雇った傭兵がチョコの怪物になって戦うんだが?   作:かな餅

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【仮面ライダーヴァレン:ヴァレンバスター】
――ヴァレンバスターに関する技術的観察記録

(ロドス技術部・内部回覧用)

1. 特徴について
ヴァレンバスターは酸賀絆斗が使用する変身道具兼武器である。
一見すれば拳銃の延長線に見えるが、その性能は既存の銃火器の枠から外れている。
最大の特長は「弾切れを起こさない」ことであり、銃そのものが破損するまで射撃を続けられる。
光弾の威力は既存の火器よりも高く、加えて引き金を引くだけで誰でも射撃可能。

源石技術に依存しない彼の発想は、我々にとって極めて扱いづらい。
だが現実として、その技術は我々の一部を凌駕しており、さらに彼はこの世界に根差す源石技術さえ取り込み始めている。

そして彼は、その過程で得た知識を惜しげもなく共有する。次々に差し出される成果に、我々は日々翻弄される。

今日もまた技術部の机上には、彼が木製の歯車だけで組み上げた振り子時計が置かれ、理解できずに頭を抱える者たちがそれを囲んでいるのだった。

2. 再現性の問題
渡された設計資料は驚くほど明快で、構造の思想そのものは理解できる。
しかし追えば追うほど、この武器が”異世界由来”であることが明白となる。
テラの資源と加工技術では到底同一のものを再現することは不可能、と結論付けられた。

――少なくとも、私たちはそう結論したはずだった。

だが酸賀絆斗本人は、当たり前のようにテラの大地で手に入る素材で部品を製作し、黙々と組み上げている。
我々にとっては奇跡に等しい作業を、彼は「手間」と片付ける。

3. 評価の分かれる点
銃火器の有識者たちにヴァレンバスターを評価してもらった結果は賛否両論であった。

――否定的な意見
 武器として非常に重く、拳銃に分類するには大きすぎる。
 使用者がゼロレンジコンバット(近接格闘射撃)を当然のように織り込んでいるため、本体も打撃に耐えるよう過剰な強度を持っている。結果として取り回しは一般兵には難しい。

――肯定的な意見
 弾切れのない継戦能力は戦術上の大きな利点であり、射程も長い。
 電磁エネルギーによる光弾は安定しており、実戦兵器としての信頼性は極めて高い。
 要するに”使える者が使えば、これ以上ない兵器”だという。

4. 改装について
絆斗が変身する形態の一つでヴァレンバスターの出力が跳ね上がり、銃身が歪むほどの負荷が確認された。
その対策として、彼自身の手で”銃身を取り換えられる構造”に改装したと記録されている。
この発想は常識外れだが、実際に現場での継戦能力を飛躍的に高めている。

5. 結語
私は依然として、この銃が何から造られているのか把握できていない。
ただ一つ確かなのはテラの地で這いずり回って拾えるようなものでは決してない、ということだ。

(以上、記録者署名略)

――追記

彼は無愛想で、時に不遜でさえある。
だがその天真爛漫さは、常識に囚われた我々には届かない地点から来るものだ。
彼にとって“当たり前”が、こちらにとっては“奇跡”である。
――そしてそれを彼は悪びれることなく差し出してくる。
だから私達は、翻弄されながらも彼から目を離すことができない。



episode 4 対峙 Unknown

 蹴散らしたマフィアから聞き出せた情報は……特になし。ボスから指示をもらっての行動。

 

 

 

 

 

 

 そのボス直々の命令って可能性もあるが捜すのがダルいな――それに多分人違いで襲われた。

 

 

 

 

 

 

 こいつらが言ってる標的と俺の記憶が合致しない、話的には顔が似てるらしい。

 

 

 

 

 

『……所で、そいつはナイフ1本で殺せる程弱いのか?』「……じゃなきゃ化け物だろ」

 

 

 

 

 

 

 

『ならそいつは化け物だろうな、やるならもっといい武器を持っていけ』「……殺さないのか」

 

 

 

 

 

 

 

『んなダリぃことしねぇよ、お前らだって明日食ってくためだけにやってんだ。それじゃあな』

 

 

 

 

 

 

 

 エクシアから貰った捜索場所は……目の付け所は悪くないな、人通りが少なそうな通路。

 

 

 

 

 

 

 

 ゴチゾウのサイズなら隠れられる場所も多いはず……滅多に外には出ないだろうから。

 

 

 

 

 

 

『ゴチゾウの事ならゴチゾウが1番わかってるな、行けお前ら』〔ちょわ!〕〔ちょうわ!〕

 

 

 

 

 

 

 ヴァナルガンドとクランチガルムは少し特徴が似通っているところがある。

 

 

 

 

 

 

 

 別世界の個体だからって言ったところか?ガルムは集団で行動して動物の様に縄張りを作る。

 

 

 

 

 

 

 

 ガンドもそうなら……もう1つの特徴――いや、生態として。

 

 

 

 

 

 

 

『縄張りに入った存在をつかず離れず監視する』……ガウガウガウ……ガウッ……

 

 

 

 

 

 

 当たりだな、サンプルを捕獲できる場所は確保した。後はこいつらの主だが……恐らく――。

 

 

 

 

 

 

 

『ああ?何だまたか……人違いだ。顔以外見ればわかんだろ』「いいや、あんたでも良いそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

 ……標的が変わった?いや、増えたのか。俺がここにいることが目障りな奴がいるってことだ。

 

 

 

 

 

 

 

「悪く思うな、これも仕事なんだ」『……そうか、残念――』「おいどうなってる!?」『あ?』

 

 

 

 

 

 

「はいは~い!そこまでぇ!その人、私達の監視対象なんだよねぇ?」『……ああ?』

 

 

 

 

 

依頼主はあくまでロドスであって君じゃない、だから私達は君の意思は関係なく君を護衛する

 

 

 

 

 

 

 面倒ごとになるってわかってんのか、仕事熱心なのかは知らんが……まあいい。

 

 

 

 

 

 

 

『護衛は仕事に含まれてねえだろ』「いやいや……アーミヤの友達なら助けてあげるっしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

……マフィアに喧嘩を撃ったのか?『売ってはねぇ。買ったんだ』命知らずだな

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ペンギン急便も出てくるなんて聞いてないぞ」「ボスに報告するか?」「いや……殺されるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

慌てるな相手はたったの3人だぁ……まとめて人プレスにしてしまえば問題はない

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ……何あの怪物。」『その腹……バウエルのバイトか』『もうやめたよ……あんなとこ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まて……何故貴様がバウエル社の事を……?――そうか……!貴様グラニュートハンターかッ!』

 

 

 

 

 

 

 

『だったらどうした?』〔チョワ!〕『お前のボスか、グラニュートをこの世界に率いたのは』

 

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO――

 

 

 

 

 

 

 

 

『そして龍門から各地で起きているという大量失踪事件……どれもグラニュートの仕業だった』

 

 

 

 

 

 

 

 

―― SET CHOCO SET CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前のボスが――バウエル社の元バイトを率いてこの世界で人間を攫っている黒幕』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔WAO‼WAOWAO!!!〕『……どうする?』〔WAO‼WAOWAO!!!〕

 

 

 

 

 

 

 

 

――大人しく自分の世界へ帰って、2度とこの世界に関わらないか――

 

 

 

 

 

 

 

 

――この場で俺に倒されるか――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『元の世界に帰るぅ?闇菓子のスパイス集めに最適なこの世界を離れるわけがないでしょう……』

 

 

 

 

 

 

 

 

『……残念だ――変身〗

 

 

 

 

 

 

―― CHOCODON PAKI PAKI ――

 

 

 

 

 

 

 

 

……姿が変わった「へぇ……あれが変身――ん?テキサス?」……なんでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 マフィア達はペンギン急便に任せて俺はグラニュートをさっさと始末する。

 

 

 

 

 

 

 

 見たところ魚のグラニュート……得意は水中戦か?いや、そんなやつ見たことないな。

 

 

 

 

 

 

 

 明らかに泳ぎに向いた身体じゃない、泳げるとしてもこの周辺じゃそれも意味ないな。

 

 

 

 

 

 

 

 それとグラニュートには珍しく遠距離攻撃を――さっきから飛んでくるこれ小魚じゃねえよな?

 

 

 

 

 

 

ぇぇ?!なんか私の銃に小魚刺さってるんだけど?!……あっやば撃てない……」

 

 

 

 

 

 

 小魚だったな。両手に空いた穴が銃口か、壁をぶち抜く威力に連射が効いて弾幕も張れる。

 

 

 

 

 

 

『そちらも何か撃っているようですが私の攻撃に相殺されているようですねぇ?……ふふ』

 

 

 

 

 

 

 

 魚の群れのように撒き散らされる弾幕。小魚の銃弾が空気を裂き、視界を白く荒らす。

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH SECOND WEAPON GATUGATU ――

 

 

 

 

 

 

 

 右手に構えるヴァレンバスター、その銃口が赤く脈動し、弾丸は鋭い貫通力を帯びて唸る。

 

 

 

 

 

 

 

 左手にはクランチチョコから形を成した短銃――クランチヴェクター。

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨のように降り注ぐ小魚の弾幕。掠るだけで壁を砕く威力、それを正面から突破する。

 

 

 

 

 

 

 

 貫通弾は水流のような弾幕を切り裂き、軌道を無理やり押し開けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 連射が弾道を狂わせるたび、ヴェクターの3連バーストを叩き込み、進路を刻む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 弾幕の中で開いた小さな道筋、俺が通れる隙間はないがそれだけで充分だ。

 

 

 

 

 

 

 

『このまま貴様を仕留めれば私は――痛っ!ど、どこから?!』

 

 

 

 

 

 

 

 自分が張った弾幕で俺の姿は見えてない様だな、尚更好都合……弾幕は更に圧力を増している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こっちからも相手の姿は見えない――が、まずは壁を蹴って上空に上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はんてぃ〜!?出来ればそいつ早くやっけて!このままだとみんな小魚のサボテンに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 通常なら格好の的だが今のあいつに上を見る余裕はない、狙うは奴の発射口。

 

 

 

 

 

 

 

 

……う、腕がッ〖皮膚の強度はそこまでか?その負傷じゃもう撃てない〗

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH THIRD WEAPON GATUGATU ――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンティ!ありがとぉ〜……ってこれなに?」〖終わるまでそれ使え、グラニュートにも効く〗

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ……くれるんだ?優男だねぇ〜♪」〖貸しだ、利子つけて返せ〗「えぇっ!?けち!!」

 

 

 

 

 

 

 

 後ろは散々だな、腕や脇腹に小魚が刺さったマフィアが寝転がってる、後死んだ奴もいる。

 

 

 

 

 

 

 

……今回の仕事は割に合わない、ロドスに危険手当を貰おう〖帰っても良いんだぞ?〗

 

 

 

 

 

 

 

『聞いてない……聞いてないぞ……』「あっ、逃げた!」追うのか?〖当然〗

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァナルガンド達が集まってきたな……静かにじっと様子を見にきてる、後で菓子でもやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 やつの小魚が所々落ちてる、血の様に垂れているのか――それとも誘き寄せているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

『……な、なあ。話をしよう。俺はこの通り抵抗もなにも――』〖違う〗

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO-DON!!――

 

 

 

 

 

 

 

 

「わーお……容赦ないねぇーでも良かったの?黒幕とかどうたら――」まだ終わってない

 

 

 

 

 

 

 

 

 テキサスの言う通り、さっき爆散したグラニュートが……2体、4体――12体。

 

 

 

 

 

 

 

『『『『俺は沢山いるんだぁ……ふふ』』』』「……うわぁ、まじ……?」〖……だりぃ〗

 

 

 

 

 

 

 

 さっきのグラニュートも今のこいつらも腕につけた傷がない、分身の能力か……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じように小魚を発射できるようだが、さっきに比べれば威力も弾幕も薄い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 軌道を変えられるのがは少し厄介だが……ふむ、この程度なら1人で抑えられる。

 

 

 

 

 

 

 

〖本体は腕を負傷してまともに戦えないはずだ、今ならお前達でも十分に仕留められるだろ〗

 

 

 

 

 

 

 

 

―― SNACK SECOND WEAPON ZAKUZAKU ――

 

 

 

 

 

 

……ポテトチップスの武器?〖角度が合えば何でもざっくり切れる、剣に自信は?〗

 

 

 

 

 

 

「えぇ~?テキサスにそれ聞いちゃう~?」仕事に支障はない程度には〖なら使え〗

 

 

 

 

 

 

 

 俺ができるのは分身を抑えて削ること、奴が分身を作ることに制限はあるか?わからん。

 

 

 

 

 

 

 

 本体まだ近くにいるのか?いいや?そんな確証は全くない。むしろ逃げてなければおかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 知っているのはグラニュートってのは諦めが悪く、相手が誰でも勝って帰ろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 例え1人でも、情けをかけられても。目先に存在しないかもしれない欲求の為(闇菓子)に。

 

 

 

 

 

 

 

 

――CHOCO-DON!!――

 

 

 

 

 

 

 奴は俺から離れたいだろうが分身から離れたくない、距離感は大体掴みやすいな。

 

 

 

 

 

 

 そして奴の勝ち筋は人間を人質すること、そうでもしなければ俺を退けられないはずだ。

 

 

 

 

 

 

 その鍵となる人間はエクシアかテキサス、こいつらが何処までやれるのかが懸念点だな。

 

 

 

 

 

 

 

 残り7体、補充はないがこっちに向かってきていないだけかも知れん……俺も移動するか。

 

 

 

 

 

 

「おぉー!すごいこの銃!どれだけ撃っても全然弾切れしない!」……本体が見つからない

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺たちはここだぞ?かかって来い〜?』倒してもキリが――白いごちぞう?

 

 

 

 

 

 

 

 

……ガウゥ〜……あちこちにいる、絆斗の仲間……?ガウ!ガウガウ!ガウガッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

『うるさいケモノがッ!!!黙ってろッ……』ゥゥ!……ガウ!……狼の縄張りか

 

 

 

 

 

 

 

 

 全滅させてこっちに来たが……やっぱり補充されてたか。しかも数は依然と多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?テキサス?」直ぐに終わらせる「えぇ!?ちょっと!」『行かせるか!この――』

 

 

 

 

 

 

――CHOCO-DON!!――

 

 

 

 

 

 

 

 

「おわ……チョコなのにすごい威力」〖あの……そうだ、ループス()は?〗「テキサス」

 

 

 

 

 

 

 

 

〖テキサスはどうした?〗「わかんない、なんか狼の縄張りとかって〖……成程、良いセンスだ〗

 

 

 

 

 

 

 ヴァナルガンドを視線を追ったか、その視線の先に本体がいる、良いところに目をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 そして分身はテキサスを執拗に追いかけ始めたな?尚更確信が湧いてきた。

 

 

 

 

 

 

〖エクシア、敵を足止めするぞ。後はあのループスが何とかする〗「テキサス」

 

 

 

 

 

 

 

〖あのテキサスが何とかする〗「そうだね〜……まっ!テキサスなら大丈夫か、じゃあ早速……」

 

 

 

 

 

 

『くそ……もうバレた!こうなったら……』『足止めして逃げる時間を稼ぐしかねぇ!』

 

 

 

 

 

 

 

 こいつ小魚の群体で分身を形成してたのか……かなり厄介な奴だな、しかもこれは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 中を泳ぐ魚群、波に巻き込まれれば深傷じゃ済まない……1匹の身体は幸い脆いようだが。

 

 

 

 

 

 

 

「あー……分身がいなくなったのは良いんだけど〜あの大群どうする?撃ち落とすの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

〖当然、怪我したくなきゃ隠れてろって言いたいが――〗「ねぇ、勝負しよう?」〖……あ?〗

 

 

 

 

 

 

 

 

「どっちが多く魚を撃ち落とせるか……やってみない?」だるいが……乗ってやる〗「うっし!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう俺の銃は要らないらしい、最初からそうならそうして欲しいところだったがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺も出し惜しみはしてられない、疲れるが……仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

ガツ!ガツガッツ!〖やる気十分だな〗「……白いの子の色違い?」

 

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH CHOCO ――

 

 

 

 

 

 

GUT(ガット) FEELING(フィーリング)

 

 

 

 

 

 

 

Yay! Yay!! WAO WAO WAO!!! 〖……ああ、うるせぇ。〗 Yay! Yay!! WAO WAO WAO!!!

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH CHOCO GATUGATU ――

 

 

 

 

 

 

BREAK LIMITS!!!

 

 

 

 

 

 

「わお?随分と愉快な変身だねぇ?」俺の趣味じゃない「でもかっこいいよ?」……背中

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ?んぅ?何かな?何かな?」何でもねえよ「えぇー?一言あってもいいじゃーん?」

 

 

 

 

 

 

 

だるいから言わんてかこんなことやってる場合じゃねえ「あっ、ほんとだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……背中に銃が出てきやがった。アーツの一種か?それとも、あいつ自身の何かなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあいい、今は考えている暇はない。けれど――妙に酸賀を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こっちの世界に来てから、どこかあいつに似てきてる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 迎撃性能で言えばエクシアの方が上だ。今の状況じゃ、俺なんかよりよほど役に立ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 けどな……それはこの世界で手に入れた力だ。何か代償があるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 杞憂で済めばいい。だが、もし取り返しがつかなくなるほどのツケがあるなら――。

 

 

 

 

 

 

 

〔ぴゃ~!〕……ゴロゾウがもう孵化したのか?折角だ、俺も出し惜しみは――

 

 

 

 

 

 

「おっ?ハンティ何その子!空飛んでるじゃん!ドラゴン?何食べて産ま――あっやば」

 

 

 

 

 

 

―― STONECHOCO SECOND DECORATION GOROGORO ――

 

 

 

 

 

 

 

 魚群の奴ら……知恵があるのか、エクシアの足場を狙って壊しやがった。的はざっと30。

 

 

 

 

 

 

 

 落ちるエクシアは無防備だ。背中の銃も沈黙している、今は俺が動くしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 今までなら3回まで反射先を読み切れた。そして理屈の上じゃ10発で片付けられる――が。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな悠長な真似してたら間に合わん。

 

 

 

 

 

 

 

 一発でも外せば魚はあいつの体に食い込む。致命傷は免れられない……いや。

 

 

 

 

 

 

 

 それ以前に監視役に怪我 でもさせてアーミヤに知られたらどやされる――3発で決める。

 

 

 

 

 

 

 1発で10体、前に試したときは弾の軌道を目で追って岩を大雑把に置いただけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 だが今回は違う。もう弾は見なくていい、速すぎて追えねぇんだから。

 

 

 

 

 

 

 それぞれ形の違う岩の角度を事前に調整し、反射の先を精密に決める。

 

 

 

 

 

 

 

 ゾーンに入れば景色は遅れて思考は加速する。

 

 

 

 

 

 

 

 幸いマッドサイエンティストが親のおかげで自頭は良い。

 

 

 

 

 

 

 

 先に線を引いておけば、後は弾丸にそれを辿らせるだけだ……こっちの方がよほど楽だな。

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH GOROGORO THE ONSLAUGHT ――

 

 

 

 

 

 

 

 

「やばっ――てっ?あれ?どこ行った?受け身は取らなくていい、撃て「ぇ?うん?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

CRUNCH TIME !!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 落ちるエクシアを背中で受け止めてが2人でむしゃら撃ち続ける、魚群は数は多い。

 

 

 

 

 

 

 

 視界が一段、遅くなる。景色は粘度を帯び、音は薄い膜の向こう側へ遠のいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 貫通弾が一度目で屈折し、二番目で跳ね上がり、三番目で水平方向へ滑る。

 

 

 

 

 

 

 減速はない。群が振り向くより早く、一本目の線が群れの背骨を貫いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 小魚の輪郭が砂糖菓子みたいに欠け、鱗の粉が閃光の尾を引いた。

 

 

 

 

 

 

 壁に着弾する前にエクシアの背後に弾丸を短い間隔で跳弾させた防壁を作る。

 

 

 

 

 

 

 知恵のある魚の波は、そこでひっくり返るが。跳弾するのは俺の弾だけじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 エクシアの弾も同じ法則に縛る。反射板へ誘導すれば、弾は跳ね返るたびに強度を増す。

 

 

 

 

 

 

 面白い。本来俺の為にある効果が伝播して仲間にも作用する。

 

 

 

 

 

 

 

 量産を想定とされるヴァレンシステムを更に良いものに出来そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハンティ!」なんだこんな時に「私達が居て良かった?」ああ?……そうだな、助かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 銃声で聞こえないと笑うエクシアの弾丸が魚群に穴をあける。

 

 

 

 

 

 

 

 群れが穴に気づく。空隙を埋めようと魚が押し寄せる。そこへ俺も打ち込む。

 

 

 

 

 

 

 

 弾は直線で良い。反射板の列を一直線に駆け上がって、残りの核だけを丁寧に摘む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 点が消えるたび、波の厚みが目に見えて薄くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 エクシアの弾が戻ってくる。俺の線に絡み、再び跳ね、また加速する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 反射音が規則的に揃ってきた。線と線が縦と横に列をなし網を作る。

 

 

 

 

 

 

 

 網に掛かった魚群が千切れ、群れが群れでなくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 小さな個が弾道に、紐に通されるみたいに串刺しで消えていく。

 

 

 

 

 

 

「うし!これで全滅……あっ!数匹テキサスの方に――」任せろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 靴底で石片を三つ、続けざまに蹴り上げる。空中でくるりと身を返した薄い反射板。

 

 

 

 

 

 

 

 銃口をわずかに傾け、最初の弾を放つ。正面の魚を貫き、反射板へ。

 

 

 

 

 

 

 

 1度目で弾道は斜めに折れて別の魚を粉砕。2度目、跳ね返った線がさらに群れを串刺しに。

 

 

 

 

 

 

 

 残った個体が揺らめきながら散るのと同時に、弾丸の進路はさらに伸びる。

 

 

 

 

 

 

 

 3度目。最後の跳弾はテキサスの肩を超えて本体に撃ち込まれた。

 

 

 

 

 

 

――こんなはずじゃ……?!捕らえた闇菓子スパイス如きにッ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……倒した?」爆散してないが、急所を突けたんだな。丁度良い「あれ?何してるの?」

 

 

 

 

 

 

 

グラニュートの痕跡は基本的には残さないんだよ、だから回収する

 

 

 

 

 

 

 

 

気嚢が開き、ワイヤに引かれて上空へ。

 

 

 

 

 

 

 

旋回中のライドキャンゴチゾウがフックを噛んで引き取りに回る。

 

 

 

 

 

 

高度は十分だ、虫も寄らないし地上の目にもまず映らない。

 

 

 

 

 

 

 

かなり暴れすぎたな、スラムとはいえしばらくうるさく――

 

 

 

 

 

 

 

 

――■■■■:轟穿撃――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『クソッ……ああ?ここにもグラニュートハンターかッ!!!』連戦か――いや、”ここにも”?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガウガウ!……黙ってろ、すぐに終わらせる「あれ、ハンティの仲間……?」いや……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クランチガルムの形態と似ているが違う……あいつはヴァレンじゃない、あの武器は?

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァナルガンドがセットされている、あいつは別世界のグラニュートハンター?

 

 

 

 

 

 

 

 

 だとすれば敵ではない?確実にこの世界の住人じゃない。予想が正しければあの仮面の下は。

 

 

 

 

 

 

 

……お前、俺と同類か?お前のそれ(■■■)は何だこれ……ああ、なるほど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前のそれは(ヴァレンバスター)俺のこれ(■■■)……大して俺を知っている訳でもなさそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― ビースト アインス ――

 

 

 

 

 

 

 

そんなことよりも重要なことがある、お前が俺の敵なのか、俺がお前の敵なのか

 

 

 

 

 

 

 

 

―― ビースト ツヴァイ ――

 

 

 

 

 

 

 

俺達にお前と交戦する意図はない、そこに居るグラニュートは別だが――なら、失せろ

 

 

 

 

 

 

 

―― ビースト ドライ ――

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がお前の敵にならないうちに……『チッ……仕方ねぇ』……ん?

 

 

 

 

 

 

 

 

人プレスを持ってやがったか、もしかしたらあいつが――ソラッ!?……え?

 

 

 

 

 

 

 

 

知り合いか?「最近連絡がつかなくなったうちのメンバー!」ダルい状況になってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

……要求は何だ『お前は話ができるのか?こいつをくれてやる……俺をこいつから見逃せ』

 

 

 

 

 

 

 

 よくある常套手段だが……見たところこいつかなり強いな?……手を撃ち抜くか――いや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 耐えられるもしくは首をへし折られるリスクを考えて……従う方がまだ救える命はある。

 

 

 

 

 

 

……『さあ、どうするんだ?』……武器は降ろす、人質を離せ……あれも俺が降ろさせる

 

 

 

 

 

 

 

今は撃つな、ダルい状況だが今なら1人は――知ったことか……は?『……正気か?』

 

 

 

 

 

 

――■■■■:穿烈弾――

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつッ撃ちやがったッ!?ソラッ!俺が何とかする……下がってろ!ガツガツ!

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH SECOND DECORATION GATUGATU ――

 

 

 

 

 

 

 

死ぬぞ知るかクソ野郎……ガーツ!えっと……!?何が起こって――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH THIRD DECORATION GATUGATU ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガツガツ!ガツガツ!ガツガツ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔〔〔ガーツ!ガツガツ!!ガーツガツ!!!〕〕〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― CRUNCH GATUGATU THE CRASH ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔〔〔 PULVERIZE STRIKE !!! 〕〕〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【ロドス内部資料:グラニュート観察報告】

 グラニュートとは、腹部に”第二の口”通称”ガヴ”を有する異形の存在である。顔の口腔は人間と同様に咀嚼のために用いられるが、腹部のガヴは一応口としての機能もある模様。

 存在自体がこの種を特異なものにしている。個体差が非常に大きく、触手を自在に操るもの、毒を分泌するものなど、能力や体質の差異は顕著である。

 身体能力は総じて人間を凌駕しており、記録によれば大型のコンテナを軽々と投げるほどの怪力を備えた個体も存在する。

 また、人間との混血も確認されており、外見こそ人間と同一だが、その身体能力は常人を大きく上回る。例外なくガヴを備えており、純粋な人間との違いを隠し通すことは難しい。

 食性については鉱物を主としており、鉄や石を砕いて摂取する行動が複数報告されている。人間の食事も取り込むことは可能だが、彼らの顎の筋力は強靭で、咀嚼の感覚は人間とは大きく異なる。

 基本的には通常の口腔での摂食が観測される一方、ガヴが補助的に用いられる場合もある。

 その中でも特に敵性度が高いとされるのが、いわゆる“闇菓子依存者”と呼ばれる改造個体である。

 彼らは改造を受けたガヴから舌状の触手を伸ばして対象を拘束し、さらに“人プレス”と呼ばれる板状の器官によって人間を圧縮する能力を持つ。

 圧縮された人間は舌のような赤い帯が巻き付いた飴細工のような端のアクリルスタンドを思わせる物質と変化する。

 外見的特徴としては蛸や犬、昆虫といった地球生物を想起させる要素に、必ずといってよいほど異様な口腔意匠が加わっている。

 進化の過程として考えるならば、極めて異常な偏りであり、自然進化の産物とするには無理がある。さらに一部個体は“ミミックキー”と呼ばれる器具をガヴに装着することで人間に擬態することができる。

 外見や声は模倣可能だが、ガヴまでは隠しきれず、衣服の下を確認する以外に識別手段はないとされる。擬態時は身体能力に一定の制限がかかるが、それでも一般人を大きく上回る強靭さを保持している。

 総じてグラニュートは、存在そのものが人類社会への脅威とみなすべき対象である。

 中でも闇菓子依存個体の活動は、龍門や周辺地域で発生している大量失踪事件と密接な関わりを持つと考えられており、これ以上の拡大を防ぐためにも調査と監視、そして即応可能な対処手段が急務である。



――ロドス医療部・研究部・人事部 合同調査報告










――匿名希望の外部協力者からの見解を踏まえた追記

 グラニュートは、角や鋭い牙を生やした異形の頭部を持ちながらも、本来は人間と変わらず、独自の社会や文化を築けるだけの知性を備えた存在である。

 彼らは意思疎通が可能であり、その精神性や善悪の観念も人間と大きな隔たりはない。

 ゆえに、グラニュートを一括して脅威と断じるのは、この世界における感染者への偏見と何ら変わらないだろう。

 むしろ一部の敵性個体や改造を受けた存在こそが危険なのであって、彼ら全体をそう見なすのは早計だと私は考える。

 もしも偶然、敵意を示さない彼らと接触する機会があるのなら、試みにサッシを含んだ石を差し出し、言葉をかけてみるといい。

 もっとも、こちらにとって異形であるように、彼らにとっても我々人間は異形である。声をかけた途端、怯えられるかもしれないが――それもまた対話の始まりにすぎない。
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