時空序章~カーレッジ・黒影/たくっちスノーZEROラグナロク~ 作:黒影時空
楽しかった休暇はあっという間に終わり、訪れるたくっちスノーと戦い……なのだが黒影から『最初に戦うはずのみぃちゃんが急遽予定が出来たからコレは勝ちでいいよ』と電話が入るグダグダのスタート。
みぃとはたくっちスノーの頭部の元になった存在であり設定上はかなり強いのだが表向きはスターとして忙しく予定も多く組まれている、ぶっちゃけ由来が同じだから呼んだだけで話半分にしか済ませてなかったのだろう……。
それに、もし本当に彼女とも本気で戦うようなことがあれば黒影相手に戦えるほどエネルギーが残っているように思えない。
「はあ……だからなんだよ今更勝ちが、勝ちでいいよっていうのもなんかムカつく対応だし、まあマジで仕事してくれたし細かいことはいいけどよ」
「まあ……あと1戦だしいいじゃん、お互い終わってほしそうに」
「その1戦がヤバいんだよ、そこに待ってるのは黒影だ……やるのは自分とはいえこの戦いはノリが全然違うんだよ」
今回全力で戦う場合、次に戦う場合は更に全力を超えた全力でかからなければもう勝てない、シャドー・メイドウィン・黒影とはそういうものだ。
休み明けである程度回復しているがこれからの仕事続きの事も考えるとその後の体力も残しておきたい。
そして何より気になるのが……。
「たくっちスノー、なんでポチは黒影のそばに居る上に首輪つけられてるの?」
「いやそれがさ……向こうでとんでもない借金背負わされたらしいぜ、それを払い切るまで一生黒影の奴隷という設定らしい、何が何でも逃さないみたいだな」
黒影もどき……本名ポチは表向きはとある時空犯罪者が罪の清算のために整形された影武者ということで公表され、重要な機密情報を抱えていることを知るのは監理局の面々のみ。
後々exeやローレンもこの情報を知ることになるが、一体どんな反応をすることになるやら……。
「それより、本来自分が二人目として戦う予定だったやつって誰なんだ?」
「ナタ・メイドウィン・雨谷だ、リアルワールドっていう謎の世界を管理している……俺もよく知らない世界なんだよ」
「リアルワールド……? 聞いたことあるな」
それは大分昔に聞いたこと、黒影は数多くの話の舞台となる日本という国に興味があった、異世界人の彼には馴染みのない場所だった為ただの平凡な日本を見てみたくて世界を作成した……それがリアルワールド。
生まれたのは比較的最近、物語は無いのでこの世界を管理するメイドウィンは唯一はじまりの書を持たず暇しているという話があった、だからポチを通してマンガで情報を集めるミリィは知らなかったのだろう。
話をしているとそのナタらしき人物が見えたが自分からカタパルトに入り射出、思ったより勢いが強かったのか地面に激突し突き刺さる、自分が作ったマガイモノはこんな衝撃も平然と耐えていた事にビックリするし、ローレンには改めて悪いと思った
「うげぇ……あっそうだ黒影! これでもみぃ先輩との戦い楽しみにしてたんだぞ!」
「そうは言われてもねー、急遽予定が出来たのは本当のことだし……休暇中にニュース見たでしょ? これから俺たちも凄い忙しくなりそうだから持ち場に戻らないとまずいんだよね」
そもそも自分からこっちに誘い出したのではないのか、忙しいと言っても基本的に他の奴らが放置した書類の後処理くらいではないのか……だが他人事ではないので忙しいならしょうがないで片付けることにした、とにかく早く試合を進めたいらしく黒影はポチを使ってゴングを叩く……しかし、黒影は全然コロシアムに降りてこない、しばらくして降りてきたのは……黒影ではなくナタだった。
「えっ……おい!? 黒影! どういうことだこれ!!」
「最後に戦うのは……ナタだよ! だって俺3日間働いてヘトヘトなんだもん」
「馬鹿野郎! 普段からそれくらい働くものなんだよ!! もうこの際だめちゃくちゃ暴れてやるからな!?」
たくっちスノーも遂に本領発揮といいたいがナタの戦術は何も分からないので警戒する、先ほどのようにリアルワールドは作品ではないので物語から能力を推測できずメイドウィンブラストの内容も予測不可能。
たくっちスノーは何でも出来るが選択肢が多い分相手の事が分からないと何をしたらいいのか分からなくなるという弱点もあったので、どうやって攻めたらいいのかわからない、好きに遊べて選択肢が多いゲームは飽きやすいのと同じ理屈だ。
(ちっ、こういう時何に変身すればいい? ドラゴンみたいなので薙ぎ倒すのも考えたがすぐ突破されるよな、ビームも跳ね返される、メイドウィンだし……)
更にたくっちスノーにとってメイドウィンといえば黒影、比較対象も黒影である、さすがに戦闘力は若干下だとしてもとんでもない実力の持ち主だと認識してしまう、生半可な戦術では負けてしまうといい迷惑だが黒影みたいな規模を全てのメイドウィンに期待してしまう。
そうでなくても少しの油断で追い込まれることはこれまでの試合でよく理解した、メイドウィンとは異常者でないとやってられない仕事であると。
「マガイモノチェン……!」
変身は隙だらけであってこそ、思った通り変身する前にナタが一瞬で詰め寄る、攻撃を誘い出して戦闘法を調べる作戦に出たのだ。
だがナタは攻撃を行わずたくっちスノーにこっそり耳打ちして想像だにしない言葉を吐いてくる。
「もしメイドウィンになれたら私のリアルワールドを君に譲ろう」
「は?」
なんと自分の世界のトレード、確かにリアルワールドは平凡な世界……時空監理局との掛け持ちを考えると考えることも少ないリアルワールドに所属するのは理想的ではあるが罠としか考えられない、ここで黒影がどんな世界を用意してくれるかもわからないし……。
「無論彼が認めたら……だがね! 君相手だ、はじめからメイドウィンブラストを発動させてもらう!」
ナタが発動したメイドウィンブラストセカンド、それは巨大な鏡を発生させてたくっちスノーの全身を映し出す。
「レッドアラート」
「うっ!?」
突如何者かにぶん殴られる、いや……その何者かは見覚えがある。
鏡の中に映っていたのはたくっちスノーではなく全く別の人物、赤い髪でよく似ているがどちらかというと女性っぽい見た目をしておりオーラが全く違う、まさかあれも自分?
よく見ると赤だけじゃない、青、黄、緑……様々な色の自分が鏡越しにこちらを覗き込んでいる、まさにどこかの例え話のように深淵を感じさせる。
「これが私のメイドウィンブラスト、天心夢幻万華鏡……映したものの並行世界を視認させて即座に攻撃に転用させる、簡潔に言うとリンバスカンパニーみたいなものさ」
「つまり今映ったのは平行世界の自分……? いや、そもそも何の平行世界だよこれ? 能力としてもよくわからないな」
「運命の数だけパラレルワールドがあり……パラレルワールドには当然君も存在している、しかもそれは1つだけじゃないということだ」
鏡の中からまた別の自分が出てくる、こうしてみると本当に自分とは思えないが魂……? いや本能が見ているだけでそう感じてしまう。
その自分もまたたくっちスノーであるため、厄介な技を次々と放ちガードに精一杯である、何せ自分自身相手だ、ミリィ相手にトレーニングしたことはあるがマガイモノチェンジは使えないのでこれまた勝手が違う、たくっちスノーVSたくっちスノーとはこれを見られない観客は実に残念だ。
「聞きたいんだが、その技……黒影とか見せても出せるのか? 平行世界の黒影とか気になるんだよな」
「まあ見せるだけでいいので……それと『出す』というのは不正解、私でも並行世界の物を見せるだけで呼び出すことは不可能だな、あるいは君なら……おっと」
自分と同じようで全く異なるコピー能力使い、ナタが選出された理由がなんとなく分かってきたたくっちスノーは腕が鳴る、並行世界だけでも面白いのにリアルワールドのメイドウィンブラストがこんな奇天烈な物になることが凄い……しかもメイドウィンを継承すればこの技が自分の物になるのだ、張り切らずにはいられない。
試したい思考実験がいくらでもある、ナタと違って自分は並行世界からキャラクターを引っ張り出すくらいやってやる、ナタがそれを望んでいるようにも見える。
そう考えると何が何でもリアルワールドのメイドウィンになりたくなってくる。
「アンタの能力が欲しくなってきた……全力で取り掛からせて……!」
「ちょっと待て、何を盛り上がっている」
せっかく盛り上がってきた気分に水を指すように口を挟む声、その方向を見てみるとそこにいたのは……!
「げっ!! 未来の自分!!」
「え?」
たくっちスノーの驚く声に唖然とする、そこにいたのはたくっちスノーとは真逆の性質……顔がBLACK-SNOWで身体がたくっちチャンネル……ボーイッシュ系巫女のある意味こっちもこっちで美女、あれが未来からたくっちスノーだというのだ、見るだけではパラレルワールドの彼らより区別がつかない。
全員が驚く、ミリィも……黒影さえも初めて見た、混乱の元凶。
「未来のって、まさかたくっちスノーに未来がヤバいから善人になれって言った……?」
「うんそいつ、オルタとか呼んでたけど」
「あれって本当に居たんだ……しかも文字通り反転してる……」
時空の情報広しといえどいかに優れていようとキャラ設定以外での未来人なんて見たことないので度肝を抜いた、しかもこのタイミングで現れるのは怪しすぎる、どこにいたのかも分からないしたくっちスノーも連絡手段を知らない。
「未来の自分……ややこしいな、オルタって呼び続けるのもアレだし炭でいいや、要件は何よ?」
「元の素材を略したのか……まあ炭も悪くないか、要件も何も俺が何回もコールしても出てこないから必殺のドッペルゲンガーワープでここに来た」
「待って自分も知らない新技やめて、くっそ原理わからねえ!」
炭と呼ばれた未来のたくっちスノー……ミリィにメカっちスノーと合わせてこれで三人目の派生。
ナタのパラレルワールドも合わせると派生だらけで夢が広がる、たくっちスノーだけで1つの物語が作れるかもしれない、もはや影武者どころかたくっちスノー帝国になりつつある、雑に作れる奴はこれだから時空にとって都合がいい。
「君の狙いは私だね?」
「そうだな、ゼロ・ラグナロクに興味があった……最初は出ないつもりだつまたが低身長謎乳女が留守と聞いて急いで電話したが間に合ったようだな、あいつは都合が悪い」
「あっお前みぃ先輩の悪口言ったな! みぃ先輩の乳は東方の二次創作と同じで可変式なんだよ!」
炭はコロシアムの一番後ろの観客席から一気に降りてたくっちスノーの肩を叩き、さっきナタが耳打ちしたところとは別の方向から耳打ちする。
「この試合は俺が引き受ける」
なんと炭は自分が代わりに試合に出ると言い出す、確かに彼自身もたくっちスノーであるため一応ルールとしては問題のかもしれない、たくっちスノーとしてはこれがナタが相手じゃなかったら楽出来るので変わりたいところだがリアルワールド並びにその能力が欲しいところなので複雑な心境。
しかし観客に残っている数少ないメイドウィン達の反応はどうだろうか……。
「いいよ、参加して」
そんなもの黒影の一言で覆る、もしここで逃がしたら大事な情報が掴めなくなる。
炭から見た自分はなんなのか、何故死んでしまうのか未来はどうなるのか……気になることが多すぎる、これはもはや戦いではなく監視だ、黒影からしてみればもはやゼロ・ラグナロクの答えは決まっているようなもの。
「だがそのかわり質問に答えてもらおう炭くん、未来の俺のことをもっと知りたい」
「死んだことはコイツから聞いているはずだ、過去の時空の記憶はないがお前がいないことは確か……未来はだいぶ変わっているが鍵を握るのは俺自身、つまりコイツにあるとだけ、誰が生き残るかにある」
(……わざと言ってるのか? まあどっちにしても時空と俺が両方無事な道を考えるにはコイツが必要不可欠だ、あのポチという猟兵研究家奴共々足元に置いておきたい)
当然たくっちスノーだけはこの勝負に否定的だった、せっかくの舞台やチャンスを奪われそうどころか、同じたくっちスノーである者として見過ごせない欠陥が炭にはあるからだ。
「自分でも勝てるか怪しいのにお前がやれるわけないだろ! 第一お前、最初会ったときにマガイモノチェンジ使えないって言ったよな!? ミリィのそれとはわけが違うんだぞ!?」
「言ったがお前はそんな状態になったらどうすると思う?」
「……そりゃまあ新しい方法模索するよ、マガイモノ奥義とかあの世界張り替えるやつとか……今は監理局入って設備も充実したし」
「そういうことだ、今俺はこんな事業を始めている」
炭は大量の名刺を取り出して一斉に放り投げる、確認してみると【掃除屋空式会社ダストヒューマン】とある。
掃除屋とは時空に生きる者がたまにやっている生業であり滅びそうな世界の後始末の他に貴重品などを回収し綺麗な形で終わりを迎えるように調整する……いわば時空の特殊清掃員の事である、とはいっても収入の少ないゴミ掃除のようなもので人気はない。
「俺はこの仕事を始めてから掃除屋道具で戦うことにしたんだ、こんな風にな」
炭は掃除機やチョコカプセルの入ったガチャポンのおもちゃなどどう見てもガラクタにしか見えない物体を振り回してナタに迫りくる。
不本意だが当たり前のように炭VSナタが始まろうとしていた。
「じゃあたくっちスノー、ちょっとこっち来て」
「え? まあ暇になったしいいけどよ……」
やることがなくなったたくっちスノーは黒影に誘われてコロシアムを出る、黒影にとってはもう既に関心がないことを察する。
監理局本部に戻りすぐさまデコピンでたくっちスノーを吹っ飛ばす、最初は困惑したがすぐに本来やる予定だったたくっちスノーVS黒影をこの場で済ませたことに気が付いた。
「これに場外負けあったら俺の勝ちだね、たくっちスノー」
「……自分は負けたと思ってないからな、油断しただけだ、この程度!」
「甘いね、時空において一瞬の油断が負けも同然なんだよ……と、残りの試合は炭くんとナタに後始末してもらうとしてだ……ごうかーく☆審査の結果お前はメイドウィンになってもいいってことです、おめでとうー!」
煽りのように吹っ飛んだままのたくっちスノーにクラッカーを与える黒影、最初からそのつもりだったのか本気で自分を試していたのか分からない……だが長年の夢だったメイドウィンになることが出来たし長かったゼロ・ラグナロクも終わったのだ。
「ナタの方からリアルワールドをくれるって言い出したんだ、いただくもんはもらっていくぞ」
「もちろん後で俺から譲ってもらうよ、それよりもだ……これから忙しくなるよ」
「知ってる、お互い余計なことをしすぎたな……アンタもニュース見たんだろ?」
長いようで短い10日感、この2人は時空監理局ではゼロ・ラグナロクに熱中して時空の情勢や仕事に全く手を付けてない。
ミリィのおかげで最低限その日の分の仕事は出来ていたが少しのことでとんでもないことが起きるのがこの場所、そして何かあったときに活躍できるのは現状この2人ぐらいである。
今は時空がどうなるかを真面目に考えなくてはならない、黒影もこの時ばかりは常に真剣ムードだ。
「シュバルツ・バルトがこの時空のことまで知ってしまったのは想定外だ、奴が新聞をばらまいたことで全てのキャラクターが時空の存在を知ってしまう」
これまで時空間は認知しているものは少なかった、黒影が自ら選別したりしまい忘れた時空間の渦に飲み込まれて失踪し神隠し事件として伝わるか、たくっちスノーの事件に関わって記憶を消し忘れた者か……とにかく1つの世界でも知ってるものは数えられる程度。
実の所時空に居る人間も大半が元の世界に居られなくなったワケアリの人材ばかりなので元の世界に帰らない、秘匿の場所となっていたがこの件によってどんな存在でも世界を超えられる、もはや作品という敷居は突破して時空そのものが大きなお話の舞台となる、ついていくだけでやっとだ。
「そんなことが突然起きたら大騒ぎになるよな」
「メイドウィン達はそれで大忙しさ、もう明日には新時代に突入する……常識ややり方も変わってくるからね、遊んでる場合じゃなかったかも」
「おいこら、さりげなくアレを遊び扱いしてんじゃねえぞ」
時空で使えるお金のジーカも需要がさらに高まるだろう、それどころか持っていないと話にならないほどに。
他世界に侵入する技術を得て悪事を働く時空犯罪者の数も急増、下手すればたくっちスノー並の存在が多く現れることになるだろう、たくっちスノーも時空の発展を見越して大規模な警察組織『全時空特殊警察連盟=特盟』の計画を進めているが難航しているところである、甘色歩兵だってまだ見つかってないというのに。
「時空もいずれ有名になるとは思ってたけどこんなマリオのワープ土管みたいに突き抜けていくとはねー」
「インフラ整備だってまだ8割ってところなのにどうすりゃいいんだ……」
「たくっちスノー何か忘れてない? 俺たち時空監理局はこの時空全てのバランスを整えて一気に解決! ヒーローみたいな組織なんだからどんどん知名度を上げないと!」
「……そういうの大っぴらに言わないでくれよ、メイドウィンとウチらの対立関係酷くしたくないんだから、それに犯罪者抱えてる」
黒影の言い方に問題はあるかもしれないが、事実黒影が善でたくっちスノーが悪だった昔は複数の事件に黒影が乗り出して解決しての繰り返し。
この規模が一気に10倍以上になるのと同じ、ソレに対して監理局側は黒影、たくっちスノー、ミリィの3人ぐらいな上にやらなくてはならないことが多すぎる。
黒影が指を鳴らすと山のような資料がどさりと詰まれる、一通り目を通してみるとどれも別々の内容、殆ど別の時空案件だった。
これには百戦錬磨で徹夜の作業に慣れていたたくっちスノーもさすがに狼狽えた! なにせ内容の殆どがまとめて解決できるものではない、これまでのように資料とにらめっこするわけにはいかないのだ!
「お、おい黒影……これは一体……」
「仕方ないじゃない、やっておきたい仕事は貯めておいたんだけど一気に解放されるならこっちもまとめてやっておかないと、監理局の新しい事業に宇宙進出でしょ? 他世界の数々の事件や……こんなにあるんだけど省略するね」
「これ自分とアンタとミリィで解決できるようなことなのか……!? あとexeと、ローレンと……ポチだけ!?」
「まあ全部一気には無理だろうね、少しずつ終わらせていくしかない」
あまりにも非常事態なのですぐにミリィを呼ぶ、exeやローレン、ポチも引っ張り出して近いうちに起きる非常事態とそれによって自分たちの仕事が多くなること、資料にある事業の数々などを説明した。
コレを全部自分達が1つずつなんとかしなくてはいけないことまで、
「え!? コレ全部俺達がやるの!?」
「すまんミリィ……入って早々お前にも苦労させるが……!!」
「お……俺はただのたくっちスノーさんのコンシェルジュですよ!? こんな事できるわけ……!」
「分かってないね漆黒君は、こういう誰もやりたがらない断って世界救っちゃって俺達は凄いって知ってもらういい機会だよ」
「……とにかく自分達がコレ全部なんとかしないといけないんだ、ちょっとずつでもやっていくしか!」
exeとミリィは覚悟を決めたのか始めることリストを作りどれから優先すべきか相談したり内容や必要な物資、目的地の確認などを行う。
新たな異変『時空融合現象』、宇宙、新たな時空犯罪者、見慣れない世界の要素、新事業、マガイジンの研究……以下略!!
これから先黒影とたくっちスノー達時空監理局上層部は長く苦しい仕事と事件と戦いが待っているが、これは転換期なのだ。
黒影が英雄となり時空諸共生き延びる為に……!!
だからといって数が多すぎる!! そんな時に役に立つのが発明家3人揃ったこのチーム、ポチが鞄から小さなハンマーを取り出す。
「分身ハンマー!」
「ドラえもんで見覚えあるやつ! 確か叩くと分身が作れるんだよな!?」
「仕事が多いなら俺たちも増やすしかない! 時空の未来を守るため、俺たちが成り上がるためにも各地を回って事態を解決させるよ!」
「あの……それ俺にも効きます?」
「しかしこの資料を考えるとそれでも足りるか……ポチさん、オレにもやってくれ!」
「まずはどこから行く!? お金も大事にしろよ、これから数十人に分身する以上予算も限られてくる!」
「そうか、時空監理局そんなめちゃくちゃなことになってるのか」
「給料問題は解決したっちゃしたしもどき……ポチにも会えたけど暫く返事出来なくなるかもしれない」
「いらねーよ定期的な連絡なんか、お前の目的と報告さえあればな」
「分かってるよ松山、ここにいれば黒影の事もずっと監視出来るし……」
「このラグナロクの件でメイドウィン共も少しは奴に不満が出来ている、更にどんどん出張ってくれば嫌でもカーレッジの性根を察するだろうよ」
「……松山、一応聞いておきたいんだけどシュバルツの件は」
「何もしてないっつーかマイクルは元から真実を真っ先に知っちまう奴だったからな……カーレッジや時空の真実に気付くのも時間の問題だったろうよ」
「そっか……そろそろ切るね」
「おう、カゼひくなよ」
松山はミリィとの電話を切る、これが最後の会話になるかも知れなくても長話をしている場合ではない。
今こそ自分たちも動く時である、松山、サヤ、ジルトー、アクア……過去の仲間や新たに引き入れたメイドウィン達も正しい末路を求めて進む。
こうしてバラバラだった勢力は一瞬だが混じり合い、時空規模の『結末の無い物語』は真に始まったのである。
そして炭とナタはというと。
「……ところで俺の試合、忘れられてないか?」
「そうですね、帰りましょうか炭さん、リアルワールドはもう渡しておくことが確定したのでそれっぽいことだけしましょう」
【たくっちスノーZERO ラグナロク】
【End】
「では各自! 時空の未来のためがんばってくださいね!」
「畜生!」
この世全てを捻じ曲げたイティハーサの落し子カーレッジ・フレイン
元・史上最悪の時空犯罪者たくっちスノー
この世全てを破壊できる力を持つ都市伝説Sonic.executor
細かい才能を持つだけの一般人ローレン・漆黒
時空をあるべき姿に直すため生まれたミリィ
グリモアを探求する者ポチ
(時空は絶対に壊させない! そして俺とメイドウィンとつるぎちゃんの永遠の物語を完璧に作るんだ!)
(もっと知りたいあいつらのこと、この歴史の中でキャラクター共はどんな風に生活して、戦って、人生を過ごすんだろ?)
(混乱していく世界各地の騒動を止めるためにはより多くのヒーローが必要だ、オレはヒーローを増やす!)
(なんだかワクワクしてきたぞ、逆に話がどんどん複雑になって色んな事が起きたらどうなるんだろ? 結末がないんだもんな……)
(ゼロ・ラグナロクを通して感じた、不幸になる人々は一人でもいちゃいけない、俺の手で全てのキャラクターを幸せにする!!)
(事件とかざわざわすることは苦手なんだよなぁ……結末が来ないのは結構だけど、永遠に平和に過ごせたらいいのに)
これは時空監理局を通して世界各地に飛び回る6人のキャラクターが各自の思想の元、様々な物語を繰り広げて全員がラスボスになるまでの壮大な前日譚であった。
【時空序章〜カーレッジ・黒影/たくっちスノーZEROラグナロク~】
【END】
カーレッジ・黒影/たくっちスノーZEROラグナロク~をここまで読んでくださりありがとうございました。
今後自分が投稿していく作品はこの作品の世界観を軸にしており、たくっちスノー、exe、ミリィ、ローレン、ポチは必ず1人か2人は登場していくことになります。
これから先、各キャラは骸の海の中で新時代を迎えて全作品が当たり前のようにクロスオーバー出来る世界の中どんな話の流れを作っていくのか?どんなキャラ同士が親密な関係になるのか、本当に終わりは訪れないのか?
ハーメルンでもMNU(メイドウィンノベルユニバース)、及び第六猟兵化した作品群の世界をよろしくお願いします。