金返せニコ   作:SAMU

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7:ニコの受けた罰

「あぁ!! 楽しいなぁ! 楽しいわねぇ!! はははは!! 昼間っからお酒飲んでカードゲームするのって最高ねぇ!! ははははははは!!! ほぉら!! じゃんじゃん持ってきなさいよぉぉ!!」

「「……はぁ」」

 

 私は今、幸せを感じていた。

 郊外に来て、お酒を飲みながら仲間たちとポーカーゲームに興じる。

 これは社員との親睦を深める為のものではあるけど。

 楽しむところが大前提であり、夜が開けても終わる事はない。

 

 ニトロフューエルをかぶがぶ飲み。

 死んだ魚の目をするアンビーとビリーにも勧める……あ、ビリーは無理か!

 

 私は笑う。

 笑って、笑って、笑って笑って笑って笑って――

 

「……ニコ、こんな事をしても何の解決にもならない。大人しく戻って」

「――あははははははは!!!!」

 

 アンビーが何かを言おうとした。

 が、私は楽しい気分なので何も聞こえない。

 すると、バーの経営者であるバーニスがジョッキを持ってやって来る。

 

「なになにぃ? また何か楽しい事でも思いついたの? 聞かせて聞かせて!」

「ふふふ、別にぃ。楽しい事なんてなぁんにもぉ……ほら! そこ!! 何見てんのよ! 見せもんじゃないわよ!?」

「……はぁ、たく……何時になったらお開きになるんだぁ?」

「そんなの私が知る訳ないでしょう……はぁ、突然やってきて匿って欲しいだなんて。何があったのかと思いましたが……そんなに金貸しの男が怖いん」

「――あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」

 

 私は頭を押さえて叫ぶ。

 そうして、血走った目で何かを言おうとしたルーシーを睨む。

 

「アイツの、事を、言うんじゃ、ないわよ!! どうなっても、知らないわよ!!!」

「……はぁ、哀れですね。悪名高い邪兎屋のニコ・デマラがこの様とは……まぁ別に? 私たちはお金さえ貰えれば、寝床と護衛程度ならしてあげますけどね。えぇ、勿論、仕事ですから」

 

 ルーシーの奴は猫のように目を細めて笑う。

 そんな奴の憎々しい顔に舌を鳴らしてやった。

 

 何も分かっていない。

 あの男の怖さも、あの男の理不尽さも。

 シーザーを見れば、私の顔をジッと見つめて少しだけ眉を下げていた。

 

「……つっても、ニコの恐怖心は本物だぜ? よっぽどの相手じゃねぇのか?」

「は! シーザー、何を怯えていますの? 相手は虚狩りではく、ただの一般人。それも金を取りたてるだけのごろつきですのよ。そんな相手を警戒しても、私たちには何の得もないですわ」

「……いや、そうとは思うけどよ……どう思うよ? ライト」

「……警戒はするさ。噂では、虚狩りとやり合って……五体満足で生還したらしいからな」

「……ふん、そんなの根も葉もない噂ですわ……あぁもう。テレビ! テレビをつけなさい! バーニス!」

「はいはぁい! 何にする? ドラマ? 映画? それともワンチャンや猫ちゃん?」

「な・ん・で・もっ!」

 

 ルーシーの言葉を受けて、バーニスはテレビをつけにいく。

 

 椅子を台にしてテレビの手を伸ばしつまみを回す。

 最初はノイズが走っていたが、チャンネルを切り替えれば番組が映る。

 それはニュース番組であり、画面には男の記者がメットを被って熱心に何かを――

 

《現場にて状況を報告します!! 暴走状態にあった共生ホロウが沈静化しました!! 一時間前に、治安局が敷いていた規制線を突破した謎のドレスを纏った大男!! 彼によるものかは不明ですが、暴走状態にあったホロウは沈静化!! 現在は……今、新しい情報が入りました!! 謎の男はそのまま自力でホロウを脱出!! 上空を飛行しながら、郊外へと》

「……ドレスを纏った大男? また奇天烈な……ニコ?」

 

 ルーシーが私を見つめて来る。

 が、私は返事が出来ず。

 ばちゃばちゃと酒を零しながら震える事しか出来なかった……アイツよ。

 

 間違いなくカルロだ。

 ドレス姿であり、大男で……暴走したホロウの鎮静化なんて事、今のアイツなら……私は立ち上がる。

 

「行かなきゃ」

「……行かなきゃって……貴方、何を言って」

「――三十秒で支度しなさい!!! 間に合わなくなっても知らないわよ!!?」

「「「……?」」」

 

 理解していない阿呆どもは首を傾げる。

 私はそれを無視して、鞄を持つ。

 ビリーに指示をすれば、急いでキャリーケースを取りに行った。

 アンビーも車をチェックしに行き。

 私は眠っているパイパーを叩き起こした。

 

「んぁ? 何だよぉ……ふあぁ」

「何だ、じゃないわよ! 急いで車を出して。急がないと全員――アイツに殺されるわ」

「殺されるってぇ? そいつは穏やかじゃねぇなぁ、えぇ? ニコ」

 

 パイパーは笑みを浮かべる。

 が、その目は何時にも増して真面目そうに感じた。

 私は説明している暇はないと全員に言い聞かせて――突如、建物全体が大きく揺れた。

 

「あぁ!? 何だ何だぁ!? 地震かぁ!!?」

「違いますわ! この揺れは何かが降って来たような――ま、まさか!?」

 

 全員が驚いている中。

 私は扉をぶち破り外に出る。

 すると、他の建物からも人がわらわらと出てきていた。

 

 ブレイズウッドに繋がる道。

 その中心にて砂煙が立ち昇っていた。

 私の心臓はドクドクと鼓動する。

 

 

 違う、違う、違う違う違う違う違う違う違う違う――“赤い光”だ。

 

 

 煙が一気に掻き消える。

 姿を現したのは黒い靄に覆われたボロボロのドレスを纏う――“化け物”。

 

「あ、あぁ、ぅ、ぁぁ、あぁ、あ」

 

 目の錯覚だ。

 本当にもやなど出ていない。

 幻覚であり、恐怖が見せるまやかしで――いや、違う。

 

 見える、見えている。

 あの男が、カルロの感情が目に映っている。

 あの天まで伸びる黒い靄も、奴の真っ赤に光る眼光も。

 全て私の本能が正しく奴を認識した結果の――本物だ。

 

 

 怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い――恐怖だ。

 

 

 足が動かない。

 体が言う事を効かない。

 何も出来ず、ただ放心して立ち尽くすだけだ。

 後から出て来たアンビーは息を飲む。

 ビリーもただ静かにそこに立っていた。

 

 カリュドーンの子たちも慌てて飛び出し。

 目の前の怪物に対して言葉を失っていた。

 

「……おいおい、ありゃ……人間、なのか?」

「……人間でしょう。エーテリアスならホロウ外に出られる訳が……でも、アレは……っ」

「……途轍もない殺気だ。いや、怒りそのものだ、アレは」

 

 皆が皆、警戒していた。

 動く事も出来ずに、ただ遠くから此方を見つめるそいつを誰しもが見て――噴き出す声が聞こえた。

 

「ぷっ……ドレスって、いやいや、ふ、ふ――――」

「「「……ぇ」」」

 

 ビリーの声がした。

 が、一瞬で声が消える。

 何が起きたのかと後方を見て――家の壁に穴が空いていた。

 

「「「――ッ!!」」」

 

 理解した。

 一瞬だ。瞬きほどの時間で、ビリーの体を遥か後方へ吹き飛ばした。

 アイツの体の形の穴が出来ていて。

 うめき声が微かに聞こえている。

 

 

 奴はすぐ近くにいて――私を見下ろす。

 

 

「――――」

 

 汗が噴き出す。

 歯が勝手にガチガチと鳴る。

 化け物が、カルロが、ジッと私を見つめていた。

 足が震えて、視界がぐにゃりと歪む。

 

 吐き気だ。悪寒もする。

 この邪兎屋のニコが、これでもかと気分の悪さを感じていた。

 酔いが一瞬で覚めて、胃の中のもの全てをぶちまけたい。

 が、そんな事をすれば私の命はない。

 

「へ、へへ、うぷ! う、ぅ、ふ、へへへ」

 

 必死になって何とか意識を保つ。

 顔面蒼白になりながらも、揺れる視界の中にカルロの顔を収める。

 そうして、私は自らの頭脳を最大限に回す。

 この危機的状況を打破する何かを考えて――

 

「――! このや……え?」

「シーザー!! このぉ――ふぇ?」

 

 一触即発。

 緊張を破り、二人が攻撃を仕掛けようとした。

 が、すぐ目の前にいたカルロは消える。

 気が付けば、二人の背後に立っていた。

 二人の手の中にはいつの間にか何かが握られていた。

 

 二人は驚きながらも、手の中のものを見つめて――膝をつく。

 

「皆!? やぁぁ――え?」

「……んあ?」

「……これ、は!!」

「……な、何が、何を、して……あ、アンタたち」

 

 カルロは一瞬にして動く。

 そうして、全員の手に何かを握らせていた。

 彼らは手の中のものを見つめて力が抜けたようにその場に膝をつく。

 

「こ、こんな、こんな事が……すまねぇ、ニコ……もう、俺たちは」

「か、敵わない。こんな男に、私たちは、成す術が……くっ!」

「俺も、だぜ……パイセン。すまねぇ、俺の、完敗だ」

「そ、そんな……い、一体、どんな、手を?」

 

 私は更に恐怖する。

 数え切れないほどの修羅場をくぐって来た彼らが。

 あのカリュドーンの子たちが、一瞬にして無力化された。

 これをやったのはカルロであり、私は激しく動揺し――

 

「わぁ!! これこれ!? 燃料一年間の無料券だぁ!! やったぁ!! ありがとー親切なお兄さん!」

「おぉ、スクラッチがこんなにぃ……ふふふ、今夜は眠れないぜぇ」

「…………は?」

「カルロは彼らを買収した。因みに私の手にはハンバーガーショップでの利用が一年間無料になるチケットだった」

「……………………は?」

 

 苦しそうにしているかと思えば。

 どいつもこいつも嬉しそうに笑っていた。

 アンビーもちゃっかりとプレゼントを貰っている。

 私は一瞬にして正気に戻り、それならばと奴に手を伸ばした。

 

「ふ、ふーん! 襲いに来た訳じゃないのね! そ、そうね。お土産でしょ? そ、それなら早く言いなさいよぉ。ほ、ほらぁ、可愛いニコちゃんへのプレゼントはこの手の中に」

「――This way(ついて来い)」

「…………ふぇ?」

 

 奴はハッキリとついて来いと言った。

 私は目を点にする。

 奴はそんな私を無視して歩き出した。

 

 ……だ、ダメよ。このままついて行っても良い事はない。万に一つもね……だ、だったら!

 

 私はついて行くフリをする。

 そうして、ふいっと左の方向へと進み。

 そのまま逃げようとして――赤い光が視界を覆う。

 

「――ひぃ」

「……This way」

 

 至近距離に奴の眼球がある。

 奴は一言だけ言って私の横を通り過ぎる。

 私は笑みを浮かべながら、ただこう思った――終わった、と。

 

 

 ##

 

 

 歩く、歩く。

 

 歩く、歩く、歩く、歩く。

 

 歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く――歩き続けた。

 

 奴は一言も発しない。

 ただ無言で前を歩いていた。

 私は歩き疲れて、呼吸を大きく乱していた。

 チラリと後ろを見れば、買収されたクソ共が車に乗ってついてきていた……あ、アイツらぁ!!

 

 私は必死に私も車に載せるように視線で訴えかける。

 が、奴らはそんな私を無視して笑うだけだった。

 使えない。いえ、まるで役に立たない。

 私は目に涙をためて、歯ぎしりをし――その場に大の字で転がる。

 

「あぁぁもぉぉぉ!!! 良いわよ!! 上等じゃない!!! えぇえぇ!! 私が悪うございましたぁぁ!!! さぁ煮るなり焼くなり好きにしなさいよぉぉ!!! ……いえ!! い、一発!! 一発なら我慢するわ!!」

「……」

 

 私がそう言ってやれば、奴は足を止めて振り返る。

 そうして、考えた末にゆっくりと私に近寄って来た……ふふ、分かってるわよ。

 

 どんなに凶暴で、どんなに無慈悲なアイツでも。

 この可愛いニコ様に対して暴力なんて振るえる筈がない。

 アイツは優しい面があり、どんなにひどい事をしても命までは取らないのよ。

 だからこそ、今回もデコピンくらいで済ませるんでしょう。

 だったら、我慢してやって甘んじて罰を受ければいい。

 私はそういった気持ちで私を見下ろすアイツを見つめて――

 

 

 

 

「お前、もしかしてまだ――自分が死なないとでも思っているのか?」

「…………ふぇ?」

 

 

 

 

 奴は簡潔に、そう言って――拳を固める。

 

 呆けた顔で見つめていれば、奴は腰を深く落として力を溜め始めた。

 すると、周りの地面が揺れ始めてパラパラと宙に石や砂利が浮き始めた。

 段々と揺れは大きくなっていき、奴の拳には黒い靄が集約していく。

 

「え、ぇ、あ、ぇぇ、ぁ、ぇ、ちょ、ぇ?」

「――――」

 

 私は必死に声を絞り出そうとする。

 が、その間にも奴はどんどん力を溜めて行った。

 次第に奴の体の周りに電流が走り。

 スパーク音ではなく、稲光のようなものが聞こえて来る。

 

 大の字で寝ているから空は嫌でも視界に映る――黒い。

 

 暗雲が立ち込めている。

 雷が鳴っており、それはきっとカルロの影響なのだろう。

 私はそんな事を考えながら、視線を動かしてアイツらを見て――い、いない!?

 

 気が付けば、車が消えていた。

 見れば一目散に逃げている。

 私は激しく呼吸を乱しながら、何とか立ち上がろうとして……た、立てない!?

 

 体が重い。

 岩のように重かった。

 呼吸もし辛く。

 奴の怒りと殺気で体を地面に縫い付けられていた。

 

 私は涙を流しながら首を左右に振る。

 

「いやいやいやぁぁ!!! こんな所で死にたくなぃぃぃぃ!!!! 私にはまだやり残した事が山ほどあるのよぉぉぉぉ!!!」

「――――」

「いいいやぁぁぁぁ!!!!! 誰か、誰かぁぁぁぁぁ!!!!? 神様仏様誰でもいいから助けてぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 私は必死に泣き叫ぶ。

 が、私の声は落雷によって掻き消える。

 奴の拳が暗黒の光を放っていた。

 奴は目を真っ赤に光らせながら、ビキビキと手足に血管を浮き上がらせる……あぁ、終わった。

 

「か、カルロ、せ、せめて、痛く、しないで」

「――ニコ、永遠に、さよならだ」

「ぅ、あ、ああぁぁ、あああぁぁ、ああぁぁあああああぁうあうあああああうあああああぁぁ!!!!?」

「ウォォォォォォ――ッ!!!!!!」

 

 奴は拳を振り上げる。

 まるで、竜の雄叫びのような音が響き渡り。

 奴の殺気と怒りを孕んだ拳が私に迫る。

 スローモーションに感じる世界で、私は、それを、じっと見つめて――――…………

 

 

 〇

 

 

「……アホが」

「――」

 

 俺はゆっくりと拳を上げる。

 寸止めした事によってニコの顔には傷はない。

 が、その顔はひどいものであり。

 白目をむいて泡を吹いていやがった。

 辛うじて小便は漏らしていないが、女として見る事は出来ない状態で……はぁ。

 

 俺は煙草を吸おうとして……チッ、無かったか。

 

 そのまま手を下ろす。

 そうして、ニコを見つめながら考える。

 

 何も、全てがこいつのせいではない。

 恐らく、何時ものような不運があったんだろう。

 あの時のこいつの表情から見て、本気で俺にチケットをやろうとしていた。

 だからこそ、悪意によるものではないと判断し寸止めにした。

 

 ……が、このままこれで全てをチャラにする事は出来ない。

 

 俺の醜態は晒されて、この先一生汚名は晴れない。

 傷は深く、修正など不可能だ。

 だからこそ、ニコにもそれ相応の――罰を与える。

 

 俺はポケットから端末を取り出す。

 そうして、ある男に電話を掛けた。

 

「……俺だ。紹介したい人間がいる」

 

 電話の相手は至極冷静に対応してくれる。

 俺はこんなところで伝手を使う事になってしまった事を残念に思う。

 が、これ以上に借金返済と罰の両方を達成できるものはない。

 そう考えたからこそ、俺は気絶するニコを見て――にやりと笑った。

 

 ##

 

「い、いらっしゃいませぇ、ご、ご主人様……ぐぅ、な、何でこの私がぁ」

「この私が、何だぁ? 主人に対しての口の利き方がなってねぇな。えぇ? メイドのニコさんよぉ」

 

 俺はニヤニヤとしながら、テーブルにつく。

 視線の先にはフリフリの白とピンクのメイド服を着たニコがいる……く、くく、こりゃ傑作だな。

 

 奴は俺を睨むが。

 近くで監視していた店長の咳払いによってすぐに笑みを作る。

 が、完全に笑顔が引きつっており不気味に感じた。

 奴はメニュー表を見せてきて、俺は即座にあるものを指さした。

 

「チェキとご主人様に捧げるラブダンスってやつを頼むぜぇ。ぷ、くふふ」

「は、はぁぁ!!? ちょふざけんじゃ――は、はぁい! 分かりましたぁぁ!」

 

 奴は血管を額に出しながら、唇を噛んで怒りに耐える。

 そうして、俺の前で猫耳をつけて無様なダンスを披露するニコの姿をカメラに収める。

 

「ふ、ふふふ――ぎゃはははははは!!! 最高だぜぇぇ!! ニコぉぉぉぉ!! ほらほらぁ、もっと腰を入れろぉ!!」

「う、ぐぅぅぅ!! も、もう我慢できないこのクソ野郎ぉぉぉぉぉ!!!!!」

「ちょっとニコちゃん暴力はやめてぇぇぇ!!!?」

 

 奴は店長に羽交い絞めにされながら腕をバタバタと振るう。

 そんなニコの姿もしっかりとカメラに収めていく。

 

「ころしゅ!!! 殺してやるぅぅぅぅ!!!! アンタを殺して私も死ぬぅぅぅぅぅ!!!!」

「ニコちゃん落ち着いてぇぇぇぇ!!!?」

「ぎゃははははははは!!!!」

  

 俺は腹を抱えて笑う。

 まぁ何だ――すっきりしたよ。

 

 怒りも殺意もこれでチャラだ。

 俺はそう考える。

 

 カメラの中のニコを見る。

 そうして、ニコの奇声を聞きながら、俺は今日も今日とて――楽しい人生だと思った。

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