れ始めており、全盛期に匹敵する程の勘は取り戻していた。

 瞬神の二つ名は伊達では無い。数名を除き、今の彼女は現在の護廷十三隊の隊長達にも引けを取らない―――寧ろ数名は瞬殺出来るという自負が有った。

 

 ―――やはり破面という存在の持つ実力の想定を上方修正した方が良いか。

 特筆すべきは、先程の蹴りを躱した際に見せたあの死神で言う瞬歩に等しい歩法。

 自分に匹敵する速度も脅威だが、それよりも動き始めに霊圧を感じさせないのが厄介だ。

 夜一は警戒心を最高レベルまで引き上げる。

 

 瞬歩は霊圧を消費して行う歩法故に、相手によっては察知されて出鼻を挫かれる可能性も有るので、それなりの練度が求められる技術だ。

 一方、眼前の長身で眼帯の男の破面が行った歩法にはそれが無い。

 例えば奴が自分達を無視して一護や織姫を狙った場合、自分でも対応し切れるかどうか―――。

 

 

「…打って出る。援護しろ」

 

「おまかせあれ」

 

 

 喜助の返答を聞いた瞬間、夜一の姿が掻き消えた。

 踏む込む直前、背後の一護と織姫に命に別状が無い事を再確認した後、一気にノイトラとの間合いを詰める。

 一瞬で懐へ入った彼女は、予め引き絞っていた右手で掌底を彼の心臓部目掛けて突き出す。

 だがノイトラはそれを背後に一歩引く事で難なく直撃を避ける。普通に下がっただけでは躱し切れない代物だったが、彼の足の長さを以てすれば容易であった。

 夜一とてその程度の事、はなから予想していた為、更に追撃。

 空を切った掌を地面に着くと、それを軸に回転しながら左脚を振り抜く。

 

 これが従来のノイトラであれば一々躱す等という面倒な事は一切しなかっただろう。

 自身の鋼皮の硬度に絶対の自信を持つ彼の事だ。敢えて直撃を受け、敵が自身の攻撃が通用しない事に驚愕、または絶望する様を嘲笑いながら優々と蹂躙していた筈だ。

 

 

「っ!?」

 

 

 だが彼はノイトラであってノイトラでは無い。夜一のその蹴りの挙動から全てを見切っていながら、敢えて迎え撃つ。

 瞬時に左膝を胸の位置付近まで持ち上げ、脛の横に当たる部位にて、その蹴りを完全に受け止めて見せる。

 ドルドーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオ直伝の汎用性の高い防御用の足技―――男爵蹴脚術(バロン・プンタピエス)

 本来なら霊圧を込めて鋼皮を強化した状態で、そして実際に蹴りを繰り出して行う技だが、ノイトラの場合は何もせずとも十分過ぎる硬さを持っていた為、只その構えを取っただけだ。

 上段、中断、下段と、どの位置でも対応出来るので、ノイトラは通常時も帰刃形態時も非常に重宝していた。

 

 

「なん…じゃと…!!」

 

「…何だ、随分軽いな」

 

 

 容易に止められた事に目を見開く夜一に対し、静かな声で呟く。

 直後、その防御体勢で硬直したままのノイトラの背後から、斬魄刀を振り上げた喜助が現れる。

 刀身に攻撃能力を持った紅色のオーラの様な霊圧を纏わせ、攻撃威力と範囲を拡大させたそれを後頭部目掛けて振り抜く。

 ノイトラはその威力が自身の鋼皮を超える程のものでは無いと理解していながら、響転で瞬時にその場を移動する事で回避する。

 

 夜一の時と同じ技で防御しても良かったのだが、念の為だ。

 何せこの喜助は最終決戦時に藍染と対峙した際、攻撃用に放った鬼道に崩玉の封印術を上乗せする器用さを持つ男だ。

 それは斬魄刀による斬撃も例外では無いだろう。下手すればザエルアポロと同じく、常時監視用の発信機の様なものを仕込まれる可能性だって有る。

 故にノイトラは喜助との直接戦闘は極力避けたかった。

 

 

「“()け、紅姫(べにひめ)”」

 

 

 喜助は距離を取ったノイトラに対し、更なる追撃を仕掛ける。

 一応一護や織姫までの距離は開いたが、あの動きを見る限りは余り意味は無さそうだ。

 だがやらないよりはマシと考え、行動する。

 

 先程と同じ紅色の霊圧を纏った斬魄刀を、今度は下段から上に振り上げる。

 “剃刀紅姫(かみそりべにひめ)”。刀身から剃刀の如く鋭利な霊圧が放たれ、飛ぶ斬撃となって地面を抉りながらノイトラへと迫る。

 まるでそれは一護の月牙天衝を連想させる技。流石は彼の下地を築いた師匠に等しい者と言うべきか。

 

 だがノイトラは一切動じない。眉一つ動かさず、それ以前に回避行動を取る様子すら無い。

 

 

「…ハッ!」

 

「!!」

 

 

 眼前まで迫った次の瞬間、ノイトラは左脚より外に移動させておいた右脚を、右上目掛けて振り上げる。

 超高速の物体が移動する際に生じるのと同じく、右脚で軌道を描きながら放たれた蹴撃は、その斬撃を容易く破壊して退けた。

 夜一と同じく全力では無いとは言え、正真正銘の本気で放った攻撃を無効化された喜助は息を飲んだ。

 

 互いに身動きを取らず、再度睨み合いの状態へと逆戻りする三人。

 ノイトラは呼吸を乱すどころか、汗一滴すら搔いていない。

 一方、喜助は肩を竦めながら掴み所の無い笑み浮かべ、夜一は視界を一切のブレ無くノイトラに固定していた。

 

 

「…いやぁー、想定外も良いとこッスねぇー。まさかこれ程とは…」

 

「呑気に言っている場合か馬鹿者め。…一護の容体は?」

 

「流石は黒崎サンと言ったところで。しかし井上サンも相変わらず素晴らしい精神力をお持ちだ…」

 

 

 夜一はノイトラへの警戒を解かぬまま、振り返って背後へと視線を移す。

 其処には自分が施した回復系の鬼道と与えた薬の効果で幾分か怪我の症状が和らいだのか、自分自身の事をそっちのけで、重傷の一護を盾舜六花の能力の一つ、双天帰盾(そうてんきしゅん)と呼ばれる治癒、または復元の能力を持つ技で必死に治療する織姫の姿が有った。

 

 一刻を争う事態では無い事に一先ず安堵した夜一は、再び視線を元に戻す。

 先程までの凄まじい立ち回りから、ノイトラが護廷十三隊の隊長レベルの平均を超える実力者である事は察しが付いている。

 にも拘らず、今は平然と此方の出方を窺ったまま身動き一つ取っていない。

 織姫や一護に危害を加える様子も無い事から、弱者や攻撃対象以外の存在に対し、必要以上を力を振わない制約でも課しているのか。はたまた本人が騎士道の様な矜持を持っているのかは不明。

 

 だがそんなノイトラに二人が言える事は只一つだけ。

 ―――強い。それも底が見えぬ程に。

 まだ交戦と同時に打ち合いを初めて二桁にも満たないが、共に実力者たる二人は理解していた。

 完全に自身の霊圧や身体的スペックを御し切り、剰え武術の名残を悟らせる、その身体の軸を一切乱さない無駄の無い動き。

 

 二人はふとノイトラから視線を外す。其処には何時の間にか離れに移動していたウルキオラの姿が有った。

 彼にも隙が全く見当たらない。そして彼の腰に下げた斬魄刀を確認すると、今度はノイトラの腰の部分を確認して驚愕した。

 始めは意識していなかった為に気付かなかったが、其処にはアクセサリーらしき輪の様な形状をした鎖が下げられているだけで、肝心の斬魄刀は全く見当たらなかったのだ。

 一体何故―――とは疑問に思ったが、それは今考えるべき事では無いと、瞬時に思考を切り替える。

 

 恐らくは此処に持ち込んでいないだけで、確実に所持しているだろう。

 徒手空拳のみでこれなのだ。斬魄刀を抜けばどれ程の実力になるのか。

 想像した二人は思わず歯噛みした。想定通りであれば、自分達が抑えられる可能性は低いからだ。

 

 断定は出来無いが、二人はノイトラがワザと斬魄刀を持って来なかったのではと考える。

 理由は恐らく一護や自分達を含め、空座町の現存戦力の分析。しかしだからといって斬魄刀を使用しない―――否、しようと思っても出来無いという、敢えて自分達に不利な状況を作り出すのは有り得ない。

 この事から、二人はノイトラが破面の中でもトップクラスの実力者であると仮定。ウルキオラに関しては情報収集の役割がメインで、保険の一種でもあるのだろうと当たりを付けた。

 

 普通ならそう考える。この襲撃を命じたのが藍染だとすれば、他ならぬ彼がノイトラなら斬魄刀無しでも問題無いと判断したと取れるのだから。

 そんな事実とは異なった形で認識されているとはいざ知らず、ノイトラは次に如何にして立ち回るかを考えていた。

 

 現状で最も警戒すべきは、夜一の持つ秘技、瞬閧(しゅんこう)。そして喜助の天才的頭脳からなる策と機転だ。

 前者のその高濃度に圧縮した鬼道を身に纏い戦うその技は強力で、本気でやれば崩玉と融合したばかりの藍染に手傷を負わせる程の威力を誇る。

 後者については、直接戦闘では敗北を喫したが、他者が考えても其処まで至れない程に入念な策で最終的に藍染と崩玉を纏めて封印してみせた手腕は恐るべきもの。

 

 だがノイトラの考察とは裏腹に、追い詰められているに等しい状況である夜一は瞬閧を出す素振りも見せず、喜助は相変わらず飄々としており、何を考えているのか全く読めない。

 瞬閧はやはり強力な分、周囲に被害が及ぶ可能性を考慮しているのだろう。

 もう少し追い詰めれば止むを得ず出すかもしれないが、同時に喜助も動く可能性も有る。

 故に迂闊に手を出す訳にはいかない。

 

 一向に気の休まる暇が無い、張り詰めた緊張感。一歩間違えれば一気に状況を引っ繰り返されるか解らないという、背筋に悪寒を感じる程の危機感。

 ―――これこそ自分の求めていたものだ。

 すっかり戦闘狂的思考に塗り潰されたノイトラは更に笑みを深めると、次第に自身の力を縛っていた鎖を解き始める。

 急激に上昇し始めた彼の霊圧に、対峙する二人は身構える。

 

 

「凌いで見せろ…!」

 

 

 ノイトラは全身に霊圧の膜を張り、虚弾の連続発射の準備を整える。

 とは言っても、射線上に一護や織姫が居ない事を確認した上でだが。

 

 ジジジ、という漏電の様な音を出しながら固められる小さな霊圧の無数の層。

 そしていざ発射せんとした―――その時。

 

 

「よせ」

 

「っ…ウルキオラ!!」

 

 

 ウルキオラだ。

 彼は響転でノイトラの傍へと現れると、肩に手を置き、それ以上の行動を制止したのだ。

 

 明らかな不完全燃焼。邪魔をしたウルキオラに一瞬殺意を向け掛けたノイトラだったが、今の置かれた状況を悟ると、一気に思考が冷えた。

 そういえば既に五分程度過ぎている。これ以上は護廷十三隊の援軍が来る可能性が高い。

 最悪の事態を考える。もしその援軍の中に更木剣八が混ざっていれば―――と。

 

 極めて不本意では有るが、確かに此処で止めて置くのが得策か。

 ノイトラは歯噛みする。

 ―――駆け引きの時間が多過ぎた。

 始めから思い切り仕掛けていた方が良かったか。

 だがそれだと喜助に隙を突かれる可能性も上がっていただろう。

 

 

「しょうがねぇ、か」

 

「次の機会は有る。その時まで取って置け」

 

「…はいよ」

 

 

 ノイトラが納得した事を悟ると、ウルキオラは何も無い空間に人差し指を付けた。

 するとその空間がまるで巨獣が顎を開いたかの如く、上下に開き始める。

 

 

「差し当たっての任務は終えた。引くぞ、ノイトラ」

 

「おう」

 

 

 ノイトラは直後にその場から掻き消えた。

 彼が動いた事に反応した夜一と喜助だったが、その警戒は杞憂に終わる。

 何処に向かったのかと、二人が周囲を見渡すより前に、ボコンという大きな音が響き渡る。

 音の発生源を見れば、其処は先程までヤミーが埋まっていた場所。だが彼の姿は何処にも無く、気付けばノイトラが元の位置に居た。

 右手にはヤミーの足が握られ、その巨体を引き摺る様にして持ち運びしている。

 空いた左手には一護が斬り落とした右腕が抱えられていた。

 

 ノイトラは喜助と夜一に一切視線を向けぬまま、ウルキオラが開いた黒腔に向かって歩み始めた。

 

 

「…逃げる気か?」

 

 

 その背中に向け、夜一が挑発する。だがその声には必死さも何も無く、特に引き止めようとしている様には感じられない。

 

 本来ならウルキオラに対して言う筈の台詞なのだが、今のは間違い無くノイトラに対して放たれものだった。

 何で俺が、と内心で愚痴りながらも、嫌々振り返って返答しようとするが、それよりも先にウルキオラが答えた。

 

 

「らしくない挑発だな。貴様等二人がかりで死に損ないのゴミ二匹守りながら俺達と戦って、どちらに分が在るか判らん訳じゃあるまい」

 

 

 それに、と一息置く。

 徐に夜一の左脚に視線を移しながら、言う。

 

 

「片脚で俺達と()り合おう等と、貴様には自殺願望でも有るのか?」

 

「っ!? ……チッ…」

 

 

 ウルキオラのその一言に、夜一は思わず舌打ちした。

 彼女が始めの打ち合いの際に用いたその左脚。実を言えばそれには結構なレベルの負傷が有った。

 内部の骨には複数の罅が入り、所謂骨折寸前の状態。戦闘どころか、普通であれば立っていられない程のレベルだ。

 

 此処に到着した際、本来であればヤミーに対して背面蹴りと手の甲での打撃を行い、その結果戦闘に支障が有る程の負傷をする夜一。

 後に彼女が喜助に語った内容によると、瞬閧有りでの状態であれば問題は無かったらしい。

 だが出来損ないと蔑まれる様な底辺の破面の鋼皮でも、上位席官レベルであるルキアが放つ斬撃すら容易に防ぐ強度を持つのだ。如何に夜一とて負傷しても致し方無いと言える。

 

 それを踏まえた上でヤミー以上の霊圧硬度の鋼皮を誇るノイトラに打撃を加えたとあれば、それ以上の惨事に陥る事など自明の理。

 それを踏まえると、この程度で済んだのは幸いと言える。ノイトラが男爵蹴脚術を本来の形で使用しなかったのも大きな要因だ。

 現在も夜一は自身の怪我の部分を霊圧で覆う事で負担を減らし、強化する事で誤魔化してはいるが、痛みまでは無理らしい。

 少し動く度に左脚を庇う様な仕草を見せていたのを、終始情報収集に徹していたウルキオラは見逃さなかった。

 

 

「藍染様には報告しておく。貴方が目を付けた死神“もどき”は―――」

 

 

 ウルキオラは織姫からの治療を受けている一護に視線を移す。

 その目は地面に転がる石を見ているかの如く、何の興味も示していなかった。

 

 

「殺すに足りぬ(ゴミ)でしたとな」

 

 

 ウルキオラはそう言い残し、黒腔の中へと入る。

 ノイトラは未だに意識の無いヤミーを雑に扱いながら、それに追従する。

 三人が入った直後、黒腔は閉まり始め、十秒もしない内にそれは完全に消え失せた。

 

 

 




チャドの存在が…消えた…?



もしかしたら誤字や、修正前の要らない表現等が残っているかもしれません。
確認したとしても、やっぱり見逃し部分ってのはあるものですし。

…でも流石にもう主人公の名前は間違えんでぇ。



捏造設定纏め
①一瞬でも霊圧を上回られたにも拘らず、虚無さんが一護を見逃した理由。
・虚無さん「高い時の霊圧は俺よりも上だ。“未解放の状態では”…だがな(ドヤァ」
 …といった形にしなければ、普通に脅威認定及び殺害宣告されてもおかしく無いと思いまして。
②藍染様が対護廷十三隊に取った作戦について。
・正直言って、藍染様にとって脅威らしい脅威は剣ちゃんぐらいだという推測。
・剣ちゃんの特性上、初めから強い相手に当たればそれに応じて強くなる為、藍染との相性は良い。(完全催眠食らっても、本人は何となく変な感じがするとか言って対応しそう)
・だが一護の例がある様に、相手のパワーアップの幅が大きければ大きい程、自身の霊圧調整の対応に遅れが出るというのが唯一の弱点。
・多分藍染様は、解放前と後の戦力幅が大きい十刃が相手なら多少有利になるかという考えも有って、剣ちゃんを虚圏に閉じ込めた可能性も有り。
③柔らか黒猫さん。
・虚化習得前の一護が斬れるくらいの筋肉ゴリラの鋼皮でそうなるのだから、ゲスプーンさん相手だともっと悲惨な事になるかと。なのでちと手加減。作者にはリョナ属性は無いんじゃよ…。



皆さんからの応援が凄く励みになりました。評価も頂けて有難いです。
自分なりに頑張るよ!(`•ω•´)b

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