ニンジャスレイヤー・in the・ニューエリー都 作:オロロンチョチョパー
(何はともかく、この世界について調べなければ)
ビルからビルに飛び移り裏路地に着地、変身を解きハンチング帽とトレンチコートを着た平時の姿になり大通りに出る
「…っ!」
(やはりここは別の世界であったか、猫、犬などの耳や尻尾を持った人間に動物そのものが二足歩行をするような者もいる)
目の前を通る人々は人間はもちろんのこと、フジキドの世界にはいなかったシリオンも居る、その事に少し動揺しつつも顔には出さず前に進む
フジキドが入った大通りはどうやら飲み屋街のようでウシミツアワーでありながら、グラスがぶつかり合う音、人々の笑い声、肉の焼ける音が溢れ電光掲示板や装飾が道行く人々を照らしている
(……やはり無いか)
ホロウ内にて血中カラテを大きく消費したフジキドは、完全栄養食であるスシを探していた、ネオサイタマなら至る所に無人スシ・バーがあり早急に補給できるが、この世界ではそうもいかないらしい
(いや、スシ・バーがあった所でこの世界の通貨を持っていない、今日の所は情報収集といk…っ!)
無人スシ・バーはなかった
だがオーガニックスシ屋があった!ネオサイタマで提供されるスシの大半はサカナのすり身を成形したものである!そのためオーガニックスシは高級なものでありそう安安と食べられるものではない!!もしこの世界の通貨単位を知りディニーがあればフジキドならば迷わず入店するだろう!ディニーがあればな!
(スシを目の前にして食べる事が出来ない!イグゾーション=サンにやられたことを思い出す!!)
ザイバツ・シャドーギルド所属のニンジャ
イグゾーション
ニンジャスレイヤーを打ち負かし身動きが出来ない状態にした後!空腹状態のニンジャスレイヤーの前で上等なスシに上等なショウユを付けて食べると言うえげつない拷問をしたニンジャだ!
ニンジャスレイヤーを後一歩の所まで追い詰めるもタカギ・ガンドー=サンにマグナムで撃ち抜かれ爆発四散した
(致し方ない、この世界の通貨を手に入れてから来るとしよう)
そう思いフジキドはスシ屋から離れ歩き進める、飲み屋街と言うのもあり人々が話す内容にフジキドは聞き耳を立てる
『ホロウ六課がいれば新エリー都は安心だ!』
『まだモッキンバードは捕まってないらしいぜ』
『白髪の娘に映画のネタバレされた…』
『ハァ…今度家事代行サービス使お…』
『締めにラーメン食い行こう!』
『修行キツイ』
『ホロウ内はプロキシ必須だな』
『アストラさんの曲はいつ聴いても良いな〜』
(対ホロウ六課、モッキンバード、プロキシ、アストラ=サン、見知らぬ単語、恐らく対ホロウ六課はその名の通りホロウ内での戦闘を得意としたもの達であろう)
対ホロウ六課
その実力から危険度の高いエーテリアスとの戦闘、ホロウ内の探索、調査を担うエキスパート集団だ
(アストラ=サンなる者も恐らく歌手の事だろう)
アストラ・ヤオ
新エリー都にて大人気の女性歌手、持ち前の演技力を活かし女優としても活躍、100年に一人の逸材と言われている
(まだ分からぬ事だらけだが、寝床も探さなければ)
寝床になりそうな場所を探そうとし飲み屋街を少し進んだ先、チンピラに絡まれているソバの屋台を目にする
「フッザケンナコラー!」
「スッゾコラー!」
「ザッケンナコラー!」
「やっやめてくれ!」
ソバの入った椀を地面に投げつけ、屋台の店主を驚愕し、屋台の売り上げ金を盗み、挙句の果てに屋台自体を破壊しようとする
「古臭い屋台なんか俺がブチ壊してやるよ!!」
「やめろーー!!」
チンピラの一人がバットを振り下ろそうとするも、フジキドによって阻止される
「テメェ!邪魔すんじゃねぇ!」
「ザッケンナコラー!」
「チョウシノッテンジャネー!」
「……」
突如として現れたフジキドにチンピラ三人衆はイラつき襲い掛かるが
「無視すn…」
「くたばr…」
「ザッケn…」
「…フゥー」
チンピラ三人衆を殺さぬよう手加減した上で目にも止まらぬ速さで三人衆を気絶させる、フジキドは一見冷酷に見えるが隣の部屋のウキヨエ書きを助ける位には実際優しい
「すげぇ…」
ソバ屋の店主がそのワザマエから呆気に取られる、フジキドは店主に向かい軽く会釈をしその場を離れようとするが店主に止められる
「待ってくれ!アンタに礼がしたいんだ!」
「いえ、お気になさらず」
「いや!そういう訳には行かない!」
「しかし」
「ソバでも食っていってくれ!お代は要らねぇ!」
「……なら、そうさせてもらおう」
店主の圧に負けソバを食べる事になり席に着くフジキド、そばツユの匂いがフジキドの胃袋を刺激する
「へい旦那!おまちどうさま!」
「あぁ、頂こう…これは!」
目の前に現れた蕎麦はとても美味かった、旨味が濃縮されたそばツユ、上等な鴨肉、薬味のネギ、まずネオサイタマではお目にかかれないだろう、この美味いソバをしっかりと味わいながらも、その味からかいつもよりも早いペースで完食する
「ご馳走様でした」
「お代わりはどうですかい!」
「いや、大丈夫だ…店主…ご馳走になった、これ程のソバ本当にお代は良いのか?」
「むしろソバ一杯だけじゃ返せねぇ恩だ!申し訳ねぇ!」
「謝らないでくれ、これ程のものを食べるのは久し振りだ…ありがとう」
「料理人冥利に尽きるってもんです!」
「そうか…店主、改めてありがとう」
「いいってもんですよ!…旦那、もう行かれるので?」
「あぁ、世話になった」
「旦那!少しお待ちを!」
店主が屋台裏で何やらガサゴソとしている
「少ねぇですが持っていってくだせぇ!」
「これは、通貨か!?」
フジキドの前にディニーが入った袋が出される
「店主…幾ら何でもこれは…」
「いえ!受け取ってくだせぇ!!!」
「そう…か…」
「…旦那、俺はまだ受けた恩を返しきれてねぇ」
「だから!また食いに来てくだせぇ!そんときゃ、うんとサービスさせていただきやす!」
「あぁ、また来よう……時に店主、アヤツらはどうするのだ」
「あのチンピラ三人衆の事ですか、若い治安官がパトロールしてくれてますんで、そん時渡そうかと」
「…そうか、改めてありがとう…オタッシャデー」
「えぇ、旦那もオタッシャデー」
フジキドは店主に別れを告げ屋台を後にする
(少しの情報、店主のおかげで腹も膨れ血中カラテも回復した、後は寝床だ)
フジキドは夜の闇に紛れ寝床になりそうな場所を探す
(チンピラから助けたとは言え、ディニーまでくれるとはありがたい、またあのソバを食いに行こう)
店主とそこで出されるソバを思い出しながら
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