書きたいものをつめこんだバンドリ小説   作:古井戸の少年

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初めまして。

推しは白金燐子。

よろしくお願いします。


1話

むかしむかし、とある町に2人の幼馴染がいました。

 

その2人の幼馴染は大変仲が良く、片方の幼馴染があまり外で遊ぶような子ではなかったのでもう片方の幼馴染が無理やり連れ出すという光景がよく見られました。また、2人はよくピアノを一緒に引いていました。

 

この光景を見ていたお互いの両親は「平和だなぁ」「2人はくっつかないのかしら」「私達的にはこっちとくっついて欲しいけどね……」「まあそこは本人たちの自由だろ」「あの子はどっちを選ぶのかしら」と言った感じで、あわよくばくっついてくれないかな、なんて思っていました。

 

しかし、小学4年生の梅雨の時期に事件は起きました。

 

その幼馴染が突然姿を消したのです。両親は必死に探しました。警察にも協力のもと、一生懸命探しました。もちろん、幼馴染も、探しました。

 

ですが、見つかることはありませんでした。

 

警察の調査が終わっても、両親や幼馴染は探し続けました。

 

その結果、行方不明になった幼馴染の両親はそのストレスによって死んでしまい、時間が経って法律により彼は死亡扱いとなってしまいました。それによって残された幼馴染も探すのを諦めてしまいました。幾らか時間が過ぎ、その幼馴染はある程度落ち着いたものの、ふとした瞬間に彼との思い出が蘇り、泣いてしまう日々が続きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は流れ少年が行方不明になってから約9年と7ヶ月。

 

これは幼馴染との再会から始まる物語です。

 

 

 

〈2016年3月18日〉

 

とある組織の一室。そこに2人の男がいた。1人は臙脂色の羽織を着た背の高い男、もう1人は黒い無地の服を着たラフな格好の男だ。

 

紅真(こうま)、お前に今から1年の強制休暇を与える」

「は?なんで??」

 

突然そんなことを言われた。着物の男——紅真(こうま)はそれについて不満の声を上げた。ついでに最大限疑問を訴えかけるような表情も追加して。それに対してラフな格好の男——蒼輝(そうき)はよくある社長机の上に何枚もある報告書を眺めて言った。

 

「なんでってお前なぁ……この1週間の平均1日5件、最低でも3件、最高で12件の案件を受け、そのほとんどを同時並行で1日から1週間で終わらしてるな。しかもほとんど寝てないだろバケモンかテメエは」

「問題ねえよ、今も全然寝なくても余裕だしなんならあと2週間寝ないでもいけるわ」

「だから休めって言ってんだろうが!」

「そういうと思って移動中は仕方なく寝てるわ」

「どれくらいだ?」

「この1週間毎日寝て平均1.2時間」

「短すぎるわああああああああああああ!!!」

 

蒼輝(そうき)は両手で思いっきり社長机に叩きつけた。その影響で何枚か報告書の束が飛び散り、それを紅真(こうま)は器用に地面につく前に回収し綺麗に整えた。

 

「そんなかっかするなよ、血管切れちまうぞ?」

「誰のせいだ誰の!あと平均1.2時間はもはや仮眠だろ!休息のうちには入らねえよ!マジでなんでそんなピンピンしてんだ!!」

 

ゼーゼーと一息で突っ込んだため息切れを起こす蒼輝(そうき)とカラカラと笑う紅真(こうま)。完全に彼の反応を楽しんでいた。

 

「とまあその怒りは一旦置いといて。僕も蒼輝(そうき)の言いたいことはわかるし、流石に僕も今週はちょっと働きすぎたかなって思うからその休暇は受け入れる。だが1年もいらねぇだろ」

「馬鹿なのかお前。とりあえずこれ見ろ」

 

そう言って社長机の引き出しから大量の紙が束ねられたものを出した。辞典1冊分の厚さがある。

 

「これは?」

「お前がこっちに来てからの半年の間に受けた案件の一部と半年の労働時間、及びその残業した時間の総数、その一部だ」

 

総数、と聞いて紅真(こうま)は嫌な予感がしたが気のせいだと思い込ませてパラパラと紙の束を見ていく。簡単にまとめるといつ出勤しいつ退勤し、その日何時間働いたというタイムカードのようなデータだった。これを見て想像とは違うものだったので少し安堵した。

 

「この1週間はまあ、よくはないが目を瞑ろう。正直俺も助かったから。この報告書を見る限り例外を除いて一見一定の労働時間で働いているだろ?だが次のページを見ろ」

 

言われた通りに紙をめくり、それを見た紅真(こうま)は驚きで目を見開いて固まった。そんなに調べてないだろと高をくくっていたのだが、どの認識は甘かった。

 

そこには紅真(こうま)が何月何日何時何分何秒にどこで何の案件を受けどうしていたか、その時の行動、出会った依頼人やすれ違った人の数などなど。それらのどうでもいいような情報も含めて詳しく、それはもう恐怖を感じるぐらい細かく書かれていた。おそらく蒼輝(そうき)が出した紙の束はその一部でまだまだあるだろうとは予測した。

 

……おかしい、仕事もなるべく持ち帰ってやってたし、しかもつけられないように、蒼輝(そうき)にバレないように細心の注意を払ったのに何でこんな詳しく書かれてるんだ?紅真(こうま)はそう思った。

 

「流石に持って帰ったであろう案件はこれほど詳しく書けなかったみたいだが……お前馬鹿なんじゃねえの!?よくこんな生活半年も続けられたな!音ゲーで狙ってAll goodを出したぐらいすげえよ!」

「その例えは音ゲーマーしかわからないだろ!てかなんで僕が家に案件を持ち帰ってやってるって知ってるんだ!?プライバシーの侵害だー!」

「それ以前にここ以外で仕事をしているのにプライバシーもクソもねえよ!!それで倒れたら組織的にも、個人的にも困る!!」

 

そう言われて日ぐうの音も出ない。この組織に入って約5年、半年前に日本に来た彼は仕事が生きがいと言わんばかりの勢いで様々な案件をこなしていた。一部の案件は他の者にバレないように裏で作業していたのだが、この組織の本部長兼最高責任者である彼の目は欺けなかったようだ。

 

「まあ、お前がこうなる理由もなんとなくわかるけどよ。まだ会ってないのか?例の幼馴染とは」

 

その問いに無言で目を逸らした。突然だが、紅真(こうま)には幼馴染がいる。いるのなら普通に会いに行けばいいのだが、今から約9年7ヶ月前、様々な事情によりその幼馴染や両親に別れを言わずにその町を出て行ってしまった、というより連れ去られてしまった。なので会いにいこうにも怒られそうで怖いのと忘れているのではないかという恐怖があり会いに行けずに、というより行かずにいた。

 

そして行かない口実として先程のありえないぐらいの組織に溜まっている案件を受けまくったのだ。その結果として上司たる蒼輝(そうき)に怒られることになったが。

 

「お前はどんだけ働いても平気だろうけど俺が困るんだ。普段お前を慕っているあいつらから俺に何か要求するってことはないんだが、ここ最近〈紅真(こうま)さんをあんなにこきつかってるんだ!〉とか〈紅真(こうま)さんを休ませてあげてください!〉って言われてるからよ。事情を知っている俺としても、お前を慕っている奴らからしても休んでほしいんよいやマジで」

「確かにそうなんだが……てかあいつらそんなことお前に言ってたのか」

「まあとにかく。今からその幼馴染に会って休暇を過ごしてこい。もし会いに行かなかったら……」

「……会いに行かなかったら?」

 

とてつもなく嫌な予感がした。

 

「ルナに言って『鈴音』本部監禁または軟禁生活を強制する」「わかりました休みます案件も依頼も受けずに大人しく休暇を過ごします。だから監禁生活だけは勘弁してくれ……」

 

僕にとって監禁と軟禁はほぼ同じだろ、というツッコミを入れようかと考えたがそれ以上言うと本当に監禁生活を送りそうになると感じたので心の中に留めておくことにした。ちなみに監禁はとある場所に閉じ込めて行動を奪う、軟禁は閉じ込めるが行動の制限は監禁より緩い、という意味だ。実は意外と違う、作者も勘違いしてました。

 

閑話休題(そんなことより)

 

ぶっちゃけ紅真(こうま)にとって監禁軟禁はされても問題ない。のだが、行動を制限されるのはあまり良くない。過去に一度、娯楽がなにも用意されなかった状態で監禁生活を強いられたことがある。それが若干トラウマになっているので、紅真(こうま)はこの休暇を受け入れることにした。

 

「とにかく、強制休暇つっても受ける件数を減らせって意味で1年だからある意味非常勤って形になる。休暇についてのルールみたいなやつは後日またメッセージ飛ばす。てか今すぐ幼馴染に会ってこい、冬は日が落ちるのが早いからな。早く行くに越したことはないだろ」

「わーったよ、今行く」

「おうさっさと行ってこい」

 

そう言って紅真(こうま)は部屋の扉を開けた。部屋から出ようとしたところで蒼輝(そうき)から声をかけられた。

 

「確認なんだがお前、今案件受けてないよな?」

「受けてねーよ。さっき報告したのが最後だ」

「ならよかった、じゃあな」

「おう」

 

 

それから紅真(こうま)は荷物をまとめてかつて住んでいた町——(雅琉羽町(がるぱちょう)に戻ってきた。懐かしさを感じつつ商店街で買ったりんごを食べ歩く。もう少ししたら暖かかくなるかなーと思いながら()()()()の記憶を引っ張り出しながらその幼馴染と過ごした日々を思い出す。

 

その幼馴染はピアノが好きでよく紅真(こうま)の前で弾いていた。その影響なのか彼も音楽が、というより幼馴染が弾くピアノが好きになったので途中から教わりながら一緒にピアノを弾いていた記憶がある。ちなみに今でもピアノは好きだ。

 

話を戻すと、その幼馴染とまた一緒に弾こうね、という言葉を最後にこの街から不本意とはいえ何も言わずに去ってしまった。言ってしまえば誘拐、神隠しのようなものだ。彼女は今頃どうしているかなと懐かしんでいると、とある公園が見えた。いつのまにか商店街を出ていたらしい。

 

その公園はよく2人が遊んだ公園で、記憶にある公園よりも少し小さく感じた。意外と変わっていないな、と思いながら公園に入りベンチに座った。

 

この公園はインドア派だった幼馴染を紅真(こうま)が半分無理やり連れ出してよく遊んだ場所であり、今思うと若干強引に連れ回した感が否めないなと思い苦笑する。

 

「ははは……はぁ」

 

苦笑からのため息。幸せが逃げてくぞ。

 

「事情が事情とはいえただでさえ無断で出て行った僕が悪いし、しかも法律上僕は死亡扱いだし幽霊とか言われないよな?いきなり家に行って、お前誰?とか幽霊!?的なこと言われたら多分1週間、いや1ヶ月ぐらい寝込むぞ多分」

 

早口で自分に言い訳をしつつ、そう思いながら傷つく覚悟を決めてベンチから立ち上がった。

 

「——えっ?」

「ん?」

 

その瞬間、女性の声が聞こえた。

 

声のした方を見ると黒く癖のない長い黒髪の少女がポカンとした表情で紅真(こうま)のことを見ていた。学校帰りなのかベージュ色の制服を着ていて、手に持っていた学生鞄を落とした。

 

なんだこいつと思ったがその容姿に見覚えがあった。過去の記憶でほぼ毎日いたあの幼馴染と似ているのだ。特に黒い髪なんか彼女そっくり。

 

「あ、あの……」

 

その少女がおずおずと紅真(こうま)に声をかけてきた。少女の表情と声から紅真(こうま)の中でパズルのピースが正しい位置にはまるような感覚を感じた。しかし、彼女がその幼馴染である確証はないがとりあえず返事をする。

 

「……なんでしょうか」

「コウくん……橋本紅真(こうま)君、ですか……?」

 

紅真(こうま)のあだ名、そしてフルネームを呼ばれて確信に至った。ああ、この目の前にいる少女は僕の幼馴染だったか、覚えてくれていたんだな、と。

 

「あー……なんだ、その……久しぶり、かな?白金燐子さん。……いや、〈りんちゃん〉って言ったほうがいいか」

「!」

 

過去に呼んでいた幼馴染のあだ名を言うと目の前の幼馴染——白金燐子は驚きで目を見開いた。彼女の目から涙が出てきておりその表情から読み取れる感情は、怒り、困惑、そして喜びとぐちゃぐちゃになっていると思う。

 

「えーと、とりあえず。黙っていなくなってごめ」

 

言いきる前に燐子は紅真(こうま)の胸に飛び込み胸をポカポカと叩き始めた。

 

「バカ……バカバカバカ……!今まで、どこに行っていたの?何も言わないで出て行って、また突然帰ってきて……!」

「……ごめんね」

「しかも行方不明って聞いて、てっきり私死んじゃったんじゃったんじゃないかって……!うわああああああああああん!!!!」

 

昔の記憶では普段おとなしかった幼馴染が、自分の胸の中で大声で泣いている。その様子に紅真はどうすればいいか少し混乱したが、彼女を落ち着かせるために彼女を強く抱きしめ片手でポンポンと背中を叩く。

 

抱きしめられた燐子はビクッと体をこわばらせたが紅真(こうま)に抱きしめられているということに気づきもう離さないという意志を示すように腕を背中に回した。

 

「死んじゃあいないさ。まあ色々説明しないといけないことはあるけど、これだけは言わせて」

 

紅真(こうま)は燐子の抱擁にこたえるように抱き返してこう言った。

 

「勝手にいなくなっちゃってごめんね」

 

その言葉を皮切りに、燐子はさらに声を上げて泣いた。声も涙が枯れるんじゃないかと思うぐらい思いっきり泣いた。紅真(こうま)はそれを受け止めた。

 

 

それから数分後、燐子がある程度落ち着いたので先程紅真(こうま)が座っていたベンチに腰をかけた。

 

「落ち着いた?」

「……」

 

コクンといまだに啜り泣きながら頷く燐子。その様子を見て苦笑しながら背中をさする紅真(こうま)

 

そろそろ大丈夫かなと思い、どうしても彼女の顔を見て言いたいことがあるのでベンチから立ち彼女の目線に合わせる。

 

「さて、言うのがちょっと遅くなっちゃったけど……」

 

燐子の視線と耳が自分に向いているのを確認して言うべきことを言う。

 

「ただいま、燐子」

 

紅真(こうま)は忘れないでいてくれた感謝の気持ちを込めて微笑んで言った。

 

「うん……おかえりなさい、コウくん」

 

燐子も戻ってきてくれたことに感謝しながら微笑んで返した。




読んでいただきありがとうございます。

それはそれとして……



今回の夏イベの燐子さんのスタンプのがしてしまったああああああやってしまったあああああああああああああああああああああせっかくイベキャラ天井してコンプしたのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。

はい。次はちょっと無理してでもやらないとですね。
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