夜渡りinキヴォトス   作:脱力戦士セシタマン

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 誰か……私に執筆意欲を…………分けてくださ……ゴフッ……短いの……許して………………グハッ!……

 エンディングよく見たら追跡者は雫を胸に当ててますねぇ……修整しときます…………




黒爪と白鯨

 

 

「頭領!どうするんすか!」

「あいつは俺が落とす。オメェらは残ってるカイザー共をとっちめてこい!」

「了解!」

 

 そう言って無頼漢はビナーへ向けて走り出す。

 

「こいつは腕が鳴るぜぇぇぇ!!!!」

「…………」

 

 だがビナーは無頼漢を見据えたまま動かなかった。冷静にその存在を観察しているような様子で、大斧一本で立ち向かう無謀さを嘲るかのように無頼漢を見続ける。

 

「いいのか!先制は貰うぜぇ!!!!」

 

 そう言って無頼漢は飛び上がり、ビナーにその大斧を叩きつける。

 

ゴッ!!!!

 

(硬ぇ!……まるで英雄(ひでお)のガーゴイルぶん殴ってる感覚だ!)

 

 事実ビナーの外殻は高い硬度を誇る。だが無頼漢の凄まじい筋力により装甲は曲がっていた。

 

「!?」

 

 ビナーは驚きを隠せなかった。生半可な銃弾であれば軽々弾ける装甲を、この大男は大斧一本で歪ませて見せたのだ。ビナーは認識を正し、この大男は確かに排除するべき敵だと認識する。

 

ドドドドドド!!!!

 

 ビナーはミサイルを飛ばし、無頼漢の排除を試みる。

 

「アブねぇ!!!!」

 

 だがそれはその体躯に見合わない速さの疾走によりかわされる。

 

「ガラ空きだぜぇ!!」

 

ゴッ!!!!

 

 無頼漢は走る勢いそのままにビナーへ大斧を当てる。またもビナーの装甲は曲げられ、ビナーはこの男の膂力に戦慄する。

 ビナーは一旦潜る。そのまま戦うのは不利だと判断したのだろう。そしてビナーは無頼漢とは離れた場所にまた姿を現す。

 

ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!

 

 ミサイルにより動きに制限をかけ、本命のレーザーを当てる。

 

「ふん!!!!」

 

 だが無頼漢はこらえる。無頼漢の逆襲は例えレーザーであろうと無頼漢を倒れさせない。だがミサイルが絶え間なく降り注ぎ、無頼漢に襲いかかる。

 

「ぐおっ!」

 

 体をよじり回避を試みるが最後の一発は躱せないと判断し、無頼漢は咄嗟にミサイルを大斧でガードする。ミサイルの衝撃は無頼漢の膂力を持ってしても体勢を崩させ、ビナーはそれを見逃さない。

 

(やべぇ!!!!)

 

 逆襲を構える事もできない無頼漢はそのままビナーの口から放たれる光に焼かれる筈だった。

 

ゴォォォォ!!!!

 

「っ!」

「!……オメェさんは!」

 

 無頼漢の前に兜を被った一人の鳥人がその大盾を構え、ビナーのレーザーを受け止める。

 

「まさかこんな事になっているなんてな……」

「久しいな!騎士さんよ!」

「あぁ。久しいな!」

 

 守護者は地震を感じ取りその震源地へ向かっていた所無頼漢のピンチに出くわした。それを見て見ぬふりをしないのは流石守護者である。

 

「一旦引くぞ」

「おう!」

 

 2人は舞う砂埃に身を隠しながらビナーと距離を取り、物陰に隠れる。

 

「円卓には行ったか?」

「一度だけな。円卓の存在は復讐者から聞いていたが、少し護衛の任が忙しく中々円卓に顔を出せなかった」

「そうだっか。なら多少無茶が効くな」

 

 そう言って無頼漢は大斧を再び担ぐ。

 

「さて……どうやってやるか。流石に救いの旗手合体状態のままの化け物を仕留めるのは一筋縄では行かないぞ」

「そうだな…………」

 

 無頼漢は考える。考えるが…………

 

「装甲が剥けるまで殴る!」

「………………」

 

 守護者は呆れた様子で無頼漢を見る。だが無頼漢の知力はD(しかも全キャラ中最低値)なのだ。まだ無頼漢より賢い守護者が作戦を考える方がいいだろう。

 

「……俺が囮になる。その間にひしゃげた所にアーツを叩き込め!」

「分かったぜ!」

 

 そう言うと守護者はビナーの方へ駆け出した。今ターゲットを貰っているのは間違いなく無頼漢だ。それを守護者に向けさせる為に、守護者は一番に姿を晒す。

 

「こっちを見ろ!」

「!」

 

 ビナーは守護者に気付く。先程の大男が何処に行ったのか分からなかったが、守護者に注意が向く。

 ビナーは守護者にミサイルを飛ばし、牽制する。

 

ドンドンドンドンドンドン!!!!

「ぐっ…………これは強烈だな……」

 

 守護者はミサイルをハイガードで受け止める。守護者のハイガードはそうやすやすとは崩れない。だがミサイルを受け止めるのは流石に危険だった。

 盾の上からでもダメージを負っている。そう理解した守護者はハイガードを解き、疾走しビナーに近づく。

 

ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!

(またミサイル!……だが一先ず俺に注意を向けて居ればいい。今度は吹き飛ばせるか試してみるか!)

 

 守護者はまたも飛んでくるミサイルに、今度は呪いで歪んでいない片翼を広げる。

 

バサッ!!!!

 

 そして守護者の前につむじ風が生まれる。つむじ風は周囲の砂埃も巻き込み、昔のように*1周りがとても見づらくなる。

 

ドンドンドンドンドンドン!!!!

(…………俺に当たらないが近くに落ちているかのように地面から衝撃を感じられる……反らせているのか)

 

 念のためハイガードを構えていた守護者は瓦礫の王の腐敗玉ですら吹き飛ばせるのだからまさかと思いつむじ風を使ってみたが、つむじ風は余裕で吹き飛ばしていた。つむじ風は、飛翔物なら大抵飛ばせてしまうのだ。

 勿論ミサイルも含まれる。*2

 

「ぐぉ……!」

 

 ビナーもまた衝撃を覚える。なにせ鳥頭の騎士が翼でつむじ風を生み出して、尚且つミサイルを吹き飛ばされたのだ。ビナーは守護者もまた脅威として認める。

 そういえば、あの大男はどうなったのか。ビナーがそう思った瞬間だった。

 

「うぉぉぉ!!!!」

 

 ビナーのそばで、短剣を掲げ雄たけびをあげていた。

 

ドガァーーーーン!!!!!!

 

 それに気付いた時には遅く、ひしゃげた装甲のそばで爆発と共にトーテムステラが建てられる。ビナーはその衝撃に怯み、ひしゃげていた部分の装甲は剥げていた。

 

「チャンスだぜ!!!!」

「グォォォ!!!!」

 

 ビナーもまた雄たけびを上げ、暴れまわる。このままぶん殴られればスクラップにされる。そう直感し体をよじり、振り回し、兎に角暴れる。

 

「クソっ!!!!」バサッ!!!!

 

 守護者は悪態をついて、両翼を開き飛び上がる。これは歪んだ翼を守護者の根性で補い無理矢理飛び上がっている為に、長くは滞空出来ない。だがそれで構わない。

 守護者はビナーを狙い、重力に任せ突っ込む。

 

イイイイイイバァァァァン!!!!

 

 守護者は斧槍を地面に突き立てて防御陣を展開する。ビナーは未だ暴れ回っているが、守護者の防御陣により無頼漢はどうにか食らっても傷はつかない……どころか受けていた傷が治っていた。

 守護者は無頼漢離脱の時間稼ぎで放ったが、守護者は離脱する算段は立てていなかった。だが守護者はそれで構わなかった。無頼漢はそれを理解をし、ビナーから疾走し離れた。

 

(無頼漢は…………離脱したか……)

 

 守護者は無頼漢の離脱を見届け、斧槍を地面から離す。

 

ドォォォォン!!!!

 

 だが何処からか白い雷を帯びた杭が落とされる。ビナーそれの危険性を瞬時に察知し、暴れることをやめ潜り込もうとする。それを見た守護者はすぐにビナーから離れる。

 

ドゴーーーーーーーーン!!!!!!

 

 ビナーのとぐろの真ん中に落とされた杭は逃亡を許さず、雷を落とす。その衝撃にビナーは大きく怯む。

 

「……先生!来ていましたか!」

「えぇ。デカグラマトンが出てる可能性があったから、急遽来たわ」

「流石です先生」

「騎士さま。この世界にはもう『先生』と呼ばれるべき人がいるから、先生じゃない呼び方がいいわ」

「…………では……どう呼べばいいのでしょうか?……」

「そうね……『魔女』がいいんじゃないかな?」

「……では魔女さま。これでよろしいでしょうか」

「えぇ」

 

 そう話している内にビナーは体勢を整えていた。だが余り攻撃してくる様子はない。少なくとも隠者の目にはそう映った。

 

「でも……不思議ね。地下に潜るとは言え夜の影響を受けていないなんて…………」

「そうなのか?」

 

 兜越しの頭から血を流し、傷だらけながらも無頼漢は隠者の隣に立ち、そう質問した。

 

「そうよ。大空洞が出現する前から夜の影響を受けていたし、地下にも夜の影響はあるのよ」

「そうだったのか……」

「……ならなんであれは夜の影響を受けていないのか?…………」

「そうね……」

 

 隠者は地面に潜り撤退して行くビナーを眺めながら考え出す。

 

「一つは夜に適応したか……」

「!」

「なんだと!」

「でもそれはない。だったら夜の力を感じられる筈…………」

「なら、どうしてなのでしょうか?」

「…………考えられるのは……」

 

 隠者は少し間を置いて話した。

 

「…………あの蛇さん、夜に抵抗がある」

「夜に抵抗がある?」

「えぇ」

 

 守護者は夜に対する抵抗は存在すると言う意味がよく分からなかった。夜と言うものは等しく全てを飲み込む。だからこそ夜は危険な物でありまた夜の王が複数いる、守護者はそう言う認識だった。

 無頼漢も当然よく分からなかった。

 

「あの蛇さん、ヘイローがあったでしょう?」

「確かにそうです」

「神秘は夜に抵抗する力がある。どうしてなのかとか、そこまではまだ分かってないけど」

「じゃあ霊樹作んのに生徒が必要ってのは……」

「えぇ、そういう事」

 

 隠者がそう説明しているうちにビナーは去ってしまった。だが隠者は大して気にしている様子もない。脅威ではあるが、あれは今相手にするべきものではない。

 

「さ、それじゃあアビドスのみんなの援護に行きましょう」

「あぁ、そうだな。砲撃部隊に戻らねば」

「じゃ、俺も近くのヘルメット団んとこ行かねぇとな!」

 

 そして3人はそれぞれ向かうべき場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またゴリアテ!数が多い!」

「そんなの分かってたことでしょ!こんな所で止まるわけには行かないわ!」

 

 文句を言う先生に珍しくセリカが激を飛ばす。

 

「兄上は何処かで戦っている…………なら、その負担は私達が減らすべきよ!」

「……!!敵兵力の接近を確認!」

「またか!!替え玉は柴関だけにしてくれ!!」

 

 便利屋から一旦離れ対策委員会と合流していた鉄の目が上手いことを言っていたが、皆それどころではない為スルーされる。鉄の目は内心悲しくになっていたが、仕事故それは表には出さなかった。

 戦いに楽しみを求める鉄の目は、意外にも戦闘中でも軽口は叩けるようになっていたようだ。

 

「ふははははは!!準備は整った!殺してやる、殺してやるぞ!対策委員会!」

 

 一行の前に現れたのはカイザーPMC理事専用の特別仕様のゴリアテである。勿論大量のオートマタもハッピーセットである。

 

「クソっ!トッピング付きか!」

「ノノミ!」

「トッピングは私がいただきます☆」

 

ダダダダダダダダダ!!!!

 

「セリカ!奥の方!」

「りょーかい!」

「鉄の目!他も巻き込んでゴリアテに!」

「任せろ!」ガッチャン!!!!

 

 ノノミが掃射する後ろで鉄の目は大弓を構える。

 

バァァァァン!!!!

 

 鉄の目のその一射はゴリアテの足を貫き、衝撃波で障害物に隠れていた雑魚を一掃する。だがゴリアテは膝をつかず、まだタフなオートマタはしぶとく立ち上がる。

 

「シロコ!セリカ!火力支援!」

「ん」

 

 そしてシロコとセリカが残ったオートマタを仕留める。先生はその連携を生み出し、数の暴力をいなし削っていく。

 

「レディ!」

「っ!」カチーン!!!カチカチカチ…………

 

 レディには焦りがあるのか、少し動きが雑……少なくとも戦い方を遠くから見たことがある先生と鉄の目はそう感じた。スキル無敵で無理矢理躱し、ゴリアテに突っ込むのを見かねた鉄の目はマーキングを駆使し追いかける。

 

「まず一人!!!!」

「まずっ!」

「ふん!!!!」ゴン!!

「…………助かったわ!」

「バカヤロウ!!!!」ドッ!!

 

 鉄の目はレディに銃口を向けていたオートマタをライダーキックでぶっ飛ばし、続いてレディの左肩をぶん殴る。

 

「痛っ……!」

「焦るな!円卓の巫女だろ!俺らのリーダーだろ!しっかりしろ!」

「…………」

 

 レディは今始めて、自分が焦燥に駆られ無理をしていることに気付いた。鉄の目はせっせと弓を撃ちながら檄を飛ばす。手を動かしながらなのは流石仕事人といった所か。

 

「……その通りね……ありがとう!」

「ゴリアテにマーキングはついてる!雑魚の注意は引く!」

「ゴリアテを落とすわ!!!!」

 

 レディは冷静さを取り戻し、再びゴリアテの方へ突っ込む。だが今回は丁寧で確実に、回避しゴリアテに肉薄する。

 

「レディ!フィナーレ!」

「了解!」ファーン!

 

 レディは先生の指揮の元、アーツを切る。

 

「ノノミ!」

「はい!」

 

 レディのアーツにより皆が透明化し、ノノミが次々と増えるオートマタをまた一掃する。

 

「弾足りるか」

「ちょっと足りないかも……」

「オートマタからくすねた。使ってくれ」

「ナイス!」

 

 透明化している為に大きな声こそ出さないが、鉄の目はセリカに弾を渡す。こう言う気遣いは鉄の目はいつもの夜渡りの仕事でもある為朝飯前である。

 

ドゴーーーーーーーーン!!!!!!

「何だっ!?」

「うわーーーー!!!」

 

 先生達が向く方向から、オートマタを蹴散らし、何かが迫ってくる。その銀色の鎧混じりの青い装束を来た青年はゴリアテの足元に潜り込む。

 今一度、アーツの仕組みについて言及しよう。アーツとは夜渡り達の戦闘による精神の高揚、そこから放たれる必殺技である。戦闘中にしか蓄積せず、攻撃、撃破時に蓄積されるのはそれが理由である。

 

「はぁ……はぁ……どけっ!!!!!!」

シュキン!!!!

 

 追跡者は精神が極限まで高揚…………いや、奮い立っていた。妹を、そしてアビドスの生徒達を守る為に。

 

「俺は!!!!」

ファン!!!!

 

 身体が弱り一度の襲撃の楔ですら相当な負担がかかっている。そして大量のカイザーの兵器、オートマタ、時に混じる夜の勢力も倒し続け、追跡者は疲弊していた。それでも、追跡者は止まらない。

 追跡者をそこまで突き動かされる理由……それは…………

 

「お兄ちゃんだぞ!!!!」

ドゴーーーーーーーーン!!!!!!

 

 それはアビドスの、レディの…………皆の『お兄ちゃん』だからだ。

 

「「「教官!!!!」」」

「「追跡者!!!」」

「兄上!!!!」

 

 追跡者はアビドス対策委員会と合流を果たした。

 

*1
古のアプデ前は視認性が最悪だった

*2
巡航ミサイルは……流石に無理かな?

アビドスにて続いて夜の王が襲来するとしたら?……

  • 常世グラディウス
  • エデレ
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  • マリス
  • フルゴール
  • リブラ
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