時空序章~カーレッジ・黒影/たくっちスノーZEROラグナロク~   作:黒影時空

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三週目「最悪のバッドエンド歴」編開始、ここから本格的にクロスオーバーが始まります。
その上で結構物語が改変されて今の世界観に構築されていく段階なので…


史上最悪のバッドエンド紀編
世界創造三週目


 メイドウィンワールドが何もかも滅んで早くも1週間が経過した、再び残されたのはカーレッジとあのラボ、そして彼にのみ聞こえるイティハーサとの念話。

 残念なことに同じく取り込んだメイドウィンの声は全く聞こえることはない、彼はあくまで彼の都合のいい答えを受け答えするに過ぎない存在、あの時役目を終えたのだ。

 しかし今のカーレッジの目的はメイドウィンワールド及びそれに並ぶ冒険の舞台の復活、剣は今もまだ完成する目処がないし親友の約束であり冒険の舞台となる存在から前もって作っておいたほうが面白い。

 

「メイドウィンワールドを作ること自体は簡単だよ、問題はあいつでも出来なかった維持……また滅ぼないように寿命を延ばすにはどうすればいいか、キャラクターを集めた後が課題だな」

 

 メイドウィンの力を手に入れたおかげかカーレッジもはじまりの書を作れるようになっていた、幸いなことは骸の海がもう既に全ての版権作品を取り込んでいたことだろう、あそこで消えたキャラクター達は言わばコピーしたデータの一部に過ぎない、なんなら黒影も出してないキャラも出すことができる。

 しかしはじまりの書を開いて手を突っ込んでもキャラクターや設定が出てこないのは少し前に試した時と同じだった。

 

「イティハーサ、メイドウィンがキャラクターを呼び出した時は何がだめだったと思う?」

 

「奴は上辺のみの模倣した、奴の作った生物は本の上で描かれたものしかない半端なもの……それが作用したことに気付かんとは」

 

「上から目線では聞いてないんだけど、要するに本に書いてある通りだけしか見えてないから中身スカスカだったってことね」

 

 イティハーサは実質カーレッジがメイドウィンワールドの全てを作っていたことは理解していたのだが黙っていた、カーレッジではオブリビオン・フォーミュラになれる可能性はあるものの猟兵を倒すには程遠いと考えるようになり心の内では彼に素質がないと諦めているかもしれないが、消滅寸前まで敗れた彼はもうグリモアに顔を出せずカーレッジを利用するしかない。

 

「で、イティハーサが思うにどうすればいい?」

 

「……猟兵の世界の話はしたか」

 

「頭の中には残ってるよ、確か35個も個別に世界があって……イティハーサは混ぜ混ぜして新しい世界を作れるんだろ? 俺はまだ出来ないけどもし出来たらどんなに楽しいだろうなぁ、ガンダムとポケモンを合わせてみたりとかさ」

 

「はじまりの書を儂に貸せ」

 

 言われるがままカーレッジは適当なはじまりの書を作成しイティハーサの幻影に差し出す、イティハーサは本に力を込めるとはじまりの書はゆっくりと開きページの真ん中から渦巻きが現れドロドロしたものが溢れるように飛び出していく、そして空まで飛んでいき塊となって彗星から丸い星が生まれ、空の上で輝く。

 

「はじまりの書を依り代に世界其の物を作成した、これによって物語の住民はより精度の高い存在として生まれることだろう」

 

「それって空想の存在を世界観ごと作成したってことか……さすが過去の断片を合わせるだけで歴史を作り出せる神様って感じ」

 

 イティハーサはそのまま勢いで次々とはじまりの書を元に世界を作成していく。

 メイドウィン以上に大規模な創造をしているにも関わらず、一時間もせずにかつてのメイドウィンワールドと同等の作品群から世界が生成されていった、星々が空に輝いて次々と活動を開始していく姿がさながら大規模なプラネタリウムのようで物語が動いていく様はポップコーンがいくらあっても足りなくなる。

 

「凄い……凄いけどこれ俺の世界はどうすればいいの?」

 

「猟兵の世界にはグリモアベースという世界を繋ぐ境界線のような地点が存在した、同じものを模倣してしまえばいい」

 

「なるほど、他の世界を繋ぐための休憩地点みたいなものってわけか、なんだか遊園地みたいだな」

 

 カーレッジはハジマリアでありメイドウィンワールドだった所を数々の物語の世界と繋がるように糸を引いて改変、新幹線や乗り物に売店などあくまで移動先重視になるように考えて作っていった、まるでクモの巣のように線を張り巡らせて世界と世界を繋げていき、必ずここを通ればどこの世界にも渡れるようになる大きな境界線を作成する。

 

「それはそれとしてこの世界となんと名付けようか、もうハジマリアじゃないしあそこはつまらん、メイドウィンワールドにしては雰囲気変わり過ぎだからな……」

 

「この場所は時間と空間に離反した存在……骸の海のままでいい」

 

「ネーミングは大事になってくるだろ……時間と空間に離反して自由な存在……この場所は世界ではなく『時空』という領域にしよう!」

 

 こうしてカーレッジの思いつきとイティハーサの力によって時空は誕生した、時空を少しずつ快適に改良していき着々とメイドウィンワールドが再開する目処が立ってきたことに喜びを感じる。

 更にはじまりの書を通して物語の様子を確認したり、キャラクター以外なら自由になんでも取ってきて作り替えることも出来た、これを物語に使えばどれだけ面白くなるだろうか……。

 着々と

 


 

「なんだよ……こいつは」

 

 その一方、なぜか1人だけメイドウィンワールド破壊作戦で死ぬことが出来ず生き残っていた松山は時空を彷徨っていた。

 全てが火の海になった後に目が覚めたら何もかも燃え尽きて何かも無くなった空間の中で1人何の外傷もなく目覚め、それ以降カーレッジに会わないようにしながら周囲を確認していたのだ。

 ……何故松山は一人だけ生き残ってしまったのか? 一番最初にキャラクターとして作られて数々の物語に参加させられ、その際に数々の見合わない設定を次々と植え付けられた。

 そして表向きの設定しか本来の記憶や体感が無い松山はそのまま空想の設定に浸食され、気が付けば顔が同じだけの紛い物となり人間かどうかも怪しい生物となって死を免れていた、そんな結論に達した。

 それから松山はこの物語に携わりたくないとこれまで何回も死ねるか試した。

 常日頃から持っている彼の数少ない象徴、ライフル銃を頭に叩き込むが頭痛もしない、弾は脳のような部分を炸裂させて大きな風穴を開けるがが出てくるのは真っ黒でドロドロとした液体、これが今の自分の体を通して形成するものらしい、血や骨なんてものはとうの昔に喪失したようだ。

 

「俺はこれからどうすりゃいいんだろうな……」

 

 スラムもない、同じ苦難を抱えた仲間ももういない、松山はアテもなく列車に揺られてこれからどうするか考えていた……。

 降りた先は生い茂る草原にメルヘンな雰囲気の場所、心を無にしていたら変な世界に迷い込んだらしい。

 

「カーレッジのやつ今度はどんな物語作ってんだ……」

 

 だが松山は一瞬で目を奪われる、レンガで出来たブロックを飛び越えるあのオーバーオールでヒゲの男……!

 

「ルイージ……!?」

 

 松山からすればつい昨日話したばかりのルイージが飛び回っている、追いかけようとも思ったが自分を覚えている保証もないため自然と身体が止まってしまう。

 ルイージがいるということはここはあのスーパーマリオの世界、メイドウィンワールドで舞台にしたことはあったが空も背景もハリボテのように薄く子供の学芸会のような雰囲気がしており住めるどころか入れる雰囲気でもなかった、キャラクター達が寄り付かずに各地で素材を集めてスラム暮らしをしていたのもこれが起因している。

 

 だがこの世界はどうだ、山は本物そっくりだし植物も生き物も世界其の物……本物のスーパーマリオの世界としか言いようがない、イティハーサがどれだけマリオを再現できたかかどうかは関係なく松山にとっては初めてリアリティを感じる質感と雰囲気に空気の感覚……。

 

「まさかカーレッジがこんな物を?」

 

 だが感心してる暇はなかった、本来マリオの物語において部外者である松山が足を踏み入れたことで世界に異常が起こり、敵キャラの形が異形で気色悪い姿に変形していく。

 たれは松山も覚えがある寄生体の入った海産物の化け物の姿だ。

 

「ちっ、多分俺が混ざったせいで俺の世界の設定と融合し始めたな、カーレッジは融通利かねえなこういう所!」

 

 松山は持っていたライフルで怪物を始末しながらもどうやって帰ればいいかも分からない、ひとまず走り出している所に空から機械仕掛けの手を伸ばす者が声をきてくる。

 

「クソガキ! ワシの手を握れ」

 

「ああ!? 誰がクソガキだ! 設定上は23歳だぞ!」

 

「バカモン! なんでもいいから早く掴まんか!」

 

「クソッタレが! 届くわけねえだろ空だぞ!!」

 

 松山は言われるがまま飛び上がるが文句を言ったように松山は設定上は普通の人間なのでこの脚力で空まで届く気配はない、しかし伸ばしてきた腕は更に何倍にも長く伸びて松山をしっかり掴みそのまま引っ張ってマリオの世界を抜け出した。

 手を引っ張った先を見てみると掴んでいたのは腕どころか入れる身体中が機械で出来いながらも人の形は維持して、あちこちが古臭さとハイテクさを両立したような奇天烈で巨大な老人だった。

 

「全く……遠い未来にこんな奴がいるとはのう、文化の進化とは理解を超えることもある」

 

「ああ? なんだジジイ、メイドウィンワールドじゃ見たことねえツラだな、科学者ってところか?」

 

「おおよくわかったな、といっても今はろくに発明品作りも研究も出来とらんがな……」

 

 更に引っ張った先は巨大な電化製品が何十と連結された異常すぎる場所、こんなものが何に使えるかと思おうとしてもまたバグって変な怪物が現れても困るのでそんな暇もないと松山はさっさと出ようとするが止められる。

 

「心配するなここはワシのラボじゃ、もう何万年も使っているが壊れた気配どころかショートすらなし! 、ハジマリアの崩壊にも耐えているからな」

 

「ハジマリア……? 確かカーレッジがそんな名前出してたよな……?」

 

「当然じゃ、お前がカーレッジの事を何か知ってそうだったからわざわざこの手で助けてやったのじゃからのう」

 

「ジジイはカーレッジの関係者なのか? 誰なんだよてめぇ」

 

「そういえば名乗ってなかったか……ワシの名はドクター・ジルトー、かつては悪の天才科学者であり奴の宿敵とかやっていたかな」

 

 こうしてハジマリアのジルトーとメイドウィンワールドの松山、カーレッジが好き放題した世界に唯一残された者同士が奇跡の対面、この2人がまたカーレッジの物語に波紋を呼び込み、ここで初めて会ったはずの二人は不思議とシンパシーを感じ取っていた。

 名前以外別物のまま生きていく松山とカーレッジの途方もなく長い

 


 

「さてとりあえずこの世界から小物を何個か取ってきて……」

 

 時空開発は順調なので次はメイドウィンのように物語を作ることにしたカーレッジ、前から中身の大半を作って活躍してきたのは自分だ、メイドウィンワールドはいつも自分がいたから平和だった、ハジマリアでもかつての日誌を作るのとあまり変わらない。

 はじまりの書を読み物としても楽しみ、こちらから見てアニメやゲームが由来でもマンガ雑誌のような形で読んで誰を仲間にするかどんな冒険をするかフラグメントを構築してどんな冒険になりそうか、どういう流れにすれば満足いくか線繋ぎでまとめあげて時空の糧に変えていく。

 しかし作業をしていた時異常が発生した、また手を伸ばしても全く反応のない物が紛れていることに気付く、問題はついさっきまでは何事もなく機能していた本だったことである。

 本を通して触ってみても無意味、はじまりの書を確認したらページの途中で中身が真っ白に変わり果て何も描かれなくなった、寿命にはまだ早くどんなに進んでも真っ白なままだが最初の方まで一気にページを戻すと元に戻った。

 反応が無くなる世界の方に直前までアクセスしてみると、のんびりとしたつまらない雰囲気のまま煙のように消えていくではないか。

 

「イティハーサ、これはどういうことだ?」

 

「世界が抱えている課題を失ったのだろう、問題が無くなり世界でやるべきことが無くなった時、衰退し再度骸の海に還る、魔王亡き勇者の世界に価値などないように」

 

「平和になったってこと? まだ俺何もしていないっていうか今考えてる所なのに」

 

 どういうわけか作り出した世界達が自分の手を離れて勝手に進み続けてカーレッジが絡む余地もなく終わってしまう、検証してみるとそれは例外なく全ての世界に当てはまった、つまり最終的にはどんなに作っても勝手に物語が終わってしまうし全部に参加する暇もない。

 それでは困る、そもそもこの本と時空は自分の物語を作る為の舞台ではないか、それを勝手に終わらせて自分の許可も得ずに平和を噛み締めようとするなんて身の程をわきまえて欲しい。

 話を作り介入するどころではないので何故勝手に物語が終わってしまうのかより正確な調査を行う事にした。

 

「俺の時空で不備は何1つ起こさないようにしないと! あいつとつるぎちゃんの為にも!!」

 

 カーレッジは各地の本に阿修羅のようにに手を伸ばして様子を確認し、世界を全て1から……いやゼロから作り直し、物語が終わらないように徹底的な物語の監視を始めた。

 全ては永遠に終わらないメイドウィンの世界を剣と共に冒険する為に。

 


 

「ふむ……これは随分面倒な事になっているな、まあ奴が絡む以上覚悟はしていたが、こんなものまで作ってしまうとは」

 

「アレは俺も知ってる世界だな、せっかく普通に終わったのにやり直して、まるで電球みたいに付けたり消したりしやがって……そこもう一回写せ」

 

 ジルトーと松山も時空各地に存在する世界が物語の終わりが近づくごとに真っ白になっていったと思えば元の形に再構築され繰り返される現象を確認する為に巨大なモニターで時空を監視していた、カメラでも各地に付いているのかキーボード操作するだけで素早く他世界の画面が切り替わる、旗から見れば超巨大多機能テレビだがジルトーはそんな生半可な物は作らない。

 

「こんなものあるってことは、お前メイドウィンワールドも……」

 

「ああ、知っておった……神になったと聞いた時ワシは最初こそ信じられんかったが、もしそうなれば奴は何をしでかすか分からんと念には念と科学で延命させておいてよかったわい、そしたらハジマリアを滅ぼすどころか都合のいい世界に作り替えたときた」

 

「で? そのハジマリアでの話を聞くに俺やあの世界の奴らはオブリビオン……とかいう奴らなのか?」

 

「正確にはメイドウィンとはオブリビオンが進化した存在らしいのう、お前はあの日死んだ後にオブリビオン化したようじゃな、元々歪な能力やありもしない経歴を加えられたことでメイドウィンワールドそのものと一体化しておる、しかしお前の中に全部詰め込まれたことでそれ以外がオブリビオンとして生まれ変わることはなかった」

 

「俺の身体が人間とは思えないくらいグチャグチャになってるのはそういうことか……過去に縋り取り残されたモノ、言いえて妙じゃねえか」

 

「ただし……カーレッジが作り出した時空とやらの物語の奴らはオブリビオンではない可能性もあるぞ?」

 

「え、マジ?」

 

 驚く松山にジルトーは説明を入れる、そもそもメイドウィンとはオブリビオンが発展して進化した存在でありオブリビオンは骸の海から溢れた過去の産物が塊になり過去で染め上げて滅ぼし、自身の歴史に塗り替える存在、過去のフィクションを元にして浅瀬から作られたメイドウィンワールドは存在自体がオブリビオンかもしれないが何もかも1から作り出した時空は過去ではない、過去の存在に類似しているが全く別の新しい生命体なのだ。

 ただしどっちにしても元になった存在とは大きく異なる性質で本物ではないことはそうだ。

 そういう意味ではあのさっき見えたばかりのルイージ達も……いやここに生きる全てオブリビオンかもしれない、本物はやることを済ませた後なのだから。

 

「どちらかと言うと奴と深い関わりのある神と敵対している猟兵という奴らに近い存在かもしれんな、まあワシらにとってはどっちにせよカーレッジの敵じゃが」

 

「だな、俺等はあくまで誘導して利用するって形だからな……それで爺さん、原因は分かったか?」

 

「原因も何も物語が由来ならお話通りヒーローとなる存在が悪党をやっつけて終わりの流れをそのまま続けとるだけじゃろ、やることがないなら無駄に生きるよりそこで終わったほうがいい」

 

「問題はカーレッジがそれに対してどうするかってことか……ってわけか」

 

 だがその時だった、テレビ画面に映る数万を超える世界の中から1つ警告アラートが鳴り始めたのだ、ジルトーがすぐに検索してみるとそこは先ほど松山が居たスーパーマリオの世界ではないか、主人公であり世界の中心であるマリオに緊急事態が発生したことを強く示している。

 

「なんだ! マリオがキノコで食あたりでも起こしたのか!?」

 

「くだらんこと言っとる暇あるならキーボードでも動かさんか! 設定がなくてもそれくらい出来るじゃろ社会人!」

 

「うるせえな俺はそれ専門のエージェントじゃねえんだよ! 怪物ぶっ殺したりする役だわ!」

 

 まだ出会って間もない2人だが年齢差や設定、種族を気にしないほどに意気が合っている、恐らく松山にとっては初めて話が合う相手だったことだろう。

 ただし喧嘩をしている場合ではない、最初はマリオだけであったが次から次へとアラートが鳴り響き、まるで自爆のカウントダウン。

 これは紛れもなくろくでもないことを起こしたいつもの合図、ジルトーは機械を操作して転送装置を起動させ、もう一度マリオの世界に松山を送り込む。

 

「大丈夫なんだよなバグらねえよな!?」

 

「ワシをなんだと思っとる! その程度のバグなんぞ突破してやるわ! 至高の科学は神の気紛れさえ超越する!」

 


 

 松山がマリオの元まで急いで向かう時から少し遡ってカーレッジの視点、物語が終わってしまう原因に対してカーレッジが出した結論は『自分より先に物語を解決させてしまう目立つやつがどこにでもいるから』だった。

 ハジマリアでは剣が一応その立場だったのだが、あの場合はカーレッジが裏から手助けして手を尽くしていた為、自分のおかげという実績が多分に含まれていると考えている、むしろこの事例の場合カーレッジがあまりにも軽率な手段で余計なことをしすぎていた為にハジマリアは荒れてしまったのだが気付くはずもない。

 しかし今現在物語を勝手に進めている……便宜上『主人公』である者達はカーレッジを頼らず、物語を平凡に進めて他の世界とも絡まず終わってしまう。

 

 それではカーレッジのお話が面白くないのだ、もっと壮大な話にして合流させるためにも早い段階で終わらせてはならない、最終的に全部巻き込むまで引き延ばさないと。

 しかしカーレッジの身体は現在1つしか無いため物語に少しずつ途中から割り込んで全部自分の構成にしようとすると同時進行の為に必ず間に合わない世界がある、分身してしまうと時系列で辻褄が合わなくなる可能性があるとイティハーサに告げられた。

 悩んだ末、カーレッジはある手段を思いついて自らの力でスーパーマリオの世界に入っていった。

 松山が入ったことで起きた部外者異常もカーレッジには関係ない、イティハーサも言っていた、物語を作る存在が常に正しい立場にいて主人公よりも上、それ故に『創勝者』だ。

 

「この本によるとマリオがそうなんだよな、メイドウィンが物語であまり彼を使いたがらなかったのもこうやって見せ場を横取りするからなのかな」

 

 過去に見てきた方のマリオを思い起こしながら彼を探すカーレッジ、街に行けば冒険に出かけたといい、先回りしようとしても気配で追い付けてないことが分かる、確かにこの規模ならあっという間に物語を終わらせてしまうのも頷ける。

 マリオの世界では悪役であり全ての元凶であるクッパを封印してしまう肝がある事で物語が終わって世界が消えてしまう、それだけはなんとしても阻止しないといけない。

 マリオの動向を追い続けたカーレッジは閃いた、必ずマリオに追いつけるタイミングが1つだけ存在している。

 


 

「クッパ! お前はここで眠るんだ! クリスタルキノコよその力を放て!」

 

「何……キサマ! いつの間にそんなものを!!」

 

 物語はとあるマリオ作品のクライマックス間近、キノコ王国の神秘5つのクリスタルキノコが奇麗に輝きクッパを水晶の中に閉じ込め物語が終わるという筋書き。

 この刹那、終わる間際なら確実にマリオを捉えられて物語を進められる、溶岩の先からカーレッジは神の力でクリスタルキノコに細工を行う。

 クリスタルキノコは物語の改変で問題が発生して震え始める、マリオも突然の変化に不安そうに眺めるが眩い閃光が走りクリスタルキノコの力はクッパではなくマリオに及ぶ、体が水晶に覆われて崖から落下していき、何もかも呑み込んで溶岩に沈んでいった……。

 

「なっ……マリオ!?」

 

 あまりにも唐突な出来事に立場を忘れクッパも身を乗り出す、最後にマリオに万が一復活が無いようにクリスタルキノコを破壊……これで目的を終えた。

 

「マリオはもうこれで二度と活動できない……つまり物語を勝手に進める奴がいなくなり終わらなくなる、急がないと、こんな奴に時間をかけすぎた」

 

 そう、カーレッジが思いついたのは自分より先に解決させる【主人公】を一人残らず始末すること。

 主人公狩りを行い物語を止める事を思いついたカーレッジは各地を飛び回り様々な作品の主人公を手にかけていく、松山が異常を発見する頃にはもう既に手遅れであった、もはやカーレッジは時空の全てを掌握するつもりでいる……!

 

「いかれてんのか、あの野郎……!!」

 




こちらは執筆・修正を入れましたが更にgrokによる印象的なシーンの台詞や地の文の修正(改訂)は頼まず投稿した場合です。
ハジマリアから今回まで三つの手法を試してみましたがどれが良いのか……

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