時空序章~カーレッジ・黒影/たくっちスノーZEROラグナロク~   作:黒影時空

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おそらくこの小説シリーズで1番再編集した辺りです。
知らない人に説明すると、ポチは元々変態キャラでしたが今後チラシの裏で書いていく以上規約に引っかかりそうなので改変しました。


グリモア研究家のポチ

 

「スターが消えた……? 多分マガイモノ成分に入れすぎたせいで活性化しちまったのか、まぁあの爺さんはそれが狙いだったとはいえどこに行っちまったのか」

 

 研究所で起きた騒ぎ、黒影のメイドウィン集めの真相、課題が多すぎる。

 知らぬところで【スターアベネス】を名乗るソレを探しながらミリィとたくっちスノーは毎日あるお仕事を終わらせている。

 exeとローレンは色々あったので休憩中だ。

 

「ああもう……スターどうなってるのかな? 一応あの人に連絡入れてみるか? でも迂闊に外に出せないよな、でもホテル代そろそろ馬鹿にならなくなってきたか?」

 

「そういえば、お前と話してるとポチって名前がよく出てくるけどお前の相棒か? なんか犬みたいな名前だけど」

 

「……うーん、まあいずれ紹介することにはなるんだしたくっちスノーには説明しておくか」

 

 ミリィは手を止めてたくっちスノーにこっそり耳打ちする、しかしそれは大声を挙げたくなるような信じ難い内容であり椅子から転げ落ちて新しくたくっちスノーが椅子になるくらいにはビックリして腰を抜かす。

 

「お、お、おまっ、お前!? 本当なのかそれ!? そっちって黒影のクローンまで作ってたの!?」

 

「バカ! 声デカいよ! クローンと言ってもメイドウィンになったじゃないし!」

 

「いや黒影作れたって充分凄くないか!? 最悪能力なくても普通に影武者として必要になるよウチにとっては!! なんで言ってくれない……ってそっち黒影を敵視してたもんな、なんで作った?」

 

 ミリィは説明する、ポチという男はシャドー・メイドウィン・黒影を模倣して作られたが生まれてすぐに部屋に閉じこもって怪しいものを作ったりオタクグッズを作る変な人になったという、基本出てくることはなかった為、一緒に旅を始めるまで顔も見たことなかったとか、だが話してみると結構話が分かるし自分の知らないとんでもないことを色々知っているので頼りになるとか。

 

「じゃあそいつどこで会える? ……ちょっと自分興味あるな」

 

「今は時空のホテルで休んでるけどいつも通りしてるならまたマンガでも読んでるんじゃないかな? ただちょっと、ポチが取り寄せるマンガって特殊らしくて研究のためにこもりきりで」

 

「なんだそりゃ、変なところで本物そっくりだな」

 

 奇しくもポチも黒影も時空の未知を探求して漫画という媒体で設定を採取して自分だけの面白い結果を探っている、ジルトーがここまで予測していたのかは知らないが不思議と二人の行動は一致している。

 ポチの奇妙な点はファングッズやそれに合わせた発明品を作れること、つまりこの作品か現実に存在することを分かった上でフィクションとして応援しているとなかなかの感性をしている。

 ミリィの情報の大半がポチに教えてもらったものらしく、俄然たくっちスノーは興味が湧くのだった。

 

「ところで次の試合どうする?」

 

「背に腹は代えられない……いずれやるんだしローレンかな」

 

「ええ〜、彼絶対嫌がるよ?」

 

「そこはほらなんとかするのが自分の仕事だから……」

 


 

 試合開始予定時間から30分前、日が経つごとに周囲から黒影の信用がどんどん揺らぎつつあるが副局長としてサポートしなくてはという気持ちもあるので念入りに準備をしていた、完遂させなくてはという意地も込められている。

 ローレンは次出ろと言われた時にバチクソに抗議したが、頭数が足りなくなるので無理矢理カタパルトに詰め込んで前もって前夜から射出しておいた後にexeに首を叩いて失神させておいた。

 後は人間の彼が死なないように徹底的なアフターケアを欠かさないように。

 

「にしてもメイドウィン消えすぎだろ……月曜の2時間サスペンスでもそんなに殺人事件起きないだろうが、現状全選手命の危機だからね、自分もなんとか」

 

「あっ、たくっちスノーじゃん」

 

「え!? あ、黒影!?」

 

 まだ試合が始まっていないのにまた黒影が目覚めていたのでびっくりした、どうやら新世界の研究ではなく黒影はいつになく焦ってウロウロしているようだった、世の中珍しいことも何回かあるようであるが本当に焦っているようだ。

 

「どうしたんだよ黒影、もしかして女の子にキモいとか言われたか?」

 

「えっと……君だけかな?」

 

「exeは休憩中でミリィと最近流行ってるっていうボードゲームやってる、ローレンは今度の試合に出すからセッティング済だで1人だな」

 

 この場にたくっちスノーしかいない分かると黒影はそっと耳打ちする。

 

「……甘色歩兵がどっか行った」

 

「なんでここんところ毎日色々失踪すんの? 神隠し事件でももう少し節操あるぞ、ていうかアイツが?」

 

 なんと黒影の方も突如として甘色歩兵がいなくなったという、サプライズでラグナロク終了後の公表する為に部屋に閉じ込めていたのだが、それが何の破壊跡もなく歩兵自ら部屋に出ていったような様子もなく消えてしまったという。

 閉じ込めていた部屋を黒影に教えてもらうといかにも女の子向けのキラキラしたイメージが込められた結構ファンシーな牢屋だった。

 

「歩兵がいなくなったらまずいのか? 普通に散歩じゃね?」

 

「そりゃまずいでしょ! まだ何の教育も済ませてないんだから!」

 

「ま、確かに自分みたいな奴がまた現れるのも時空は懲り懲りだろうしな……どこに行ったか分からんの?」

 

「1回時空に出たら広すぎて分かんなくなるよ~、名簿だって作ってないんだよ?」

 

「バカ野郎! 監理局行って真っ先に時空旅人名簿登録してもらうのは常識だろ! 他世界行っても何も出来なくなるわ!!」

 

 あまりにも大事なので仕方なく二人がかりで世界を飛び越えて甘色歩兵を探すことにした、30分で済むとは思えないがどうすると聞いてみたが1試合くらい自分達が出なくても勝手に進行するととんでもない他人事だった、しかし歩兵がどんな影響を及ぼすかも分からないので仕方なくどんな手段でも使って各地を飛び回る。

 黒影が言うには優先事項が違うということらしいが、その間に黒影は甘色歩兵の力について説明を入れる。

 

「俺も研究重ねたから分かるけどたくっちスノーが作るマガイモノと彼女達が作るメガイモノとツガイモノは全く違う生物だよ、まずメガイモノ……お前もポケモンのメガシンカは知ってるだろ?」

 

「たまにあるもう一段階パワーアップ出来るやつ……なるほど、あんな感じのを作るのか、つまり上位互換」

 

 黒影が分かりやすいように設計図を見せる、これは『ギガメガトンキー』と呼ばれるどこかの豪快な海賊戦隊が持ってそうな鍵であり、これをアイテムに差し込むことで『メガ〇〇(キャラクター)』を召喚できる仕組みらしい、PR用に撮っただろうビデオを取り出して見せると映像の中で着ぐるみのチャックを少し下ろし、首にある鳥の足のような鍵穴へ差し込むことで本来の物語には存在しないメガキングラーを呼び出す姿があった。

 

『メーガキングラー!』

 

「おいこれめちゃくちゃ見覚えある……」

 

「俺だってそんな風に作ってないもん勝手にそうなったんだもん! だがメガイモノはこんなもんじゃ終わらないぞ!」

 

 ビデオを更に進めるとギガメガトンキーを捻り新しいシリンダーが出てくる、ますますおもちゃっぽい。

 これを改めて挿し直すことで更に強力な姿に変身した、これはギガトンモードといい更に強力なギガキャラクターに変身させることができるという、ただしこれはサプライズで直接本物を見せる予定だったので資料だけで何の映像も残っていない。

 

「メガイモノだけでも本物を上回る出力なのにギガイモノとなると数値上は200倍になると結果がある、とんでもないだろ?」

 

「とんでもないけと……なんか所々自分らより偽物感が否めないな、つーかその鍵作るの楽じゃなさそうだろ?」

 

「鋭いな……俺が研究した中で作れたキーは3本だけ、作れる法則も不明だ、それで相方のツガイモノなんだけどこっちはおまけだね!」

 

 ツガイモノはノートに書き込むことでそのキャラクターに相応しい嫁ぎ人つまりカップルや愛人をツガイモノとして召喚する……死語だが俺の嫁なるものを自由自在に作り出す恋愛脳だとかでマガイモノのような人工生命体では一番害がないと言えるが、ある意味ではめんどくさい、しかしツガイモノを作る条件は更に複雑であり歩兵がその対象の事を好きになる必要があるという。

 

「そんなコンビが時空に解き放たれたら最悪たくっちスノーの二の舞に! なんてことはなくても」

 

「ある意味手がつけられなくなるな……急いで探すぞ!!」

 


 

 探し始めてから30分を通り越して3時間。

 甘色歩兵の気配微塵もなし、もうローレンは目を覚まして待ちぼうけしていることだろう、一応メールはしておいたが対戦相手が来たらexeになんとかしてもらうように頼んだ。

 たくっちスノーの方もマガフォンに巨大電子地図があるので問題ないがもうだいぶ遠くの世界まで来てしまった。

 

「ったくせっかく早めに出たところなのになんでこんな事しないと……ん?」

 

 すぐ近くにあった店の行列に見覚えのある後ろ姿があった、あの白髪にあの背丈……どう見ても黒影だ、服装こそ違うが間違うはずがない。

 そういえばこの日は1ヶ月前から雑誌で期待されていたとある人気ゲームの発売日らしい、ローレンから聞いたことがある

 たくっちスノーはなんかムカついた。

 自分が頑張ってるのにゲーム買いに並んでるなど言語道断であり普段ならゲーム自分にもやらせろと言いたいが大事な仕事なので引っ張り出して話を聞き出すことにした。

 

「おいコラ黒影」

 

「うおおおっ!? ごめんちょっと欲しくなっちゃって! ゲームって買うために並ぶところからもう楽しくてさ!!」

 

「ハァ? とりあえず一回お命ちょうだいだ、聞け! 地獄の響きをッ!」

 

「やめて! まだ死にたくない! ちょっのゲーム買ってただけなんだよミリィ!!」

 

「……ん? 今お前、自分のことミリィって呼んだか?」

 

「え? だってお前ミリィじゃ……いや違う!? まさか本物!?」

 

 たくっちスノーは気付いた、自分を見て真っ先にミリィと言うことは自分は知らずミリィのことはなんとなく分かる……つい前に話題に出たばかりのもう一人の黒影。

 

「お前……もしかしなくてもポチって名前じゃないか!?」

 

「うんうんそう! ポチです! グリモア研究家のポチでございます!!」

 


 

 たくっちスノーはポチに事情を説明して改めて自分は本物のたくっちスノーであることを話す、まさかこのタイミングでもう1人の黒影に会えるとは思わなかったので色々話を聞くことにした。

 話の通りの人物だが、黒影がしないような笑い方をするので別人であると

 

「自分の知ってる情報だとめちゃくちゃオタク系みたいに思ってたけど、意外と顔とかはまんま黒影だな」

 

「まあ確かに俺も顔はいい方とは思うよ」

 

「本当にソレ自分で言うことじゃないからな?」

 

 たくっちスノーは本物の黒影の愚痴や鬱憤を晴らせるチャンスなので本物の方も普段結構ダメな事をもどきにぶちまける、その上でゲーム買おうとしたもどきを勘違いして邪魔したことを謝罪し改めて代わりに購入すると、目にも止まらぬ速さでプレイしていき1日でクリア出来そうな技量、ポケットには別世界で売られているバージョン違いの同じゲームソフトがはみ出ているため各世界版を1人でプレイしているらしい。

 

「そっか本物もそんな感じなんだな……なんか安心した、俺ってなんというかサブカル系オタク? っていうか物作りが趣味でさ、よく思われないタイプかなーって」

 

「話は聞いてたが本当にクリエイターだったのか、今は何作ってるの?」

 

「そんなプロ級の物じゃないよ、同人誌とかゲームとかグッズとかオタク向けの様々な物を気分で……思いついたら即開発して個人サイトも仮説、レビューとか宣伝とかもしてるけど、これは趣味の範疇みたいなものだから」

 

「それもう趣味じゃないだろめっちゃ凄いじゃん! それもうあの爺さんの科学とかと同レベルだよ!」

 

 たくっちスノーもまたちょっとしたオタクでクリエイターであった為物作りは大体肯定する、黒影もどきは謙遜しているし実際のクオリティがどんなものかは分からないが心意気だけでもベタ褒めしてくれる、たくっちスノーは全能だ、当然オタクに優しいギャルの要素も含まれている。

 黒影もどきも褒められることがそんなになかったらしく態度が良くなっていく、ミリィも評価しているがまだ子供の彼には凄さがよく分からない。

 

「嬉しいな……俺レビューサイトとかでも評価全然もらえなくて」

 

「ところでそのバッグには何が入っているんだ?」

 

「あっ、見る? 色々用意してるんだよ暇潰しの為に! 行列は長くなるからさ」

 

 黒影もどきの鞄には大量のグッズが詰め込まれていた、たくっちスノーは特別に見せてもらい手を突っ込むとそれはミリィに勧めてもらったホビー系メディアミックス作品『超常端末オーマフォン』と『サムライジング』の完全攻略ブックであった、その他にも名作ゲームの攻略本がびっしりと。

 

「これミリィがハマってるやつじゃん、自分は雷光魔王が好きなんだよね……まさかこれも?」

 

「自作データの詰め合わせだよ、必要な情報が全部載ってる」

 

「すげぇ! 自分ネタバレとか気にしないタイプだし激レアオーアプリを……って仕事中だったわ! ダメだわ今読んじゃ!」

 

 黒影もどきの話やグッズはもっと深掘りしたいが今は甘色歩兵を探さなくてはならない、ここに居ても見つからなさそうなのでたくっちスノーが別世界に向かおうとすると黒影もどきに腕を掴まれる。

 

「待って行かないで! 俺を匿ってくれないか!?」

 

「は!? 匿う!?」

 


 

 全然離れてくれないので予定を変更して時空列車に乗って移動することにした、黒影の手腕で世界を繋ぐ時空間もインフラ整備されてこんな乗り物まで出来た、楽だがこれでいいのかという不安もある……デンライナーとぶつかりそうとか。

 改めて黒影もどきを相席させて事情を聞くことにした

 

「……つまり? 部屋貸してくれないかと?」

 

「家賃とかはちゃんと払うから! 配信とか創作物の代金でそこそこ金はあるんだけど……いよいよホテルを転々としていくのにも限界きたんだ! 荷物とか!」

 

「といってもさぁ……今ミリィいるんだしよ、一旦研究所に戻ればいいんじゃないの?」

 

「あそこは駄目だよ! 俺が出ていった後に持ってった必要なもの以外全部処分したらしいから余計な物持ち込んだら俺殺されちゃう!」

 

「うーん確かに在庫処理は任せられんか、そのカバン見るによっぽど詰め込まれてるようだし」

 

 とは言ってもたくっちスノーは彼を泊めようがない、マガイモノなので食事も睡眠も必要ない為仮設の部屋もない、副局長室で泊まり込みで働かされている、とてもオタクを入れるスペースなどないしそもそも貸す部屋がないのだ。

 

「監理局を通してホテルとか賃貸を紹介する事なら出来るが……ってか、これまでゼロ・ラグナロク中にもほてるいたんだろ」

 

「このままじゃホテル生活もダメなんだよ……俺もこの日までにコインロッカーとか色々使ったけどこのままじゃ手が何本あっても足りなくなる」

 

「どこまで作ってんだお前!? 時空犯罪者時代の自分ですら研究室と別で寝床あったぞ!? ……というかさぁ、監理局入れてもらうにしても黒影に連絡が必要で、今黒影は滅茶苦茶忙しいのよ自分もだけど」

 

 そもそも黒影のトラブルに付き合わされて仕事回りしていた際に黒影もどきと出会ったわけである、本来人探しは足が超早いexeに任せているが休み中に呼び出すわけにもいかないので苦労しているのが現状、しかし黒影もどきを放置するわけにもいかなかった。

 たくっちスノーは酷な選択肢であるが1つだけゴロゴロしても問題ない場所を思い出した、たまに自分も使うプライベートルームという部屋がある、あのカタパルトを取り出した場所だ。

 

「プライベートルームってところがあるんだけどさ、監理局のやつが手当たり次第何でも入れるからなんでもあるけどゴミ屋敷なんだよね、ただしめちゃくちゃ広いのは保証できるよ壁見たことないもん」

 

「掃除くらいなら俺も出来るし大丈夫だよ、あー良かった……これで研究を続けられる」

 

(研究? そういえばあいつさっきグリモアがどうとか言っていたな……荷物で場所が足りなくなるというのも恐らくそれによるものだ、そうでなきゃ同じゲームを何個も買う理由が掴めない、そりゃ世界ごとに中身は違うけど数を考えると馬鹿らしくなるだろ)

 

 想像だにしない恐ろしいものを想定していたたくっちスノーは一安心して黒影もどきを見る、ひとまず彼を時空監理局に送ってプライベートルームで好きなようにしてもらえればお互い問題にもならないだろう、まずはポチをミリィと会わせることにする

 安心すると監理局に到着するまで暇だと気付いたので、改めてゼロ・ラグナロクのことを考えるため黒影に電話する。

 そろそろ放置され続けたexeが中指立てながら自分の悪口を言ってそうな頃合いだろう。

 

「さすがにラグナロク放置はまずいんじゃないのか黒影ぇ……一旦自分だけ戻っていい? ローレンが心配だ」

 

「じゃあ中止にして第6試合無かったことにしようか」

 

「今から戻るのめんどくさいだけだよなお前!? 普通そこは延期とかじゃないのか!?」

 

 結論から言うと結局今日この日は甘色歩兵を探してずっと2人は戻ってくることはなかったのでたくっちスノーは前もってローレンにメールを送ってジャンケンか何かで決着つけておいてと適当に振っておいた、どうせ彼も真面目に戦う気はないだろうし後で埋め合わせでもしておけば塩梅だろう。

 それはそうと黒影にポチに関して話す、ミリィ同様素性を隠してほしかったらしいのであくまで偶然そっくりさんを見つけたという体で、グリモア研究家のことも隠してほしいとのことでただのオタクということに。

 黒影は世の中には3人似たような人がいると聞いたことがあるのであっさり受け入れた、それどころか……。

 

(これだ……これだ、これだ!! 俺はついてる! 影武者ができたってことじゃん! 未来で死ぬかもしれないっていうのをこいつに押し付ければ俺は生きれる!)

 

 自己保身で暴走していた黒影にとって瓜二つの駒なんて願ってもないこと、時空監理局への滞在を断ることもなくポチはプライベートルームの移住を許されることになり更にたくっちスノーはexeやローレン、ミリィの分も合わせて追加ボーナスで3日間の有給休暇を与えられることになった。

 つまりは黒影が言うに遊び放題

 

「いや休暇って副局長が休むのはまずいだろ黒影……」

 

「その分身さんの趣味楽しみたいでしょ? その分俺が頑張るから!」

 

「休暇する!」

 

 黒影もどきのオタクグッズをぶっ通しで見たいし自分が休むことで実質黒影が働いてくれるとなるとたくっちスノーが休まない理由はないので受け入れてボディーガード2人に休暇のメールを送った、そろそろ自分はexeに金玉を蹴られてもおかしくないだろうと考えている、タラタラと進む列車に乗ってるだけでもファッキュー不可避、しかしそれ以上に黒影がちゃんと働くという事実にウキウキで電話を切るともどきが話しかけてきた。

 

「……さっきから話に出てる甘色歩兵ってなんなの?」

 

「黒影がこの間変なの作ったんだよ、それがいつの間にかいなくなったから黒影が探してて……」

 

 ポチは甘色歩兵の情報を根掘り葉掘り聞いてきた、見た目が女の子と分かるともっと細かいプロフィールを聞いてきたがちょっと一目見ただけだし作った黒影本人に聞けばいいと適当に流した。

 監理局は列車で行くとまだまだ2時間はかかるので今のうちに甘色歩兵の居場所を探すことにした。

 

「ポチ公のスキルならきっと仕事でも役に立つはずだ、住む以上割り振ることになるけど」

 

「もちろんちゃんと与えられた仕事はやるつもりだよ? これでも座り作業は得意技なんだから」

 

 とりあえず黒影もどきの件は解決し後は黒影が甘色歩兵でも見つけてくれるかどうかだが……マガフォンのリモート機能でミリィがかけてくる、コロシアムで待機していたがあまりにも遅いので連絡しに来たらしいがせっかくの機会なので事情を話してそのついでにもどきを紹介する。

 

「えっポチ!? なんでたくっちスノーと一緒に……しかも監理局入るんだ俺と同時期に」

 

「え?」

 

 なんと実はたくっちスノーが動き回っている間にミリィも黒影から正式に時空監理局に入ってみないかと誘われていたらしい、ミリィとしては一旦過ごしてみて怪しいことがあればたくっちスノーに頼んで退職してもらう予定ということで黒影の部下になったとか、その上でポチと同じポジションらしい。

 

「ということでこれからもよろしく、それとスターもまた見つかってないわけだ」

 

「やっべそれも居たの忘れてた……仕方ない休暇ついでにめぼしい情報探すぞ! 3日は余裕あるからな」

 

「え? 有給……? 3日……?」

 

 有給休暇と日の事を伝えるとミリィの顔が青くなる、黒影が言ったという事は本当に有給休暇になっているっぽいが……それは罠だという、スケジュールにある次の第7試合……バンガイ7の試合に出られなくなってしまうという、つまりたくっちスノー不在による負けが確定、それどころか毎日の場合8、9も……! 

 あの黒影が延期なんて気を回してくるはずもないことは今回の件でよくわかった、コロシアムに行くには仕事用のパスが必要……完全に嵌められた。

 

「おのれ黒影ぇ!!」

 

 勝負はどんなところでも行われる、またしてもたくっちスノーは黒影にしてやられたのだった。

 このままではたくっちスノー陣営、ゼロ・ラグナロク完全敗北の危機。

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