俺の生まれた家はなんのことはない普通の家だ。
普通の家に生まれた俺も普通の人間に育った。
そんな俺には普通じゃない幼馴染がいた。
“アドマイヤベガ”彼女は凄かった、幼い時から圧倒的な速さでレースでは同年代の子達を薙ぎ払っていた。
もともと近所で仲が良かったらしい俺たちの両親は、良くご近所どうしで出掛けたりしていた。
俺はアヤベとは学年が同じで親同士が仲良しなのもあって、小さい時から交流があったから少しは仲良くさせてもらってたとは思う。
彼女はあんまり話したりする奴じゃ無かったけど、俺の周りにウマ娘の友達はアヤベくらいしかいなかったから、よく話しかけたもんだ。
「ウマ娘の耳ってどんな触りごごちなんだ!触っても良いかな!」
「ハァ…触って良い訳ないでしょう?」
てな感じで、アヤベも俺のことを鬱陶しそうにしてたけどちゃんと話は聞いてくれて、相槌は打ってくれていたから、アヤベも話すのを楽しんでたと信じたい。
そんなある日、アヤベのレースを見に行った、俺はアヤベどころかウマ娘のレース自体、見に行ったのがはじめてだったから目を輝かせて見てた。
ウマ娘とはいえまだ小学生低学年の子達のレース、作戦もフォームもほとんど無いようなレースだ。
当時の俺は後ろの方からアヤベがビューンと来て勝った、くらいの感想しかなかったが、この時から彼女の才能の片鱗が見えてたのかもしれない。
そんなレースを終えた後だった、アヤベが泣き出したのだ。
アヤベは訳がわからないといった感じで泣いていた。
慌てた彼女の両親が泣きながら何も言わないアヤベを心配しながら、彼女の手を引いて、こちらに申し訳なそうに帰宅する旨を伝えて慌ただしく帰って行った。
何も言わず泣いていた彼女の横顔が妙に頭に残った。
その日から彼女は変わった、もともと積極的に人と関わるタイプじゃ無かったけど、より人と関わるのを避けるようになった。
走ることに傾倒し、レースで勝つことに固執するようになっていた。
「アヤベ、最近トレーニングしすぎじゃね?」
学校の帰りにアヤベに言った。最近の彼女は見ていて少し辛い、あのレースからあまり話すこともなくなっていたが流石に心配になって声をかけた。
「あなたには関係ないから。」
突き放すようにそう言われてしまった。
「っ...!そうかよ、勝手にしろよ!」
何も事情を知らない俺が軽い気持ちであんなことを言ったのが悪かったのだが、当時の俺は自分の心配を無碍にされた気がしてそれ以上この件に触れることはなかった。
それから高校まで俺たちがまともに話すことはなかった。
映画しか見てないようなニワカなので間違いがあったら教えてください。
アヤベさんは良いぞ!