夜渡りinキヴォトス   作:脱力戦士セシタマン

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 夜渡りは3人で蹂躙し慣れています。言いたいことは分かりますね?


 ちょっと短いの許して……日曜休みじゃなかったから筆追いつかないのぉ……




どちらも手放さなかったもの

 

「兄上!」

「レディ!」

 

 追跡者もレディも抱きしめたい衝動に駆られたが、それは我慢した。今はそれどころではない。それは2人は弁えていた。

 

「来てくれ」

 

 追跡者は周囲のオートマタの死角となるよう、倒れたゴリアテの股の方に潜り込む。レディも見られてはいないが、追跡者が見えている事を察し潜り込む。

 

「これを使え」

 

 追跡者は襲撃の楔の展開機構を元に戻し、ポーチから鎌を取り出す。

 

「……光輪のサイス!」

「あぁ。俺も殴りたいがアーツが切れてからだ。俺は一旦これから離れる」

「わかったわ……それと……」

「……なんだ」

「兄上が無事で……よかった……!」

「…………俺も妹が元気で嬉しいぞ。それじゃあ……」

「「必ずホシノを取り戻す!」わよ!」

 

 2人は決意を胸に飛び出す。追跡者はクローショットで勢いよく飛び出し、レディはそのまま光輪のサイスを振る。

 

シャン!!シャン!!シャン!!シャン!!

 

 光輪のサイス直撃かつアーツ中に敵が倒されまくった事によりレディは凄まじい速度で装甲を破壊し中身まで抉り始める。

 

 レディが振るう光輪のサイスの異常火力を前に、ゴリアテはアーツが切れる頃には下半身は抉り取られていた。

 

「ふっ!!!!」

 

 シュイン……シュインシュイン………!!!

 

 アーツが切れたタイミングを見計らい、倒れたまま立ち上がれないゴリアテの頭の方に近づき、右手に持っていたオルドビスの大剣を回転させる。

 

ダダダダダダダダダ!!!!

 

「あれを止めろ!」

「クソっ!なんで止まらないんだ!」

 

 オルドビスの渦は振るう者に凄まじい強靱を与え、銃弾如きでは倒れない。追跡者は被ダメージ時カット率上昇の付帯効果も拾っていた為に傷は浅く、倒れる事などなかった。

 

「ふっ!!!!」

ドォォン!!!!

 

 そしてオルドビスの大剣はゴリアテの頭に叩きつけられる。最早ゴリアテは見るも無惨な姿になっていたが、まだ動くしぶとさと潜在を落とさない事と消えない導きのターゲットマーカーを見て攻撃の手は緩めない。

 レディはまた一息置いて光輪のサイスを振るい追跡者は自身の大剣と二刀持ちで、跳躍し叩きつける*1

 悪いのはとっとと潜在を落とさないゴリアテである。そう言わんばかりに殴り続け、鉄の目も雑魚の相手を任せろと言っていたはずなのにマーキングして颯爽と蹂躙に加勢する。

 

「オラッ!潜在落とせ!」ブシャァ!!!!

「あれは放っておいていいのでしょうか……」

「もういいと思いますよ〜。あっちに注意向いて倒しやすいですし」

「いいぞー!やっちまえー!」

「セリカよそ見は!」

「えっ?……痛っ!!!!」

 

 セリカが鉄の目の毒マーキングを見てガヤを飛ばしていると銃弾が飛んできた。戦闘中において余所見は禁物とは、追跡者が教えていた事だが完全に油断していた。

 だがそれは追跡者が元気そうに飛び回っているのを見て、少し安心したからなのかもしれない。

 

「ん、まだ終わったわけじゃない」

「シロコの言う通りだよ!あれは3人に任せて……最後の一息だよ!」

「「「「了解!!」」」」

 

 そして先生達は理事長を助けんとばかりにゴリアテへ向かうその他のオートマタ達を仕留める。

 

「…………止まったか」

「潜在……駄目か…………」

「鉄の目……潜在を求めちゃいけないわ」

「……」*2

 

 そう言っていると瓦礫も同然のゴリアテから何かが這い出してくる。

 

「ク……ソッ…………」

「カイザー理事長か……」

 

 追跡者はそう呟く。

 

「きさ……ま……ら!…………」

「……どうした。その程度か」

「ただで……すむと…………!」

「ただで済むと……ねぇ…………」

 

 雑魚処理を終わらせた対策委員会が来てセリカがそう言う。

 

「……言い残す事はそれだけか?」

 

 それに鉄の目は、理事長に無慈悲に短剣を向ける。

 

「…………いい……のか……カイザーを……舐めると……」

「それだけか。じゃあな」

 

 そう言って鉄の目はカイザー理事長の首を、確実に仕留める為に聖律の宿った短剣で切り裂いた。

 

「…………」

「鉄の目さん……」

「これは俺の仕事だ。気にするな」

 

 申し訳なさそうにアヤネが言う

 

「申し訳ないわね」

「……寧ろお前達が手を汚す訳には行かないだろう」

 

 そう言って鉄の目は短剣を仕舞い立ち上がる。

 

「…………」

 

 先生は余り殺しを容認したくはなかったが、鉄の目に殺されてしまえば自分達にとっては都合が良く鉄の目がそう言った事に慣れていた身分故、口を出さない事にした。

 

「さて……行こうか」

「そうね」

 

 そして追跡者達は地下の実験室へと向かった。

 

「なにこれ!開かないんだけど!」

「任せろ……」ガッチャン!

 

 鉄の目は大弓を引き、開かない扉に向ける。

 

バァァァァン!!!!

 

 鉄の目の大弓により開かない扉は穿たれ吹き飛ばされる。ついでにホシノの拘束も吹っ飛ぶ。ホシノに当たらないのは夜渡りの祝福によるものだ。*3

 

「ホシノ!!!!」

「…………皆……!」

「ホシノ先輩!!!!良かった!……」

「……お、おかえりっ!先輩!」

「ああっ!セリカちゃんに先を越されてしまいました!恥ずかしいから言わないって言ってたのに、ずるいです!」

 

 ホシノが顔を上げると皆はホシノに抱き着いた。

 ただ追跡者は後ろで見ていた。そして皆が思い思いの事を言い離れようとした所で追跡者はホシノへと歩みを進めた。

 

「ホシノ…………無事で良かった……!」

「追跡者さん…………心配かけてごめんね」

「いい。無事で帰ってきたんだ」

 

 そう言いつつホシノの頭を撫でる。追跡者も自覚していないが、兜の裏では安堵の表情を浮かべていた。

 それを見たら恐らくこの場にいる対策委員会はイチコロレベルの、美しい表情だ。だが幸いそれは誰も知らない。知らなくていいこともあるのだ。

 

「「「「「おかえりなさい!ホシノ先輩!」」」」」

 

 そう言う対策委員会の皆と先生に、ホシノは照れ気味にこう返した。

 

「ただいま!」

「あぁ!よく帰ってきたぞ!」

「おかえりなさい!」

「それから……教官も!」

「?」

 

 追跡者はどういう事か一瞬理解出来なかったが、すぐに理解した。彼女らは自身の帰りを待っていたのだろう。ならば、それに応えなければならないだろう。

 

「あぁ……只今戻った」

「「「「おかえり!!!!」」」」

「兄上……おかえり」

「あぁ」

 

 そう言って追跡者は駆け寄るレディを受け止め、抱きしめる。

 

「よく頑張ったな。やっぱり俺の自慢の妹だ」

「……兄上のバカ…………」

 

 すると何者かが実験室へと入ってきた。

 

「久しぶりだね」

「隠者さん……?」

「…………そうだわホシノ!まだ計画は終わっていないわ。追跡者の寿命を延ばす施術をやるわよ!」

「「「「!!!!」」」」

「…………計画とは?」

 

 レディはここにきて最大のミスを犯す。一瞬気が緩み言葉選びが疎かになってしまい計画の事をうっかり話してしまう。それに現場にいない、最も冷静だったアヤネはそれに気付いてしまった。

 そう、つまりどうなるのか。

 

「ホシノ先輩、どういうこと?」

「そ、それは…………」

「ほ、ホシノ!スt」

「…………私が攫われたのはレディさんの作戦なんだよ?」

「「「「えっ?…………」」」」

 

 知らない且つ現場にいる対策委員会の3人と全く何も知らない追跡者がレディの方を向く。ホシノは後輩を少なからず悲しませた事に余り良いとは思えず、少しイタズラ心もあってカミングアウトしてしまった。

 

「あらあら…………」

「…………レディ、詰めが甘いな」

「……おっと…………」

 

 鉄の目の呟きも先生の驚きと焦りの混ざった声も聞こえぬ程レディは焦っていた。それこそ、先程の戦闘とは比にならないレベルで。レディはこの後の展開は読めていた(知力A)ので、全力で弁解の方法を考える。

 

「先生まで!?」

「えっ……どういうこと!?」

「そ、それは……」

「レディ…………」

「あ、兄上……」

「正座だ」

 

 兄上の説教なら受けてもいいかなと一瞬思ってしまう(妹バカ)がすぐにその考えを払い、言い訳を考える。

 考える……が……

 

(思いつかないわ!)

「まあ巫女さんの悪いことを詰めるのは後にして…………追跡者さんの寿命を延ばす施術をやるわよ」

「…………しかしどうやってやるのだ?」

 

 少しの間見逃された事で安堵する。だがレディは説教(という名の処刑)が確定したので、レディは泣く泣く覚悟を決めた。

 

「それはホシノの神秘を使う……だからこの実験室でやる」

「…………そうか」

「うへ〜……私の力が必要なんだね〜。じゃあ早速やろっか〜」

「それじゃあ、私達は出たほうがいいかな?」

「ええ。お願い」

 

 そして対策委員会とレディ、先生は一旦外へ出て隠者と追跡者とホシノだけになる。

 

「それじゃあ追跡者さん、しゃがんで兜を取って?」

「…………分かった」

 

 追跡者は大人しく兜を取り、その美しいご尊顔を露わにする*4

 

「それじゃあホシノちゃんと追跡者さんは目を瞑っててね……すぐに終わるから」

「うへ〜」

「…………」

 

 二人は隠者に従い目を瞑る。隠者はホシノのヘイローに手をかざし、巻き取るような動作をする。そして手の平には桃色に輝く何かが作られ、それが追跡者の頭に落とされる。

 

「…………終わったよ」

「……早いな」

 

 だが追跡者は確かに、体が昔のような気力を取り戻しているような気がした。

 

「実は先生いても良かったんだけど…………気を遣って行っちゃったから」

「それじゃあ、全部解決した事だし帰って寝よ〜!」

「そうだな」

「ふふっ……それじゃあまたね」

 

 そう言って隠者は去った。追跡者とホシノもまた帰る場所へと歩みを進めた。追跡者はもう一人ではない。きっとこれから先は仲間と共に、どこまでも歩いていくだろう。

 それは例え行く道が不毛な砂漠であろうと、幸せと言うべきなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

ガラガラガラ…………

 

「おかえりなさい!」

「ん……改めておかえり」

「ただいま」「ただいま〜」

 

 追跡者とホシノが扉を開くとレディと先生が既に地面に正座して待機していた。

 

「さーて、追跡者さんとホシノが帰ってきた事だし……」

「説明して下さいね〜☆」ゴゴゴゴゴ…………

「ん、ホシノ先輩もグルなら正座」ガシッ……

「うへっ!?」

 

 その二人に1名追加で正座し、説教開始である。

 

「ん、私達を騙す必要はなかった」

「そ、それは…………」

「私から反論があるわ!」

「なんですかね?……」

 

 先生が目を泳がせ回答に困る中、レディはワンチャン言い訳をする。

 

「敵を騙すなら味方からって言うでしょう!特にセリカとかポロっと言いそうじゃない!」

「ぐっ……!そんな事は…………しない!……ハズ……

「確かに言いそうですね……」

「アヤネちゃん!?!?」

 

 追跡者はこの光景はゆっくり眺める事にした。

 

(妹は十分叱られているだろうから…………俺は慰めてやるべきだろう)

 

 そう思いながら、マントに着けていたブローチを取る。もう妹とは離れ離れにはなる事もなく、自分には居場所が出来た。だからこの妹から貰ったかけがえのないプレゼントは、大切に取っておくことにしよう。

 そして追跡者は小さな箱にブローチを入れて、ポケットに仕舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 次の日……………

 

 

「……おはよう…………暗いな」

「……おはよう兄上……確かに暗いわね…………」

 

 追跡者は起きると外を見る。珍しく砂漠に……いや、この光景には見覚えがあった。

 

「…………まさか……またか!」

「……この時期には雨は来ないはず…………でもアビドスにいた夜の王は倒したのに……!」

「だがこれは夜の王が来ている……円卓に一度向かおう。泊まりに来ていたアビドスの皆は……」

「……先生に頼みましょう」

「そうだな」

「それからホシノも起こさねばな」

 

 そう言って追跡者は寝間着のままアビドスの皆が寝ている場所へ向かった。そしてホシノに近づき揺さぶった。

 

「うへ〜…………」

「ホシノ……起きてくれ」

 

 追跡者は周りの対策委員会のメンバーを起こさないように気を使いながらホシノを起こす。

 

「んー……うへっ!?!?」

 

 ホシノは目を開いた瞬間追跡者の素顔がドアップで目の前にあった為に驚きの声を上げてしまう。幸いにも他の者は起きなかったようだ。

 

「……ホシノ……()()だ」

「また……あぁ…………行かなきゃ行けないんだね」

「あぁ……すまない」

「大丈夫」

 

 そして3人は寝間着から普段の夜渡りの服へと着替る。

 

「レディさん今日はおさげなんだね〜」

「えぇ。大切な髪留めだから今日は置いていくわ。今回は嫌な予感がするからなくしそうで……」

「そうだったんだ〜」

 

 ホシノは薄々その髪留めは追跡者の物をパクったのだろうと予測がついていたが、突っ込まないことにした。そしてすぐに3人は円卓へ向かった。

 

「…………来たんだね」

「隠者さん……だけ?」

「いや、俺もいる」

 

 鉄の目は円卓の壁に寄りかかった体勢でそういう。

 

「……今回も鉄の目とか。よろしく頼むぞ」

「任せろ」

「さて……出撃の前に……」

「?」

 

 隠者はホシノの方に近づき、こういった。

 

「前回遺物って使った?」

「いぶつ?」

 

 追跡者とレディは天を仰いだ。夜渡りにとっては遺物は組んで当たり前だった為行っていなかった。因みに隠者も忘れていた。

 

「……儀式で力を得られるわ!」

「…………取り敢えず適当に組むぞ!」

「うへ!?」

 

 追跡者は説明は適当にし、取り敢えず遺物を一緒に組むことにした。

 

「散弾銃は多段ヒットらしいから攻撃時スタミナ回復はいるか……」

「夜侵入!」

「後は常世マリスだな!」

「うへ!?うへ!?」

 

 が、しかし深度5だろうと当然のように連勝を重ねる実質カンスト勢の二人はホシノを置いてきぼりにしたまま遺物を組み上げてしまった。

 

「取り敢えずこれでなんとかなる筈だ」

「あ、ありがとう…………」

「今回は何が襲来しているかは分からない…………気を付けて」

「分かった……となると遺物はこれか……」

「マリスが怖いわね……戦技型で行くわ」

 

 そして四人は例の崖から走って、霊鷹に捕まりリムヴォトスへと向かった。

 

*1
大剣二刀バッタ

*2
鉄の目は上振れ中毒です。剣継マレー成分を摂取したがってますね(^^)

*3
なんて便利なんでしょう!

*4
追跡者美男ネタは永遠に擦り続けます






ホシノの遺物

深海の暗き夜夜侵入獣の暗き夜
最大HP2個とリゲイン+1、物理攻撃力積めるだけ


追跡者の遺物

耳飾り夜侵入大剣追撃
リゲイン+1最大HPスキル出血、物理攻撃力積めるだけ


レディの遺物

ハルハル霜踏み夜侵入
鎌出やすいスキル無敵、属性攻撃力積めるだけ


鉄の目の遺物

毒付与夜侵入スキル+1深海の暗き夜
スキル毒刀出やすい最大HP


 夜渡り中は多分遺物変えてます。(夜侵入とかはキヴォトスでは要らないよねとか)というか私がカンストして遺物の優先度変わっただけなのですが…………
 アンケートは次の話まで受け付けます。

アビドスにて続いて夜の王が襲来するとしたら?……

  • 常世グラディウス
  • エデレ
  • グノスター
  • マリス
  • フルゴール
  • リブラ
  • カリゴ
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