三日月は流離う   作:がんめんきょうき

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戦闘シーン(笑)
もっと文章力を鍛えねば…(´・ω・`)



第二十一話 主人公と仮面と、三日月の無双と…

 突如としてこの空座町に現れた破面達の霊圧。それを感じ取った一護は居ても立ってもいられず、直ぐ様現場に向かおうと動き出した。

 だがそれはつい先程まで虚化の修行をつけてくれていた仮面の軍勢のメンバーに止められる。

 左腕を掴んでいるのは、銀色の短髪で筋肉質の目つきが悪いタンクトップを着た男―――元九番隊隊長、六車(むぐるま) 拳西(けんせい)

 反対側の右腕を押さえ込んでいるのは、約百九十センチの長身でサングラスを掛けたアフロヘアーの男―――元七番隊隊長、愛川(あいかわ) 羅武(らぶ)

 

 

「放せっ!!!」

 

 

 元隊長だけあって、その霊力はかなりのもの。

 それも二人掛かりで押さえられているとあっては、流石の一護も身動き一つ取れない。

 修行の影響で消耗している事も相俟って、声を上げて反抗するしか出来無かった。

 

 

「てめえ聞こえてねえのか!? まだムリだっつってんだろ!!」

 

 

 額に青筋を立てながら、拳西は強い口調で一護を窘める。

 元々短気な彼の事だ。これ以上一護が抵抗する様であれば、容赦無く拳を飛ばすだろう。

 

 

「こういう時の為に尸魂界から仲間が来て張ってんだろ!! そっちに任せとけって!!」

 

 

 羅武はそんな拳西とは正反対に、その声には怒りも何も無く、聞き分けの無い子供に言い聞かせている様に感じられる。

 隊長時代から面倒見が良い彼は、こういった事に慣れているのだろう。

 拘束から逃れようともがき続ける一護に粘り強く声を掛けながら、その背中を優しくトントンと叩き、感情を落ち着かせようとしていた。

 

 

「…いやあ、流石は一護クン。この一直線な感じはホントに若々しいなあ」

 

「アホか。ただの考え無しの間違いやろ」

 

 

 困ったような、それで且つ微笑ましい視線を一護に向けているのは、ウェーブの掛かった長い金髪の伊達男―――元三番隊隊長、鳳橋(おおとりばし) 楼十郎(ろうじゅうろう)

 それを真っ向否定したのは、金髪のツインテールで八重歯とそばかすが特徴的な少女―――元十二番隊副隊長、猿柿(さるがき) ひよ里。

 この一護の虚化習得の修行で一番彼の相手をしている時間が長い彼女。ソッポを向きながらも、その視線はチラチラと一護の様子を忙しなく窺っている事から、厳しい口調とは裏腹に心配しているのが丸判りだ。

 何処から如何見ても完全にツンデレである。それを見抜いたのか、直ぐ近くの仲間からツッコみが入った。

 

 

「ほんならチラ見すんの止めーや。幼女のツンデレとか誰得やねん」

 

 

 後ろ髪を三つ編みにした、セーラー服と眼鏡にお下げといった、正しく高校の風紀委員を務めてなそうな真面目な雰囲気を持つ女性―――元八番隊副隊長、矢胴丸(やどうまる) リサ。

 彼女は如何わしいポーズを取った全裸の女性が表紙の本―――所謂エロ本を熱心に読みつつ、ひよ里に対して平坦な声でツッコんだ。

 

 

「なんやとコラァ!! もいっぺん言ってみいリサ!! 誰が誰を心配しとるってェ!!?」

 

「誰もそこまで()ーとらへんわ。ほれ見い、やっぱツンデレやん」

 

「う…ぎ…」

 

 

 即座に反論したひよ里だったが、指摘された内容が図星だった分、リサの最後の言葉に思わず口を閉じた。

 というかその反論の内容からしてみれば、只の自爆でしか無かったのだが。

 

 

「ねーねー、はっちん。いま来てる敵って、ベリたんが行ってもダイジョーブな感じなの?」

 

「…正直言って、難しいデスね。感じ取れるだけでも、来訪した五人全てが十刃レベル。多少実力差がバラバラな部分は有りマスがね」

 

 

 地面に寝転がりながらそう問うのは、全身を白色のライダースーツで身を包み、頭にゴーグルを被った緑髪の少女―――元九番隊副隊長、久南(くな) (ましろ)

 結構緊迫した状況下では有るのだが、彼女の表情からは緊張感は全く無い。

 というか元々子供っぽく奔放でマイペースな性格の為、今迄一度もそういった態度を取った事も無く、その度に隊長である拳西がキレていたという過去を持つ。

 

 白の問いに対し、顎に手を当てながら考え込む体勢を取っているのは、この場に於いて最も大柄で寸銅な体系を持つ、桃色の髪をした坊主頭の男―――元鬼道衆副鬼道長、有昭田(うしょうだ) 鉢玄(はちげん)

 多少訛りが入った丁寧な口調で質問に答える彼の表情は思いの外険しい。

 

 仮面の軍勢の頭脳とも言える鉢玄の事だ。他にも色々と思考を巡らせているのだろうと、意外にも真面な事を考えつつ、白は視線を一護へと戻す。

 ちなみに彼女は仲間に対して独自の愛称を付ける癖が有る。

 基本的に名前の後に“ん”を付ける。鉢玄は“はっちん”、ひよ里は“ひよりん”、羅武については“ラブっち”、拳西とは付き合いが長い影響か、呼び捨てである。

 そして“ベリたん”というのは一護の事だ。これはまた妙なネーミングセンスから来ており、一護を苺と変換した後、更に英語のストロベリーへと。その最後の部分であるベリを取って―――完成だ。

 全く以て常識に囚われない幻想的で自由な発想力である。

 

 

「冗談言うな!! こっちだってこういう時の為に修行してんだ!!」

 

「だからってオメー…そんなナリでどうする気だ。慣れねえ力使って相当疲れてんだろ。下手すりゃ死ぬぞ?」

 

 

 羅武の言う事は尤もだ。この修行は死神が行う様な普通の鍛錬とは異なる。

 何せ死神とは性質が真逆の虚の力を扱うのだ。扱いの困難さも、霊圧の他にも精神的な消耗は段違いだ。

 多めに見積もっても、今の一護が卍解した状態で全力で戦えるのは三十分にも満たない。

 虚化については、保持時間は未だに十秒からその付近を行ったり来たりで中々延びていない。しかもその後は鉢玄の回復術が無ければ真面に動けなくなる程。

 

 

「そんなのは関係ねえ!! 今行かねえでどうすんだよ!!」

 

「この馬鹿が…いい加減に―――っ!!」

 

 

 予想通りと言うべきか、拳西は遂に堪忍袋の緒が切れた。

 否、彼にしては意外に長く持ったと言うべきなのかもしれない。

 不良が良く見せるテンプレ通りな怒りの形相を浮かべると、一護の腕を拘束しているのとは逆の空いた左手を握り、その拳を彼の横っ面に叩き込まんと構える。

 それに気付いた羅武は焦り始め、慌てて拳西の暴挙を止めようとするが―――それよりも早くその左腕を後ろから掴んで止めた者が居た。

 

 

「真子…」

 

「…行かしたれ」

 

 

 オカッパ頭の男―――元五番隊隊長で当時副隊長であった藍染の上官、平子 真子(ひらこ しんじ)は、徐に拳西に続いて羅武へと視線を移した。

 普段は常に眠そうな眼をしている彼だが、今は違った。半目なのは変わらないが、其処から判る程に鋭い有無を上せぬ眼光に、拳西と羅武は思わず拘束の手を緩めた。

 その隙に一護は一気に抜け出すと、外へと続く階段を駆け出した。

 

 

「おい!! 何考えてんだよ!! あいつ行っちまったじゃねえか!!」

 

「………」

 

 

 拳西から抗議の声が上がるが、真子は無表情のまま一護の後姿を眺めているだけだ。

 他の仮面の軍勢のメンバーからも抗議の視線が向けられるが、全く気にしていない。

 やがて拳西は何を言っても無駄だと判断したのか、不機嫌さを隠さぬまま、その場に座り込んだ。

 

 真子は静かに一護の事を考える。

 彼を仲間に引き入れようと思ったのは打算と同族意識が半々だ。

 前者はやがて訪れるであろう藍染との戦いの為の戦力―――切り札として。

 後者は自分達も内なる虚の存在に悩み苦しんだ辛さが理解出来る為。

 そしてそれ等とは別にもう一つ、一護の潜在能力の大きさ故に、放置していれば周囲に無差別な破壊を齎す可能性が高いという危機感からだ。

 

 だが一護の虚化習得は思った以上に困難だった。

 何よりネックなのは保持時間の短さだ。仮面の軍勢は少なくとも平均一時間以上は余裕で虚化を保持出来る。それと比較すれば余りにも短過ぎた。

 だが真子達にはそれでも尚一護に頼らざるを得ない理由が在った。

 それは彼等の虚化には、卍解状態では使えないという重大な欠点が存在していたからだ。

 始解は問題無い。だが理由は不明だが、何故か卍解状態でそれを成そうとすれば、一気に仮面が拡散してしまうのだ。

 

 その欠点は真子達が虚化を習得する際に発見されており、その時の喜助の考察によれば、それは斬魄刀との同調が足りないのでは、というのが一番の要因では無いかという。

 制御も無しの暴走状態で虚化した場合はその限りでは無さそうだが、それは本人の意志が皆無だったからに他ならない。

 基本的に斬魄刀の意志の強さは担い手に左右される。つまり真子達が明確な意思を持ったまま虚化したとすれば、同等の意志を持つ斬魄刀にもその虚の力を流し込まなければならないという事。

 死神とは正反対の虚の力だ。長きに亘る虚化の修行の中で、真子達は何度も刃禅を行って対話を重ねた結果、実を言えば始解状態にそれと同調するだけでも拒否したいと、彼等の斬魄刀は揃って訴えたのだ。

 一応それは只の我儘から来た意見では無い。それは虚化によって斬魄刀の意志が塗り潰されてしまい、本来の力が発揮されなくなってしまう可能性が高いからだと言う。

 真の姿を晒すという意味合いでも有る卍解状態で虚化すれば、更にその危険性が跳ね上がる。その事実が判明した際、真子達も流石にそれはリスクが高過ぎるとして諦めた。

 

 そんな中、一護は事も無しに卍解状態で虚化して見せた。

 仮面の軍勢は驚愕すると同時に、この先に待ち構えている絶望的な戦いの中に希望を見出した。

 理由は不明だが、正規の形で死神化した訳では無いその背景から、力の在り様が何処か自分達とは違うのだろうと納得して置いた。

 

 そして修行を重ねて行く内、真子は一護の抱える危うさにも気が付いた。

 一応話は聞いている。以前二度有った破面達による現世侵攻。その際に傷付いた一護の仲間達。

 恐らく彼はこれ以上同じ事が起きるのを防ぎたいのだろう。故に初めは戸惑っていたこの修行も、態と危険な状況まで虚化を保持しようとするという無茶を何度も遣らかしている。

 

 

「真子、オメーまさか…」

 

「そうや…オレが出る」

 

 

 当然、それを放置しておく心算は毛頭無い。

 ああいった存在はふとした切欠で急成長する可能性も有るが、その反面、一気にマイナス方向へと堕ちてしまう可能性も孕んでいる。

 唖然とした表情を浮かべる羅武の問いにそう答えながら、真子は自身の斬魄刀を握ると、ゆったりとした足取りで一護の後を追い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 槍の穂先が眉間を貫かんと一直線に迫る。

 だが予め軌道を見切っていたノイトラは顔を右に傾ける事で難無く躱した。

 それを想定していたのか、一角は直ぐ様槍を引くと、間髪入れずに次の刺突を繰り出す。

 今度の狙いは心臓。的も大きく、多少外れたとしても胴体に確実に命中させられる点から、その狙いは悪く無いと言える。

 

 だが相手が悪かった。

 響転を多用する高機動戦闘を得意とし、一度間合いを詰めればほんの数秒の間に百を超える拳撃を繰り出すガンテンバイン。

 長いリーチと速度、そして斬魄刀と相違無い切れ味を生かした蹴撃を、ありとあらゆる角度から付け入る隙無く捻じ込んでくるドルドーニ。

 一角が対峙しているのは、この二人に加えて数人の仲間達と共に数え切れぬ程の鍛錬を重ね、貪欲なまでに技術を学び取り、自分自身でも練磨を欠かさなかった男だ。

 如何に自身の命を失う事に何の躊躇いも持たずに特攻しようが、相手の意表を突く型破りな戦法を取ろうが結果は同じ。

 実力的には中の上とは言え、一介の数字持ちであるエドラドに接戦の末に勝利した一角では、例え憑依という事象が起こっていない本来のノイトラを相手取ったとしても、傷一つ負わせる事も叶わずに敗北するだろう。

 

 

「………」

 

 

 真面に直撃したとしても、その刃は確実に鋼皮に阻まれて止まる。ならば躱す必要性は皆無と言えた。

 だがノイトラは前回の任務時と同様、敢えて自分を縛るという別の選択肢を選んだ。

 しかも今回は得物を所持している分、動きが相当阻害されている状態である。夜一や喜助を相手取るより遥かに楽な状況とは言え、幾分か不利な事に変わりは無い。

 だがノイトラは全く臆さない。寧ろ新しい経験を積める事で気分は上々だ。

 常に自らを高める事を考え、余裕が有れば態と苦行を課す鍛錬馬鹿の悪い癖である。

 

 ノイトラは穂先が触れる瞬間を見極め、その直前に身体の軸を左回転させると、胸部で受け流すかの様にして後方へと逸らす。

 攻撃を躱すのに、余計な力や動作は不要。

 風に靡く柳の如く軽やかに、そして複数の動作を全て一つに繋げ、機械の様にカクカクとした動きの切り替えをゼロに。

 

 想定外の躱され方をした一角は驚愕に目を見開いた。

 だがそれは一瞬の間のみで、気付けばその口元は吊り上がっていた。

 

 

「まだ終わりじゃねえぞォッ!!」

 

 

 先程から此方の攻撃は尽く通用していない。にも拘らず、一角は戦意を喪失するどころか更に燃え滾らせた。

 獰猛な笑みをそのままに更に前方へと踏み込むと、先程の様な一発一発に必殺の意が込められたものから一転、只管手数に重点を置いた乱れ突きを放つ。

 命中率を重視し、確実にダメージを蓄積させた上で最後に止めを刺すガンテンバインの拳撃の連打とは真逆。一撃一撃の殆どは無差別だが、時折急所である喉や動きの要とも言える脚部を突かんと狙ったものが上手く混ぜ込まれたそれは、中々に侮れない。

 ノイトラは紙一重で躱し続けながら、その中で更に自身の体捌きの無駄を見付けては修正してゆく。

 

 エドラドの考察の通り、その槍捌きは荒々しい。型らしき名残は見て取れるが、正式に教えを得たものでは無い。

 恐らくこれは一角の独学。幾多の戦いの中で、有効と思わしき型や技を相手から技術を盗み取り、自身の戦法へと組み込んだのだろう。

 ―――これはこれで新鮮な感じだ。

 技術は十分だが、速度や威力は全く足りない。

 今迄戦った者の中には居ない初めてのタイプだ。ノイトラは段々と気分が高揚していくのを感じていた。

 

 

「さっきから避けてばっかりじゃねえか! その背中の得物は飾りかよ!!」

 

「…ハァ」

 

 

 ―――この戦闘狂め。

 溜息を吐くと同時に内心で吐き捨てる。そう言う当人とて、余り人の事は言えないにも拘らずだ。

 だがその表情には厄介者を見る様な不快感は全く浮かべられておらず、寧ろ楽しげだ。

 

 ノイトラは軽く響転で後方へと距離を取る。とは言っても、槍が届かないであろうギリギリの距離を見計らってだが。

 その挙動を捉えきれなかった一角は、自身の攻撃が空振った時に初めてそれに気付いた様で、はっとした表情でノイトラを見遣った。

 

 此方の鬼灯丸の動きを完全に見切る驚異的な動体視力に、無駄の無い軽やかな体捌き。それに加えて響転という自分達の瞬歩と同列の歩法を無拍子に発動してみせる技能に、一角は思わず息を呑んだ。

 だが怯んだ様子は一切無い。寧ろ敵が想定よりもずっと手強いのだと悟るや否や、より戦意を向上させた。

 鬼灯丸を握り直し、軽く二・三回振り回すと、再び腰を低く降ろして構える。

 

 力の差を見せ付けても尚、激しく闘志を燃やす一角の様子に内心で苦笑いしながら、ノイトラは右肩甲骨から斜め上に伸びる自身の得物の柄を指で弾き、カンカンと乾いた音を鳴らす。

 それが何の意味を持つのか、戦闘に関しては頗る察しの良い一角は直ぐ様理解した。

 

 

「…抜かせてみろ、ってか?」

 

「………」

 

 

 その問いに対する返答は無言の肯定。

 ノイトラは一角より格上なのは確かだ。だがこの行動には流石の一角も戦意より怒りが勝ったのか、その顔から表情が消える。 

 

 

「―――後悔すんなよ!!!」

 

 

 一角は先程より殺意の籠った眼光を鋭く光らせると、瞬歩で一気に間合いを詰めに掛かった。

 ノイトラは思わず、へぇ、と声を漏らし、意外な面を見たといった様子で感心した。

 一角は主に超接近戦を好む為、てっきりこの程度の距離ならば只の踏み込みで対処してくると思っていたからだ。

 戦法の中に瞬歩を組み込むのは基本的に隊長格だ。それは彼等が十や二十程度の連用では全く疲弊しないポテンシャルを持つが故でも有る。

 第五以上の上位席官レベルとなれば普通に瞬歩を習得している。だが使いこなせているか如何かはまた別な話で、技量が足りない分消耗も激しい。

 

 一角は十一番隊第三席に昇格して以降、その立ち位置を一切変えぬまま長い年月を過ごしている結構な古株だ。

 その実力は限り無く副隊長に近い。今では卍解も習得しているので、下手すればそれ以上だ。

 以前は十一番隊に所属していた恋次も、現在は立場が上にも拘らず敬語を使用している事から、少なくとも同等以上に認識されているのは明白。

 彼が新人であった頃、良く戦い方を教えてくれた恩師でも在った分、尊敬の念も有るのだろうが。

 

 そして他ならぬ一角自身も他の副隊長に対しては対等の口調で話しており、周囲もそれに納得している。

 明らかに年下だが、隊長である冬獅郎には敬語で接しており、その辺の区切りはしっかりしていた。

 

 

「ハッ!!!」

 

 

 その距離は槍等の長物を振るうには近過ぎた。

 ノイトラが不審に思ったのも束の間、一角は左手で穂先の根本を握り、右手を柄の後方へと添える。

 今度は穂先とは真逆の石突(いしつき)の部分を、棒立ちのノイトラの腹部目掛けて突き出した。

 

 直撃すれば衝撃は大きい。だが明らかに殺傷能力は劣る事から、これは何らかの布石であると予測出来る。

 だがノイトラに読めたのは其処までだった。多少試行錯誤しながら努力しているとは言え、専ら霊圧と霊圧のぶつかり合いや技同士の競い合いに等しいものが主で、幾多の戦場を駆け抜けた一角の様な戦上手との戦闘経験が少ない彼にそれ以上を求めるのは酷だろう。

 

 ―――突いた衝撃でよろめいた所に追撃でも仕掛ける気か。

 そう考え、序盤と同じく身体を左回転させて躱さんとするが、直後に気付いた。

 

 

「!!」

 

 

 この刺突には速度の割には力が全く込められていない。明らかなフェイクだと。

 だがその時は既に罠へと嵌った後。

 ノイトラは己の迂闊さに内心で毒づいた瞬間、眼前の一角の口元は吊り上っていた。

 

 

「甘え!!」

 

 

 石突を瞬時に引き戻すと、そのまま逆手にした左手へと持ち替え、豪快に斜め右上に振り抜く。

 瞬く間に行われたこの動作の切り替え。実に器用で柔軟性に富んでいる。

 エドラドとの戦いの中でも見せたが、左右どちらの手でも得物を扱える一角ならではの芸当とも言えるだろう。

 今度は力も十分であり、加えて遠心力による勢いも上乗せされていた。

 だが余りに愚直過ぎる。どうぞ受け止めて下さいと言わんばかりの大振りだ。

 しかも間合いは殆ど変わっておらず、このままでは柄の根本に当たる部分が、真横を向いたノイトラの後頭部へと直撃する事となる。

 

 相手の術中に嵌ったノイトラは焦燥に駆られた。

 流石に絶体絶命の危機的状況に瀕したものでは無い。言うなれば連鎖ゲームの中で不意に凡ミスをしてしまった様なものだ。

 その結果、咄嗟の思考からの行動よりも本能の方が勝ったらしい。

 見ればノイトラは反射的に右手の甲にてその柄を受け止めていた。動き様によっては背中の得物の柄が勝手に防御してくれる形になったにも拘らずだ。

 

 

「だから甘えっつってんだろが!! 裂けろ鬼灯丸!!!」

 

 

 一角が叫んだ瞬間、槍に変化が現れる。

 ノイトラの受け止めている柄の一部が別れたのだ。見ればその裂け目には鎖が有り、前後の柄同士と繋がっている。

 振り抜いた勢いが残っているのか、その柄の先の部分は更に右側へと折れ曲がった。

 

 だが変形は其処で終わらない。

 柄が左頬へと当たる直前、更に裂けて二分する。

 ―――そういえば三節棍だったな、コレ。

 あの切り替えの際、本来であればもっと威力が増すであろう右手で振るわなかったのはこの為かとノイトラは納得する。

 こうして槍を限界まで前方に突き出し、柄の根本で叩き付ける様に振るう事で、第一関節に当たる部分が裂けた際、相手の正面まで穂先が回り込む様にしたのだ。

 だが如何に罠に嵌ったとしても、実はそれ程緊迫した状況では無いのだと思い返したノイトラは、冷静に自身の頭部へと迫る穂先を眺めていた。

 

 三節棍という武器は連結棍棒というカテゴリーに入り、変幻自在な分、担い手には相当な技量が求められる。

 特に先端部分は制御が困難で、下手すれば自爆の危険性も高い。

 鬼灯丸は元が槍な分、使用難易度は一般的なヌンチャクよりも更に上だ。

 それを使いこなす一角は、近接戦闘の技術に於いては隊長レベルに匹敵していた。

 

 にも拘らず彼が三席の地位に長年居座っているのは、霊圧の伸びが少なく、鬼道が不得意―――というか使う気が無いのも有るが、本人の意志による部分が大きい。

 自らが所属している十一番隊の隊長の強さ、そしてその一切揺らがぬ突き抜けた在り方に心酔し、彼の下で戦って死ぬ。それこそが一角の望みだった。

 隊長へと就任する条件の一つである卍解を習得した現在でも、それは変わらない。

 

 ノイトラとて別の形ではあるが、一角と同じく信念を持って行動している。

 同じ男として、その信念は良く理解出来るし、尊敬に値する。

 出来れば一角とはこの様に敵として刃を交えるのでは無く、共に盃を交わしたいというのが、ノイトラの偽らざる思いだった。

 

 ―――そろそろ終わりにするか。

 既にこの戦いに意味は無い。見るべきものは見れたし、良い経験も積めた。

 技術的には真似出来る領域では無いが、同等の戦法を取る相手への対処法は大体把握した。

 故にノイトラはこの戦いに終止符を下ろす事に決めた。

 内心で一角に謝罪しつつ、驚異的な反応速度で左手を持ち上げ、目先まで迫っていた穂先を鷲掴みにして止める。

 

 

「なっ…!!」

 

 

 完全に仕留めたと思っていたのだろう。一角は驚愕の余り声を漏らしていた。

 

 

「…中々に肝が冷えたぜ」

 

 

 ノイトラは硬直している一角にそう語り掛けると、穂先より左手を放し、無拍子に懐へと潜り込む。

 肩甲骨の周囲、胸部や脇腹部、肩部から脱力する。

 体幹を固めることなく、体幹の揺らぎの波を、腕に伝えられる状態へと持って行くと、両手の拳を握り締めた。

 

 一角は背筋に言い様も無い程の悪寒を感じた。

 ―――これは拙い。

 今度は勘に頼らずとも予測出来た。この攻撃を食らった終わると。

 咄嗟に瞬歩で後方へ退却せんと試みる。

 だが槍を振り抜いた体勢から脱却していない状態では、それも叶わなかった。

 

 

「コイツは、その礼だ」

 

「…う…グォッ…!!」

 

 

 気付けば鳩尾には右拳が突き刺さっていた。

 それが引き抜かれると同時に、今度は左拳が脇腹へと捻じ込まれる。

 一角は肺の空気と一緒に血を吐き出し、身体をぐらつかせた。

 

 

20(ベインテ)30(トレインタ)40(クアレンタ)―――」

 

「…ッ!! …ガフッ…!!」

 

 

 だがそれだけでは終わらない。次の瞬間、視認不可能な速度で、無数の拳撃の嵐が叩き込まれた。

 ガンテンバインからの御厚意から伝授された―――百拳(シエント)。相手の攻撃の隙に響転にて接近し、九十九発にも及ぶ拳撃の連打を加え、トドメの百発目で地面へと叩き付ける技だ。

 拳が直撃する度、一角は声にならぬ呻き声を上げるばかりで、何の抵抗も出来無い。

 

 

90(ノベンタ)―――終わりだ」

 

 

 ノイトラは九十九発目に放った右拳を引き抜くと、最後に大きく左拳を引き絞る。

 左上から斜め右下に、力無く地面へと落下し始める一角の右頬目掛けて振り下ろした。

 

 

100(シェントス)

 

 

 屈強な肉体を持つ大の男の身体は、そのまま凄まじい勢いで地面へと叩き付けられた。

 まるで小型の隕石が落下したかの様に、落下地点には轟音と同時に半径五メートル超のクレーターが出来上がる。

 その中心にて、襤褸雑巾の如き姿で倒れ伏す男は、ピクリともしなかった。

 

 

「…やり過ぎた…か?」

 

 

 ノイトラはやや心配そうな面持ちで下を見下ろしながら、そう呟いた。

 ジャラリ、と背中の得物の柄尻より垂れ下がった鎖の鳴る音が、静かになった周囲へ嫌に響いた。

 

 ―――護廷十三隊現世援軍チーム、残り三名。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 盛大な鞭打の音が響き渡ると、弓親の身体がいとも容易く吹き飛んで行く。

 何とか途中で体勢を立て直すが、普通に立って居られない程のダメージを負ったのか、膝から崩れ落ちそうになる。

 咄嗟に斬魄刀を杖替わりにして身体を支え、相手を睨み付ける。その頭部からは大量の血液が流れ落ちていた。

 

 

「弓親!!」

 

 

 その様子を見ていた乱菊は居ても立っても居られず、弓親をそんな姿にした張本人たるルピ目掛けて飛び出さんとする。

 だが次の瞬間、それを制止する声が彼女に投げ掛けられた。

 

 

「手を出すな!!!」

 

「はぁっ!?」

 

 

 その声の主は弓親。興奮しているのか、その口調は荒く、明らかに副隊長に対する物言いでは無い。

 以前尸魂界にて、九番隊副隊長、檜佐木 修兵(ひさぎ しゅうへい)に勝利している背景から、自分は彼等と同等だと心の片隅で思っているのも有るのだろう。

 実際、彼は五席の地位に立っているが、その実力はもっと上だ。少なくとも四席、或いは三席だったとしても何ら遜色無い。下手すれば副隊長にすら匹敵する。

 

 だがそれは弓親の斬魄刀である藤孔雀―――真名は瑠璃色孔雀(るりいろくじゃく)。その本来の力を惜しみ無く発揮した場合に限ればの話だ。

 その姿は無数の蕾を付けた蔦状のもので、絡み付いた敵の霊圧を根こそぎ吸収する能力を持つ。

 傍から見れば実に強力な斬魄刀だが、一つだけ問題が有った。

 それは十一番隊の風習だ。

 “この隊に所属しているのであれば斬魄刀は直接攻撃系の能力のみ”という暗黙の了解が存在するこの隊では、鬼道系の斬魄刀を持つ者は軽蔑される傾向に有る。

 只の平隊士にそう見られる程度なら平気だ。だが死神になる以前からの友人である一角にまで同じ視線を向けられるのは耐え難かった。

 故にその力を使う事に抵抗を感じており、戦闘時になっても徹底的に秘匿を貫いているのである。

 

 しかも弓親の美的感覚によると、最も美しい数字は“三”。

 だが彼自身、その数字を背負う三番隊に移る気は全く無かったし、十一番隊では既に一角が三席の地位に就いている。

 結果、“三”に似た“五”の席に甘んじているという訳だ。

 

 

「あんたもういい加減にしなさいよ!! そんな情けないカッコ晒しといて、それでもまだ一対一(サシ)でやらせろって言うわけ!!?」

 

 

 乱菊は声を荒げ、弓親の愚かしいとも取れるその選択を窘めた。

 だが弓親は全く聞き入れようとせず、震える膝に喝を入れながら何とか立ち上がると、震える手で斬魄刀を構える。

 

 実を言えば、彼が修兵を破る事が出来たのは運が良かっただけだ。

 普通に立ち会えば終始圧倒されて終わっている。

 だがあの時の二人の周囲には人が居らず、弓親は瑠璃色孔雀を出しても何ら問題が無い状況だった。

 其処で始解もせずに油断していた修兵の隙を突き、ほぼ不意討ちに等しい形で勝利を収めたのだ。

 

 純粋な力量で言えば弓親は修兵より下だ。才能は上だろうが、積み重ねの差というのは如何ともし難い。

 真央霊術院の入試には二回落選。初っ端から挫折を味わった修兵だったが、その後は努力を積み重ね、在学中には既に護廷十三隊への入隊が内定、席官入りも確実と言われる程の優等生になる。

 そして入隊後は自身の過去の経験から来る戦闘への恐怖心に苦しみつつも、当時隊長であった東仙に現在は副隊長にまで登り詰めた。

 

 乱菊は以前、宴会の中でその経緯を修兵本人から語られている為に知っている。

 故に同格である自分でも勝てるか如何か不明な十刃―――ルピに無謀にも立ち向かう弓親を放って置く事が出来無かった。

 あの戦場に似つかわしく無い空気を漂わせていた二人の破面には一角が向かった。

 彼程の実力者ならばそうそう敗れる真似はしないだろうと判断した乱菊は、御蔭でこうして加勢に来れたのだ。

 だが極めて劣勢の筈の弓親は未だにそれを跳ね除けている。

 敗北が許されないこの状況下に於いて、尚も意地を張り続ける彼に対し、乱菊が怒りを覚えるのも致し方無いと言えた。

 

 

「うる…さい…! これはぼくの戦いだ!! 邪魔しないでくれ!!」

 

 

 弓親はそう豪語したものの、先程から視界も揺れ、膝から下には力が全く入っておらず踏み込みもままならない状態だ。

 ルピは完全に相手を見下す様な眼で、その姿を眺めていた。

 

 

「だーからァ。一対一じゃ勝ち目ナイって言ってんじゃーん」

 

 

 確かにルピは他者を馬鹿にする事の他、敵を肉体的にも精神的にも追い詰める事を好む嗜好を持っている。

 ―――違う、コレじゃない。

 内心でそう零しつつ、退屈極まりないといった様子で肩を竦めた。

 決死の覚悟で斬り掛かってくる敵に対し、自分の圧倒的な力を見せ付け、此方を恐れたり怯えたりする姿を観察する。それこそが至高なのだ。

 もはや戦いにすらなっていない現状では、楽しさも何も無かった。

 

 

「そこのおねーさんもさ、そいつの言う事なんて無視して掛かってきた方がいーよォ?」

 

「…そうね」

 

「なっ!? 止め―――」

 

「うるさいわよ。縛道(ばくどう)で強制的に黙らせられたい?」

 

 

 ルピの言い分に納得したのか、乱菊は斬魄刀の刃先を向け、何時でも踏み込める様に重心を落とす。

 弓親は抗議の声を上げんとするが、直後に彼女の放った霊圧にアテられ、言葉を詰まらせた。

 

 

「そーそー、じゃないと…っ!?」

 

 

 一対二の構図になるかと思いきや、次の瞬間、周囲一体に凄まじい轟音と衝撃が空気を伝って響き渡った。

 三人は弾かれる様にして発生源へと振り向く。

 すると其処には背中に得物を背負ったまま、ウルキオラの様に袴の側面の隙間に両手を突っ込んで棒立ちしているノイトラ。

 その下にはあわや大爆発の直後かと思わせる巨大なクレーターが、周囲に砂塵を漂わせながら存在していた。

 

 

「…一…角…?」

 

 

 信じられないものを見る様な表情を浮かべながら、弓親は絞り出す様にして呟いた。

 霊圧を探ってみると、確かに先程までガンガンと自己主張していた筈の一角の霊圧が消え失せていた。

 

 やがてその砂塵が晴れると、そのクレーターの中心部が露になった。

 死覇装はボロボロの布切れと化し、上半身を剥き出しにて俯せに倒れ伏す一角。

 その変わり果てた姿を、弓親と乱菊は只唖然とした表情で眺め続けていた。

 

 

「あんな風になっちゃうよ? でもまあ…あの様子じゃ生きてないだろーねェ」

 

 

 ルピは今にも漏れ出しそうな笑い声を堪えながら、挑発する様にしてその二人に語り掛ける。

 ―――そう、コレだ。

 自分が見たかったのはこの表情だと、ルピは口元を吊り上げた。

 任務前もそうだが、こうも自分の嗜好を次々に満たしてくれるノイトラに対し、内心で感謝する。

 

 余りにも早過ぎる仲間の敗北。二人は未だ理解が追い付いていないらしく、硬直したままだ。

 気分が乗って来たルピは、ノイトラとは別方向に視線を移す。

 

 其処にはチャクラムを激しく飛び回らせるチルッチ。

 そしてその不規則極まりない軌道を何とか見切りつつ、接近戦を仕掛けようとするも、今度は蹴撃等の徒手空拳による激しい反撃の嵐に晒され、止むを得ず距離を取るという反復運動をしている冬獅郎。

 一見すれば後者が攻め切れていない様に見えるが、違う。その証拠に、互いの肩や顔には小さな切傷が幾つか覗いている。

 どうやら戦況は見た目以上に均衡しているらしい。恐らくこの任務の制限時間内には決着は付かないだろう。

 

 

「ねえチルッチー!! せっかくだしィ、そっちの子もボクにゆずってよ!!」

 

 

 意外と気が短いルピは、制限時間内に一気に勝負を仕掛ける事に決めた。

 丁度彼の帰刃形態は一体多数に特化している為、残る三人全員を相手にしても何ら問題は無い。数として見れば寧ろ物足りないぐらいだ。

 

 叫んだ直後にチルッチの抗議の声が返って来たが、無視する。

 抑えていた霊圧を解放すると同時に、左腋の斬魄刀の柄へと右手を添える。

 

 

「こいつらウダウダとめんどいからさ、ボクが解放してまとめて相手してあげるよ」

 

 

 ルピの変化を感じたのか、其処でやっと弓親と乱菊は正気に戻った。

 二人は慌てて斬魄刀を構え直すも、既にルピの斬魄刀の刀身は中間まで抜かれていた。

 

 

 




やっとこさチート主人公の真骨頂たる本格的俺tueeeシーンの登場。
けど実はこの誘拐編を過ぎたら、また暫く御預けになるんですよね…。

なので主人公無双はもう少し続くんじゃよ。





捏造設定纏め
①仮面の軍勢は卍解と虚化の両立不可能。
・空座町決戦時、仮面の軍勢メンバーの元隊長達全員は何故虚化の状態で卍解しなかったのか。ガム噛みながら二分程考えた結果浮かんだ推測。
・始解は普通にしていたので、それ等の条件から多分そうなのかな、と。
・同調云々の理由については完全なる妄想。序に斬魄刀の意思の強さは担い手に左右される云々についても同様。
・一護の場合は斬魄刀が虚(ホワイト)のアレなので、卍解状態で虚化しても何の障害も無いのだと判断。
・しかしオカッパさんよ、オマエさんせめて虚化状態で始解せいや…。
②ハゲさんとかナルシストさんの実力。
・今迄の戦績等を見ながら考えた結果、大凡こんな感じに。二人のファンの方々には申し訳ありません。特に後者。
・山じい「腕利き共を置いてあるわい」←ナルシストさんから目を逸らしつつ。



追記
指摘を受けたので、ノイトラの一角に対する態度の部分をやや修正しました。…余り変わってないかもですが。
後溜息については、相手を見下す意図とか全く無い心算でした。下手糞で済みません。

書き手が意図しないまま見方によって様々な形に取れるというのは、明らかに未熟さの表れですね。
良い教訓になりました。今後は力の及ぶ限りですが、気を付けます。( `・ω・´)

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