夜渡りinキヴォトス   作:脱力戦士セシタマン

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 夜の王予想トップを独走しているのはグラディウス

 続いてグノスター、その次がエデレとなっています。

 最初だとこの辺りですかね?……


 今回は柴関ラーメンを食べに行くようです。




柴関ラーメン

 

 

 

 ヘルメット団の前哨基地壊滅から約一週間後……

 

 

 

 朝起きると、追跡者の仕事用の机に手紙が置いてあった。

 中に地図ともう一つ紙が入っており、その紙を開くとこのような事が書いてあった。

 

『戦士さんへ

 夜に対抗する為に追跡者に残った夜の力で円卓を作りたい。勿論巫女を円卓に縛るような状態にはしない。協力してくれるなら地図の場所に来て欲しい。

隠者より』

 

(……成る程…………)

 

 後ほど向かうつもりで、追跡者は手紙をポケットに仕舞い教室へ行く。

 

 

ガラガラ…………

 

「あ、教官!おはようございます☆」

「ん、教官おはよう」

「教官!おはようございます!」

「おはよう」

 

 アヤネとノノミとシロコが挨拶してくれた。ホシノは…………案の定昼寝中だった。

 どうやら今日はセリカが遅いようだ。

 

 

「突然ですが、教官って、恋愛したことはありますか?」

「恋……愛……?」

「恋愛すら知らない感じか〜」

 

 ホシノがしれっと起きた。せめておはようと言うべきでは?……と追跡者は少し思ったが、恋愛という物の方が気になっていたのでツッコまないことにした。

 

「じゃあ、好きな人とかいますか?」

 

(好きな人…………掛け替えのない妹は好きだが……そう答えてよいのか?)

 

 追跡者は薄々駄目な気がしていたが、いないと言えば嘘になると言えばなるので、いると言う事にした。

 

「そうだな……いる」

「いる!?いたのではなくて!?」

「あぁ」

「ん、もしかしてレディさん?」

「あぁ」

「へぇ~…………えええ!?!?」

「え?こういうのってそんなさらっと言って大丈夫なんですか!?!?」

「?…………別に(家族だから)問題ないのでは?」

「あ〜……駄目だこりゃ」

 

 ホシノが…………いや、他の皆もやれやれと言わんばかりのジェスチャーをし、ノノミがこう言った。

 

「それじゃあアプローチの仕方から行きましょう!!!」

「???????」(アプローチ???)

 

 

 追跡者はクソボケ故にアビドスの皆からレディが一人の女性として好きだと勘違いされているとは夢にも思っていない。

 残念ながら追跡者の第六感は戦闘でしか役に立たないようで、少女達の思っている事は余り分からなかった。

 しかし皆が楽しそうだから追跡者はもう何でもよかった。

 

ブーーーーッ…………

 

 すると、追跡者のポケットのスマホが音を立てて震えた。アヤネに「便利だから持って置いたほうがいいですよ?」と言われて持っていたが、すぐに使い方を習得し、今では結構使い慣れている代物だ。

 

 電話の主は、レディだった。

 

ピッ…………

 

 兜の上からスマホを耳に当て、話し始める。

 

「もしもし……どうした?」

「今セリカをこっそり追いかけているわ……セリカ、最近よくいなくなるでしょう?」

 

 追跡者は、だからといってこっそりついていくのはどうかと思ったが……自身が追跡者と呼ばれている身なので深くはツッコまない事にした。

 

「貴方達も来て欲しいわ。先生も今私と一緒にいるから」

「成る程…………分かった……」

 

ツーッツーッツーッ…………

 

「ん、何かあったの?」

「……皆でセリカの様子を見に行くぞ」

 

 そう言い、5人はレディの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生…………まだ行っては行けないわ。バレるわよ」ボソッ……

「わ、分かった」ボソッ……

 

 レディと先生は、セリカにバレないよう絶賛ストーカー中だった。

 

「でも……どうしてそこまでバレるって分かるの?」ボソッ……

 

 

 先生はレディが余りにバレずに追跡し続けており、バレるか否かにも詳しかったのでちょっと質問した。

 

 

「ふふっ…………私はこう見えて、結構やんちゃなのよ?」ボソッ……

「…………もしかして、ストーカーを???」ボソッ……

「いえ、そうではないけど…………私はちょっと手癖が悪くてね…………」ボソッ……

「あぁ……そういう………………」ボソッ……

 

 レディは自分の行いは褒められたものでは無い事は分かっていたが、それでも自身の正義の為にした事だからやった事には後悔していなかった。

 

 

「いや、それでも駄目じゃない?」ボソッ……

「でも、そのお陰で夜と戦えているわ。だから、多めに見て欲しいわ」ボソッ……

「やらないのが一番いいけどなぁ…………」ボソッ……

「お願いよ」ボソッ……

「分かった…………話は変わるけど、他の皆は?」ボソッ……

「それなら、別ルートでついてくるように言ってあるわ」ボソッ……

「手慣れてるね…………」ボソッ……

 

 二人はそう会話を交わしながら、セリカを追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラ…………

 

 

「いらっしゃいませ〜…………って!?」

 

 追跡者一行は辿り着いた先は柴関という、アビドスの皆曰く『らあめん』なる食べ物を提供する場所に着いた。

 

 

「あ、セリカちゃーん!」

「何で皆いるの!?と言うか何であんたまで…………」

 

 あんたとは『先生』の事だろう。どうやら先生だけは余り歓迎されていないらしい。

 

「セリカちゃーん。私達はお客さんですよ〜☆」

「わ、分かったわよ!」

 

 そう言いながら、案内された。

 

「その『らあめん』とやらは美味いのか?」

 

 

 追跡者は『らあめん』なるものは初めて食べる為、少しでも情報が欲しかった。レディに食べたことがあるのか聞く意味も込め、レディに質問した。

 

「えぇ。確か執行者が食べた事あるって言っていたわ」

「……執行者は喋れたのか???」

 

 執行者が言葉を発する瞬間を1秒たりとも聞いたことがなかったので、追跡者は思わず訊いてしまった。

 

「いえ、筆談だったけど」

「そうか」

「でも美味かったと言っていたから、きっとここのお店も美味しいわ」

 

 そう話していると、大きなテーブルの席に案内された。

 

「狭いな……俺はカウンター席にしておく」

「私もカウンター席にするわ」

「「「「「どうぞどうぞ」」」」」

「「???」」

 

 いつもなら誰かしら『二人共一緒に座らないの?』とか言ってきそうなものだが、どういう訳か言われなかった。追跡者は疑問に思いながらも、席につく。

 

「え?いいの?」「ん、教官はレディの事が好き」「!……おっけー、そう言う事ね」

 

 先生とシロコがこっそり何かを話しているようだった。追跡者はその事には気付いていたが、『らあめん』なるものがどんなものか楽しみだったので会話の内容までは聞き取らなかった。

 

 

「ご注文は?」

「じゃあ…………チャーシュー麺一つ!」

「私は塩で〜」

 

(どうやら食べたいものを注文するシステムらしい)

 

「……セリカ……オススメはあるか?」

「それは勿論、柴関名物の『柴関ラーメン』よ!」

「じゃあ……それで頼む」

「私もそれで」

 

 追跡者もレディも何を注文すればいいか分からなかったので、取り敢えずオススメの物を注文した。

 

(…………さっきからアビドスの皆はこちらを見てニヤニヤしているが……どういう事だ?)

 

 追跡者はどういう事なのか全くもって分からなかったが、一先ずは『らあめん』の味を予想しながら待つこととした。

 勿論アビドスの皆は、追跡者とレディの関係がどうなるのかワクワクしながら見ていた。年相応の少女達なのだから、仕方ない事だろう。

 

 

「はい!柴関ラーメンでーす!」

 

ゴトッ……

 

 そう言い、追跡者の前に大きな器に汁の海に沈む麺と陸のように麺の上に乗る種類豊かな具材の乗った物が出てきた。

 

(これが……『らあめん』!!!)ゴクッ……!

 

 追跡者は、何だか『らあめん』から『ゴゴゴゴゴ…………!』と言わんばかりのオーラを感じたが、臆せず兜を上げ、口だけ出るようにして割り箸を取る。

 

「毎回思うけど、追跡者さんってその兜絶対に取らないよね〜」

 

 追跡者は兜は基本的に取らない。それ故に顔を知っているものはこの場にはレディ以外いなかった。それでも、レディも顔を最後に見たのは幼い頃だったのでうろ覚えだった。

 

「何が起こるか分からんからな」

「食事中位いいじゃん!」

「何かあった時に対応出来ないだろう」

 

 追跡者はせめて強者たるホシノからの理解は得たかったが、残念ながらそうはいかないようだ…………

 今はそんな事より、追跡者は『らあめん』を食べたかった。

 

「それじゃあ……」

「「いただきます」」パキッ

 

 子気味のいい音と共に綺麗に割れた箸を手に持つ。

 最近使い方を習得した箸という食器を使い、野菜と麺を掴み、一口。

 

 食べた瞬間、麺に絡みついた汁の香りと味が口いっぱいに広がる。麺のモチモチとしたいい噛み心地と野菜のシャキッとした食感が更に美味しさを引き立てる。

 

「美味い…………!」

 

 その美味しさに、追跡者は思わずそう唸る。料理に心得のある追跡者は、プロの味というのを初めて味わった。

 

 

「これは……確かに美味しいわ!…………」

 

 

 子爵の継子としてそれなりに良い物を食べてきたであろうレディもその味に驚いていた。

 二人は無言でただひたすらに『らあめん』を食べ続けた。

 

ズルズルズル…………

 

 ふとアビドスの方を見ると、麺を音を立てて啜っているではないか。

 追跡者は行儀が悪いと注意しようと麺を飲み込んみ喋ろうとした瞬間、レディが先に口を開いた。

 

「追跡者……『らあめん』は啜るとより美味いそうだぞ……」

「なん……だと…………!」

 

 追跡者は衝撃を受けた。

 

(だが、音を立てて啜るのは……いや!これは一度啜って見るべきだ!)

 

 そう思い、勇気を出し麺を啜る。

 

ズルズルズル!…………

 

 

 汁の香りと味がより強く感じられるようになり、その美味しさは先程とは格別だった。

 

(この味……以前の食べ方に後戻り出来なくなる…………!)

 

 もう啜らないで『らあめん』を食べる事が出来なくなった追跡者は、完食するまで麺を啜り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ご馳走様でした」」

 

 追跡者とレディは余りに『らあめん』を良く味わって食べていた為に、話すことを忘れていた。

 だが、二人共『らあめん』が何たるか良く理解した。既に二人共の中ではよくわからない『らあめん』ではなく美味しい『ラーメン』として良く頭の中にインストールされていた。

 

「そう美味しそうに食べてくれると、俺としても嬉しいな!」

 

 その様に、小さな二足で立っている犬が喋りかけてきた。カウンター席の向こう側にいるのを見るに、『ラーメン』を作った張本人だろう。

 

「これを作ってくれたシェフか…………」

「シェフなんて大したもんじゃねぇよ!大将って呼んでくれ」

「大将!素晴らしい味だ!一体どう作ったらあの様な旨いものを……」

「有り難い事言ってくれるじゃねぇか!だが、作り方は秘密だ。これも商売だからな」

「そうか……」

 

 

 追跡者は少し残念そうにそう答えた。そしてすぐに気付いた。

 

(そう言えば、金を払わなくてはいけないではないか!)

 

 追跡者は財布を取り出そうとした……

 

「それなら、先生が払ってくれましたよ?」

 

 が、どうやら先生が先んじて払ってくれていたようだ。

 

(先生には感謝しなければならないな)

 

 そう思いながら、追跡者は席を立つ。

 

「美味しかった?」

「あぁ……先生、感謝する」

「いいよ、気にしないで」

「痩せているけど、中々太っ腹なのね?」

「それ、褒めてる?」

「褒めてるわよ」

 

 

 そんな下らない会話を交わしながら、外へ出る。

 

 

「美味しかった〜」

「もう二度と来ないで!」

「すまないセリカ、また食べに来るかもしれん」

「教官、柴関ラーメンの味に病みつきになってしまったみたいですね……」

「凄くいい食べっぷりだったね〜」

「もう皆嫌い!死んじゃえ!」

「セリカちゃん素直じゃないんだから〜」

 

 セリカが相変わらずで一安心した所で、追跡者は今朝の手紙の事を思い出した。

 

(そういえば、行かなくてはならないな…………)

「それじゃあ……俺は行くべき所がある」

 

 追跡者はそう言い、立ち去ろうとする。

 

「そうなんですか?」

「あぁ、ついでに明日の昼食の買い出しだ」

「そっか。それじゃあ、また明日ね〜」

「あぁ、また明日な」

 

 そしてすぐに追跡者は、手紙の示す場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 追跡者は、手紙が示していた場所に着いた。そこはアビドスの中にある廃墟の一つだった。

 

(きっと手紙の主が来るまで暫く時間がかかるだろう…………)

 

 そう思い、すぐ近くの壁にぐったりともたれかかって座った所で、誰かの気配を感じた。

 

「…………隠者か……」

「……うん……お久しぶり」

 

 そう言いながら、かつて夜渡りとして共に戦った隠者がその姿を露わにした。

 

「円卓を作るのか……」

「えぇ」

「一体どうやって?」

「貴方の中に残っている夜の力があれば作れる。それと(プラスアルファ)で祝福の力も必要だけど、祝福の力はこっちで用意出来たから」

「しかし巫女はいらないのか?」

「大丈夫。いなくても大丈夫なように作るから」

「そうか……なら頼む」

「ありがとう。でも、少し時間がかかるかも。解放出来るのは日が暮れてからになると思う」

「構わん。夜と戦う為だ」

「分かった。それじゃあ、中に入りましょう」

 

 そう言われて廃墟の中に入る。中に入ると、砂と共に円卓にいた時に転がっていたような本が沢山あった。

 

「ここの椅子に座って目を瞑ってて」

 

 そう言われ、円卓に初めて来た時に座った物と似た椅子に座り、追跡者は目を瞑る。疲れているのか、すぐに意識が朦朧とし、眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ここは?……」

 

 目を覚ますと、以前と変わらない明るい円卓が広がっていた。

 

(そこまで時が経っていない筈だが、何故だか懐かしいな)

 

 追跡者の座る椅子のすぐ横には隠者が立っていた。

 

「出来たわよ」

「円卓……懐かしいな」

「これは……追跡者サマですか?……」

 

 これもまた懐かしい、召使人形が話しかけて来た。

 

「あぁ…………また夜が来たからな……」

「……巫女サマは無事でしょうか?……」

「大丈夫だ。新しい世界で上手くやって行けている」

「それは……良かったです!…………それでは私は円卓を少し整理して参ります」

 

 召使人形はとても安堵したような仕草をした後、一礼して去った。

 

 

「それで、戦士さんにお願いがあるんだけど……」

「……なんだ?」

「かつての巫女さんも呼んで欲しいわ。巫女さんはまた円卓を取り纏める人としてお願いしたい」

「……それは……また妹を夜との戦いに巻き込む事になる。だから……」

「気持ちは分かる。でもね。きっと巫女さんも戦いたい筈よ」

「………………………………分かった」

 

 追跡者は余り了承したくはなかったが、きっとレディにすぐ勘付かれて円卓に気付いたら居そうなので、どちらも変わらないならと了承した。

 

 

「キヴォトスに帰るには、自身と縁深い物で祈れば転送されて帰れる」

「縁深い物?」

「戦士さんの場合は、その耳飾りかな?」

「そうか……」

 

 そう言われ、耳飾りを手に復讐者がやっていたように祈る。

 

 

 

(…………)

 

 

 

 気付けば元の場所に戻っていた。隠者も一緒に来たようだ。外は既に暗く、夜が来ていた。だが、雨は降っていない。通常(いつも)の夜だ。

 

「それじゃあ、他に夜渡りだった人がいたら円卓に来るように言っておいて。この椅子に座れば行けるから」

「分かった」

 

 追跡者はそう淡白に返事をし、懐から時計を出した。

 

 (結構遅いが……もしかしたらまだセリカは柴関でバイトをしているかもな…………折角だ。迎えに行こう)

 

 追跡者は何故だが嫌な予感がしていた。セリカの身に何か良からぬ事が起こりそうな、そんな予感が。

 そして時計をしまい、夜の中柴関まで駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(柴関は…………閉店しているか……)

 

 追跡者が着く頃には柴関は閉店しており、明かりがついている様子も見られない。どうやら帰ったようだ。

 

(だが…………何故だ……余りいい予感がしない)

 

 そう思いながらも、アビドスへ歩みを進めようとした時だった。

 

(これは…………この形、文様、歩幅からして……セリカの足跡か?……)

 

 追跡者は嫌な予感に駆られながら、セリカの足跡を追いかける。

 そして、少し進んだ所で沢山の足跡のある場所へ辿り着いた。

 

(足跡の数からしてざっと四人。セリカの足跡を覆うようにして混在している……足跡の先は………………これは……タイヤの跡か?…………つまりこれは……)

 

 セリカは何者かに連れ去られた。そう追跡者は結論付けた。

 

(……まずいことになった!……………)

 

 そう思い、すぐに追跡者はクローショットを活かしながらタイヤの跡を辿った追跡を始めた。

 






 きっと追跡者はカルチャーショックを受けている……と思います。キヴォトスはエルデンリングの葦の地に近い文化ですからね。
 
 執行者はすぐに適応するんじゃないかな?と思っています。

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