IS世界だとウルトラマンの需要はないだろと思っていた時期がありました   作:八雲ネム

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序章
プロローグ


「ふーむ、ここが別世界の地球か」

「近くにウルトラマンの生命反応は無し、本当に()()()()()()が特撮でしか確認されていない世界みたいね」

「目的があって派遣したんだろうけど、マン兄さん達の目的が分からんな」

「単にアンタの実力を試す場所を提供したかったんでしょ」

「………不安だ」

 

 訳あってウルトラマンの1人になった俺は、日頃から一緒に生活をしている2人と共に宇宙空間から青い星   地球を見ていた。

 本来、ウルトラマンが存在する世界線とは縁遠い世界線に派遣するのはウルトラマンになってから1,000年程度しか、経過していない俺よりも経験を重ねたウルトラマンの方が適切だと思って反論したのだが、光の国で色々と教えてくれたマン兄さん達曰く、「訓練を今の俺の実力を知りたい」との事で派遣された。

 1,000年、と言う年齢は地球人類からすれば馬鹿みたいに長寿と言っても過言ではないが、ウルトラマンからすれば充分に若い年齢で地球人類の年齢に当てはめるなら2〜3歳ぐらいなので、俺が反論した理由がわかるだろう。

 

 その為、マン兄さん達は俺以外にも地球人類だった頃に何故か女体化して森林公園でぶっ倒れていたティガと、ウルトラマンになってから遭遇した愛憎戦士カミーラと共に行く事を許してくれた。

 但し、現地で怪獣が現れた際は基本的に俺が中心になって戦う様にと言われたので、期待と不安が入り混じった心境で地球を眺めているとカミーラが話しかけてきた。

 

「これからどうするの?」

「姿を隠してから人気が居ない場所に降り立って情報収集だな。その過程で住居を探そう」

「そうね。何を始めるにしても最初は知る事から始まるし」

「仕方ないわね。手伝ってあげる事に感謝するのよ!」

「おう、ありがとうな」

「っ!」

 

 その為、今後の方針を伝えるとティガが冷静に返してくれたもののカミーラがツンケンしながら言ってきたので、お礼を言うと顔を赤らめながら黙ってしまった。

 ベタなツンデレ、ご馳走様でしたと思いながら選んだ場所は元の世界で生まれ故郷だった日本の人口100万人クラスの地方都市であり、ステルスモードで地球人類サイズまで小さくなってから人気のない場所に降り立った。

 そして、地球人類の姿に変身してからステルスモードを解除して向かった先はその都市の市庁舎であり、目的はハッキングをして今後の活動で必要となる戸籍の入手である。

 

 マン兄さん達の元で、ウルトラマンとしての修行をしていた世界の日本では2020年までに戸籍管理はデータベースへ完全に移行したが、この世界ではそれよりも10年ほど早くデータベースへ完全に移行していた。

 理由は単純であり、今から数年前に発生した“白騎士事件”がきっかけで政府が戸籍の一元管理を強く推奨した事で、紙ベースだった戸籍管理がデータベースでの戸籍管理に急速に移行した結果だった。

 その結果、運良く失踪扱いになっていた日本国籍のイギリス系日本人とオランダ系日本人、そして純粋な日本人の戸籍を見つけたのでカミーラとティガに前者2つの戸籍を割り振って残った1つを俺にしてからデータを改竄して戸籍を捩じ込んだ。

 

 こうする事で背後関係を疑われる事はないし、彼女達の特徴的な髪色と美形は『西洋の血を引いているんです』で万事解決である。

 こうして、一通りの個人証明書類を市庁舎の機械で発行すればIDもバッチリな寅間 正和、オランダ系日本人ティナ・鞠川、イギリス系日本人カミラ・前島の完成だ。

 後は口座等も含めて存在して然るべき書類を作り、存在して然るべき場所に提出をすれば第三者からすれば偽装身分の判定が難しくなったので、後は遡って開設した口座にある預金を使って大儲けするだけである。

 

 遡ったとしても、開設したばかりの口座にお金なんてないだろうと思うかもしれないがこちらもハッキングがてら、塩漬けされている複数の口座から数千円ずつをそれっぽい理由で引き出した後、色々と迂回して振り込んだのだ。

 その結果、手元にある口座には100万円ほどの預金がある状態なのだが、どんなに精査しても一切問題のない口座に作り上げたのでかなりのハッキングスキルで割り出さないと問題にできないと思う。

 まぁ、これを異星人が観測していれば話は変わってくるが今の所、そう言った気配がないので発覚した際にでも対処すれば良い。

 

 そんな訳で、ティナ(ティガ)カミラ(カミーラ)とは一旦別れて俺は競馬場へと足を運んだ。

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